2016年3月5日土曜日

「米中戦争の様相」① ~譲らない共産中国の覇権主義~

南シナ海 さらなる軍事化を防げるか
ウッディ島にミサイル、戦闘機を配備

小谷哲男 (日本国際問題研究所 主任研究員)

20160302日(Wed)  http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6232

 中国が南シナ海で実効支配する拠点の軍事化を進めている。米メディアによって、パラセル(西沙)諸島最大のウッディ(永興)島にHQ-9地対空ミサイルが配備された衛星写真が公開され、世界の注目を集めている。同ミサイルはロシアのS-300のコピーだが、射程距離は100キロほどとみられ、近くを飛行する航空機には脅威となる。米軍によれば、ウッディ島には、HQ-9の他、監視レーダーや最新鋭のJ-11戦闘機やJH-7戦闘爆撃機の配備も確認されている。中国はパラセル諸島を拠点に南シナ海北部の防空能力を高め、これによって戦略ミサイル原子力潜水艦の基地がある海南島の防衛を固めようとしているのだろう。
201593日の軍事パレードでの「HQ-9」地対空ミサイル

南シナ海を「中国の湖」とする
 また、米国の戦略国際問題研究所(CSIS)はアジア海洋情勢透明化プログラム(AMTI)のウェブサイトで、中国がスプラトリー(南沙)諸島で造成中の人工島に高周波レーダーらしきものを設置している衛星写真を公開した。中国はすでに人工島に建設した3000メートルの滑走路で民間機のテスト飛行を行っており、いずれは軍用機の運用や対空ミサイルの配備も開始するとみられる。スプラトリー諸島に軍事拠点を持つことで、中国は南シナ海南部の防空能力を高めることができる。
 中国がこのままパラセル・スプラトリー諸島で軍事化を進め、制空権を固めれば、南シナ海上空に防空識別圏を設定し、アメリカ海軍が行っている空からの偵察活動を妨害するだろう。その上で、南シナ海を「中国の湖」とするために、外国艦船の航行の権利を制限し、独自のルールを押しつけると考えられる。民間の船舶や航空機の運航にも影響が出るだろう。
 米国は中国が南シナ海を軍事化していると非難したが、中国は米国が「航行の自由作戦」によって南シナ海問題を「軍事化」していると反論し、ミサイルの配備は「自衛」措置であり、「軍事化」ではないと自らの立場を正当化している。米太平洋軍のハリス司令官は、中国が南シナ海で軍事拠点を拡大していることに対抗するため、今後「航行の自由作戦」をより強化すると述べているが、中国はこれを逆手にとってさらに軍事化を進めると考えられる。

一方、中国の周辺諸国では南シナ海の軍事化に対する足並みがそろっていない。パラセル諸島へのミサイルの配備は、米国がアジア重視政策の一環として、初めて東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議を主催するタイミングを見計らうように行われた。
中国の一方的な現状変更に対するコストを高める
iStock

 オバマ大統領は、会議で南シナ海における中国の活動を牽制することを提起したとみられる。しかし、同会議の共同声明文では「航行の自由」や「非軍事化と自制を促す」という表現は明記されたが、肝心の「南シナ海」への言及はなかった。非公式にカンボジアやラオスなど中国と緊密な関係にある国々の抵抗があったからだろう。その後ラオスで開かれたASEAN外相会議では、議長声明で南シナ海情勢への懸念が表明されたが、「中国」への言及はやはりなかった。
 現状では、中国が南シナ海の軍事拠点化をあきらめる見込みは少ない。国際社会は、外交、軍事など様々な手段を講じて、中国の一方的な現状変更に対するコストを高めなければならない。
 そのためには、フィリピンが進めてきた南シナ海問題の仲裁裁判の結果をどのように有効活用するか検討すべきだ。フィリピンは、2013年に始めた仲裁手続きで、九段線に基づく中国の南シナ海での主張と国連海洋法条約の整合性の有無と、中国が占拠する岩礁の法的な地位の明確化などを求めてきた。中国は、裁判所に管轄権はないと仲裁手続きへの参加を拒否しているが、岩礁の法的な地位について仲裁裁判所が今年の6月にも最終判断を下す見込みだ。
 中国が占拠し、人工島を建設している岩礁が、満潮時に水没する低潮高地だと裁判所が判断すれば、中国の南シナ海での行動は法的根拠を失う。低潮高地は国際法上領有が認められないからだ。領有もできない岩礁の上に人工島を造成し、それを軍事拠点とすることは国際法違反ということになる。
 この仲裁裁判の結果は法廷拘束力を持つが、中国にそれを受け入れさせる強制手段はないため、中国は裁判の結果を受け入れることはないだろう。しかし、このような法的な手段が中国の行動に変化を与えないわけではない。たとえば、仲裁裁判所が岩礁の法的地位についての検討を始めた後に開かれた東アジアサミットで、中国の李国強首相は九段線に基づいて中国の主張を正当化しなかった。
 また、インドネシア政府が同国領であるナトゥナ島付近での中国船の活動をやめさせるために国際裁判を検討していることが明らかになると、中国外交部は同島の主権がインドネシアにあることを確認する異例の声明を出した。司法的な手段によって、中国の行動に一定の影響をもたらすことは可能だ。

国際社会はさらなる法廷手段を検討するべき

 中国の行動を改めさせるため、国際社会はさらなる法廷手段を検討するべきだ。特に、中国による岩礁の埋め立てと人工島の建設は、南シナ海の海洋環境を破壊している。国連海洋法条約の下で、中国には海洋環境を保護する義務を負っているため、海洋環境の保護を中国に求めるとともに、司法手続きを検討することで中国による南シナ海の軍事化を牽制することができるだろう。 
 2003年に、マレーシアはシンガポールが両国の海洋境界付近で行っていた埋め立てが、航行の安全や海洋環境への悪影響を与えている、と国際海洋法裁判所に埋め立ての中止と環境に関する情報の提供を求めて提訴し、裁判所が一部の埋め立ての中止を命令したという前例もある。
 加えて、国際裁判所が中国の行っている人工島の建設に法的根拠がないとう結論を下せば、米軍が行っている「航行の自由作戦」に日豪なども参加し、国際的な活動にするのが望ましい。仲裁裁判の判決の受け入れを中国に受け入れさる強制手段はないため、各国の軍が中国の人工島周辺に敢えて入り、そこで訓練や演習、偵察活動を行うことで、国際裁判所の判決を軍事的に裏づけることが必要だ。
 国際法を通じて中国の行動を返すには、国際社会が十分連携する必要がある。日米や豪州、ヨーロッパ諸国はフィリピンによる仲裁手続きを平和的手段として歓迎しているが、ASEANの中にはまだこれを支持していない国がある。このため、ASEANが一丸となってフィリピンの平和的な解決を目指す努力を支持するよう、2国間や多国間の協議を通じて働きかける必要がある。
 ただし、この仲裁裁判の結論は、日本にとって諸刃の剣となる可能性がある。国際司法の場で岩に関する判断基準ができれば、沖ノ鳥島の法的地位についてもその基準が当てはまるかもしれない。中韓は沖ノ鳥島が排他的経済水域や大陸棚の基点になり得る島ではなく、岩であると主張している。このため、日本は沖ノ鳥島の法的地位を守るための理論武装を一層行う必要がある。


南シナ海覇権獲得への“飛び石”か 中国西沙諸
島ミサイル配備の狙い

岡崎研究所
20160323日(Wedhttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/6362
2016218日付のForbesで、米シンクタンクAEIのマイケル・オースリン部長が、西沙諸島におけるミサイル配備は、中国が南シナ海一帯に軍用基地のネットワークを構築するための一歩であるとして、警鐘を鳴らしています。要旨は以下の通りです。
中国がミサイルを配備した西沙諸島の永興島(Getty Images

中国にとってもってこいの飛び石である永興島
 中国が西沙諸島の最大の島、永興島(Woody Island)に地対空ミサイルを配備した。米国やアジア諸国は中国を非難しているが、中国がこの種のミサイルの最初の配備先として永興島を選んだのには理由がある。
 永興島は潜水艦基地を抱える海南島の南東250マイルに位置する。この島は台湾とベトナムも領有権を主張しているが、中国が1956年以来支配している。この島は自然に任された地域ではなく、昔から港があり、中国は1990年に滑走路を建設した。昨年遅くには、中国はJ-11戦闘機を配備し、西沙諸島周辺の空域をコントロールし得ることとなり、また、海南島の戦闘機の支援も得て200マイル先の南シナ海奥深くまでコントロールし得ることとなった。中国に言わせれば、HQ-9ミサイルは島の航空機や船舶を守るための防御措置、ということになる。中国の狙いは、全ての領有地に、先進の防御措置を施すことをゆっくりと常態化していくことにある。
 中国は、東南アジアでの軍事競争をエスカレートさせることに平気な様子である。「航行の自由」作戦のような米国の行動に引き下がることは拒否している。永興島のミサイルは100マイルの空域の米軍用機の脅威となり得る。中国は米艦船を狙った地対艦ミサイルを配備することもできる。
 永興島は、南シナ海一帯に軍用基地のネットワークを広げていくために、もってこいの最初の飛び石である。もし、南沙諸島に地対空ミサイルを配備し、大きめの島にジェット戦闘機を配備すれば、中国は南シナ海全域をカバーできることとなり、飛行の自由が危険に晒される。近隣諸国には中国を駆逐する力はない。中国の目標は、域内諸国にその卓越した地位を認めさせることにある。
地域の力のバランスは急速に変化している。ある一国が、共有の水路と航空路に対する自己の権利を主張する力を持つ状況となりつつある。これは大戦以来、アジアにおける圧倒的な力の出現の阻止に努めてきた米国の戦略に対する打撃である。
 中国がその目標を達成したとしても、必ずしも戦争を意味しない。むしろ、力は権利になり、ルールは最強の国によって作られる、ということの暗黙の了解を意味しよう。それは自由主義的な国際秩序を脅かす世界的無秩序のもう一つの証拠である。
出典:Michael Auslin ‘Asian Escalation: Why China Picked Woody Island For Its First South China Sea Missiles’(Forbes, February 18, 2016
http://www.forbes.com/sites/michaelauslin/2016/02/18/asian-escalation-why-china-picked-woody-island-for-its-first-south-china-sea-missiles/#368460ad4147
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西太平洋からの米軍駆逐狙う中国
 この論説は、南シナ海で覇権を求める中国の良く知られた戦略的な行動を、西沙諸島へのミサイル配備という新たな展開を踏まえて、改めて記述し、警告を発するものです。中国が西太平洋から米軍を駆逐することを狙っていることに疑いはありません。

 問題は、どう対応するかにありますが、少なくとも南シナ海における力のバランスが致命的に悪化しないよう努力する必要があります。そのためには、米軍のプレゼンスを目に見える形で強化すること、すなわち、米国が「航行の自由」作戦の回数を増やすとともに、そのビジビリティを高めることが必要と思います。ビジビリティを高めることが、中国とこの地域の諸国に、米国の決意を知らしめることになります。過去2回の「航行の自由」作戦では、米国はその態様と目的を公に説明することに及び腰でした。当然のことを当然のように行うのですから、ことさら説明はしないという立場なのかも知れませんが、米国の弱腰振りを印象づけることになっているように思います。日本もできることをやる必要があるでしょう。

【中国全国人民代表大会2016】
中国国防費7~8%増・南シナ海念頭に軍拡は維持 報道官が会見~中国共産党の言い分

2016.3.4 14:30更新 http://www.sankei.com/world/news/160304/wor1603040011-n1.html

中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が201635日に開幕するのを前に、全人代の傅瑩報道官が4日、北京の人民大会堂で記者会見し、2016年度の国防費が前年度実績比7~8%増になる見通しと明らかにした。国防費が1桁の伸びにとどまったのは10年度予算案以来だが、依然として国内総生産(GDP)の成長率を上回る高水準で、南シナ海での権益確保などを念頭に軍拡を継続する方針が鮮明となった。
 南シナ海での地対空ミサイル配備などを念頭に「防御施設を配備することは必要な措置だ」と述べ、正当化した。
 また「南シナ海に最も多く軍の飛行機や艦船を派遣しているのは米国だ」と述べ、「軍事化」の責任は米国にあるとの見解を表明し、米国を批判した。中国が南シナ海での軍事施設整備を全面的に正当化したことで米国や、フィリピンなどの周辺国との摩擦がさらに増大するのは必至だ。傅氏は、全人代の会期は16日までと発表した。(共同)

《維新嵐》南シナ海、東シナ海、西太平洋の海洋権益は、第二次大戦においてアメリカが大日本帝国との戦争において獲得してきた権益といえるものです。いわばこれらの海洋エリアを防衛するのは、アメリカの責任といえるでしょう。共産中国の主張はこのあたりをまるでふまえていません。本音はアメリカに変わってアジアの海洋覇権国になりたい、ということと考えられます。ですから西沙諸島での地対空ミサイル配備が国土防衛という主張はある意味正しい。新しく獲得した土地だからこそ自前の軍事力で「防衛」しなければならない、ということなのでしょう。ですがそれは周辺国の主権を無視した共産中国のエゴなんですけどね。

南シナ海問題は隠れ蓑か 虎視眈々と尖閣狙う中国

岡崎研究所
20160304日(Fri)  http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6222

米ハドソン研究所のハーマン上席研究員とリビー元米副大統領首席補佐官が、2016125日付ウォールストリート・ジャーナル紙において、中国はオバマの厭戦気性を見て日本との偶発武力衝突のリスクを冒すかもしれない、今年は東シナ海が問題となる可能性がある、と述べています。要旨は次の通り。
東シナ海における武力衝突の可能性
 中国は一つの地域に世間の注意を向かせながら他の地域でことを進める癖がある。今年は、南シナ海の人工島への航空機飛行とベトナム沖への油田掘削装置の移動で始まったが、日米などは東シナ海での動きに注意する必要がある。
 2010年から問題になっている尖閣について、中国は石油の埋蔵が明らかになる70年代までは日本の主権に反対していなかった。それ以後、日中の対立はエスカレートした。2013年には中国のフリゲート艦が日本の駆逐艦に武器発射レーダーを照射し、最近は初めて重武装の海監船艇が尖閣水域に入ってきた。
 東シナ海が中国による周辺国侵入の次の場所になる可能性がある。武力衝突の可能性が高まっている。中国の政府系研究所関係者は問題解決のために危機が必要かもしれないと示唆している。中国は日中衝突に持ち込めば日本は引き下がり、外交解決を図るだろう、特に米の軍事的支持が確保できない場合にはそうなるだろうと読んでいる。関係水域に侵入する中国の航空機や「調査船」の数は増えている。
 中国は日中関係の緊密化を欲していると主張する(14年以降安倍と習近平は二回会談した。李克強は日本の財界人に二国間関係の改善を訴えた)。しかし、中国は対話と武力の示威を両用する癖がある。14年と15年、習近平がインドと首脳会談を行っている時に、中国軍は両国国境の紛争地域に部隊を移動させた(中国軍はインド首脳の抗議を受けて撤退した)。
 中国経済が悪化する中、中国は国民のナショナリズムの高揚が政権浮揚に必要となれば対外攻勢を強めるだろう。衝突は海上での偶発衝突あるいは自衛のための発砲が起き、援護のため同僚艦艇や航空機が集結することから始まる。その後、銃撃や船舶の沈没が起きうる。更に援護勢力が集結するにつれ、外交関係者は自制等を訴える。他国は日本を支持するよりも事態の平穏化がより重要だと判断するだろうから、衝突の結果中国の主張への支持が高まる可能性があると中国は計算しているかもしれない。
 問題再燃の最大の理由はオバマの退陣が迫っていることだ。中国は、ロシアやイランのように、オバマはしばしば紛争から引き下がる、行動は取らず言葉で代えると思っている。日中の対立が武力衝突にエスカレートすれば、中国は米国が日本に自制の圧力をかけるだろうと考えている。中国は、オバマは大統領選挙を前に中国と紛争を構える気はないと思っているかもしれない。
中国はかかるリスクを冒すか。政治的目的を達成するため短期決戦を利用するのは習近平が初めてではない。73年の第四次中東戦争の際のサダトの例がある。中国軍は東シナ海で迅速に行動し、迅速にそれを終結するだろう。国際調停が叫ばれることになるが、恐らく中国の侵略は既成事実になり状況は中国に有利になるだろう。
 東シナ海問題は、石油資源や日本の領土主権といったことを超えた重要性を持つ。最重要のことは、日本の対米信頼が揺らぐことである。中国にとって、アジアにおける米の最重要同盟国を揺るがすことは石油を掘り当てる以上に価値あることである。
出典:Arthur Herman & Lewis Libby,Beijings Next Gambit, the East China Sea’(Wall Street Journal, January 25, 2016
http://www.wsj.com/articles/beijings-next-gambit-the-east-china-sea-1453745380
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中国対抗には日米安保強化を
 この論説の想定は、有り得るハード・シナリオです。これを含めあらゆるシナリオへの対応を良く検討しておかねばなりません。かつてサッチャーは「こと安全保障に関する限り自分は保守的な方に間違えたい」旨を述べています。至言です。
 指摘されている中国の思考は可能性のあることです。中国の軍事力が近代化、拡大し、その使い方がおよそ国際ルールに沿っておらず、周辺国に多大の安全保障脅威を与える今の状況が早期に変わる可能性は残念ながら当面見当たりません。これは中国の安全保障についての「ニュー・ノーマル(新常態)」かもしれません。それを前提に世界はこれに対処していかねばなりません。中国の振る舞いを変える圧力を継続することも当然です。
 記事は、日本の対米信頼の重要性を強調しています。これはその通りです。他方、記事は日中衝突が起きれば米は日本に自制を求めるだろうと中国は考えていよう、と述べていますが、中国指導部が日米同盟をそれ程軽く考えていることはないのではないでしょうか。ただし、米国において「巻き込まれ論」があることには関心を持っているでしょう。尖閣が日米安保条約第五条の対象であるとの米大統領の宣言は中国指導部に事実として重く理解されていると思われます(もしそうでなければ全く非合理だと言う他ありません)。しかし、それが本当に内外に信頼性を持つようにするためには、日米関係をきちっと運営し、日米安保関係を強化していく不断の努力が必要とされます。
《維新嵐》 尖閣諸島については、共産中国はある程度までは奪取に成功しています。つまり島以外の海域への影響力を増しつつあるということです。石垣漁協をはじめとする漁船は、尖閣諸島海域で操漁できなくなっています。中国海警や民兵による漁船団がやってきて取り囲まれ妨害されるからです。


無人島のまま放置する我が国にとっての尖閣諸島領有の根拠は、魚釣島をはじめとする国有化されている島嶼群と海上保安庁の巡視船によるパトロールによるものだけです。だから軍事紛争が起こる前に海自が防衛出動できないような形で、平成20年の時のように漁船のよる体当たりなど民兵が主体となってくる可能性が高いように思います。我が国の防衛戦略としては、相手の侵略行為を主張しながら国際世論に訴えて共産中国を牽制していくことが基本戦略となることでしょう。また尖閣に注意をとられている隙に沖縄を分離される工作が進んでいる話もあるのでこちらも政治的に牽制しなければなりません。在日米軍が近いという点で南沙諸島や西沙諸島とはまた意味が違うため、効果的なアメリカ軍との協調が不可欠になりますね。

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