①《両岸「安定」の背後で中国人民解放軍・台湾の総統府など模した施設造営》(都市市街戦)軍事訓練の目標に
2015.8.12 11:00更新 http://www.sankei.com/premium/news/150808/prm1508080036-n1.html
中国の人民解放軍が2015年7月、台湾の総統府やその周辺を“再現”した建物を使用して演習を行っていたことが判明し、台湾内部に波紋が広がった。最も中国は武力による台湾統一の可能性を放棄しておらず、特殊部隊による台湾の主要部制圧の選択肢は以前から指摘されていた。今回の演習はその一端を示したに過ぎない。中国軍は総統府にとどまらず、空軍基地など台湾の重要施設を再現し、着々と侵攻準備を進めている。(台北 田中靖人)
今回、問題となったのは北部、内モンゴル自治区の「朱日和戦術訓練基地」。台湾メディアによると、総統府だけでなく、総統府前広場や目の前の大通り、近くにある外交部(外務省に相当)の建物など、周辺1ブロックほどの区画が再現されていることが、グーグルマップで確認できる。
実際の総統府周辺には中央行政機構が集中しており、上空の飛行が禁止されるなど「博愛警備管制区(博愛特区)」と呼ばれる軍事管制区域に指定。対テロ任務も持つ憲兵隊が警備を担当している。博愛特区は、台湾海峡に流れ込む淡水河に近い。台湾の国防部(国防省)は、淡水河の河口を想定した上陸作戦は、中国軍の年度訓練の科目の一つになっていると説明している。また、台北市北部には、中台直行便が離着陸する松山空港もある。特殊部隊による総統府周辺への侵攻は、台湾の国防部にとっても恐らく「想定内」の事態だろう。
一方、演習が行われた北京軍区の朱日和の演習場は、7大軍区ごとにある師団規模の実動演習が可能な合同戦術訓練基地の一つ。面積1000平方キロ以上で「アジア最大の軍事訓練基地」(蘋果日報)とされる。山地・平地から、小さな村や住宅街、鉄道の駅、パリのエッフェル塔に似た鉄塔までさまざまな建築物があり、都市戦を含む各種演習に用いられているという。
朱日和以外にも、台湾の基地などを模倣した施設の存在は知られている。中国北西部・甘粛省の鼎新県には、台湾中部・台中市にある台湾最大の空軍基地、清泉崗空軍基地とほぼ同じ形の施設があることが1990年代から知られている。衛星写真で直径20メートルの複数の穴が確認されており、精密誘導兵器による滑走路の破壊訓練が行われているとみられている。中国軍が滑走路の破壊能力を高めることは、有事に使用可能な滑走路が少ない日本の南西方面の防衛にとっても大きな脅威になり得る。
このほか、中国軍は、台湾空軍が先制攻撃から戦闘機を守るため、中央山脈の岩盤をくり抜いて200機以上の格納スペースを作った東部・花蓮県の佳山空軍基地に似た施設や、戦時に総統が陸海空軍を指揮するための台北市北部の地下司令部、衝山指揮所に似た施設などを福建省に建設。中国東南部の沿岸地域では毎年、台湾を想定した水陸両用部隊による上陸演習を行っているとされる。
自国軍を「軍事脅威」として意識させない戦略
朱日和での演習が台湾で問題になった2015年7月22日、中国国防部の新聞事務局は、台湾メディアに対し、「毎年定例の軍事演習であり、いかなる特定の目標に対するものでもない」と回答した。しかし、演習施設の存在を見るだけでも、こうした弁明が「白々しい嘘」(自由時報)であることは明らかだろう。
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2008年の馬英九政権成立以降、中台関係は安定し、軍事的な緊張は大きく低下した。中国軍の近代化の目標は今や、台湾の武力統一ではなく、南シナ海や西太平洋で米軍に対抗することだとも指摘される。だが、国共内戦は正式には終了しておらず、中国軍は、台湾にとり「最大の軍事的脅威」(国防白書)であり続けている。台湾は質・量ともに急速に拡大する中国軍にどう対峙しているのか。日本の安全保障上、参考にすべき点はないのか。そんな視点で、中国や台湾の軍事情勢を台北から伝える。
②《抗日パレードで誇示した精鋭・ミサイル部隊「第2砲兵」》・台湾が注視するその実力とは?
2015.9.11 07:00更新 http://www.sankei.com/premium/news/150911/prm1509110002-n1.html
2015年9月3日に北京で行われた「抗日戦争勝利記念」の軍事パレードでは、中国の最新兵器が天安門広場を行進した。中でも戦略ミサイル部隊「第2砲兵」は、初公開の東風(DF)21Dなど7種類の新型弾道・巡航ミサイルを登場させ、近代化の成果を誇示した。第2砲兵は、米露など核保有国を対象とした核抑止だけでなく、通常弾頭による基地攻撃などさまざまな任務を担う。特に、多数のミサイルが向けられた台湾にとりは深刻な脅威となっている。(台北 田中靖人)
台湾方面に集中配備
第2砲兵は1966年7月、国務院総理(首相)だった周恩来が命名し成立。1987年には陸海空軍と同格の第4の軍種に昇格した。人民解放軍の最高意思決定機関である中央軍事委員会の直属部隊だ。
弾道ミサイルだけでなく、陸上発射の巡航ミサイルも運用する。パレードで登場したDF10Aは、以前は長剣(CJ)10と呼ばれていた巡航ミサイルだ。第2砲兵は、核兵器による抑止(中国は核の「先制不使用」をうたっている)だけでなく、通常弾頭による攻撃任務も持っていることが、他国の戦略部隊と大きく異なる。特に台湾侵攻の際には、一斉射撃により「ドアを蹴り破る」(米ランド研究所)役割を担う。
国防部(国防省に相当)は8月31日、中国の軍事力に関する年次報告書(非公開)を立法院(国会)に送付。産経新聞が入手した報告書によると、第2砲兵の総兵力は約15万人で、配備済みの弾道・巡航ミサイルは約1700発。うち約1500発が台湾方面に配備されている。与党、中国国民党の立法委員(国会議員)によると、過去4年間は「14万人、1600発」で推移しており、旧式のミサイルから新型ミサイルへの更新が終わり、さらに拡大傾向に入った可能性があるという。
米国全土が射程
国防部が公開している2002年の研究論文によると、中国は射程1000キロ以上を「戦略ミサイル部隊」、1000キロ以下を「戦術ミサイル部隊」とし、任務を明確に分けているという。戦略部隊は核弾頭搭載型による核抑止が主な任務で、ミサイルの数も相対的に少ない。
今回のパレードでは登場しなかったが、最近の報道で注目されるDF41は、米国全土を射程に収める固体燃料、車両移動式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)。発射までの時間が短い上、多弾頭化で米国のミサイル防衛(MD)網を突破する可能性があり、「開発を継続中」(台湾・国防部報告書)とされる。
パレードで登場したDF31AとDF5Bはいずれも米国が標的の核ミサイル。DF31Aは固体燃料の車両移動式で、米国本土の大半を射程に収める。一方、DF5Bは旧式の液体燃料式だが米国本土全域を射程に収め、中国国営中央テレビ(CCTV)は「多弾頭個別誘導式(MIRV)」だと紹介した。
パレードでは、米国防総省が毎年公表している中国の軍事力に関する報告書で、外国メディアなどの情報として間接的にしか記述されていかなったDF26も初公開された。軍事情報会社ジェーンズなどによると、DF26は射程3000~4000キロで、中距離弾道ミサイル(IRBM)に分類される。西太平洋における米軍の拠点グアムを射程に収め、「グアムキラー」とも呼ばれる。核弾頭と通常弾頭の両用だと紹介された。
通常型ミサイルの脅威
使用に政治的な「敷居」が高い戦略核ミサイルと比べ、通常弾頭のミサイルは多用途で“使い勝手”が良く、脅威として見過ごせない。中国は、1990年代中頃から急速に通常型のミサイル戦力を拡充しており、今や米軍が警戒する「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略の中核を担っていると言っても過言ではない。
特に、初公開のDF21Dは「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイルで、射程約1500キロ。西太平洋上の米空母を攻撃できるとされる。2010年の台湾の国防白書で「すでに初歩的な空母攻撃戦力を備えている」と記されていたが、中国が今回、一度に12発を公開しことで、米海軍が中国沿岸への接近に、より慎重になる可能性がある。
また、同じく初公開のDF16は射程800~1000キロ。台湾向けのDF11、DF15の後継だが、台湾だけでなく沖縄も射程に収めるため、香港メディアは「沖縄エクスプレス(快速便)」と呼んでいる。米国防総省の15年版年次報告では「通常型のミサイル戦力」に分類され、沖縄の米軍や自衛隊の基地に対する攻撃に使用されるとみられる。パレードではDF15Bと並び、精密攻撃に使用すると紹介された。
馬政権の反応鈍く
今回のパレードと台湾の報告書からは、第2砲兵が質、量ともに増強されていることが明らかになった。台湾向けのミサイルだけでなく、米国に対する抑止力や接近阻止・領域拒否能力を誇示することで、台湾有事での米軍の介入を躊躇させる狙いもある。
2000年の就任以来、中国優先政策をとってきた馬英九政権だが、中国側は着々と台湾侵攻能力の増強を図ってきた格好で、1日付の自由時報は「馬政府の開放政策の結果、脅威は減らずに増えた」と揶揄(やゆ)。習近平国家主席が掲げる「両岸(中台)は一つの家族」というスローガンにも、野党、民主進歩党の頼清徳台南市長は「ならば、なぜミサイルの照準を当てるのか」と批判している。パレードで公開された最新兵器について、馬政権は3日、何のコメントも出さなかった。
③《あなどれない通常型ミサイル》台湾・沖縄射程に計1500発・弾頭も多種多様でその威力は…
2015.10.11 16:00更新 http://www.sankei.com/premium/news/151008/prm1510080006-n1.html
2015年9月3日に北京で行われた軍事パレードで、その威容を誇った人民解放軍の戦略ミサイル部隊「第2砲兵」。核弾頭と通常弾頭の双方を配備する特異な部隊編成については前回の本欄でも触れた。通常弾頭型の弾道ミサイルの威力は、核ミサイルに比べ軽視されがちだ。だが、台湾などの研究は、質・量ともに近代化されたミサイル部隊がさまざまな機能を持つ通常弾頭を運用し、戦略的に重要な役割を果たすことを示している。(台北 田中靖人)
現実的な脅威
安全保障に関する日本の研究は、米国の公開資料に頼ることが多い。米国の関心は当然ながら、中国でも北朝鮮でも、米国に届くミサイルに偏りがちだ。ただ、こうした長距離弾道ミサイルには核弾頭を搭載するのが“常識”。通常弾頭型のミサイルの分析は、空母を標的とする対艦弾道ミサイル、東風(DF)21Dなど米軍への直接の脅威となるものはよく見かけるが、それ以外はやや専門的になる。
だが、台湾向けには約1500発もの通常型の弾道・巡航ミサイルが集中配備されており、むしろこちらの方が現実的な脅威の度合いが高い。沖縄などが射程に入る日本にとっても同様だろう。
部隊の全容は…
第2砲兵の部隊編成で、最も大きなものは「基地」と呼ばれる。台湾の国防部(国防省に相当)が公開している複数の研究論文によると、実際にミサイルの発射を担当する部隊6個(51~56基地)が中国各地に分散配置されているほか、訓練や装備の管理などを担う部隊2個(22、28基地)の存在が確認されている。基地の下には、「基本作戦単位」である「旅(旅団)」がそれぞれ2~7個あり、合計で二十数個のミサイル旅団がある。運用するミサイルは旅団ごとに決まっており、それによって戦略、戦術の任務が分かれている。
国防部の「中共軍力報告書」は、二十数個のミサイル旅団のうち、山東、浙江、江西、福建、広東、広西の各省に配置されている12個旅団を台湾向けと分析。うち山東省などの3個旅団の射程に、沖縄、九州、西日本がそれぞれ含まれている。
主に通常弾頭を扱う戦術ミサイル旅団では通常、1個旅団の下に4~6個の発射営(大隊)、1個営に2、3個の発射連(中隊)、1個連に2個の発射排(小隊)があり、1個排に発射機1台と支援車両が配備されているという。単純計算で1個旅団に最大36台の発射機があることになる。
発射機は車両移動型(TEL)で、各旅団には複数の発射陣地がある。発射陣地は中国全土で最大110カ所(核ミサイル含む)とされ、事前にどの陣地から発射されるかを予測することは難しい。部隊は駐屯地から鉄道や高速道路を利用して発射陣地に移動後、目標の座標入力などを経て最長でも40分以内に発射態勢が整うという。ミサイルは江西、福建両省から発射された場合、7~10分で台湾に着弾する。部隊は状況に応じて発射後、直ちに別の陣地に移動するため、反撃の機会は少ない。
米ランド研究所が9月に発表した報告書によると、第2砲兵の短距離ミサイル部隊は、発射機1台につき最大5発のミサイルを配備しており、波状攻撃を行える態勢になっている。
多種多様な弾頭
2011年末の台湾空軍の学術論文によると、第2砲兵の通常弾頭型ミサイル部隊は、敵の指揮所や部隊集結地点、空軍基地、ミサイル発射基地、空母艦隊、交通の要衝などの軍事目標だけでなく、政治・経済上の目標を攻撃する任務を負う。
台湾向けの場合、短距離弾道ミサイルDF11とDF15が中心となる。ミサイルの命中精度を表す半数必中界(CEP)は、DF11で30~50メートル、DF15で200メートル以下に改良が進んでいるという。ただ、旧式の場合、CEPは最大で600メートルといい、改良型への更新がどの程度、進んでいるかは分からない。一方、山東省から西日本を射程に入れる準中距離弾道ミサイルDF21の通常弾頭型DF21Cは、CEP50メートル以下とみられる。
通常型弾頭では、半径40メートル以内の施設を全壊させる高性能爆薬(HE)弾頭に加え、子弾をまき散らすクラスター弾頭▽滑走路や抗堪化された施設を攻撃するための貫通弾頭▽半径500メートルを焼き尽くす燃料気化弾頭▽炭素繊維をまき散らし送電網をショートさせる炭素繊維弾頭▽電磁パルスで半径75キロ以内の電子機器を1時間にわたって使用不能にする弾頭-などが目的別に使用されるという。このほか、戦術核弾頭も運用し、台湾空軍の論文は出力を90キロトンとしている。
戦略的な役割
第2砲兵は、単独で作戦を行う訳ではない。米ランド研究所の09年の報告書は、中国は60~200発のクラスター弾頭搭載ミサイルの一斉攻撃で、台湾のほぼ全ての空軍基地の滑走路を瞬時に使用不能にできると計算。これにより台湾空軍は防空作戦を行えず、続いて侵攻してくる中国空軍機の精密誘導爆弾による攻撃で、空軍基地の格納庫やその他の軍事・産業上の重要施設が破壊されると推定している。
同研究所は今年9月の報告書でも、在沖縄の米軍嘉手納基地は36発の弾道ミサイル攻撃で、開戦初頭の重要な時期に4日間にわたって戦闘機の離発着ができなくなると推計している。
中国では「戦術」部隊に分類される通常弾頭型の弾道ミサイルだが、台湾有事では、死命を決する「戦略」的な役割を担っていると言える。
④《中国の航空戦力は量・質ともに台湾空軍を圧倒》緒戦で壊滅の恐れも…
有事の代替滑走路確保は、台湾空軍にとって死活問題
台湾南部・嘉義県の高速道路など高速道路を戦闘機の滑走路として使用できる。
2015.12.1 08:09更新 http://www.sankei.com/premium/news/151120/prm1511200006-n1.html
2015年11月7日にシンガポールで行われた分断後初の中台首脳会談で、台湾の馬英九総統は、総統府を模した建物のある演習場「朱日和戦術訓練基地」や台湾向けに集中配備された弾道ミサイルを取り上げ、緊張緩和措置を求めた。本欄でも取り上げたこの2点は、今年の報道で耳目を集めたものだが、中国が台湾方面に前進配備しているのは、ミサイル部隊だけではない。多数の航空部隊が台湾海峡沿いに配置され、台湾に脅威をもたらしている。(台北 田中靖人)
中国の人民解放軍は空軍と海軍の双方が作戦機を保有しており、台湾方面の航空戦力の全体像を公開資料から把握するのは極めて難しい。米国防総省の今年の年次報告書の別表は、中国の海空軍が「台湾を範囲」に納める位置に配備している作戦機数を、戦闘機130機、爆撃機および攻撃機200機、輸送機150機、特殊任務機75機としている。本文中には「無給油での範囲内」とあるので、無給油での作戦行動半径を指すとみられる。これらの航空機が、台湾を直接担当する南京軍区だけのものなのか、隣接する広州軍区を含むのかは分からない。
一方、台湾空軍の2011年の研究論文によると、中国の空軍は台湾から約1000キロの範囲内に作戦機700機を配備。うち450キロ以内にあるのは150機で、最前線よりも少し下げた「前軽後重」配備の原則を取っているという。
今年の国防部(国防省に相当)の「中共軍力報告書」は、中国空軍の「主要な脅威をもたらす域内の飛行場」として浙江、福建、広東3省の11カ所の空軍基地を挙げている。広東省は広州軍区の管轄なので、台湾は脅威の対象を南京軍区に絞っていないことが分かる。
米ランド研究所が今年9月に発表した報告書は、戦闘機が無給油で行動できる範囲を台湾から800キロとし、中国の海空軍が約40カ所の基地から作戦を行えるとしている。中国側はこれらの基地に他軍区からの増強部隊を含め戦闘機で35個、爆撃機で5個の飛行旅団を配備でき、最大で800機を台湾侵攻作戦に投入できると推計。防空作戦に回す航空機を引くと、潜在的には600機程度が攻勢作戦に参加できるとしている。
これらの作戦の主力は戦闘機では殲10やスホイ27(殲11)、スホイ30(殲16)といった第4世代戦闘機が中心となり、攻撃・爆撃機では殲轟7、強5、轟6が担う。これらの作戦機は最も近い空軍基地から、15~30分で台湾の空域に到達する。中国空軍は戦闘機の近代化を進めており、ランドは年間70機のペースで第4世代の戦闘機が増えていると分析している。
これに対する台湾空軍は、台湾海峡に浮かぶ澎湖諸島の馬公を含め11カ所の空軍基地に、戦闘機が配備されている。今年の国防報告書はその数を約370機としている。ただし、米国防情報局(DIA)の2010年の報告書「台湾の防空の現状評価」によると、その陣容は心細いものだ。主力はF16A/Bが146機だが、自主開発の経国126機は、「限られた作戦行動半径とペイロード(積載量)により空対空能力に制限がある」。56機のミラージュ2000は、「部品の不足などにより作戦能力は実数よりも大幅に少ない」。60機のF5は訓練用で「実際に運用できる数はさらに少ない」と酷評されている。
台湾は19年までに退役するF5に代わる戦闘機として、米国にF16C/D66機の売却を求めていた。だが、米国はこれに応じず11年9月、F16A/Bの近代改修に同意。今年10月には、改修済みの1号機が試験飛行している様子が報道された。レーダーなどが改修されるF16VはF16C/Dの性能を上回るともされるが、改修で絶対数の不足が補われる訳ではない。
さらに、緒戦の弾道ミサイル攻撃とそれに続く巡航ミサイル攻撃、爆撃機・攻撃機の精密誘導爆撃で、台湾の空軍基地は大部分の滑走路と関連施設が破壊される可能性が高く、岩山をくり抜いた地下格納庫がある東部・花蓮県の佳山空軍基地以外は、壊滅する恐れもある。国防部は抗堪性の高い掩体で戦闘機を守る「1機1庫」政策を進めているが、10月25日付の自由時報は、予算不足で進展していないとして、監察院が是正を求めたと報じている。
《維新嵐こう思う》
我が国政府が無償ODAや遺棄化学兵器処理と称して、多大な財政援助をしてきたツケともいえるでしょう。歴史上、先人たちが最も懸念してきた海を隔てた隣国に強大な統一軍事国家を誕生させてしまいました。
そして経済援助を中心とした政府の中心にいる方たちが日中は「戦略的互恵関係」と称して、主義主張の異なる共産中国にさらなる援助を与えることで、日中の経済的、軍事的な「格差」はさらに拡大し、かえって領土問題をはじめとした安全保障上の危機に直面しているとはいえないでしょうか?
我が国が、経済援助を継続することで、共産中国は自国の国内開発や周辺国、関係国への経済支援への負担が減り、軍事費につぎ込める予算が増やされているとしたら、こういう事態をはたして「日中友好」といえるのでしょうか?
見返りかどうか知りませんが、対中利権の恩恵に預かる政治家や財界が、結果的に、ある意味確信犯的に自国の、我が国の国益を損ねてきたとはいえないでしょうか?
「隣国に軍事強国を作らせない」ということは、安全保障上必須命題といって過言ではないでしょう。
田中角栄政権以来の「日中友好」関係が、今日我が国をどういう状況に追い込んでいるのか?
今の政権体制に問題はないか?
一党独裁ではなく「国民主権」の国だからこそ、草莽の庶民たちが、しっかりとした政治リテラシー、軍事リテラシーを身に着けて政治を考えて、構築していく必要があります。
「国の主」は天皇陛下です。我が国は、政治に直接関わらない皇祖神をお祀りする天皇と国民との信頼関係に立脚した国家ですから、独裁政権は生まれません。
「男系男子」皇位継承という考え方は、我が国の歴史上誤った考えであり、皇室と日本の滅亡を招く危険な思想であることを自覚すべきです。母系社会である我が国は、早急に皇室典範を部分的に改正して、敬宮愛子さまが立太子できる道筋、愛子さまの直系で皇位継承できる道筋を法的に確立し、大陸からの「男尊女卑」の大国からの侵略に対抗しなければならないのです。
大陸の利権ばかり目をとらわれている政治家や財界人は、庶民のためには大きな痛みを覚悟して、独自の技術を担保する中小の企業家やベンチャー企業家のために道を用意すべきでしょう。
共産中国は、軍事国家であり、海洋国家のテリトリーを土足で踏み荒らして自らの覇権主義を実現しようとする、自分さえよければいいという事なかれ国家です。
強固な国家戦略の下で、一部の利権主義者に身を切ってもらい、庶民のリテラシー、国家観念を高めて、本当の意味での独立国家を作っていきましょう。「草莽崛起」が求められているのは今の時代です。
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