ついに機関砲を搭載、中国は尖閣・琉球を奪いにくる
始動が急がれる日本版「A2/AD」戦略
北村 淳
2016.1.7(木) http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45700
尖閣周辺の日本接続水域を航行した「海警31241」
2016年の正月を挟んで、中国海警局巡視船団が尖閣諸島周辺の日本接続水域を航行し、一時は日本領海内にも侵入した。
2015年のクリスマス前の12月22日から25日にかけて、中国海警局の巡視船3隻(「海警31239」「海警2307」「海警2308」)が尖閣諸島沖の日本接続水域内を航行しているのが海上保安庁により確認された。そして26日になると、これらの巡視船は日本領海内に侵入した。
海警21239
さらに1月3日には、同じく中国海警局の4隻の巡視船(「海警31241」「海警2101」「海警2166」「海警2401」)が、尖閣周辺日本接続水域を航行しているのが海上保安庁によって確認された。
これらの中国巡視船のうち、「海警31239」と「海警31241」はそれぞれ連装機関砲とみられる砲塔4基を装備している重武装巡視船であった。日本のメディアはあまり取り上げていないが、アメリカ海軍関係者などの間ではこのことが問題視されている。
なぜならば、中国が尖閣周辺海域に重武装巡視船を投入したのは、今回が初めてだからである。
武装巡視船投入はまさに挑発行為の強化
「海警31239」と「海警31241」はそれぞれ中国海軍053H2G型(江衛Ⅰ型)フリゲート「安慶」と「准北」が中国海警局巡視船に生まれ変わった軍艦構造の巡視船である。
1990年代初頭に建造された053H2G型フリゲート(満載排水量2250トン、全長112メートル)は、3連装艦対艦ミサイル発射装置2基、6連装艦対空ミサイル発射装置1基、100ミリ連装砲1基、37ミリ連装機関砲4基、6連装対潜ロケット砲2基、魚雷発射装置6基などで武装されていた。
中国海軍053H2G型フリゲート
海軍フリゲートから海警局巡視船に移籍された際に大改装が加えられ、100ミリ連装砲や対艦ミサイル発射装置などは除去されたものの、37ミリ連装機関砲4基の砲塔はそのまま維持されている(ただし、対空砲としての役割を担っていた37ミリ連装機関砲のままかどうかは不明)。そしてヘリコプター甲板と格納庫も海軍時代のまま維持されている。
このような連装機関砲4基を搭載した重武装巡視船が連続して日本領海内を航行したということは、これまでの非武装巡視船による日本領海内航行という挑発行動が、明らかに一段階ステップアップしたことを意味している。
海警局巡視船をはじめとする中国公船が、尖閣諸島周辺の日本領海内に侵入して航行するのは、すでに“常態化”してしまっており、一時は「尖閣! 尖閣!」と騒ぎ立てていた日本のメディアはさしたる関心を示さなくなってしまったようである。
その証拠に、アメリカ海軍関係者などが極めて大きな関心を寄せている「軍艦構造の武装巡視船による日本領海内航行」に関して、それも元日を挟んで連続して発生した事案であるにもかかわらず、日本ではほとんど騒がれてはいない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45700?page=3
そのような日本メディアとは違って、自らが、中国が中国領と主張している南沙諸島人工島周辺12海里内に軍艦を乗り入れているアメリカ海軍関係者にとっては、日本における“無関心”は奇怪に感じられているようである。
というのも、「武装巡視船の投入」へとステップアップしたからには、南シナ海での“快進撃”と歩調を合わせて東シナ海でも中国の権益確保へ向けて手を替え品を替えて様々な策を繰り出してくることは容易に想像がつくからだ。
アメリカ側が期待する日本による南西諸島防衛強化
安倍政権は、南シナ海人工島をめぐるアメリカ海軍による「FONOP」(公海自由航行原則維持のための作戦、本コラム2015年11月5日など参照)への直接的な参加支援は躊躇しているものの、支持を表明した。中国による尖閣諸島での対日挑発行為のステップアップは、そのことに対する警告的意味合いがあると考えられる。
それだけではなく、「中国は、いよいよ尖閣諸島だけでなく琉球諸島全体に対する“歴史的に裏付けられた主権”の主張を本格化させる動きへとエスカレートしようとしている」と指摘する論調も、アメリカ海軍関係者の間では少なくない。
このような考え方の根底には、2015年秋に中国空軍爆撃機の編隊が東シナ海から宮古海峡上空を西太平洋に抜けて再び帰投する(本コラム「中国空軍が編隊飛行で牽制『南シナ海に近寄るな』」参照)といった具合に、中国海軍艦艇や中国航空戦力(海軍・空軍)の活動範囲が東シナ海から西太平洋に拡大してきたことに対するアメリカ当局の強い懸念が横たわっている。
すなわち、中国人民解放軍が南西諸島ラインの内側の東シナ海にとどまっている限りは、たとえ尖閣諸島が中国の手に落ちようが、アメリカの国防にとって直接的にはさして深刻な問題ではない。しかし、中国艦艇や航空機が南西諸島ラインを“我が物顔で”行き来するようになると、沖縄の米軍関連施設だけではなくグアムの米軍基地までもが極めて深刻な脅威を受けることになってしまう。
そこで、アメリカ国防当局は、アメリカの言うことをよく聞いてくれる日本政府に対して、南西諸島ラインに対艦ミサイルや対空ミサイルを設置するよう圧力をかけることになる(すでに様々なルートを通して圧力はかけられているはずである)。
南西諸島の島々にこのようなミサイル部隊が配置されれば、中国艦艇や航空機が現在のように自由自在に西太平洋を往復することができなくなり、沖縄やグアムの米軍基地の危険度は低下することが見込めるからだ。
実際に日本国防当局は、南西諸島の数カ所にそのようなミサイル部隊を配備する方向性で動いている。ただし、日本特有の“軍事においても緩やかな動き”のおかげで、アメリカ側が期待するような南西諸島上空や海峡部を通過する中国戦力に対して脅威を与える程度のミサイル部隊配置が完了するには数年の時間がかかるようである。
そこでアメリカ海軍の戦略家たちは「中国側としては、日本が南西諸島ラインを通過する中国艦艇や航空機を脅かす態勢を強固に固めてしまう以前に、東シナ海での軍事的優勢を手に入れる動きに出かねない」と考えているのである。
米軍と密接な関係にあるシンクタンクが提案した南西諸島へ地対艦ミサイルを設置する案(出所:RAND『Technical Report: Employing Land-Based
Anti-Ship Missiles in the Western Pacific』、以下同)
アメリカの主たる目的は、当然のことながら、アメリカの国防にある
早急に日本版「接近阻止(A2/AD)戦略」の実施を
地対艦ミサイルや地対空ミサイルを装備した陸上自衛隊部隊を、南西諸島のいくつかの島々に配備するという日本国防当局のアイデアは、方向性としては「真の島嶼防衛」を実現する可能性がある(本コラム「効果は絶大、与那国島に配備される海洋防衛部隊」参照)。
しかし、自衛隊が保有する(また現時点のペースで保有が見込める)地対艦ミサイルやミサイルシステムの「数」では、日本自身の防衛目的を担保することはできない。
南西諸島ラインの海峡部や上空を通過する中国艦艇や航空機に対して何がしかの脅威を与えることは可能かもしれないが、それでは結局、アメリカ側の期待に応えるための話に過ぎない。
日本の国防にとっては、地対艦ミサイル部隊を南西諸島に配置することの目的は、日本の領土である南西諸島やその周辺領海への中国軍戦力の接近を阻止することでなければならない。すなわち、中国人民解放軍侵攻艦隊の日本侵攻の意欲を挫(くじ)く(=抑止効果を期待する)ためには、各島に極めて多数の地対艦ミサイルを保持する部隊を配備する必要があるのだ。
日本防衛のためとアメリカの国益のためではミサイル部隊設置内容は異なる
もちろん、地対艦ミサイル部隊の射撃管制を支援し誘導するために、早期警戒機や艦艇(できれば衛星も)に搭載されているセンサー類も充実していなければならない。
このように強力な地対艦ミサイルや対空ミサイル、それにセンサー類のネットワークで南西諸島をミサイルバリア化したならば、中国艦艇や航空機が迂闊に南西諸島に近寄ることはまさにできなくなるのである。これこそが、中国が実施している「A2/AD」(接近阻止・領域拒否)戦略を逆手に取った日本版「接近阻止戦略」である。本年は、この日本版「接近阻止戦略」構築に向けての第一歩を踏み出す年にしてほしいものである。
〈追加資料〉
【中国の巨大海洋監視船が完成】南・東シナ海で警備か
〈追加資料〉
【中国の巨大海洋監視船が完成】南・東シナ海で警備か
2016.1.12 22:57更新 http://www.sankei.com/world/news/160112/wor1601120081-n1.html
2016年1月12日付の中国英字紙チャイナ・デーリーなどは、中国で新たな海洋監視船「海警3901」(1万2千トン)がこのほど完成、近く海警局に引き渡される見通しになったと報じた。中国の人工島造成で緊張が続く南シナ海で警備に当たる見通し。
同クラスの「海警2901」も既に東シナ海を管轄する東海分局に配属されているが、配備はされていないという。
同紙などによると、この2隻が実際に配備されれば、日本の海上保安庁が保有する世界最大級の巡視船「あきつしま」(6500トン)と「しきしま」(同)を上回る監視船となる。
海警3901は76ミリの機関砲や対空砲などを装備しているほか、重量級ヘリコプターの搭載も可能とされる。
《維新嵐こう思う》与那国島の陸自配備については、レーダーサイトの設置であって北村氏が言われるような「地対艦ミサイル」が直接配備されるわけではない。地対艦ミサイルの配備は石垣島、宮古島へ配備される。
尖閣諸島の我が国領海接続水域へ侵入を繰り返す人民解放軍巡視船が「重武装」してきている背景には、台湾の総選挙において「独立派」とされる民進党の蔡英文氏の台頭が影響しているのかもしれません。選挙後の新生民進党政権が「国防」の観点から台湾海峡防衛を固めて、共産党中国と距離をとる政策を進めないとは限らないという思惑があるからではないだろうか?
共産中国が台湾を自国主権に組み込みたい願望は周知のとおりだが、軍事的な台湾併合も視野になくならない限り、台湾海峡の制圧は不可欠なことだからである。
台湾海峡を制すれば、人民解放軍の攻撃型原潜を台湾の東部に回り込ませて、アメリカ第七艦隊やわが自衛艦隊の接近を阻止することができるからである。
もしも中国の巨大巡視船が体当たりを仕掛けてきたら
軍艦の方がまだよかった中国の厄介な方針転換
2016.1.21(木)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45822
中国のモンスター巡視船「海警3901」
日本政府や一部マスコミから「アメリカの知日派」ともてはやされる数人の“大物”たちはいざ知らず、純然たる軍事的観点から日本周辺の軍事情勢を見守っている少なからぬ米軍関係者たちに、このところ気になるコンセンサスが出来上がりつつある。
それは次のようなものだ。
「日本における昨今の防衛政策の方向性は、日本にとってはもちろんのこと、同盟国アメリカにとっても評価すべきである。しかし個々の具体的施作を検討してみると、実効性にクエスションマークをつけざるをえないものや、実質的には“言葉だけ”とみなさざるをえないものが目立つ」──。
「中国軍艦の無害通航権は認めない」と通告
先週、中谷防衛大臣が語った中国当局への通告も、まさにこのようなコンセンサス形成を後押しするものの1つである。
中谷大臣は次のように語った。「尖閣諸島周辺の日本領海においては、中国の軍艦に対して無害通航権を認めず、人民解放軍海軍艦艇が尖閣周辺の日本領海に侵入した場合には、海上警備行動を発令して自衛隊軍艦を派遣する」
この通告は、昨年(2015年)11月に中国軍艦が尖閣周辺海域に接近したことを受けて、日本政府から中国政府に対して発せられたという。
中国軍艦の“無害通航権行使の試み”は、アメリカ海軍の「FONOP」(公海自由航行原則維持のための作戦)がきっかけだったとみてよい。2015年10月27日、アメリカ海軍はFONOPを発動し、南シナ海で中国が建設中の人工島の1つであるスービ礁の12海里内海域で駆逐艦を航行させた。中国海軍はこれを受けて、日本の領海に接近したものと考えられる(本コラム2015年11月5日「遅すぎた米国『FON作戦』がもたらした副作用」参照)。
中国政府はアメリカのFONOP実施に対して、「いかなる国家といえども、中国当局に通告しないで中国の領海に軍艦を乗り入れることは、無害通航権に基づく通航とはみなされ得ない」と声明を発し、南沙諸島に建設中の人工島(7カ所)周辺海域での軍艦による無害通航権を認めないと宣言した。
日本政府による尖閣周辺海域での中国軍艦に対する無害通航権の拒否は、中国政府から見れば「中国政府と同じ論理」に基づくものである。したがって、もし日本の軍艦が南沙諸島の中国領海(と中国が主張している)内に乗り入れた場合には「日本も中国艦艇に対する無害通航権を拒絶している」と言い立てて、直ちに軍艦や航空機それに地対艦ミサイルなどによる強硬手段に訴える根拠とするであろう。
海警局武装巡視船を主役に据えた中国
日本政府が中国軍艦に対する無害通航権を認めない通告を発したのに対応して、中国当局は昨年12月下旬からこのかた、人民解放軍フリゲートを海警局に移籍し改装した巡視船を、尖閣周辺海域に繰り返して展開させ、日本領海内も通航させている(本コラム1月7日参照)。
すなわち中国側は、軍艦ではなく“強力な”海警局巡視船により、領海の主張を威嚇的にアピールする方針に転換したものと考えることができる。
これらの重武装巡視船に加えて、昨年秋からは巨大巡視船も、尖閣周辺海域を中心とする東シナ海でのパトロールに常備されるようになっていた。
この巨大巡視船というのは、昨年の本コラムでも取り上げた1万2000トン級巡視船のことである。
かねてより日本の海上保安庁は、尖閣周辺海域の警戒を強化するために世界最大の「しきしま」型巡視船を投入していた。満載排水量9350トンの「しきしま」は軍艦構造で2基の35ミリ連装機関砲(同型二番船「あきつしま」には40ミリ機関砲)と2基の20ミリガトリング砲で武装しており、ヘリコプターも2機搭載する強力な巡視船である。
このような強力な巡視船に対抗すべく中国が建造したのが基準排水量1万2000トン(満載排水量は万15000トンと考えられている)の「海警2901」である。
海警2901
この超大型巡視船には76ミリ速射砲、37ミリ連装機関砲2基、対空用近接防御火器システム2基(推定)、それに2機の大型ヘリコプターが搭載されている。ミサイル発射装置や魚雷発射管こそ装備されていないものの、多くの国々のフリゲート以上の火砲を装備している“モンスター巡視船”である。
米海軍駆逐艦や米国沿岸警備隊の巡視船と比較すると海警2901の巨大さがよく分かる
中国はこの超大型武装巡視船の追加建造を急ぎ、1月11日には2番船「海警3901」が完成した。「海警3901」は近く南シナ海のパトロールへ派遣されることが、人民日報によって確認されている。人民日報の記事によれば、「海警3901」の武装は「海警2901」と同一であり、世界最大最強の沿岸警備隊巡視船である旨を誇らしげに紹介している。
そして、中国当局やメディアが巡視船を紹介する際に見受けられるように「この巨大巡視船は、他の艦船との衝突に対する抗堪性に秀でている」ことを謳っている。巡視船が取り締まり対象船舶と衝突する事態は想定内といえるが、中国の言う衝突は、相手が軍艦であろうとも衝突して沈めてしまうことを意味しているのだ(本コラム2015年8月6日「米海軍があ然、中国『新鋭巡視船』の驚きの戦法とは」参照)。
武装巡視船と海上で遭遇したら極めて厄介な状況に
「海警3901」が就役することによって、中国海警局は「海警2901」を尖閣諸島周辺海域に、「海警3901」を南沙諸島周辺海域に、それぞれ長期間にわたって展開させておくことが可能になった。見た目にも巨大で威圧感のある重武装巡視船を領土領海紛争海域に展開させることによって、海軍艦艇の代わりに「show the flag」のデモンストレーションを実施し、いざという時には敵巡視船や、敵軍艦にも体当たり戦法を敢行することになるのだ。
すでに世界最大規模となった中国海警局を、中国当局がこのようにますます充実させている状況に、アメリカ海軍関係者たちの多くも眉をひそめている。
というのは、「海軍艦艇に対しては、海軍艦艇や航空機を投入して何通りもの伝統的戦術で対処することが可能である。しかし、こちらが海軍艦艇で相手が沿岸警備隊巡視船となると、それも巨大な重武装巡視船となると同様にはいかない。海上で遭遇し対決する事態に直面してしまった場合には、極めて厄介な状況に陥ってしまう」からである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45822?page=5
例えば、海上自衛隊護衛艦「すずつき」(満載排水量6800トン)が尖閣周辺の日本領海内で「海警2901」と遭遇し、双方が極めて近距離にまで接近したとしよう。そして、突如「海警2901」が全速力で「すずつき」に“体当たり戦法”を実施してきた場合、米海軍の専門家たちによれば「すずつき」が取りうる行動は、次のようになる。
「『すずつき』としては、なんとしてでも『海警2901』から離脱することだ。相手が軍艦ならば至近距離でミサイルが使えなくとも127ミリ速射砲で対応することができる。だが、相手が巡視船である限り、武器を使用しての正当防衛は困難だ。とにもかくにも『海警2901』による衝突を避けることに全力を挙げなければならない」
「場合によっては『すずつき』の左舷にできるだけ浅い角度で『海警2901』が衝突するように操艦する手もあるのだが・・・」(海上での衝突を予防するための国際条約「CORLEGS」によると、相手の左舷が視界にある艦船に衝突回避義務がある。)
「いずれにせよ、『すずつき』は『海警2901』が体当たりを仕掛けてくる一部始終を鮮明にビデオに撮って、海幕と日本政府が直ちに公表して国際社会に中国海警巡視船の無謀さをアピールするしか手はない」
2016年は、中国海警局の“モンスター巡視船”や軍艦から転籍した重武装巡視船などが頻繁に尖閣周辺海域や南沙諸島海域に展開して、海上保安庁巡視船や海上自衛隊艦艇、そして米海軍艦艇などが撹乱させられる年になりそうである。
《維新嵐こう思う》南シナ海での人工島の「要塞化」と東シナ海での尖閣諸島への繰り返される我が国への領海侵犯、沖縄への「民意への」政治工作戦略は、非常に巧妙に、かつ同時進行的に、一定のテンポをもって侵行されていると感じています。
南シナ海を共産中国の「内海化」するためには、東シナ海を「拠点化」し、在日米軍に圧力をかけ、米第7艦隊の動きを封じなければなりません。
とはいえ空母打撃群をもたない共産中国にとって第7艦隊を封じることは容易なことではありません。アメリカの空母を封じる共産中国の切り札は何か?
戦略型、攻撃型原潜と弾道ミサイル、巡航ミサイルということになるでしょうから、尖閣諸島や南沙諸島には、米第7艦隊を封じるだけの戦略型原潜やミサイルを伴う基地ができ、要塞化されることはまちがいないはずです。
「巡視船」という形はとってはいますが、これは海上保安庁の巡視船を意識してのことであって、「武装巡視船」は、はっきりいってフリゲート艦艇とみてまちがいないでしょう。海洋法規を遵守する形を前提にして、新型巡視船としてフリゲート艦艇を送り込み、海上面的に我が国海上保安庁を数で圧倒、共産中国が尖閣諸島の巡視をしているという形を作り出し、領海としての既成概念を作り出した後、無人島である尖閣諸島獲得にむけて政治工作を静かに猛烈にかけてくるかと想像できます。
自国領土への侵略の恐怖は終わっていません。既成の概念、従来の政治家や企業家、官僚の既得権益優先の考え方は廃して、民族の存亡という観点から政治を変えていけるような政治を強く求めます。
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