2022年4月22日金曜日

ウクライナ侵攻にみるFSB(ロシア連邦保安庁)の現状。

 あまり表舞台にでてこない!? ロシアの諜報機関FSB。興味深い記事をみつけましたので以下にとりあげます。少しでも耳目をひくきっかけとなると嬉しい限りです。


ロシア・スパイ帝国の終焉か? 連邦保安庁「FSB」の凋落

日本戦略研究フォーラム

2022/04/22 06:00ロシア・スパイ帝国の終焉か? 連邦保安庁「FSB」の凋落 (msn.com)

(藤谷 昌敏:日本戦略研究フォーラム政策提言委員、元公安調査庁金沢公安調査事務所長)

[筆者プロフィール] 藤谷 昌敏(ふじたに・まさとし)

 1954(昭和29)年、北海道生れ。学習院大学法学部法学科、北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科修士課程。法務省公安調査庁入庁(北朝鮮、中国、ロシア、国際テロ部門歴任)。同庁金沢公安調査事務所長で退官。現在、JFSS政策提言委員、合同会社OFFICE TOYA代表、TOYA危機管理研究所代表。

本稿は、「日本戦略研究フォーラム(JFSS)」ウェブサイトに掲載された記事を転載したものです。

 

 かつて旧ソ連時代、ソ連国家保安委員会「KGB」は、ソ連共産党と一体化し、国家そのものとも言って良いほどの権勢を誇った。中国やその他の共産圏諸国の情報部を指導・支援し、一大情報帝国を築いた。

 西側諸国、特に米英との秘密戦は熾烈を極め、KGBは米国の原爆開発計画(マンハッタン計画)を盗用したローゼンバーグ事件を引き起こし、「マグニフィセントファイブ」と言われる工作員たちを英国情報部の最高幹部クラスにまで浸透させることに成功した。

 彼らがもたらした重大な機密情報がどれほどソ連に貢献したかは言うまでもない。ソ連を米国と並び称されるほどの大帝国に育て上げ、冷戦の主役としたのはKGBだと言っても過言ではない。

 FSB職員を追放、解雇

  これほどの功績を残してきたKGBの後継機関であるロシア連邦保安庁「FSB」が、今回のウクライナ侵攻以降、次々と不祥事を起こしている実態を見れば、その体たらくぶりには驚くばかりだ。

 20224月に入り、とうとうプーチンはロシア連邦保安庁FSBの情報部員150名を追放した。英紙「TIMES」は「追放されたのは、プーチン大統領がFSB長官在任中に設立された『第5局』の職員。ウクライナなど旧ソ連の構成国をロシアの勢力圏にとどめる役割を担う。侵攻の失敗に対するプーチン大統領の怒りの表れで、スターリン的な大粛清だ」と報じている。追放されたFSB職員らは、大部分が解雇され、幹部クラスの一部は逮捕されたようだ。

 ロシア・メディア「メデューサ」によれば、3月、「第5局」の局長セルゲイ・ベセダ准将と副司令官アナトリー・ボリュク(運用情報部門責任者)らが不正確な情報を報告した疑いで自宅軟禁され、刑務所に送られた。

「第5局」は、侵略に先立ってウクライナの政治・社会・経済情報をプーチンに直接、報告する義務があった。だが、ベセダは、プーチンのご機嫌を損ねることを恐れて、「ウクライナは弱く、ネオナチでいっぱいであり、攻撃された場合は簡単にあきらめるだろう」など、ウクライナ侵略に都合の良い情報を報告していた。ベセダがFSBの特殊部隊を率いてウクライナで活動していた経緯から、プーチンはベセダらの情報にかなりの信頼を置いていたとみられる。

 ベセダらは、破壊活動や工作資金に割り当てられた資金の不正使用や、不十分で不正確な情報を故意に提供した容疑をかけられているという。

 FSB「第5局」とは

  FSBは、KGBの対外諜報活動を担当していた第1総局がロシア対外情報庁「SVR」として分割されたのを機に、防諜活動を主とする組織として独立した。

 プーチンが1998年から約1年間、FSBの長官に任命された際、FSBの権限拡大に力を入れ、海外でも諜報活動を実施できるように新たな担当局を設置した。それがFSBの「第5局」である。正式には「運用情報・国際関係局」(the Operational Information and International Relations Service)と呼ばれている。

 だが、実際にはプーチンのFSB長官就任前から特別チームが編成されており、旧ソ連領における諜報活動は行われていた。それをプーチンが事後的に認めたに過ぎない。

「第5局」の目立った活動といえば、ベラルーシ、モルドバなどにおける地方選挙で親露派の候補者を支援する活動を行っていたことぐらいだが、ウクライナは特別な諜報対象と位置付けられており、ウクライナ政府・軍・情報機関などへの浸透工作や欺瞞工作を積極的に行っていた。その欺瞞工作の例としては、ウクライナとトルクメニスタンの離間を図るために「ウクライナの情報機関がトルクメニスタンの反体制派に秘密裏に資金を提供していた」とする偽造文書を公表したことなどがある。

 ウクライナ侵攻後、FSB内部からと思われる情報漏洩事件が相次いでおり、FSBには様々な問題と混乱が生じているとみられる。

 FSB内部から告発の手紙が漏洩

  今回のウクライナ侵攻の前、FSB内には侵攻に懐疑的な見方があったとみられ、FSBの内部告発情報も暴露された。その告発情報の真偽はいまだ定かではないが、真正だとすれば、FSB内部の不満を裏付けた重要な情報といえる。一部を抜粋する。

「最近、私たちは徐々に指導部の求めに合わせた報告をするよう圧力を受けていた。政治顧問やら政治家やら、その取り巻きたち、影響力のある連中がひどい混乱を作り出していた。一番重要なことは、誰もこんな戦争が起きると知らなかったことだ」

「我々は最初は、ウクライナ国内でゼレンスキーに対する反対行動を準備していた。直接侵攻することは考えていなかった。 これからは市民の損害は幾何級数的に増えるだろう。我々に対する抵抗戦も強まる一方だろう」

「ロシアには出口がない。勝利の可能性がないのだ。敗北は大いにありうる。弱い日本に蹴りを一発入れて早々に勝利してしまおうとしたが、戦争を始めてみると軍は負け戦を続けた前世紀初頭とまったく同じことが繰り返されてしまった(日露戦争のこと)」(テレビ朝日のニュースより)

 この手紙で分かることは、ウクライナ侵攻が突発的に決まったこと、数日でウクライナを降伏させるつもりだったこと、経済制裁によりいずれロシアは破綻するであろう、といったことなどだ。

 FSB工作員の人物情報を暴露

  ウクライナ軍情報部は2022328日、FSB工作員のリストを公表した。そのリストでは、各人の生年月日や出生地、FSBでの経歴、住所や電話番号、Eメールアドレス、旅券番号や所有車のナンバー、人物評価まで記載されている。これだけの詳細な情報があれば、外国の政府、企業、軍、情報機関などに潜り込んでいるスパイを摘発するのは容易なことだろう。

 このリストの漏洩はウクライナ軍情報部のハッキングによるものと考えられているが、情報機関にとって工作員のリストは秘中の秘である。外部からのアクセス不可能なPCに保管されるなど、ハッキング対策は万全だったはずであり、やはり、FSB内部の協力者による情報漏洩ではないかと推測される。

 このようにFSB内で、あってはならない不祥事が続いていることを考えると、ウクライナへの電撃侵攻が失敗したことで、FSB内では、戦争の末路がロシアの破綻となりかねないとする危機感が強く生じているのではないだろうか。

 プーチンと側近たちの戦争計画の失敗をすべてFSBに押し付けられている現状を考えれば、FSBを中心としてプーチン打倒を訴える勢力が出てきてもおかしくはない。


動画でみるロシアFSB






ウクライナ侵攻にみる米英欧の軍事支援の意味。

  まずは以下の記事をあげてみたい。ロシアは当初、ウクライナ北部、東部、南部の3方向から軍を侵攻させました。つまり先にロシアが強引にウクライナからハイブリッド戦争で奪ったクリミア半島から東部への一帯と首都キーウなど主要都市を同時に攻略し、主要領土の獲得とウクライナ政権の転換を同時に、一気に達成しようとした戦略だったとみられます。

 しかし実際にはロシアの目論見は、ウクライナ政府、軍、民間人の強靭な愛国心と根強い抵抗と欧米の手厚い支援の前に失敗します。

 基本的にルトワックの戦略論を思い出せば、「大国は小国に勝てない」となります。ウクライナは小国ではありませんが、現代の経済の相互依存関係と軍事同盟化が進んだ国際社会では、先に理不尽な侵攻をしかけた方が圧倒的に不利なことは常識といえるでしょう。

 ロシアはやらなくてもいい戦争をウクライナにしかけ、自ら侵攻戦略が破綻し、墓穴を掘り続けていることに気づくべきでしょう。侵攻したロシア兵士にも家族がいることでしょう。侵攻したロシアの側でも反戦デモがおこっていることを考えれば、既に勝敗は決しています。

 最初の戦略が破綻し、戦線を東部に縮小したロシアは「敗戦国」です。クリミアから東部2州を入手してもそれで戦争は終わらず、しこりは残り、ウクライナとの間の溝は埋まることはありません。

 欧米各国は、ウクライナに全面的な軍事支援、難民支援を展開しています。それが何を意味するのか?

 タダでウクライナを支援するお人よしはいないでしょう。彼らの狙うものは何なのでしょうか?

 なんてことを考えながら記事をみてみましょう。

総攻撃始めたロシア軍に襲いかかるNATOの最新兵器

西村 金一

2022/04/21 06:00

© JBpress 提供 ロシア軍はNATOの最新兵器とも戦わなければならない(写真は英国が開発し米軍に採用された最新の「M777A2155ミリ榴弾砲、2021930日撮影、米陸軍のサイトより)※目新しい兵装ではありませんが、陸上の破壊力は強く、ヘリで輸送できますね。

  ロシア軍は2022418日夜、東部ドンバス地方で、ウクライナ軍の防衛線を突破し、大規模な攻撃を始めた。

 同時に南部でも継続的な攻撃があった。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「戦争は第2段階に入った」と述べた。

 第2段階の攻撃はどのように展開するのかについて、ロシア軍の戦力損耗とウクライナ軍の戦力増強を掛け合わせて考察し予想する。


1.歴史は繰り返す:413日の撃沈

 413日、黒海艦隊旗艦「モスクワ」が撃沈させられた。413日というのは、ロシア海軍にとって「悪魔の日」と呼んでよい。

 というのは、日露戦争の日本海海戦の前年の1904413日朝、旅順港外で、「司令長官(マカロフ)中将ノ旗艦(ペトロパブロフスク)ハ、我機械水雷に罹リ瞬間に爆発、沈没、跡を留メズ」と戦史にあるからだ。

 ロシア極東太平洋艦隊旗艦「ペトロパブロフスク」(23000トン)が、大日本帝国海軍が設置した水中機雷に接触し、撃沈したのだ。

 ちょうど118年前の同月同日である。

 翌年の5月、ロシア海軍は、日本海海戦で日本に完膚なきまで撃破されてしまうのである。

 その時、バルチック艦隊の象徴であった旗艦「クニャージ・スブオーロフ」も撃破され沈没した。

 旗艦「モスクワ」の撃沈と、同日の旗艦「ペトロパブロフスク」の撃沈、翌年の日本海海戦での大敗北が重なり、ウクライナに侵攻しているロシア軍の行く末を表しているように感じられてならない。


2.損耗を充足、戦力転換で再編成中

 米国からの情報によれば、ロシア軍はキーウ正面から撤退して東部・南部に戦力を集中し、また予備戦力まで投入している。

 損耗した部隊に兵員と兵器を補充して、再編制して戦力アップし、攻撃準備を進めているところだ。

 ウクライナ軍はNATO(北大西洋条約機構)から兵器・弾薬の供給を受けているのに比べ、ロシア軍は、強大な軍事力を保有しているが、損失が出れば、自国で賄うしかない。

 ロシア軍は再編成によって、再び総攻撃ができる状況になっているのだろうか。そこで、ロシア軍の現状を分析した。

 ロシア軍の戦闘損耗の実態が最も明確に表れているのが、ウクライナ軍参謀部が発表しているロシア軍の損失数(Russian forces lost)のデータだ。

 ウクライナ軍の発表なので、いくぶん誇張されている可能性があるが、嘘が多いロシア軍発表と比べれば、格段に信頼性が高い。

 ロシア軍が投入した戦力のどれほどの損失(損耗率)が出たのかについて、JBpress『壊滅の可能性もあるロシア地上軍、短期間に高い損耗率』(202241日、https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69537)に寄稿した。

 侵攻開始後、概ね2か月が過ぎた現在、さらに戦力転用予備兵力を投入し、再編中である。

 一部は攻撃に加わっている。ロシア軍は、近い将来、改めて総攻撃を開始するであろう。その攻撃とはどのようなものになるだろうか。


3.侵攻1か月後と2か月後のロシア軍損耗率

 ロシア軍のウクライナ侵攻後、2022年322日まで、その後415日までを2つに区分して、兵器損失数と損耗率を算定した。その数値は以下のとおりである。

 

© JBpress 提供 損耗率の算定には、実人員数は編成上の定数(ミリタリーバランス)の90%(充足率)、投入戦力は実人員の65%、損耗率は損失数 /投入戦力とした。戦闘機・攻撃機・ヘリは全力投入できるとして計算した

 侵攻開始から2か月後のロシア軍の損耗率は、ロシア軍がウクライナに投入した戦力の約20%である。

 この20%という損耗率で、今後、東部と南部の正面でどのような戦いができるのだろうか。

 キーウ正面から東部に移動する車列が13キロと報告された。車両の間隔が40メートルだとして、車両縦隊が13キロであれば、車両数は、約325両になる。

 これらの車両に兵員が平均的に7人乗車していたとすれば、約2300人が東部正面に転用されたと見ることができる。

 また、小さな車列もあったであろうから、最大5000人ほどだったかもしれない。

 ロシア地上軍(空挺部隊・海兵隊を含む)の実員が約31.5万人で、この人員から投入戦力を15%引き上げたとすれば、約4万人を投入することができる。

 このほかにも予備役兵が増加されているだろうが、戦闘部隊に編入させられることはないであろう。

 これから投入率を6580%に引き上げれば、保有戦力の15%を投入することが可能だ。

 そうすると、損失した兵員と兵器をほぼ、90%を上回る水準まで充足することができる。ただ、充足された兵士の士気や練度については、さらに低いとみてよいだろう。

 

4.旧態依然のロシア軍に勝ち目は薄い

  侵攻開始から1か月とその後の1か月を比較すると、当初の1か月の損耗率は約16%であった。その後の1か月の損耗率は約6%である。

 当初の1か月の損耗が大きく、次の1か月の損耗は3分の1まで低下した。

 これは、ロシア軍の戦い方の戦術的な練度が上がったのではなく、当初、ウクライナ軍が弱いと見ていて、ただ突進していったところ撃退されてしまったためだ。

 その後、用心深くなって、むやみに突進攻撃しなくなったからであろう。

 用心深く攻撃するというのは、心理的なもののほかに、敵の配備やその攻撃を想定しながら攻撃するということである。

 とはいえ、この12か月で戦い方が変えられるのかというと、一部の将校は変えられるかもしれないが、ほとんどの将校は、旧態依然の戦い方しかできないのが実情だ。

 その戦い方とは、

都市を爆撃して破壊する。

破壊した後に、その都市に対して地上攻撃をかける。

敵が都市に残っていれば、再び爆撃をする。

敵がいなくなった地域を占領するである。

 このような戦いには、創造的な作戦戦術はない。航空攻撃と地上軍の連携、砲撃と歩兵部隊の協同連携、無人機と地上部隊の連携攻撃、情報と作戦の連携、宇宙とサイバー攻撃、地上作戦との連携が欠如している。

 ロシア軍はハイブリッド戦で攻撃し、ウクライナ軍の組織をバラバラにして、それぞれが組織的に機能しないようにして、そこに総合的な火力や機甲戦力を投入して攻撃するだろうと想定していたが、現実はそうではなかった。

 ということは今後、再編成した部隊で総攻撃を行ったとしても、攻撃進展速度が著しく速くなることは考えにくい。

 せっかく再編成して態勢を整えたとしても、それぞれの組織が連携せずに攻撃すれば、待ち構えるウクライナ軍に撃破されることになるであろう。

 

5.新たな戦法生み出すウクライナ軍

  旧態依然のロシア軍に対して、ウクライナ軍は、NATOの兵器支援によって、新たな軍に生まれ変わっている。

 兵器の導入とともに、米軍の作戦戦術を受け入れ、ウクライナ軍独自の作戦戦術を作り上げているようだ。

 

ロシア軍の侵攻当初(1か月)の防御的対戦車戦闘と防空戦闘

  侵攻当初、ロシア軍の戦車・装甲車が道路を走り回り、自動小銃しかないウクライナ軍兵士は、それを茫然と見るしかなかった。

 地上軍の近接航空支援を行った対地攻撃機に対しては、機関砲で防空戦闘を行っていた。ウクライナ軍敗北の気配が漂っていた。

 NATO加盟国が支援した対戦車兵器、特に「シャベリン」が、兵士に行きわたっていくと、強引に攻撃前進してくるロシア軍の戦車や装甲車に向けて発射され、その結果、侵攻1か月以内で、ロシア軍の戦車と装甲車、約2000両が撃破された。

 その数は、日本が保有している量を上回った。

 ロシア軍の戦闘機・対地攻撃機、ヘリによる攻撃に対しては、携帯対空ミサイル「スティンガー」を使用し、たった1か月で合計225機を撃破した。

 この時は、ウクライナ軍は、双方の軍が近接戦闘(接触線から数キロ以内)を行っている。

 この距離では、効果的な戦いができた。だが、後続の戦車等部隊、砲兵部隊や兵站部隊に対しては、効果的な戦闘をすることができなかった。

 

ウクライナ軍のその後の1か月の防御戦闘

 

 ロシア軍が慎重に攻撃するようになってからも、ウクライナ軍は、これまでと同様の防御戦闘を実施してきた。

 併せて、侵攻開始以前に導入していたトルコ製の無人攻撃機「バイラクタルTB2」や「RPG-7」の弾頭をドローン化した「UJ-32 Lastivka」が、後続部隊や砲兵部隊への攻撃を行うことができた。

 その結果、2か月間に366門の火砲を破壊することができた。

左:バイラクタルTB2、右:UJ-32 Lastivka

 



© JBpress 提供 出典:https://www.militaryfactory.com/、https://milirepo.sabatech.jp/category/military/news/

 

 これらの成果が、キーウ侵攻を途中で放棄させ、戦争目的を東部・南部の限定した攻撃へと縮小させた。

 ロシア軍は当初の戦闘で、大きな損害を出したために、戦争目的を縮小し、無謀な突進攻撃から慎重な攻撃に転換した。

 損耗が大きな部隊の再編制を行うことにより、ロシア軍の損耗は3分の1にまで減少した。

 

ロシア軍の第2段階の総攻撃に対するウクライナ軍の防御戦闘

  ロシア軍は、戦線を縮小し、再編成を完了し、東部・南部で総攻撃を始めたようだ。

 一方、ウクライナ軍もNATOから提供された防御用の兵器が部隊に行きわたったようだ。ロシア軍も再編成できたが、ウクライナ軍の防御戦闘能力は著しく高まった。

 特に対戦車戦闘、防空戦闘能力は、広範囲にわたって整備できたであろう。戦車・装甲車軍団が、単独で、広大な土地に広く展開して攻撃してくれば、当初の1か月よりも、多くの損耗が出るであろう。

 本来であれば、戦車・装甲車部隊は、装甲車から下車した歩兵との連携で、火砲によるウクライナ軍の対戦車兵器を破壊すること、または、航空攻撃との連携で、敵対戦車兵器を破壊するのが最も効果的な戦闘である。

 ロシア軍が、この2か月の失敗を教訓に、ここで述べた戦いを実施すれば、ウクライナ軍は苦しい戦闘を強いられるだろう。

 ロシア軍の協同した戦闘に対して、米国から供給される火砲の射撃の威力、無人攻撃機の攻撃の能力が発揮されることになる。

 

ロシア軍総攻撃に対するウクライナ軍の防御戦闘

 

© JBpress 提供 出典:筆者作成

 ウクライナ軍は、ロシア軍の第2段階の総攻撃を凌ぎ切るだろう。そして、ロシア軍に再び重大な損害を与えることができると予想する。

 

ロシア軍の総攻撃を破砕し、ウクライナ軍の反転攻勢に

  ウクライナ軍の攻勢は、2段階に分けられる。

 第1段階は、224日以降の侵攻で占拠された領域を奪い返す。つまり、2014年に占拠されたラインまで押し戻すこと。

 第2段階は、2014年に占拠された地域を奪回し、もとの国境線まで押し戻すことであろう。

 第1段階は5月中に達成するだろう。米国が今年の年末までかかると言ったのは、第2段階のことであろう。

 これは実施可能なのか。

 米国が最近提供しているのが、高機動多用途装輪車両、装甲車、火砲と対砲レーダー自爆型無人攻撃機「スイッチブレード」、偵察用無人機「ピューマ」、対無人機航空機システムである。

 このほかに、英国は装甲車と対艦ミサイル、チェコは戦車、ドイツは歩兵戦闘車を提供する。これらの兵器は、防御的な兵器というよりは、攻撃的な兵器の性格が強い。

 

「スイッチブレード」(イメージ)

 

© JBpress 提供 出典:AeroVironment, Inc.

 反転攻勢に出る時、戦車や装甲車に搭乗して逃げるロシア軍に、対戦車ミサイルなどを担いで徒歩で追いかけるわけにはいかない。

 そこで必要になるのが、装甲車、戦車、装輪装甲車、さらに火砲である。

 特に火砲は、歩兵が戦車などの上に乗って移動するときに、これに対して、射撃を行い、歩兵を殺傷するものである。

 また自爆型無人攻撃機は、ロシア軍の指揮所、火砲陣地、兵站部隊、後続の戦車部隊を破壊するために、最も必要とされる兵器だ。

 この時、敵地の奥深くまで潜入し情報を入手するのが、無人ヘリと無人機だ。市販のドローンも使用されるだろう。

 

ウクライナ軍の反転攻勢

 

© JBpress 提供 出典:筆者作成

 第2段階の攻勢では、2014年で占拠された領土を奪回するための攻撃となる。

 長期間の戦闘になることから、ミサイルや弾薬が必要になる。黒海のロシア軍のセバストポリ軍港に停泊するロシア軍艦を攻撃するには、無人攻撃機と対艦ミサイルの攻撃が有効になるであろう。

 

自爆型無人攻撃機、無人偵察機と地上軍戦闘の連携が最大の強み

  NATO加盟各国の最近の武器提供は、ほとんどが攻勢に出るための兵器である。

 ゼレンスキー大統領は、今後、本気で反転攻勢を狙っていることが分かる。そして、その自信も垣間見える気がする。

 ウクライナ軍は、NATOから提供された兵器の能力を最大限に生かして戦っている。

 その陰には、おそらく米軍の戦争指導が入っているであろう。兵器供与は最大の協力であるが、戦争指導と情報提供も表に出ない重要な力となっている。


※アメリカは兵器の供与だけでなく、兵器の使い方までウクライナ軍に指導していますね。

また最新のドローン兵器をウクライナのためにオーダーメイド販売しています。


ウクライナに「ゴーストドローン」提供へ、米国「空軍が急いで開発」

朝日新聞社

2022/04/22 06:12ウクライナに「ゴーストドローン」提供へ、米国「空軍が急いで開発」 (msn.com)

米バイデン政権は2022421日、ウクライナに対し、新たな8億ドル(約1千億円)規模の軍事支援を決め、新型のドローン(無人機)などを提供することを明らかにした。このドローンは「ウクライナの要望に合わせ、米空軍が急いで開発したもの」(米国防総省のカービー報道官)。ウクライナ東部攻撃を本格化させるロシア軍に備える狙いがある。

 同省によると、ドローンは「フェニックスゴースト」と名付けられ、121機以上が提供される。米国がこれまでウクライナに提供してきた自爆型ドローン「スイッチブレード」に似た性能を持つ。主に攻撃を目的としており、ミサイルのように自ら標的に向かって攻撃することができるようだ。複数の標的に対応できるという。ウクライナ兵への使い方の訓練も行う。

 主な戦場が首都キーウ(キエフ)近郊からウクライナ東部に移り、必要とされる武器も変化している。平地が多く障害物が少ないため、大砲や戦車といった重火器の役割が増す。バイデン米大統領は2021年4月21日の演説で、「戦争の次の段階に向けた重要な時期にある」と指摘。新たな軍事支援について「東部ドンバス地方での戦闘力を高める」と狙いを説明した。

《管理人コメント》

※すべて攻撃兵器です。この背景には一体どんな思惑があるのでしょうか?

先陣きってウクライナ軍事支援を行ったのはイギリス。対艦ミサイルと装甲車を供与。ドイツも軍事支援をしていますね。だからウクライナの士気が下がりません。元々愛国心の強い民族性ということもあって絶対あきらめないでしょう。



ウクライナ、ロシア軍の前進撃退=高い士気を維持英国防省

2022/04/20 12:33ウクライナ、ロ軍の前進撃退=高い士気を維持―英国防省 (msn.com)

【ロンドン時事】英国防省は19日のウクライナ戦況報告で、ロシア軍がウクライナ東部ドンバス地方の各地で砲爆撃を強化する一方、ウクライナ側は「ロシア軍による多数の前進の試みを退けている」との見方を示した。

《管理人コメント》

 報告によると、ロシア軍はこれまでと同様、周辺環境や後方支援、技術面のそれぞれで課題を抱えており、ウクライナ軍は高い士気を維持しながら抵抗を続けている。

※公表しているのはイギリスのメディアです。ウクライナ側は侵略者であるロシア兵士うぃ一人残らず国外へ追い出したい、これは理解できます。

 では欧米の軍事支援の狙いは何でしょうか?

 これはあくまで個人的な見方ですが、欧米のウクライナへの軍事支援の背景は、破壊されたウクライナ国内の支援への投資でしょう。ウクライナが国防戦争で勝利することにより、支援を惜しまなかった欧米各国から「復興支援」を合言葉に、かなりのインフラ投資がなされることが容易に予想できます。

 加えてロシアからの軍事侵攻という現実的な問題が発生したことにより、ウクライナ国内に欧米の軍隊を駐留させられる可能性もあります。いずれにせよ、ロシアを追い出せばウクライナの経済は欧米各国に無理がいえないことになり、経済の上での互恵関係がいっそう深まります。兵器だけに留まらないでしょうね。

 ロシアもウクライナ侵攻後、国際的な兵器市場へ自国兵器をアピールしています。しかし国防戦争で実証されたアメリカの兵器に比べると、侵攻で有効性が証明されたとロシアがアピールしたとしても、買ってくれるのはロシアのお友達だけでしょうね。

 現況を見る限り、欧米側に有利な状況になってきています。人々はロシア当局のいうことを誰が信じているというのでしょうか?

 大衆を納得させ、民意を得ることも大切な勝利条件でしょう。

そういう意味ではロシアの軍事侵攻は完全に失敗、破綻しているといえるのではないでしょうか?

 そろそろ殺さなくていい命を奪ってしまった罪を悔いて、遺族に十分な賠償をしていくこと。ウクライナ政府への正式な謝罪と復興支援への賠償を検討していくべきでしょう。


動画



















































































































































































































































 

 

2022年4月18日月曜日

海上保安庁海洋情報部の仕事。

中韓の主張を突っぱねろ 海上保安庁の「測量船」その知られざる任務とは 一般公開間近

深水千翔(海事ライター)

2022/04/17 06:22中韓の主張を突っぱねろ 海上保安庁の「測量船」その知られざる任務とは 一般公開間近 (msn.com)

海を拓く新鋭船「平洋」&「光洋」

 海上保安庁には、測量船や航空機などを使用して海の調査を行い、そこで得られた情報を管理・提供する組織として「海洋情報部」が設けられています。同部が手掛ける任務は、日本の海洋権益を確保するために必要なデータの収集や、海上での事故・災害を防止するための調査・観測、船舶の安全航行に必要な海図の製作など多岐にわたっており、島国である日本にとって欠かせない役割を担っています。

 その海洋情報部の海洋調査で使用する測量船の中でも最大級の「平洋」が2022422日、東京ビッグサイト横の岸壁(有明西ふ頭)で一般公開されます。日本最大の国際海事展「Sea Japan」におけるイベントの一環で、最新の調査機器を搭載した測量船を間近に見ることができる非常に珍しい機会です。

 

© 乗りものニュース 提供 海上保安庁が誇る最大級の測量船「平洋」(深水千翔撮影)。

  「平洋」は20201月に就役しました。同型船は「光洋」(20213月就役)で、2隻とも建造ヤードは三菱重工業下関造船所。所属は海保本庁になります。両船が加わったことにより、外洋での調査を行う大型測量船は「拓洋」(2400総トン)、「昭洋」(3000総トン)と合わせ4隻体制に拡充されました。

「平洋」と「光洋」の船体規模は4000総トンと、従来の測量船と比べて大型化しています。また観測データに影響を与える船体の振動や雑音を防止し、長時間の低速航行能力を持たせるため、海保の船として初めて電気推進システムを搭載したのも特徴です。

 豊富な海洋観測機器

 「平洋」と「光洋」の推進機には舵とプロペラが一体化し、360度どの方向にも推進力を向けることが可能なアジマススラスターが採用されています。このアジマススラスターを、バウスラスターや自動船位保持装置と組み合わせることで、潮の流れが速く、波のうねりが大きい海域でも、同じ位置に留まり続けることが可能であり、これにより海底地形や地質の精密な調査を行えます。

 長時間にわたって一定の海域を低速で航行しながら実施する水路測量でも、船が自動で位置を調整しながら進むため、測量時に航走する経路(測線)から離れることなく、測量業務が可能だそう。余裕のある大きな船体と、電気推進による静粛性によって、居住性も従来の測量船と比べて向上しています。

 運航しながら水深1mの地形がわかる!?

 

© 乗りものニュース 提供 測量船「平洋」に搭載された自律型高機能観測装置(ASV)(深水千翔撮影)。

 観測機器は音波ビームと反射エコーのデータ水深を計測するマルチビーム測深機や、海流の流れの強さを計測し、データ化する多層音波流速計などを装備しています。

 マルチビーム測深機は海底に向けて広角に音波を出し、音波の往復時間と水中での音の速度から水深を計測する機器です。船の航跡に沿って、最大約11000mの深さの海底地形を明らかにすることができます。

 ほかにも「平洋」の特徴として挙げられるのが、無人観測機器を積んでいる点です。自動で海底近くまで潜航していき、精密な海底地形データを取得する自律型潜水調査機器(AUV)や、海底火山など人の立ち入りが危険な海域で水上から調査を行う自律型高機能観測装置(ASV)、そして船上から遠隔操作し、海底の撮影を行う遠隔操作水中機器(ROV)を装備しました。

 なお、2番船「光洋」は底質などの採取や地殻構造の調査に特化しています。船上には大容量で超高圧の空気を海中で放出し地下深部まで伝わる音波を発生させるエアガンと、その反射波を受診するストリーマーケーブルとエアガンで構成された音波探査装置を搭載。ほかにも海底から堆積物を採取する採泥器として、サンプリングコアラやロックサンプラーも搭載しています。

 その「任務」とは 中韓への警戒が背景に

  「平洋」と「光洋」の建造が決まった背景には、2012(平成24)年に中国と韓国が、日本側の排他的経済水域(EEZ)と接する中間線を越え、沖縄トラフまで大陸棚を延長するよう大陸棚限界委員会(CLCS)に申請したということがあげられます。

 こうした動きを受けて日本は、CLCSに対し「審査入りに必要となる事前の同意を与えていない」と説明。大陸棚延長の申請を検討しないよう求めた結果、同委員会は申請の審査順が来るまで、審査を行うか否かの判断を延期しました。

 一方で中韓両国は相次いで新造測量船を整備し、海洋調査体制の強化を図っていることから、日本としても科学的な調査データの収集・整備が必要となっていました。

 

© 乗りものニュース 提供 測量船「平洋」のブリッジ周りの操船コンソール(深水千翔撮影)。

 日本政府は2016(平成28)年に決定した「海上保安体制強化に関する方針」のなかで「海洋調査体制の強化」を明記。これに基づき海保では大型測量船「平洋」型2隻の新造だけでなく、既存の測量船「昭洋」と「拓洋」の高機能化、ビーチ350型測量機「あおばずく」の導入などを進めてきました。

 日本にとって海は外国との貿易を支える物流ルートであるとともに、新鮮な魚介藻類を得られる食糧確保の場です。ただ、領海と排他的経済水域(EEZ)と合わせた広さは領土面積の12倍に相当する約447万平方キロメートルもあり、海の恩恵を最大限に得るためには、海の情報を事細かに知る必要があります。

 海底地形調査が得意な「平洋」、海底地質調査が得意な「光洋」。それぞれが持つ最新鋭の機器を活用し、海洋権益の確保はもちろん海洋資源や防災といった、海にまつわる多くの調査を担うことを期待しています。


※軍事力の運用ばかりが「国防」ではありません。海洋資源のデータを独自に蓄積させて、活用できる環境を整えておくことも「国防」ですね。

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2022年4月14日木曜日

ロシアのウクライナ侵攻で、EU各国が外交官を国外追放する理由。

 世界の諜報戦の主武器は、弾道ミサイルでも巡航ミサイルでもなく、シギント(暗号諜報)、ヒューミント(人的諜報)、そしてオシント(公刊諜報)ですね。

 今や諜報戦を制しないと勝利はないようです。

EU「スパイ大量追放」で〝プーチン諜報網壊滅〟 ウクライナ「実名リスト」公表後に加速 「日本にも外交官や企業などに諜報員が潜む」と識者

2022/04/09 15:00EU「スパイ大量追放」で〝プーチン諜報網壊滅〟 ウクライナ「実名リスト」公表後に加速 「日本にも外交官や企業などに諜報員が潜む」と識者 (msn.com)

© zakzak 提供 ウクライナが公表した欧州にいるとされるロシア連邦保安局(FSB)要員のリスト(ウクライナ国防省情報総局のホームページから)

  ロシアのウクライナ侵攻に絡み、欧州連合(EU)各国がロシアの外交官ら300人近くを国外追放した。ウクライナ当局がロシアの諜報機関、連邦保安局(FSB)の「欧州で活動する工作員」とする620人の実名リストを公表したことの関連も指摘される。日本も8日、在日ロシア大使館とロシア通商代表部の職員計8人の国外退去を決めた。西側諸国の「スパイ狩り」で、プーチン政権の諜報網がズタズタになりそうだ。

ウクライナ国防省情報総局がネット上で2022年3月28日に公表したのは、「欧州の侵略国の犯罪活動に関与したFSB職員」と題したリスト。620人の氏名や生年月日、旅券情報のほか、無料通話ソフト「スカイプ」のアドレスなども記載されている。

アドレスの中には、英スパイ映画「007」シリーズの主人公、ジェームズ・ボンドやその愛用車「アストンマーティンDB9」をほうふつさせるものもあった。

すると翌29日、ベルギーやオランダ、アイルランド、チェコは、スパイ行為に関与した疑いがあるとして、ロシアの外交官を含む在外公館職員計43人の国外追放を発表した。

ドイツとフランスの外務省も、自国に駐在する多数のロシア外交官らの追放を決めた。フランスは「安全保障に反する活動を行った」ことを理由に掲げる。

リスト公表前にもエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国がロシア外交官ら計10人を、ポーランドは大使館勤務の人員の約半数にあたるロシア外交官ら45人を追放している。

「リスト記載のメンバーと追放者が重なっている可能性は十分にある。現地の協力者など一部のネットワークは温存されるとしても、追放はロシアにとって、かなりの打撃だ」とみるのは、元公安調査庁職員で日本戦略研究フォーラム政策提言委員の藤谷昌敏氏だ。

ロシアは偽情報の流布やサイバー攻撃など情報戦を得意とするが、古典的な諜報活動のヒューミント(人的情報収集)も重要な位置を占める。

公安調査庁時代にロシアや国際テロ部門などを歴任した経験を持つ藤谷氏は、「ロシアは内部協力者や工作員など人的ネットワークを海外に張り巡らせている。諜報員は特権的に守られる大使館員や外交官、大使館勤務のコックなどに偽装する例もある。各国は『侵攻への抗議』という追放の大義名分を得た形だろう」と語った。

英検察当局は今月(20224月)6日、ロシア当局に情報を提供したドイツ・ベルリンの英国大使館勤務の英国籍の男を訴追した。

FSBはウクライナ侵攻でも情報収集や戦闘活動など深く関与している。海外のスパイ網が失われることで、西側諸国の追加経済制裁や軍事支援、プーチン大統領を含む戦争犯罪の捜査など水面下の動きをつかむことが困難になる。

ただでさえプーチン大統領には都合のいい情報しか上がっていないと指摘されるが、ますます不正確な情報をもとに判断を迫られることになりそうだ。

 

日本企業に潜む諜報員

 

日本では外務省の森健良事務次官が8日、ロシアのガルージン駐日大使を同省に呼び出し、在日ロシア大使館とロシア通商代表部の職員計8人の追放を伝達した。追放対象者にはガルージン氏は含まれない。森氏はガルージン氏に「(ウクライナでの)民間人殺害を否定し、フェイクと主張するロシア側のプロパガンダは全く受け入れられない」と抗議した。

ロシアは日本でも活発に諜報活動を行ってきた。昨年6月、同代表部職員に譲渡する目的で、軍事技術を不正入手した元調査会社経営の男が逮捕された。2020年1月には同代表部の工作を受けたソフトバンク元社員が機密情報を不正取得する事件も発覚したことも記憶に新しい。

前出の藤谷氏は「日本にも外交官や企業などに諜報員が潜むとされる。外交やビジネスなどに影響を与えるので難しい面もあるが、安全保障の観点からも追放できる態勢を作らなければならない」と強調した。

※いわゆるスパイ防止法は否定するものでもありませんが、わざわざスパイを摘発する法律を決めなくても、国内に潜伏するスパイを監視、マークしながら、こちらに必要な情報をひきだしていくやり方もあるかもしれません

※ロシア大使館付きの外交官=公然のスパイといえる、は国外へ退去されました。大使館でインテリジェンス活動を行うことは、どの国も行っていますね。オシント、ヒューミントの収集です。

〝スパイ暗躍〟日本の実態 「諜報機関所属の要員だった」在日ロシア外交官、初の国外追放 日米の分断・離間工作に関与の可能性

2022/04/21 11:27〝スパイ暗躍〟日本の実態 「諜報機関所属の要員だった」在日ロシア外交官、初の国外追放 日米の分断・離間工作に関与の可能性 (msn.com)

ロシアのウクライナ侵攻を受け、日本政府が国外追放を決めた在日ロシア大使館の外交官らが20224月20日午後、出国した。「実際は諜報機関所属の要員だった」との指摘もある。日本では戦後、スパイ活動を取り締まる法律が存在しないため、世界各国の諜報員や協力者らが傍若無人に振る舞い、「スパイ天国」と揶揄(やゆ)されてきた。戦後の国際秩序が大きく揺らぎ、日本の安全保障環境が脅かされるなか、日本の国家機密や、同盟・友好国の重要情報は守られているのか。岸田文雄政権には迅速な法整備と、諜報・防諜体制の強化が求められそうだ。

「(追放対象8人の職務内容については)事柄の性質上、人定事項は公表しない」「現時点でロシア側から対抗措置の連絡はない。いずれにせよ(ロシアの)在留邦人や日本企業の活動の保護には、引き続き万全を期していく考えだ」

松野博一官房長官は20日の記者会見で語った。

外務省によると、追放対象は在日ロシア大使館に在籍する外交官と、在日ロシア通商代表部職員の計8人で、ミハイル・ガルージン駐日大使は含まれない。ロシア外交官の追放は初めて。

政府は8日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどでの大量虐殺を受け、それまでの経済制裁に加えて、ロシア外交官らの追放を決めた。国際刑事裁判所(ICC)が「戦争犯罪」や「人道に対する罪」の疑いで捜査を開始しており、欧米諸国と足並みをそろえた。

これに対し、ロシア外務省のマリア・ザハロワ情報局長は同日、「ロシアは日本の決定に対して、適切に応答する」といい、対抗措置を取ることを表明している。

ウクライナ外務省によると、ロシアが侵攻を開始した2月24日から4月8日までに、世界各国が追放したロシアの外交官らは計443人。英誌「エコノミスト」によると、400人超もの大量の外交官追放は、史上最多の規模だという。

日本の追放処分をどうみるか。

 

中村逸郎氏「日米分断・離間工作に関与の可能性」

 

ロシア政治に詳しい筑波学院大学の中村逸郎教授は「ウラジーミル・プーチン大統領は2018年ごろ、日本との平和条約締結交渉をめぐり、『米軍が駐留していることで問題が複雑化している』との認識を示していた。ロシアの外交官らは、沖縄でロシアとの観光交流などを進めながら、『反基地運動』に接触して反米感情を高め、日本政府と沖縄、日本と米国を分断・離間工作に関わった可能性が指摘されている。在日米軍の機密を探っていたとの見方もある。今回、ロシアの対抗措置を受けても、日本には失うものは少ない。逆に、工作活動を止めるメリットが大きい」と語った。

 

ロシアに有利な主張をする人物、メディアも「協力者」

 

現に、日本では戦後、ソ連やロシアによる対日工作が何度も発覚した。

 

1954年、米国に亡命したソ連内務省のユーリー・ラストボロフの供述で、対日諜報活動が発覚した「ラストボロフ事件」がまず有名だ。旧日本軍人らを協力者として、日本の内外政策や在日米軍の動向を探っていた。外務省職員の関与も疑われた。

82年には、米国に亡命した元ソ連国家保安委員会(KGB)将校、スタニスラフ・レフチェンコが米議会で、日本の与野党国会議員や政府職員、学者、メディア幹部などの対ソ協力を供述した。「レフチェンコ事件」と呼ばれ、戦後最大規模のスパイ事件とされた。

その後も、官庁や民間企業が関わるロシア絡みの諜報活動は発覚しており、早急な対策が急がれる。

元公安調査庁調査第2部長の菅沼光弘氏は「機密情報の窃取に限らず、ロシアに有利な主張をする人物やメディアも、ロシア側からみれば『協力者』であり、根深い問題だ。日本も国家の基礎である『インテリジェンス(諜報)』への意識を高め、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)や、対外諜報庁(SVR)の活動を詳細に把握しなければならない。独自の情報機関設置や、スパイ防止法の制定に動くべきだ」と語った。

 

ロシア関係の主なスパイ事件

 

1997年 翻訳業の男性が、ロシア対外諜報庁(SVR)機関員と接触し、未公開のパソコン関連機器のマニュアルを渡し、書類送検された。

2000年 防衛庁(当時)防衛研究所勤務の海上自衛隊三佐が、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)所属の大使館付武官に防衛庁の戦術概説など秘密資料を渡したとして逮捕された。

2002年 GRU所属の在日ロシア通商代表部元部員が、元航空自衛隊准尉の防衛装備品会社社長に対して、米国製戦闘機用ミサイルの資料を要求していた。元部員が書類送検された。

2008年 内閣情報調査室職員が、GRU所属とみられる在日ロシア大使館2等書記官に内政情報を漏らし、職員と書記官が書類送検された。

2020年 ソフトバンク元社員が、在日ロシア通商代表部元職員の工作を受けて機密情報を不正取得し、逮捕された。元職員も書類送検された。

2021年 元調査会社経営の男が、在日ロシア通商代表部職員に譲渡する目的で、軍事技術を不正入手し、逮捕された。

プーチンの正体


やっぱり出てきた「ロシアには北海道の領有権ある」の不気味牽制か破れかぶれか?

日刊ゲンダイDIGITAL

2022/04/09 06:30やっぱり出てきた「ロシアには北海道の領有権ある」の不気味…牽制か破れかぶれか? (msn.com)

© 日刊ゲンダイDIGITAL ロシアの原子力潜水艦はオホーツク海を潜航、日本列島の近くを行き来する(C)タス=共同

やはり来たか、という展開だ。「プーチンの戦争」によって国際社会で孤立化を深めるロシアが、対ロ制裁に連なる日本への牽制を強めている。元上院議長が「ロシアは北海道を領有する権利を持つ」と発言。ロシアから平和条約締結交渉を一方的に蹴っ飛ばされるなど、日ロ関係が急速に悪化する中、波紋が広がっている。

問題発言の主はプーチン体制下で2011年まで上院議長を務め、現在は下院第3勢力の左派系野党「公正ロシア」の党首を務めるセルゲイ・ミロノフ議員。いわゆる体制内野党のトップだ。

ロシアのネットメディア「レグナム」が配信したインタビュー記事(4日付)で、「どの国でも隣国に対して領有権を主張でき、国益の観点からそうする正当な理由がある。これまでクリル諸島(北方領土と千島列島)を欲しがっていたのは日本だけだった」と持論を展開。先立つ1日には「日本はクリル諸島に関して常にロシアにクレームをつけているが、一部の専門家によれば、ロシアは北海道の完全な権利を有しているという」とツイートしていた。

ウクライナで想定外の苦戦にあえぐロシアに二正面で構える余裕はないとはいえ、気味の悪さは拭えない。

「万が一、ロシア軍が北海道侵攻を企てたとすれば、専守防衛が国是である以上、海岸線では防御できない。自衛隊は旭川-帯広ラインで押し戻すのが精いっぱいです」(防衛省関係者)

近海では米ロが一触即発

 そうでなくても、ウクライナ戦争の影響で、北海道周辺は緊張が高まっている。ロシアはカムチャツカ半島に拠点を置く太平洋艦隊の潜水艦基地ルィバチに、核兵器を積んだ弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)を配備。オホーツク海を潜航し、日本列島の近くを行き来している。

「ウクライナ戦争をめぐり、米国が主導するNATO(北大西洋条約機構)の直接介入を阻止したいプーチン政権は核使用をチラつかせていますが、米国への対抗措置のひとつがオホーツク海からワシントンへの核ミサイル攻撃です。そうしたことから、北方領土や千島列島で軍事演習を繰り返している。在日米軍は当然、そうした動きを監視しています。ウクライナ戦争が米ロ戦争に拡大した場合、SSBNを沈めることが在日米軍の最大の役割になるからです」(米外交関係者)

日本近海で米ロが一触即発……。一刻も早い戦争終結を願うしかない。

※北海道は、オホーツク海のぽっかり空いた国防上の「穴」(ロシアの見方)

我が国からすれば、北からの侵攻を阻止するための重要な国防上の要。我が国の国防線は北海道の先にあります。これもロシアが我が国の制裁措置を妨害するためのプロパガンダ戦。史実を武器にロシアに反論しましょう。