2020年10月17日土曜日

南西諸島の防衛の実態。

 与那国島

陸上自衛隊 沿岸監視部隊約150名

石垣島

陸上自衛隊 警備・地対艦ミサイル部隊約500~600名

宮古島

陸上自衛隊 警備・地対艦ミサイル部隊約700~800名

沖縄本島

海上自衛隊 潜水艦増強 P-1哨戒機を配備

航空自衛隊 1個飛行隊 → 2個飛行隊へ増強

奄美大島

警備・地対艦ミサイル部隊約550名

 国防の南の最前線である与那国島に沿岸監視隊をおくことにより、侵略軍の動きを早期確認する狙いがあるのであろう。

 地対艦ミサイル部隊配備は、アメリカのグレートバリア戦略に沿った戦略配置であると考えられるが石垣、宮古、奄美と配備されたのなら、沖縄本島にもできれば奄美の半数は配備して地対艦ミサイルの切れ目をなくした方が、侵攻軍の航行をより阻害することになるのではないだろうか?

 南西諸島は広大なエリアに島嶼が切れ目なく配置しているのでこの広大なエリアを防衛するのは、艦艇だけでは足りない。地対艦誘導ミサイルと攻撃型潜水艦の運用が欠かせない。

 尖閣諸島は国有化されているが、これが逆に共産中国の地雷をふんだようである。彼らは漁船と漁業監視船として大船団を送り込んでくるおかげで、尖閣諸島周辺近海は「中国の海」状態で占拠されているようなものである。

 漁船員は元人民解放軍兵士なのだろうが、退役して民間人だとしたら、自衛隊は防衛出動ができない。漁業監視船も中国海警の船だとしたら、正規軍はでられない。この周辺海域は日中の海洋法規の戦いとなっている様相である。仮に自衛隊を出動させると向こうは人民解放軍の精鋭部隊である陸戦隊を送り込んでくる口実を与えてしまうから、軽挙妄動は慎まなければならない。

 南西諸島防衛は沖縄本島、石垣、宮古を中心に戦力をおいて、実動戦力として海上保安庁の巡視船による監視行動を強化するという「海上警察力」の戦いが主戦となっているように感じる。法律戦である。


南西諸島防衛の現状・動画でみる

指揮権と補給の問題




2020年10月12日月曜日

THE COCKPIT  ~第二次世界大戦の記憶~

 第二次世界大戦は人種偏見、大量殺戮、核兵器など人類にとって迷惑なだけの多くの負の遺産ばかり残してきました。

 戦後に旧植民地の多くが民族自決の精神に目覚めて、欧米の宗主国から独立を果たし、人種偏見が解決に向かい、戦略爆撃論に裏打ちされた大量殺戮はその意味付けを喪失し、象徴たる原子爆弾そのものの維持コストや高レベル放射性物質の被害への恐怖から、核兵器本来の使用が変質し、電磁パルス攻撃という新たな核兵器の運用により、大量殺戮ではない新たな兵器としての価値を見だしつつあります。

 時代は進化し、戦略は変化し、戦争の在り方も変化していきます。

いつまでも核兵器が地上の最恐兵器ではありません。現在世界の国々の首脳クラスで核兵器を積極的に国際紛争解決に使用しようという国はなく、核兵器は今後は電磁パルス兵器や宇宙開発への使用にシフトしていくのではないでしょうか?

 核兵器の持つ巨大かつ非人道的な破壊力は昭和20年の広島と長崎への原爆の投下により、悲しいくらい実証され、人類の大きなトラウマになったことも間違いないのではないでしょうか?

 政治的なイデオロギー、国家の利益抜きで我々は世界平和を語ることなどできません。なぜなら人類はそれぞれが固有の言語、文化を持つ民族に分かれ、国家という共同体にわかれて世界は成り立っているからです。そして国家こそが世界を構成する単位であるからであり、国家を運営するために政治があるからです。

松本零士氏(故人)の作品には独特の深みが感じられます。戦争に対しても単純に「反戦」ということではなく、肯定する中で理不尽さを認めていません。だからこそ視聴者の側で作品の意味付けを考えてしまうのでしょう。


動画

音速雷撃隊 

※つくづく思うのですが、当時にアクティブホーミングの空対空ミサイルが開発されていれば、人間が戦闘機を操縦して体当たり攻撃をしなくてもすんだのに。
 そう思ってもどうしようもないことですが、ただいえることは第二次大戦後に戦争の在り方も大きく変化しています。サイバー攻撃やプロパガンダによる情報戦、ハイブリッド戦争と人が直接死なない戦争は進化しました。今後ロボットが戦場に投入され、AIにより戦場で自律的に運用されるように進化していくのでしょう。
 その時に「特攻」による戦争の在り方はどうとらえられていくのでしょうね。
成層圏気流 
鉄の竜騎兵 


特攻とは関係ないように思えますが、当時の日本人の子供たちを守るために兵隊さんは戦地で戦ったわけです。その子供たちがアメリカの潜水艦の攻撃で大勢亡くなりました・・。戦争は子供でさえ容赦のないものだということを後世に伝えるべきです。

ミャンマーでもウクライナでも21世紀になってもまだ子供たちが亡くなる戦争の悲劇は止まっていません。人類はいつになったら次世代を担う子供たちが理不尽な目に合わないような世の中を実現できるんでしょうか?

【鎮魂、8月22日沈没】ドキュメンタリーアニメ『対馬丸ーさようなら沖縄ー』 (1982) 






 管理人は戦中は日本軍の本土防衛の最前線に立たされ、戦後は頼みもしないアメリカによる軍政統治を受け入れ、女性や子供への暴行という米兵の傍若無人さに耐えながら本土復帰をはたした沖縄の人たちに大きな敬意をもっています。

本来ならば「ノーベル平和賞」を沖縄県がいただいてもいいくらいであると思います。

現在は、共産中国の尖閣諸島への侵攻や政治的な不手際である沖縄米軍基地問題という課題を抱えて苦しんでいるようにもみえます。

対馬丸は児童疎開船として本土へ沖縄の子供たちを連れて航行する途中で、米海軍バイフィン号潜水艦の放った魚雷で子供たちもろとも海の底に消えました。戦争に名を借りた理不尽な虐殺の起こらない時代にしていくために、人類は今後たゆまぬ進化を続けることになるのでしょう。

ちなみに児童疎開船対馬丸を沈めてくれた潜水艦バウフィン号は現在、ハワイ・オアフ島のアリゾナメモリアル隣の記念館に展示されています。潜水艦内部と展示館を有料で見学できます。日本人にとっては複雑な心境の場所ですね。


2020年10月11日日曜日

呉鎮守府101特別陸戦隊 ~B29の出撃拠点マリアナ諸島を攻撃せよ!~

 大日本帝国を壊滅させた爆撃機

 1944年6月に日本の敗戦を決定づける爆撃機が本土上空に飛来する。「超空の要塞」の異名をとるアメリカ陸軍の新型爆撃機B29である。最大航続距離約9700km、最大約9tの爆弾搭載量を持ち、当時の迎撃戦闘機では迎撃困難な高度(10000m)を飛行可能な爆撃機である。

 B29の完成により、アメリカ軍は日本本土の直接攻撃が可能になったが、中国大陸からの基地から攻撃していた当初は、爆撃の被害は九州の一部に留まっていた。しかし1944年9月に占領が完了したマリアナ諸島へ爆撃部隊が展開すると、本土の主要都市のほぼ全てが爆撃の射程レンジ内に収まることになった。

 日本軍も新型の防空を目的とした局地戦闘機や高射砲での迎撃を行うが、高高度から無限に出現するB29爆撃隊に対しては効果は薄かった。その結果、国民の生命・財産は奪われインフラ施設は焼失し、我が国の生産力は着実に喪失していった。

 そうした状況の中でB29爆撃機を打撃する秘密作戦が実行されつつあった事実はあまり知られてはいない。作戦目標は、爆撃隊ではなく、爆撃機の出撃基地であるマリアナ諸島そのものである。そして作戦の主力とされていたのが、海軍特殊工作部隊「呉鎮守府第101特別陸戦隊」であった。

海軍の陸上用部隊

 陸戦隊とは、海軍内に設けられた陸上での戦闘を想定した歩兵部隊である。創始は明治の海軍創設時まで遡る。既に陸戦部隊は創設されていたのだが、陸軍の規模の拡大に伴い、1876年に一旦廃止されていた。しかし上陸戦や海岸沿いの地域などで陸上兵力が必要となるたびに随時編成されていた。日中戦争当時は「上海海軍特別陸戦隊」が組織され、中国大陸沿岸部や海南島で戦った。

 海軍陸戦隊は、状況に応じて艦船乗員や非番の兵員を招集して編成される臨時部隊でしかなく、アメリカ海兵隊のような常備兵力ではない。日米開戦前年に上陸戦用の常備戦力整備を求める意見が出されたといわれるが、結論的には、艦隊決戦用の艦船拡充が優先されたといわれている。

 呉鎮守府第101陸戦隊は、こうした中でも異様な部隊であり、体格のいい海兵が集められ、隊員の外見や訓練内容がアメリカナイズされていたのである。

 隊員は必ず英語や英会話の授業を受講しなければならず、服装も米軍の軍服に酷似していた。頭髪も当時禁止されていた長髪も許可されていた。この規格外の意味は、隊員が米軍陣地での活動を目的としていたことによる。

 隊長の山田大二少佐の名前から「山岡部隊」とも呼ばれたこの部隊は、潜水艦などで敵地へ進入し、日系人に偽装して各地へ潜伏し、遊撃戦(ゲリラ戦)によって米軍を疲弊させることになっていた。遊撃戦術を身に着けるために、戦闘訓練は夜間の山岳地帯で実施されたといわれる。しかし既に戦局は劣勢となり、進入作戦に使用できる潜水艦はほとんどなく、制海権も米軍にとられていた。米本土への進入も計画されたといわれるが、結局実行されることはなかった。そうした折に101陸戦隊にB29の壊滅を目指す機密作戦への参加が命じられることになる。

マリアナ諸島への特攻作戦

 半年以上の本土防空戦によって軍部は防空戦でのB29の撃退は不可能であると判断する。そして決死の反撃作戦を1945年春に承認する。それはB29の出撃基地であるマリアナ諸島を攻撃して、B29の出撃を阻止しようという作戦であった。

 ところが当時の日本軍には、日本本土とマリアナ諸島の間を往復できる航空機はなかった。往復できたとしても護衛機をつけられないので爆撃による基地の無力化は不可能とされていた。そこで作戦ソリューションとしての案が、航空機で夜間にマリアナ諸島へ強行着陸を行い、工作部隊の破壊活動にて基地能力を無力化する、という作戦だった。

 この作戦は「剣作戦」と名付けられた。工作部隊は101陸戦隊が選ばれた。しかしいかに夜間とはいえ、かなりの迎撃が予想される作戦である。仮に工作部隊を送り込めたとしても回収できる可能性は極めて低い。作戦終了後は玉砕するしかないだろう。

 一応は通常作戦となっていたが、「剣作戦」の実態は特攻作戦であった。

未遂に終わったマリアナ諸島攻撃

 「剣作戦」の実行は1945年7月末を予定されていた。101陸戦隊は、青森県三沢基地への移動を命じれらた。作戦決行日には30機の一式陸上攻撃機に分乗して出撃することになっていた。ところが7月14日に三沢基地が米機動部隊の空襲をうけてしまい、作戦用の機体を多数破壊されてしまった。そのため機体の不足で作戦は延期を余儀なくされ、決行日は8月20日前後とされた。

 作戦延期に伴い、海軍は機体をかき集めると同時に投射兵力を拡充する。陸軍の空挺部隊約300名、「銀河」爆撃機約70機で編成された。支援用爆撃隊の参加も決定した。

 さらに1945年8月6日9日の原子爆弾投下を考慮して、米軍の核貯蔵施設の捜索と破壊も任務に加えられた。既にマリアナ諸島周辺の状況は捕虜からのヒアリング調査により把握されていた。懸念された基地への再空襲もなく、後は作戦決行を待つだけであった。

 1945年8月15日に日本政府がポツダム宣言を受諾し、終戦の大詔が下った。これにより101陸戦隊がマリアナ諸島で実戦を戦うことはなくなった。その後部隊は解散となったわけである。

一式陸上攻撃機

銀河爆撃機

上海海軍特別陸戦隊の戦闘記録


一式陸上攻撃機のある風景 / Scenery with G4M「Betty」 https://www.youtube.com/watch?v=1peV2Yqazrg

2020年10月8日木曜日

モサド ~世界最強といわれる諜報機関~

 イスラエル総理府諜報特務局(通称モサド)

「モサドこそが最強の諜報機関だ。」

「モサドほど極悪非道な工作を仕掛ける組織はない。」

 世間の評価は辛辣、正直ともいえる。

最強諜報機関モサドの成立

  個々の諜報部員の工作スキルにおいて秀でた存在である。モサドの諜報員たちは、他国の諜報部員を凌ぐ「鉄の意思」と「国家への無条件の忠誠」を持ち合わせているからである。

  1917年にイギリス政府がパレスチナでのユダヤ人国家建設に賛成を示した意見書である「バルフォア宣言」を受けて、ユダヤ人たちはパレスチナの地に集まり、定住を始めた。

 しかしイギリス政府は一方で、オスマントルコの支配下にあったアラブ人の独立を支援する約束を結んでいた。

 このイギリスのダブルスタンダードが、現在のパレスチナ問題の一因であるのだが、このようにしてユダヤ人とアラブ人の長期にわたる対立が始まることとなった。

 ユダヤ人たちは、事あるごとにアラブ人やパレスチナ人から襲撃をうけた。そこでユダヤ人共同体である「イシュヴ」のリーダーたちは、秘密組織を結成し、自衛のための手段とすることを決定した。秘密組織のメンバーたちは、アラブ人、パレスチナ人の穏健派を探し出し、金を渡して襲撃の予定をはじめとする様々な情報を聞き出すことに成功した。

 さらにユダヤ人たちは「ハガナ」という義勇軍を結成し、武力による自衛も開始する。秘密組織イシュヴと義勇軍ハガナこそが、後世に最強と恐れられた「モサド」の原型である。

 やがて義勇軍ハガナ内部に「情報部」が誕生する。イシュヴとハガナは凄まじい諜報戦に暗躍したが、そのターゲットには、アラブやパレスチナだけではなく、イギリスも含まれていた。


最強諜報機関モサドの発展期

 1948514日にイギリスのパレスチナ委任統治が終了する。ユダヤ人たちは、「パレスチナ分割決議」(パレスチナをおよそ半分に分割し、半分をユダヤ人が、あとの半分をアラブ人が統治し、両者にとって聖地であるエルサレムは国際管理とする)を根拠にしてユダヤ人の国家であるイスラエルを建国した。

 義勇軍ハガナは、イスラエル国防軍となり、アマン(国防軍作戦部情報課)、シンベット(国防省保安局)、外務省政治局という3つの情報機関が創設された。

 このうち外務省政治局の諜報活動の評判は芳しくなく、強固な中央集権的諜報機関の創設が叫ばれるようになり、1949年にモサドがこれに代わる形で発足した。

 やがてモサドはイスラエルを代表する諜報機関に成長する。現在のイスラエルには複数の諜報機関が存在しており、各機関はインテリジェンスコミュニティーと呼ばれる定例会議で交流を図っており、議長はモサド長官が務める。

  モサドを世界に冠たる諜報集団へと整備したのが、「伝説のスパイマスター」と呼ばれたイッサー・ハレル氏だった。1953年に2代目モサド長官に就任したハレル氏は、身長150㎝足らず、何も聞き逃さない大きな耳が特徴であり、長官就任の最初の挨拶は「仲間以外と口を聞くな!」だった。ハレル氏は短気な反面、部下思いであり、アラブ諸国での工作活動に対しても自ら最前線に赴くことを好んだといわれる。ハレル氏は、モサドの協力者に仕立てる者を一人一人面接し、アラブ諸国、欧州、アフリカに巨大なモサドネットワークを築いた。

 ハレル氏の功績において無視できないことは、CIAとの連携に成功したことである。ハレル氏は1954年に渡米し、「CIA中興の祖」とされるアレン・ダラス氏と密談する。

 「CIA・モサド」のホットラインを作ることに成功した。モサドはこの連携によって、最新の盗聴部、探知機、カメラを入手した。


モサド関連動画


北芝健氏「モサド」
池上彰「モサド」

モサドの組織構成

  イスラエルは、周囲を敵に囲まれている。そのためモサドの諜報活動の成否は国家の存亡に直結する死活的な問題であった。その活動は主にアラブ諸国の監視、反イスラエルを標榜するテロ組織の監視及び主要メンバーの暗殺、国外に居住するユダヤ人を秘密裏にイスラエルに帰国させることであった。

 モサドが抱える諜報員の数は2000人程度(2008年当時)と推定されているが、黎明期のモサドは、人員、資金、装備には恵まれてはいなかった。そのため「少数精鋭のモットー」が導き出されたのである。ただモサドには大きな強みがあった。それは海外に居住するユダヤ人協力者たちの存在であった。彼らは「サヤン」と呼ばれ、モサドが世界中の国々で秘密工作を行う時の大きな助けとなった。

 モサドでは工作員を「カッツァ」と呼ぶ。これはCIAにおける「ケースオフィサー」と考えていいだろう。暗殺を専門とする工作員は、「キドン」と呼ばれ、あらゆる暗殺術をマスターしている。作戦が決行される時は、対象国のイスラエル大使館に駐在するモサドの指揮官の下、現地のカッツァ、場合によってはキドンのチームが召集される。

 モサドは、好戦性の高い組織である。敵対者には容赦なく死を与え、時にはMI6CIAKGBといった大国の諜報機関をも相手に回し、出し抜いてきた。

 モサドの世界に知らしめることになった事件としては、「ミグ21奪取作戦」「A・アイヒマン誘拐作戦」「ミュンヘンオリンピック事件への報復作戦」など数知れない。


モサドを支える秘密チーム

 サヤン・・・海外に暮らすユダヤ人のモサド協力者。中国共産党に協力している華僑に似ている。

カッツァ・・・モサドの工作員。様々な秘密活動を実行する現場のスパイ。

キドン・・・モサドが秘匿する暗殺チーム。殺人のパターンは様々で各国の諜報機関に恐れられている。

 

モサドのリクルート活動

  モサドは「一本釣り」によるスパイ獲得を行っている。リクルーターと呼ばれる採用担当者は、採用候補者をみつけたら、数年かけて対象の身辺調査を行うのである。

 社交性、思想、マナーに加え、友人の評価、運動神経、性癖なども徹底的に調査される。これらの調査をクリアすると正式に勧誘し、仲間として迎えられるといわれる。


『アイヒマンを追え!ナチスが最も恐れた男』映画予告編 





2020年10月4日日曜日

サイバー戦争を想起させる映画。

 1981年に公開された映画で、『ウォーゲーム』という作品です。

 米ソ核戦争ゲームを子供同士で遊ぶという内容ですが、それだけならわざわざ映画化されることはないでしょう。子供たちのゲームがアメリカ国防総省?のシステムとリンクしてしまい、子供たちの核シュミレーションゲームの画面が実際のシステム画面として国防総省に映し出されてしまいました。

 およそありえない内容ですが、だからこそおもしろい。

 まだまだハッキングが一般的に知られていない時代ですが、サイバー攻撃を予知するような作品だったかな?とは思えます。

 子供のテレビゲームだとあなどるなかれ。今や格闘技やサッカーのゲームは「eスポーツ」という反応速度を競うスポーツになり、スポンサーがついて賞金をかけて争うような時代になっています。

 ストリートファイターというゲームセンターのゲームが世界大会で競われるようになるなんて、1980年代には予想だにできないことでしょう。

 時代の価値観、思想は変化します。仕事も時代によって変わります。鎌倉時代の白拍子が今やアイドルとして地位が確立しています。1960年代のエレベーターボーイという職業は今や完全に過去の遺産。

 核戦争のゲームも過去の戦争のゲームとしてリアルに進化するかもしれません。

では、戦争シュミレーション映画の草分けともなる映画をみてみましょう。

ウォーゲーム WarGames 1983 

https://www.youtube.com/watch?v=yhrz2BGy77M&t=39s  
WarGames (1/11) Movie CLIP - Asexual Reproduction (1983) HD https://www.youtube.com/watch?v=LwDbgE54QYE&list=PLZbXA4lyCtqpGOS2KC1mAAKaGwbup-DQt

使われているPCの機種も明らかに時代を感じさせるのに十分なものですが、しかし当初はハッキングという行為は、この映画にみられるように「遊び」の延長から始まったように思います。

意図的に国防総省のコンピューターに侵入して、核ミサイルをシュミレーションとはいえ、操作しているわけですから、制御コンピューターをハッキングすることにより、核兵器さえも意のままにできるのかもしれません。

このような事態が進展してくると、核保有国にとって自国の核兵器が「脅威」となる時代が到来するのかもしれませんね。核保有が国家のクライシスとなる時代、どうなんでしょうね?

WAR GAMES オープニング 
https://www.youtube.com/watch?v=WuipiBKRl04

SNS上でのいさかい、喧嘩が凶悪な殺人事件に発展したというケースがあります。現代における「虐殺」ですが、個人がSNSで友人や身内に攻撃的な言動を繰り返すことも「サイバー攻撃」としていいのではないでしょうか?

SNSが発端となり発生した怖い話(LINE事件) 
https://www.youtube.com/watch?v=cHm7xuUWLmE

ささいなことから人間仲良くなったり、ののしりあったりするのは常のことでしょうが、これを顔がみえないSNS上でやられると、どういう感情になるのでしょう。疑心暗鬼の相乗効果になるのではないでしょうか?

21世紀の侵略戦争の一例 ~「ハイブリッド戦争」の実態~

  2016年のアメリカ議会で明らかになったことであるが、2014年にウラジミール・プーチン大統領率いるロシア連邦が、黒海北部に突き出したウクライナ領であるクリミア自治共和国に侵攻しました。

 マレーシア航空の旅客機がウクライナ上空でロシア軍の地対空ミサイルブークに撃墜され、多くの乗客がなくなり、その犠牲者の中には幼い子供たちが多くいたことから、未だ記憶に新しい事件であろうと思います。このマレーシア航空機の撃墜事件もウクライナという国の政治的信用を貶めるためのロシア側の自作自演といえるでしょうが、ロシアの論理からすれば、みえすいた戦略を使ってまでほしいエリアがクリミア自治共和国であったということでしょう。

 このロシア連邦が隣国ウクライナに対してしかけて領土の一部をかすめとった侵略戦の顛末をみながら、核兵器が兵器として使えない時代の対外戦の在り方、現代における侵略戦争がどういう形であるのか、について考えていければ幸いと考えております。

① ロシア軍が「電子戦」において、ウクライナ軍のレーダーを使用不能にする。

② ハッキングで発電所、メディアの機器、を乗っ取る。

GPSが使えなくなった偵察用のドローンは自分の位置を評定できなくなり、地上へ降下したまま動かせない状態にされてしまった。

③ ロシア軍がウクライナ軍の砲弾の電子信管を作動できなくする。また携帯電話を一時的に使用不能にして、機能が回復した時には、数多くのフェイクニュースをメールなどで大量に配信する。 ~これによりウクライナの住民は混乱へ陥ることになった。

④ 錯綜した情報を与えられた市民によるデモ隊がインフラ設備に押し寄せ、占拠することによって、電源が落ちてしまう事態も発生する。停電状態の中で、ラジオ局もデモ隊に占拠された状態となり、ラジオからはフェイクニュースが流し続けられました。

 後にラジオ局などインフラ設備を占拠したデモ隊は、実はロシア軍であることが判明している。かくしてロシア軍はウクライナから「クリミア自治共和国」の主権を奪うという戦争目的を達成したのである。

ハイブリッド戦争の本質

 「ハイブリッド戦争」を簡潔に表現すれば、サイバー攻撃により国家機能を麻痺させ、その間に特殊部隊などによって、政治経済の中枢部、都市部でのインフラ設備などの重要施設を迅速に占領してしまう戦争形態であるといえる。

 従来的な情報と火力の優越によって敵を撃破する、という段階から発展し、敵の情報と火力を機能させず、相手国民を混乱させ、正常な判断ができない状態にして戦争目的をはたす新たな戦争形態が出現したのである。

 この「ハイブリッド戦争」という戦争形態は、大量の人的犠牲を伴うことはありません。例えば、化学兵器工場の破壊、テロ組織主要幹部の殺害、一部の地域のみを占領するといった限定的な戦争目的ならば多くの損害を出さずとも迅速に達成できるはずです。

 そのため今までよりも戦争をおこすハードルが低くなる可能性がある。「ハイブリッド戦争」に対応するためには、宇宙からの攻撃やサイバー攻撃への対応機能を整備するとともに、相手国に狙われやすいインフラ設備などの重要施設を防護することもこれまで以上に重要になってきています。


ウクライナ危機で凄惨を極めた戦場の真実/映画『ウクライナ・クライシス』予告編 https://www.youtube.com/watch?v=wKjLg92h7Yo

ついにロシアのウクライナ侵攻が映画化されました。新しい戦争の形がどういうものなのか、自衛隊の装備を最新にしておけばよし、と考えている方は認識を改めるべきでしょうな。

他動画編

ロシアのクリミア併合から3年。


マレーシア航空機撃墜事件 ~オランダ安全委員会調査~

ウクライナ出身でロシアの侵攻を体験した方の講演