2015年9月24日木曜日

陸上自衛隊「戦車削減論」

「戦車に冷房必要なし」日韓の共通認識


20150915 05:55http://blogos.com/article/133924/

韓国の戦車、内部温度は56度!なのに指揮官の車両はエアコン付き=韓国ネット「暑すぎて戦争なんてできるか」「これには実は深い意味がある!」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150913-00000001-rcdc-cn

>韓国合同参謀本部と防衛事業庁が11日、国会国防委員会のセヌリ党議員に提出した資料「戦車・装甲車冷房装置に関連する所要決定現況」によると、2006年の性能改良事業当時、軍の作戦要求性能に、作戦指揮任務のため将校が主に搭乗するK277指揮装甲車への冷房装置取り付けが反映された。

>「酷暑時、装甲車内部の温度上昇(4043度)による戦闘疲労を抑え、戦闘効率を向上させるために必要である」というのがその理由だ。また、 K277指揮装甲車と同様の車輪型指揮所車両にも戦闘指揮の効率化、運用利便性などを考慮して1000万ウォン(約100万円)台の冷房装置が装着された。しかし同時期、兵士が搭乗するK200歩兵戦闘車には、陸軍は冷房装置の必要性調査すらしておらず、合同参謀会議で議論がなされていなかった。

>また、合同参謀は陸軍が要求したK1A2戦車への冷房装置設置を最終決定していたが、事業推進中だった20082月、突然この決定を撤回することを防衛事業庁に伝えた。
費用対効果と戦術的運用に問題があるというのが理由だった。

>合同参謀は、K1戦車と戦闘環境が類似した最新型K2戦車には、「酷暑時、戦車内部の温度が56度まで上昇するため、冷房装置を技術的・付随的性能に反映することにした」としており、明らかに二重基準ではないかという批判を受けている。

 奇しくも戦車の冷房に関しての認識は日韓同じようなものです。もっとも指揮通信車には冷房つけるだけ韓国軍の方がマシでしょう。更に申せば装軌式の指揮通信車すらない自衛隊の現状はどうよ?と思いますが。


 各種装甲車を更新している韓国陸軍に対して、陸自は戦車だけは大好きで、新型戦車を導入しておまけに「装輪戦車」まで大量導入しますが、指揮通信車、歩兵戦闘車、自走迫撃砲、工兵車輌、偵察車輌など更新はおろか、既存車両の近代化すら行っておりません。このため電気系統やエンジンなどでトラブルが多く、稼働率はかなり下がっているようです。

 当然ネットワーク化なんぞは遠い世界のお伽話です。

 陸幕のメンタリティは新しくて「つおい玩具」を集めてはしゃいでいる程度の悪い軍オタレベルということです。


http://tompei.la.coocan.jp/aIMG_0996.jpgより)

 仮に10式に冷房を入れるにしても大変です。まず補助動力装置の出力を上げないといけません。現状は今の仕様でギリギリのようですからパワーの余裕はないでしょう。まず新品の補助動力装置を捨て新しい物に変えないといけない。また冷房の出力をミニマイズするためには、イスラエルように密閉した被服にダクトを通して、冷気を送る方法がありますが、車内が狭い10式にその余裕があるでしょうか。



(清谷試案)

 前から申し上げておりますように、陸自の機甲科は大幅に減らすべきです。
 まともに使える機甲旅団程度を1個、その他独立戦車大隊を1個程度の戦力まで減らすべきです。浮いた金で装甲車両の近代化、野戦救急車など本来装甲化の必要車車輌などに回すべきです。第7師団なんて実態は第7戦車博物館に近いでしょう。
 また更に浮いた金で海自や空自の近代化を行い、浮いた人員は海自あたりに回せばよろしいでしょう。

 ところが、戦車を減らすのは嫌だとゴネて、思考停止状態で、その上金がないのにオスプレイやらAAV7やら必要性が怪しい玩具を大人買いです。

 社内政治至上主義、「火の出る玩具」偏愛が許されるような胡乱な組織には未来はありません。


《維新嵐コメント》軍事ジャーナリストの清谷氏の自衛隊批判は、毎度辛口なものがありますが、よく的を得ているとも思えます。
 かねてから我が国の陸上自衛隊は「海兵隊化」すべきということは、持論ではありますが、新しい防衛大綱でも戦車の数は、大きく減らされており、北海道と九州に10式戦車、90式戦車をして配備されていくようです。
 陸自の防衛戦略が「島嶼防衛」に主眼をおいてきた点については、「海兵隊化」にむけて大いに評価できる点かと思いますし、本州の部隊の戦車を「機動戦闘車」に切り替える方針に動き出した点も大きな前進であろうと思います。
 戦車、長距離砲による「大陸陸軍」=アメリカの国防圏守備隊から「島嶼防衛」戦略を基本とする「海兵隊」へシフトするために戦車のあり方を変えていくことには大いに賛成できます。
 ただ「第7戦車博物館」とは手厳しい評価ですね。
 戦車への「冷房設置」については、ネットワーク化、ハイテク化を進める以上、戦車の車内温度をさげる観点から不可欠の要素と考えます。
 ハイテク機器は熱に弱いからです。エアコンでなくとも通気性をあげる工夫は継続すべきでしょう。戦車の防御性を下げないように、という矛盾した条件の中になりますが・・・。

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