2016年3月27日日曜日

【ブリュッセル連続テロ攻撃】欧州各国の反攻、次なるテロの懸念

【ベルギー同時テロ】
空港から逃走の男逮捕か、欧州各国がネットワーク“絶滅”へ反転攻勢
2016.3.26 23:28更新 http://www.sankei.com/world/news/160326/wor1603260043-n1.html

【ベルリン=宮下日出男】ベルギー同時テロで、欧州各国が関係する過激派グループの摘発を加速させた。同国メディアは2016326日、拘束者の1人が自爆のあった空港から逃走した容疑者の可能性があると報じた。テロ再発を阻止できなかった各国が攻勢に出ている形だが、テロのネットワークが欧州に広がっている実態も浮き彫りになった。
 「パリとブリュッセルを攻撃したネットワークは絶滅の道にある」。フランスのオランド大統領は25日、ベルギー側で行われた捜索の後、こう強調した。
 仏当局が24日に拘束したレダ・クリケット容疑者(34)は、パリのテロの主犯格、アブデルハミド・アバウド容疑者(死亡)ともつながり、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の戦闘員募集などを担当していた。
 ベルギー当局はこれを受け25日、ブリュッセル首都圏スカールベークなど3地区で関連の捜索を行い、男3人を拘束。当局は24日にも同時テロ関連で6人を拘束し、検察は26日、うち3人の逮捕を発表。うち1人は空港の実行犯の可能性があるとみて追及している。


ドイツ当局も23~24日にテロ関連で男2人を拘束。後手に回ってきた欧州の捜査当局だが、関係者の拘束や関係先の捜索を繰り返すことで、事件の解明と「次のテロ」の芽を摘む態勢づくりを急いでいる。
 ベルギー当局への批判が高まる中、25日に同国を訪れたケリー米国務長官は「あら探し」は不適切だとして、米連邦捜査局(FBI)も捜査に関与し、支援していると明らかにした。
 一方、逮捕されたパリ同時多発テロの実行犯で唯一の生存者、サラ・アブデスラム容疑者はベルギーのテロ発生後、調べに対して黙秘に転じ、全容解明が難航する可能性もある。

サイバーテロで「5年以内に原発乗っ取られる恐れ」
EU高官が警告
2016.3.26 21:43更新 http://www.sankei.com/world/news/160326/wor1603260039-n1.html

欧州連合(EU)のドケルコーブ・テロ対策調整官は2016年3月26日付ベルギー紙リーブル・ベルジックのインタビューで、5年以内にサイバーテロによって欧州で原発が乗っ取られる恐れがあると警告、対策強化の重要性を訴えた。
 ベルギー同時テロ以降、同国では原発や核関連施設を狙ったテロへの懸念が高まった。ドケルコーブ氏は「5年以内に(テロリストが)インターネットを使って原発の監視制御システムなどに侵入し、テロを行っても驚かないだろう」と語った。

 テロ直後、国内のティアンジュ、ドール両原発の職員が最小限の要員を残して避難。その上で原発の警備が強化された。

《維新嵐》 考えるだけで背筋が凍りつきますね。
もう原発の危険性は「理念」ではなく、東日本大震災で「現実化」された問題として国民の意識の中にあります。
 福島第一原発の廃炉へむけた作業はなかなか進んでいません。危険な放射性廃棄物の「完全な、安全化された処理方法」は確立されているのでしょうか?
 この点のクリアなくして原発再稼働に賛成できるわけないじゃないでしょうか?

非公式情報ながら、震災直後に福島第一原発のある原子炉においてマルウェアが自衛隊によって検出されていると聞きます。震災がなくても福島第一原発では「何かがおこった。」可能性が高いです。
 原発の新しい脅威についても政府は、再稼働や技術輸出と並んで国民に説明し、原発の必要性を問いかける必要があるかと考えます。そして今まで原発利権の上にいた方々は、そうした原発の危険性をふまえながら、あらためて原発の必要性と放射性廃棄物の完全な安全化方法を国民に説明しなければいけません。
 それで国民が原発はいらないと判断するなら、いさぎよく原発利権は放棄されるべき、利権者は痛みを伴うべきでしょう。
 共産中国が、原発事業を進めていてもあせる必要はありません。同じ土俵にのらないことです。こちらはこちらのエネルギーを開発、実用化すればいいのです。おそらく共産中国は、我が国が利権化された原発をやめられないことを見透かしているのかもしれません。

「戦争できる国はダメ」安保法反対集会、脱原発も
2016.3.26 17:23更新 http://www.sankei.com/politics/news/160326/plt1603260020-n1.html

2016329日施行の安全保障関連法への反対と、脱原発を訴える集会が26日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれ、参加者が「戦争のできる国になってはいけない」「原発再稼働は許さない」などと訴えた。主催した「さようなら原発1000万人アクション」や「首都圏反原発連合」などによると、約3万5千人が参加。その後、渋谷の街などをデモ行進した。
 作家の沢地久枝さんは安保関連法の施行について「子や孫、その先の世代まで何のためか分からない戦争に投じられ、血を流すことになる」と懸念を示し、「戦争ができる国になるのは絶対に反対だ」と語った。
 一方、福島県葛尾村で畜産農家をしていた松本信夫さん(64)は、東京電力福島第1原発事故後、牛をロープで縛り、餌も水も取れないようにして殺処分したという自らの体験を紹介。「あの光景は今でも忘れることができない。再稼働は絶対許せない」と話した。

《維新嵐》 しかし国家の主権と独立を守るための戦争ができる能力の構築は不可欠です。相対的な軍事力構築は戦争抑止の条件だからです。
 そういう意味では、安保関連法に反対する方々は、戦争そのもの、戦争抑止の基本的な点がおわかりになっていない、これでは脱原発というまっとうな主張も説得性をもちませんよ。また脱原発にしろ、テロやサイバー攻撃といった原発の新たな脅威リスクをふまえた議論ができないと話になりません。原発の危険性にフタをしている利権勢力の改革をどうするか、議論しなければ本質的な主張になりませんよ。

 ISとの戦いの新たな展開は、既にはじまっています。ブリュッセルでの連続テロ攻撃もこうしたアメリカや欧州の動きに反応したものかもしれませんね。

リビアにIS拠点できたらどうなるか?
岡崎研究所
20160322日(Tuehttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/6357

ワシントン・ポスト紙は、2016217日掲載の社説にて、リビアにISの拠点を作らせないために、ISと連合した民兵が占拠している都市スルトを空爆するなど、米国は直ちに軍事作戦に乗り出す必要がある、と述べています。要旨は次の通り。

イラク・キルクークで子どもの墓に座り込み嘆き悲しむ父親(iStock

リビアのIS傍観する米国
 2014年はじめ、オバマ政権はISがシリア東部からイラクに拡大するのを傍観していた。テロリストが何千もの外国人兵士に強化され、モスルを含む都市の支配権を次々と奪うのをただ見ていた。イラクのクルド人が崩壊するのを阻止すべく米国の空爆が実行に移された時には、広大な基盤を固めるのに十分な領域、経済的資源、軍事的装備を有していた。18カ月にわたる米国による空爆にもかかわらず、ISは揺るぎない。
 今、同様のことがリビアで起こっている。ISと連合したリビア人民兵がトリポリとベンガジの間にあるスルト(カダフィの故郷)を支配している。シリアにあるIS中枢部からの指示で、ISの外国人新兵はスルトを目指している。彼らはそこで西側の攻撃を受けることなく新たな「首長国」を作り得る。ペンタゴンは、今や5000人以上の戦士がスルトにおり、リビアの海岸線の200マイル近くを支配している、と言っている。彼らは、リビアの石油インフラを攻撃し、欧州に攻撃を仕掛ける野望を抱いている。
 オバマ大統領の国家安全保障上級補佐官たちは、時には公然と、テロリストの新しい強力な拠点ができるのを止めるには軍事行動が緊急的に必要である、と言ってきた。ダンフォード統合参謀本部議長は「我々は断固たる軍事行動を目指している」と述べた。しかし、ホワイトハウスはまたもや煮え切らない。それはイラクの災厄を繰り返させる恐れがある。
 政権高官によれば、対応の遅れの主要な原因は、軍事介入に先立ってリビアに新政府を樹立したいためである。国連の仲介者は、リビアの敵対する東西の政府に統一政府を支持させ、しかる後に国軍を作りジハーディストに対抗させようとしている。

問題は、両サイド、特に、リビアの東側の軍司令官Khalifa Haftar将軍の支持者からの新政府への抵抗である。新政府樹立が可決されればリビア国家再建への第一歩となるが、間違いなく長い時間がかかる。その間ISは強化されていくだろう。
 リビアの政治解決は、テロリストの脅威に対する行動の前提条件であってはならない。216日、オバマは新政府樹立にまつわる問題点を認め、ISがリビアに浸透するのを防ぐ機会を見出せば、我々はそれをとらえるだろう、とも言った。そういう機会はまさに今存在する。米国と同盟国は、スルトへの空爆を実施し、石油施設を守ろうとしてきたリビア防衛軍を助けることができる。オバマは、イラクとシリアで傍観者であろうとしたが、リビアで同じ過ちを犯すべきではない。
出典:‘The U.S. must act in Libya before the Islamic State grabs more territory’(Washington Post, February 17, 2016
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-us-must-act-in-libya-before-the-islamic-state-grabs-more-territory/2016/02/17/a0d35382-d4ea-11e5-b195-2e29a4e13425_story.html
***
 リビアはISにとって戦略上きわめて重要です。リビアがISの欧州、サブサハラアフリカ、他のマグレブ諸国、特にチュニジアへのテロ攻勢の足掛かりになることと、豊かな石油資源のためです。石油資源については、すでにISはリビアの石油インフラを標的にしており、石油の三日月地帯と言われる南部砂漠地帯の油田に対する攻勢を強めています。もしこれらの油田地帯がISの支配下に入ると、その影響は計り知れず、米欧はじめ世界は、なんとしてでもこれを食い止めなければなりません。
統一政府の代わりに米国が行動を
 ISが近年リビアに著しい進出をした背景には、リビアの政治混乱があります。リビアではカダフィ失脚後、東部の世俗派と西部のイスラム勢力がそれぞれ政府をつくり、対立してきましたが、国連の仲介で、昨年1217日政治協定が成立し、東西両勢力が統一政府を樹立することに合意しました。
 統一政府ができれば、ISに強力に対抗することが期待されますが、東西両勢力とも妥協には内部から強い反発があり、統一政府は簡単にできそうにありません。また仮にできたとしても、現在の対立する東西の武装勢力が協力するのは容易とは考えられません。その間ISの攻勢は強まるのであり、社説が、統一政府の樹立、機能の発揮を待たずに、米国が行動を取るべきだ、と言っているのは正しいことです。
 米国はこのような要請にこたえるかのごとく、リビアに空爆を行いました。米国防総省当局者は219日「サプラタの町(リビア北部のチュニジア国境近く、トリポリの西)のISの訓練施設を空爆した」と発表、「ISのリビアでの勧誘活動や拠点構築に打撃を与えることが期待される」と述べています。米軍がリビアのISを空爆したのはこれが初めてではありません。昨年11月には、IS幹部を標的に空爆を実施しています。今回の空爆が、以前の空爆と同様、限られた標的に対するものであったのか、ISに対する真っ向からの挑戦として、より戦略的なものであるかどうかはまだ分かりません。今必要なのは、より戦略的な空爆であり、米軍はそのような空爆を継続的に行うべきです。
《維新嵐》 ISの拠点を新たに作らせない戦略は、理解できますが、ISの組織的な性格を考えた時に留意しなければいけないことは、彼らは実は「サイバー戦部隊」であるということです。拠点攻撃の情報をつかめば、彼らは世界中、特に欧州にいるISメンバーに「テロ」という攻撃をするよう指示しやすくなってしまうことが考えられます。つまり「情報戦」のところでISを「無力化」しなければテロ攻撃はやまないのではないでしょうか?
 彼らが運営するwebサイトからサーバーに至るところ、各地に散らばるメンバーの運営するサイトや個人の所在に至る点など情報はおさえるべきでしょう。空爆は効果がないとはいいませんが、サイバー空間からISを無力化しなければ、ネットワークの破壊もならず完全勝利は難しいように感じられます。

0 件のコメント:

コメントを投稿