ISが犯行声明をだしましたが、パリの同時テロの記憶が冷めやらぬ矢先にフランスの隣国のベルギーの首都ブリュッセルにて、おきてはならない凄惨なテロ事件が発生してしまいました。
空港と地下鉄が標的だったせいか多くの方々がこの無慈悲なテロの犠牲になってしまいました。あらためてお悔やみ申し上げます。
はっきりいってこういう罪もない方々を巻き込むようなテロはもうやめにしてほしい、と強く思います。人類はもう人種や宗教による争いはやめて、みんなで力をあわせられる国際共同体を組織し、宇宙へその活路を探らなければいけない時代であるのに、いつまでこんな残酷なことを続けるのか、正直怒りがこみ上げてきます。
少しでもこのベルギーでのテロ攻撃について多くの方々に知見を深めていただけるように、そして凄惨なテロ攻撃を抑止するのは、どうすればいいのか?今後私たちは、ISとどうむきあっていくのか?考えていただけるきっかけになれば幸いです。
日本人にとっては、ISは同胞である後藤健二さん、湯川遥奈さんをむごたらしく殺害した不倶戴天の敵といえます。
【ブリュッセルの空港と地下鉄駅で爆発】30人以上死亡
BBC News
ベルギー・ブリュッセル北東のザベンテム空港で現地時間22日午前8時(日本時間同日午後4時)前、2回の爆発が起きた。さらに約1時間後には、ブリュッセル市内のマルベック地下鉄駅で爆発があった。ベルギーのミシェル首相は記者会見し、大勢が犠牲になったと述べた。
ベルギー当局によると、空港では少なくとも11人が死亡し、マルベック地下鉄駅では約20人が死亡。負傷者は計約250人に上り、多くが重傷という。
ベルギーの連邦検察は3つの爆発はいずれも「テロ攻撃」だと断定。空港での爆発の少なくとも片方は、自爆攻撃だとしている。
22日午後には過激派勢力「イスラム国」(IS)が犯行声明を出し、空港と地下鉄駅での攻撃がいずれも自爆攻撃だと主張したが、確認されていない。
ブリュッセルでは18日、パリ連続襲撃事件の主要共犯とされるサラ・アブデスラム容疑者が逮捕されたばかり。
ベルギー政府は最高レベルの厳戒態勢を敷いた。ベルギー国営ベルガ通信によると、政府は兵士225人をブリュッセルに追加配備する方針。
ベルギーの公共放送局RTBFは、対テロ警察がブリュッセル市内の複数拠点で家宅捜索を進めていると報道している。
空港では発砲音とアラビア語の叫び声?
ミシェル首相は会見で「盲目で暴力的で卑怯だ」と攻撃を非難。「この国の歴史にとって悲劇の瞬間だ。すべての人に、落ち着いて団結するよう呼びかけたい」と述べた。
爆発を受けてザベンテム空港は閉鎖され、到着予定便は他空港に迂回した。空港への鉄道も運行を中止した。
最初の爆発はSNブリュッセル航空とアメリカン航空のカウンター近く、2回目はスターバックスの店舗外で起きたとみられる。
ベルガ通信は、2発の爆発の前に発砲音とアラビア語の叫び声が聞こえたという情報を伝えた。
ジュネーブ発の便でザベンテム空港に到着したザック・ムゾンさんは、仏BFMテレビに「ひどかった。天井が落ちて、あたりは血だらけだった。けがをした人が大勢いて、かばんがちらばっていた。壊れたものの間を縫って歩いた。戦場のようだった」と話した。
金融業界で働くロンドン在住のオーウェン・リーさんは、爆発の30分前にチェックインを済ませたばかりだったという。「朝食を食べていたら、人々が一斉にこちらに走ってきた。レストランにいた人たちは、どうすればいいのか分からなかった。ただの訓練だと思っていた。店内にまだ残っていたが、次第にこれは本当の事件なんだと気が付いた」。
EU本部近くの地下鉄駅でも爆発
空港の爆発から約1時間後の午前9時11分には、ブリュッセル市内の欧州連合(EU)本部に近いマルベックの地下鉄駅で爆発があった。朝のラッシュアワーの真っ最中だった。市内の地下鉄は全面的に運行停止し、駅は封鎖された。
現場にいたアレクサンドル・ブランさんはAP通信に対し、「地下鉄がマルベック駅を出ようとしていたところで、ものすごく大きい爆発音がした。あちこちパニック状態になった。駅には人がたくさんいた」と話した。
ユーロスターはブリュッセルへの往復列車をすべて運行停止にした。
欧州委員会は職員に、自宅もしくは屋内待機を指示した。EU庁舎内で予定されていた会議はすべて延期された。
トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は連続爆弾攻撃を「テロ攻撃」と呼び、「憎しみと暴力をふりまくテロリストたちが、さらに低劣な行動に出た」と非難した。
ブリュッセル市内の学校食堂で働くライアン・マギーさんはBBCに、「市内のすべてが停止状態だ。市民は今のところ平静だが、緊迫している」と話した。
各国で高まる警戒
英国では、ロンドンのガトウィック、ヒースロー両空港での警戒レベルが引き上げられた。同国外務省はベルギー滞在中の英国民に人ごみを避けるよう促している。キャメロン英首相は22日午前中に、閣僚や治安・捜査当局者が出席する国家緊急治安特別閣議(COBRA)を開く予定。
フランスのオランド大統領はベルギーでの爆発を受けて閣議を開いた。カズヌーブ内相は、ふらんす国内の駅や空港、国境などの警備強化のため警官1600人を追加配備すると発表した。
オランダ各地やロンドン、ニューヨークでも同様の警備強化が実施されている。
「人々はショック状態」
航空貨物会社スイスポートのニールス・ケニョーさんはベルギーのフラマン語放送局VRTに、「休憩中に大きな爆発を聞いたし、感じた。出発ロビーの様子がここから見えるが、煙が立ち上るのが見えた。窓ガラスは粉々に割れている。外の人たちはショック状態だ。心配だ」と話した。
ベルギーのヤンボン内相は21日、アブデスラム容疑者逮捕に対する報復攻撃に備えて最大級の厳戒態勢を敷いていると述べていた。
「ひとつの強い(テロリスト)セルを摘発すると、他のセルが動くこともある。本件の場合、その可能性を意識している」と内相はラジオで話していた。
ザベンテム空港はブリュッセルから北東11キロにある。昨年の利用客は2300万人以上。
(英語記事 Brussels Zaventem airport
rocked by two explosions)
【ブリュッセル連続攻撃】空港で自爆攻撃の2人は兄弟か?3人目を追跡
BBC News
ベルギーの首都ブリュッセルで30人以上が死亡した空港と地下鉄駅の連続攻撃について、ベルギーの公共放送RTBFは23日、空港の防犯カメラに映っていた男性2人が兄弟だと報道した。2人は自爆して死亡したとみられている。警察は、一緒に映っていた3人目の男性を共犯とみて行方を追っている。3人目の男性が、パリ連続襲撃で逮捕された容疑者の共犯という情報もある。
RTBFによると、映像の左側に映っている男性2人は兄弟で、ハリド・エルバクラウイ容疑者とブラヒム・エルバクラウイ容疑者。2人は犯罪歴があり警察によく認識されていたとRTBFは伝えた。
映像は、空港で爆発が相次ぐ少し前に防犯カメラがとらえたもの。左側の2人は左手に黒い手袋をしており、この中に起爆装置を隠していたのではないかと指摘されている。3人目の男性は手袋をしていない。
RTBFによると、ハリド容疑者は偽名を使いブリュッセル・フォレ地区でアパートを借りていた。このアパートを警察が15日に強制捜査した際に、室内からパリ連続襲撃で指名手配されていたサラ・アブデスラム容疑者の指紋が発見され、18日の逮捕につながった。
フォレ地区の強制捜査では、武装した男性が警察に射殺されている。
連続攻撃については、過激派勢力「イスラム国」(IS)がインターネット上で犯行声明を出している。ISは、攻撃対象は「慎重に選定」したと述べ、「イスラム国に対して同盟している十字軍各国」はさらにひどい目に遭うだろうと警告した。フォレ地区で射殺された男性は、ISの旗をまとっていたという。
フレデリック・ヴァン・レーウ連邦検事は22日、防犯カメラ映像が映した帽子と薄い色の上着姿の男性を、警察が国内の複数カ所で探していると説明していた。
検事はさらに、ブリュッセル市内のスカルベック地区のアパートを家宅捜索したところ、釘を使った爆発物、化学薬品、ISの旗が見つかったと明らかにした。防犯映像の3人を空港まで乗せたというタクシー運転手の証言から、スカルベック地区の住所が特定された。
ベルギー紙ラ・デルニエール・ウールによると、この3人目の男性は、アブデスラム容疑者の共犯として指名手配されたナジム・ラアクラウイ容疑者だという。
「悲劇の日、黒い日」
22日に記者会見したベルギーのミシェル首相は「今日は悲劇の日、黒い日だ」と発言。その上で「すべての人に、落ち着いて連帯を示すよう呼びかけます」と求めた。
ベルギー政府は対テロ警戒を最高レベルに引き上げた。国として3日間の喪に服す方針。
ザベンテム空港では現地時間の午前8時すぎに、爆発が2回相次いだ。最初の爆発から逃げようとした人が2発目の被害に遭ったという情報もある。
3個目の爆弾が後に空港内で発見され、その場で爆発処理された。
ザベンテムのフランシス・フェルメイレン市長はAFP通信に、自爆攻撃犯たちはスーツケースに爆弾を隠し持っていたと話した。
空港での爆発から約1時間後に、ブリュッセル市内のメルベック地下鉄駅で爆発があった。近くには欧州連合(EU)本部がある。
爆発の原因は確認されていないが、ISはこれも自爆攻撃だったと主張している。
ベルギー当局は、空港で少なくとも11人が死亡し、地下鉄駅は約20人が死亡したとしており、死者は合計30人以上となった。負傷者は約250人に上り、多くが重傷という。
事件を受けてザベンタム空港は閉鎖され、地下鉄は全面停止。ブリュッセル往復の国際列車ユーロスターも運行を停止した。市内交通の一部は再開したが、空港は今後数日は閉鎖が続く見通し。
各国リーダーはベルギーに、追悼と連帯のメッセージを送っている。
キューバ訪問中のバラク・オバマ米大統領は「罪のない人たちへのとんでもない攻撃だ」、「友人で同盟国のベルギーを支援するため(アメリカは)何でもする」と述べた。また世界は「テロの災厄」と戦うために団結しなければならないと呼びかけた。
EU加盟28カ国の首脳は、爆弾攻撃は「我々の開かれた民主社会への攻撃だ」と共同声明で避難した。
国連シリア特使のスタファン・デミストラ氏は、国際社会がIS対策に再び集中できるよう、シリアの「戦火を早急に鎮火」することが喫緊の課題だと述べた。
ローマの観光名所「トレビの泉」やパリのエッフェル塔など、各地の観光名所がベルギー国旗の赤・黄・黒の三色でライトアップし、犠牲者を追悼すると共にベルギー国民との連帯を示した。
(英語記事 Brussels attacks: Police hunt
Zaventem bombings suspect)
ベルギーテロ犯 原子力研究者を監視 「汚い爆弾」製造の狙いか
欧州向けテロ要員600人を訓練
原発従業員もISに加入
佐々木伸 (星槎大学客員教授)
2016年03月29日(Tue) http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6441
ベルギーの首都ブリュッセルで起きた同時テロは過激派組織「イスラム国」(IS)の地下ネットワークが欧州に広く存在していることを明るみにし、ISが欧州向けのテロ要員として400人から600人を訓練していたことが分かった。原発施設もテロの標的になっていたことが濃厚で、「新たに出現しつつある脅威」(ファロン英国防相)が欧州を震撼させている。
核情報がISに
大規模なテロ要員の訓練情報はAP通信などがフランス議会関係者やイラク情報機関関係者らの話として報じた。シリアやイラクで訓練したことは分かっているが、正確な場所などは明らかではない。
要員は戦闘、自爆の方法、爆発物の製造・取り扱い、偵察技術などの訓練を受けた。この一部はすでに欧州に潜入していると見られており、ベルギー、フランス、ドイツなどのイスラム教徒の移民社会に同化している可能性が強い。欧州からはこれまでに約5000人のイスラム教徒の若者らがシリア入りしてISに加入し、実戦に参加。その一部は欧州に舞い戻っている。
今回のブリュッセルでの同時テロの実行者の中にこの訓練を受けた人物がいるかどうかは不明。しかし、欧州に根を張るISのテロ・ネットワークは昨年11月のパリの同時多発テロ以前に考えられていた以上に広範に渡っていたことが日増しに明らかになっており、根絶するには相当の時間が必要だ。
そうした中で、ブリュッセルの国際空港と中心部の地下鉄で自爆したバクラウイ兄弟は昨年、ベルギー北部モルの原子力研究所の技術者の自宅をひそかに監視、隠しカメラで撮影していた事実も分かった。この技術者を誘拐して、原発テロや放射性廃棄物を混合した「汚い爆弾」を製造することを狙ったのではないかと見られており、ベルギー政府は原発を厳戒態勢下に置いている。
放射性廃棄物を「汚い爆弾」としてまき散らす危険性
専門家らによると、テロリストたちが原発から高濃縮ウランを入手して核爆弾を製造することは現在のところありそうにないが、放射性廃棄物を「汚い爆弾」としてまき散らす危険性はある。この他、原発の中で爆弾を爆発させたり、原発にドローンなどを突っ込ませる危険性が指摘されている。
ベルギーでは2カ所で原発が稼働中。そのうち、2012年には、北部ドール原発の従業員2人がシリアに向かい、ISに加わった。その後パリ同時多発テロの主犯アブデルハミド・アバウトらと一緒にベルギー軍団の一員として戦闘に参加していたことが分かっている。
1人は戦闘で死亡したと見られている。もう1人はベルギーに戻り、2014年にテロ関連容疑で捕まって有罪になったが、昨年に釈放されている。この2人がISに原発の関連情報を漏らした可能性は大きく、そのことが今回の「原発テロ」計画につながっているのではないかとの見方も出ている。
世界遺産都市パルミラから敗走
ISのテロの脅威が欧州を震撼させる中、シリアとイラクではISが占領地を次々と失うなど弱体化が一気に進んできた。シリア政府軍は3月27日、昨年5月にISに占領された中部の世界遺産都市パルミラをほぼ制圧、奪還した。東部でもクルド人勢力が最近、戦略的要衝シャダディをISから取り戻した。
イラクでもISが占領中のイラク第2の都市モスル周辺の村々を政府軍が制圧、モスル奪還作戦が始まった。バグダッド西方でも政府軍がISを撃退しつつある。米当局者は「やっと1年半に及ぶ空爆の効果が出てきた」とし、イラクの将軍は「ISはもはや逃げるだけだ」と自信を示している。
イラク軍がISの交信を傍受したところによると、ISの戦闘員の士気は著しく低下し、脱走兵も急増している。前線のISの指揮官は戦闘員に戦うよう説得することが多くなっており、戦闘力が相当落ちているようだ。
組織の混乱は、ISの幹部が相次いで米主導の有志連合の空爆や特殊部隊の急襲で殺害されていることにもよる。米国によると、3日に1人の割合で幹部が殺害されているという。カーター国防長官が25日発表したところによると、米特殊部隊がシリア東部で、ISの対外戦略の責任者で、指導者バグダディに次ぐナンバー・ツーと言われていたハジ・イマームを殺害した。
4日の空爆で死亡した軍司令官オマル・シシャニに次ぐ大物幹部の殺害で、ISにとっては大きな打撃だ。イマームはイスラム国の前身「イラクのアルカイダ」の創設メンバーの1人。歴戦のテロリストだ。バグダディが殺害されるようなことがあれば、指導者の地位に就くと見られていた。
ISの壊滅はこれまでは、はるか遠い話とされていたが、「来年末までには壊滅できる」(米専門家)など、具体的にIS壊滅の見通しが出るようになってきた。
シリアで米軍急襲「イスラム国」ナンバー2殺害
2016年3月26日 1時23分 http://news.livedoor.com/article/detail/11339229/
【ワシントン=黒見周平】カーター米国防長官は2016年3月25日の記者会見で、米軍が今月にシリアで行った急襲作戦により、イスラム過激派組織「イスラム国」のナンバー2、ハジ・イマム容疑者を殺害したと発表した。
国防総省によると、イマム容疑者は「イスラム国」指導者アブバクル・バグダーディ容疑者の側近の一人で、「イスラム国」の財務大臣を務め、シリアやイラク国内の軍事作戦を統括していた。前身組織「イラクのアル・カーイダ」以来の要員で、2006年の空爆で死亡した同組織指導者のアブムサブ・ザルカウィ容疑者と密接な関係にあった。
カーター氏は記者会見でベルギーでの同時テロを踏まえ、「イスラム国」のイラクでの中心拠点となっている北部モスルの奪還作戦を急ぐ方針を強調。湾岸諸国と「イスラム国」対策を協議するため、4月20日にサウジアラビアの首都リヤドで会議を開く考えも示した。
《維新嵐》 ISのイラクやシリアでの影響力は有志連合の空爆とアメリカの特殊部隊のIS要人暗殺によって次第にそがれてきているようですね。その分残された幹部たちが本拠地のリビア移転を画策したり、欧州で戦闘員を募集してシリアで訓練する様子など考えるとまだまだ潜在的な力はあるようです。
ISは、サイバー戦部隊としての性質があります。インターネットを活用しての組織のイメージ戦略、戦闘員募集などを考えてもそれは理解できます。だからこそ原発を標的にした攻撃に最大の懸念と警戒をもたなければならないわけです。
原子炉に爆弾をしかけるよりも、原発の制御システムにマルウェアをしかけたり、原発の主電源や予備電源をとめれば、簡単に原子炉をメルトダウンさせることができることは我が国の東日本震災で全世界に知れ渡ってしまいました。空爆や要人暗殺も重要なミッションかもしれませんが、原発へのサイバー攻撃という新時代の戦争についも対策を考えておくべきでしょう。放射性廃棄物など散布されでもしたら、「遅効性」の被害が延々と続くことになりますよ。
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