2015年10月27日火曜日

米中「洋上決戦」Xデー!? アメリカ海軍沿海域戦闘艦の戦闘力

【米中“洋上決戦”Xデー】米空母機動部隊派遣!? 軍事専門家「中国が仕掛けるかたちで、『小競り合い』が起こる可能性もある」
2015.10.24 18:00更新 http://www.sankei.com/world/news/151024/wor1510240046-n1.html

 米国と中国の軍事的緊張がピークに達しつつある。習近平国家主席率いる中国が、南シナ海の岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化しているため、オバマ米政権は海軍艦艇の
派遣を、日本を含む関係各国に通達した。反撃をチラつかせる中国。米中による“洋上決戦”の「Xデー」はいつなのか。軍事専門家は「今週末にも」「数日以内」と分析した。(夕刊フジ

 米国が海軍艦艇の派遣「フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行自由)作戦」の腹を固めたのは、中国の暴挙が放置できないレベルに達しているからだ。
 中国は現在、南シナ海のほぼ全域を囲む9つの線からなる「九段線」(赤い舌)を引き、国際法を無視して南シナ海の大部分を「自国の領海だ」と主張。周辺国を力で恫喝し、複数の岩礁を埋め立てて軍事基地化を進めている。3000メートル級の滑走路を持つ人工島まで出現させている。
 米国や周辺国の抗議や警告に対し、習氏は、中国が南シナ海を一度も支配したことがないのに、「中国が行っている活動は、領土主権を守るための正当なものだ」と強弁した(ロイター通信のインタビュー)。
 これまで、「対中弱腰外交」と揶揄されてきたオバマ大統領も、今回ばかりは本気で激怒しているとされる。


 米海軍艦艇が派遣されるのは、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島だ。具体的には、中国が「領海」と強弁している人工島の12カイリ(約22キロ)内の海域が想定されている。
 米国家安全保障会議(NSC)のクリテンブリンク・アジア上級部長は20日、訪米していた河井克行首相補佐官に艦艇派遣を伝達した。
 習氏は2015年10月23日まで、米国の同盟国である英国を訪問している。米国が英国のメンツに配慮するとすれば、「Xデー」は習氏訪英後とみられる。
 軍事ジャーナリストの井上和彦氏は「オバマ氏はようやく“中国の本質”に気づいた。今回こそは艦艇派遣に踏み切るだろう。早ければ今週末かもしれない」とし、「空母機動部隊の派遣もあり得る」と分析した。
 空母派遣となれば、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されている、艦載機90機、兵員3200人、航空要員2480人という、世界最大級の原子力空母「ロナルド・レーガン」が、現地に向かうこともありそうだ。
 米国の空母機動部隊は、空母1隻を中心に、周辺をイージス巡洋艦やイージス駆逐艦、攻撃型原子力潜水艦などで護衛している。中国の動揺と混乱は必至だ。
 井上氏は「中国は、米国がそこまでやってくるとは思っていない。中国は何もできないのではないか」と語る。


一方、航空自衛隊南西航空混成団司令を務めた佐藤守・元空将(軍事評論家)は「ここで艦艇を派遣しなければ米国の威信は失墜する。(派遣は)数日以内にも行われるだろう」としたうえで、「空母が派遣される可能性は低いのではないか」との見解を示した。
 それでも、「少なくとも、イージス艦をはじめ艦艇5隻は派遣するだろう。第7艦隊が中心となるが、各方面から艦艇が駆けつけるかもしれない。米国防総省は現場の指揮官の選定など、具体的な準備を進めているはずだ」と推察する。
 米国の「怒りの鉄拳」に対し、中国はどう対応するのか。脅えて動けなければ、習政権自体が持たなくなる。

 佐藤氏は「中国が仕掛けるかたちで、『小競り合い』が起こる可能性もある」と予測している。


《維新嵐》アメリカが本当に共産中国に対して、直接軍事力による対応をすることはないでしょう。あくまで航行の自由作戦は、南シナ海、東シナ海の通行権を確保するために人民解放軍を牽制することが目的であり、人民解放軍も「戦闘」に至ることはないと考えています。
 空母を中心とした艦隊が確立されているアメリカと、ようやく運用のための試験をはじめた共産中国では、海洋覇権を担保する力が同じだとは到底思えません。
 共産中国は、アメリカも同じですが、孫子の兵法を学んで軍事戦略を実践する国であることを前提にして考えるなら、直接干戈をまじえるより、「戦わずにして勝つ。」戦いから外れることはしないはずです。
 アジア太平洋における米中対立の構図からしばらく目が離せませんね。


共産中国は「アメリカとの対決」をかわすために、「メディア戦」をしかけています。
共産中国は、軍事的に簡単に「勝てない」相手、国際的に影響力が大きい国に対しては、「非対称戦」で挑み、評判を貶めたり、国力の低下を謀ります。
「宣伝戦」であり、日中戦争で大日本帝国に対して中国国民党が実践して有効だった戦術ですね。

米海軍の戦闘艦は弱すぎ、「小型ミサイル艇」で撃沈できる=中国メディア
20151026 1023 http://news.livedoor.com/article/detail/10751672/

共産中国056型護衛艦


 中国メディアの新浪網は20151022日「米戦闘艦は(中国の)『056型』護衛艦も打ち破れない。ミサイル艇に撃沈されるかも」と題する記事を掲載した。記事は、米海軍が大量建造を計画する沿海域戦闘艦の戦力の低さを強調した。
 同記事が取り上げたのは、米海軍が配備を進めている沿海域戦闘艦(LCS)だ。記事はまず、沿海域戦闘艦の構想は1990年に始まったと紹介。しかし、当初計画の82隻建造は、コスト上昇などで52隻と6割程度にまで縮小されたと説明。さらに、米海軍全体が運用艦を削減しており、例として空母打撃群もかつては7-8隻の水上艦で構成していたことがあったが、現在は4隻程度と論じた。

アメリカ海軍LCSフリーダム級

 LCSの特徴については、2015年に全艦が退役するオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート(以下、ペリー級)と比較。LCSの第1の特徴としては高速性を挙げ、フリーダム級は47ノット、インディペンデンス級は44ノットとして、ペリー級の29ノットと比較した。


アメリカ海軍LCSインデペンデンス級

 戦闘力についてはまずLCSの主砲は57ミリで、ペリー級は76ミリと紹介。対空戦闘ではLCSは「SeaRAM」、ペリー級は「SM-1MR」を搭載。さらにLCSは対潜用にヘリ1機と無人機2基を、ペリー級はヘリ2機を搭載。水上艦に対してはLCSの「ヘルファイア・ミサイル」または「グリフィン・ミサイル」に対してペリー級は「ハープーン」を搭載と列記。LCSは戦闘能力でペリー級に劣り、空母護衛には「あまりにも無理」と論じた。

 さらにLCSの戦闘力は中国の056型護衛艦にも劣っており、戦闘になれば「一方的に叩かれる」と主張。中国の小型ミサイル艇である「022型(紅稗型)」に対抗するのも困難と論じた。

 記事は、「空母戦闘群に低コストの艦を導入しても、能力が劣っていたのではよい方策とは言えない」と主張。米海軍はLCSの改良版を検討しているとして、「ユートピアから現実に回帰していることは疑いない」と断定した。

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◆解説◆
 LCS登場の背景には、米軍事戦略の「海から陸へ」の構想がある。その場合、高性能ではあるが高価なために少数しか配備できない艦を陸に近づけたのでは、損害を受けやすく、損害を受けた場合のダメージも大きくなる。

 LCSは自国軍によるネットワーク戦の最前線展開を担い、情報収集などの役割を担う。攻撃の主体はあくまでも、後方に控えている強力な兵器群なので、LCS自身の戦闘力は最小限に抑えている。LCSが損害を受けても、戦力全体への影響は抑えられるとの考えだ。

 LCSについての米軍の当初構想が成功するかどうかは不明だが、上記記事はLCSについての米軍の「想定内の現実」をたどっているにすぎないと言える。

 LCS1番艦のフリーダムは2013年に、米軍が使用権を持つシンガポールのチャンギ海軍基地に配備された。同基地には最終的に、LCS4隻が配備される予定だ。LCSを優先的にシンガポールに配備したことは、中国による南シナ海への勢力拡大を牽制しようという米国の意志をあらわすものだ。そのため中国ではLCSへの関心が高い。(編集担当:如月隼人)

《維新嵐》共産中国にとっては、アメリカ第7艦隊、とりわけ新兵器のLCS(沿海域戦闘艦)は大変な脅威のようですね。共産中国を大陸に封じ込めるための兵器ですからね。



アメリカ海軍ついに共産中国の南沙諸島人工島に対して海上オペレーション発動!~対中姿勢を決断しましたね。

【当日の号外【産経新聞号外】米、中国人工島に駆逐艦[PDF]


米海軍が人工島12カイリ進入 航行の自由をめぐる米中対立
小谷哲男 (日本国際問題研究所 主任研究員)

20151027日(Tue)  http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5547
 中国が南沙諸島で岩礁を埋め立てて建設中の人工島周辺12海里(22キロ)に、アメリカが海軍艦船と航空機を派遣したと報じられている。国際法上、人工島には12海里の領海を主張することができないが、中国は人工島を「領土」とみなしている。これに対し、アメリカは中国の主張は公海における航行の自由を脅かすものとして牽制している。アメリカが海軍の派遣を決定したのは、中国の領有権の主張を認めず、公海での航行の自由を守る強い決意を示すためだ。
20151026日、米国防当局者は、米海軍が横須賀基地に配備しているミサイル駆逐艦「ラッセン」が、南シナ海で中国が造成した人工島から12カイリ(約22キロ)内に派遣したと報じた。(写真:ロイター/アフロ)
 中国は南沙諸島の領有権を主張しているが、実際には7つの拠点を押さえているに過ぎない。しかも、それらのほとんどは満潮時には海面下に沈んでしまうため、国際法上領有が認められる陸地ではない。にもかかわらず、中国はこれら岩礁の上に、観測施設などを建設してきた。そして、ここ数年はこれら拠点の大規模な埋め立てを行い、人工島の建設に力を注いできた。
 中国が大規模な埋め立てを始めたのは、自らが「歴史的権利」を主張する南シナ海の支配を目指し、軍事拠点を築こうとしているためと考えられる。特に、中国は南シナ海に浮かぶ海南島に戦略ミサイル原子力潜水艦を配備し、この国際海域を対米軍事戦略上の拠点と見なしている。長距離核ミサイルを搭載した戦略原潜によるパトロールはすぐにでも開始されるとみられ、中国は南シナ海上空に飛来するアメリカの偵察機からこの原潜を守らなければならない。このため、人工島に監視施設や飛行場を建設し、米軍の接近を阻む態勢の確立を急いでいるのだろう。
 また、中国はオバマ政権の対中姿勢を弱腰と判断し、人口島を建設してもオバマ政権が物理的にこれを阻止するとは考えなかったはずだ。他方、次期アメリカ大統領は対中強硬姿勢を取る可能性があるため、オバマ政権の間に可能な限り南シナ海の拠点作りを終えることを目指していると考えられる。特に、有力候補であるヒラリー・クリントン前国務長官は、5年前に南シナ海における航行の自由をアメリカの国益と公言したため、中国側では警戒心が高まっている(現時点では予期せぬドナルド・トランプ氏の人気に当惑しているようであるが)
 実際、当初オバマ政権は中国が人工島を建設していることを公には批判せず、水面下で中国に懸念を伝えるに留まっていた。また、最近アメリカ上院の公聴会で、2012年以降アメリカ海軍は建設が進む人工島の周辺に近づいていないことが明らかになった。おそらく中国との摩擦を避けたいオバマ政権が認めなかったのだろう。
 しかし、埋め立ての規模が拡大し、あらゆる軍用機を運用可能な3000メートルの滑走路の建設が始まるに至り、アメリカはCNNなど各メディアを通じて中国の埋め立て活動を国際社会に公開し、圧力を加えるようになった。同時に、アメリカ軍からは、人工島周辺12海里での「航行の自由作戦」の承認を求める声が高まった。オバマ大統領は9月に訪米する習近平国家主席との直接対話によって事態の沈静化を狙ったようだが、結局話し合いは平行線に終わり、「航行の自由作戦」を承認したと伝えられている。
 「航行の自由作戦」は、アメリカ政府が1970年代から行っているもので、沿岸国が国際法上認められない過剰な管轄権を主張する海域や空域に艦船や軍用機を派遣し、管轄権を認めないことを示すものである。たとえば、旧ソ連は領海内で外国艦船の無害通航権を制限していたが、アメリカ海軍は敢えて無害通航を実施し、無害通航権を認めさせた事例がある。

今回の南沙諸島での「航行の自由作戦」は、駆逐艦によって行われ、哨戒機も同行している可能性がある。中国はファイアリー・クロス礁、スービ礁、およびミスチーフ環礁で3000メートルの滑走路を建設しているとみられる。このうちファイアリー・クロス礁は満潮時でも一部が海面から出ており、12海里の領海と領空を主張することができるため、アメリカ海軍はファイアリー・クロス礁以外で「航行の自由作戦」を実施したようだ。アメリカの「航行の自由作戦」は1度では終わらず、断続的に行われていく可能性が高い。
 他方、中国はアメリカが「航行の自由作戦」を計画していることにすでに反発しており、今後どのような対応を行うかが注目される。あくまで外交的に抗議を行うのか、それとも人民解放軍を動かしてこれに物理的に対処するのか。後者の場合、軍同士の衝突の可能性も否定できない。米中間には軍同士の衝突を避ける行動規範が存在するが、中国が軍同士の衝突を避けることよりも、米軍の排除を重視するなら、これらの行動規範は役に立たないだろう。このため、「航行の自由作戦」の立案に当たって、米軍も人民解放軍との衝突を想定しているはずだ。
 南シナ海における中国の拠点作りは、西沙諸島と南沙諸島で進められているが、これでは南シナ海全体をカバーすることはできない。2012年に中国がフィリピンから奪ったスカボロー礁を埋め立てなければ、中国は南シナ海全体で航空優勢を確保することはできないのだ。今後、アメリカはすでに出来上がった人工島の存在を認めない一方、スカボロー礁の埋め立てを阻止することを目指すだろう。
 問題の本質は、米中の航行の自由に関する考え方の違いにある。アメリカにとって航行の自由は建国の理念の1 つであり、アメリカは航行の自由を守るために2つの世界大戦を含めた戦争を戦ってきた。他方、中国はアメリカにとっての航行の自由の重要性を過小評価し、南シナ海問題に介入するための口実にすぎないと誤解している。
 このように、米中が南シナ海で航行の自由をめぐって軍事衝突する可能性が高まっている。そのような事態が発生した場合、日本はどのように対処すべきだろうか。
 まず、南シナ海が日本経済にとって重要な海の生命線であるため、航行の自由の確保は国家安全保障上の最優先課題の1つだ。アメリカが「航行の自由作戦」を実施した場合、中国はアメリカが軍事的な緊張を高めたと批判するだろうが、日本政府はアメリカの立場を全面的に支持すべきだ。
 次に、来春、平和安全保障法制が施行されれば、新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に基づいた支援も求められる。米中が軍事衝突する場合、「重要影響事態」に認定される可能性が高いため、自衛隊がアメリカ軍の後方支援をすることも検討しなければならない。

 最後に、日本も「航行の自由作戦」に参加することを検討するべきだ。アメリカ単独よりも、日米共同で行う方がより強いシグナルを中国に送ることができる。問題は、現行の中期防衛力整備計画(中期防)では、南シナ海で運用するのに十分な哨戒機を調達できないことだ。今後、海上自衛隊は80機あるP-3C哨戒機を70機のP-1に置き換えていくが、南シナ海での哨戒に参加するなら、次期中期防でp-1の調達数を増やすことを検討しなければならない。
国防総省のデービス報道部長
 2015年10月26日の記者会見で「海洋権益を過度に主張する国(中国)に対抗する」と強調。スプラトリー諸島周辺海域での米軍の活動について、中国へ通告する義務はない、との認識を示していた。
カーター国防長官

「米軍は航行の自由を確保するため、世界のあらゆる場所で活動し、南シナ海も例外ではない」と、派遣をためらわない考えを示していた。

オバマ大統領

 国防総省は5月ごろから12カイリ内での航行を検討しオバマ大統領に進言。オバマ氏は自制してきたが、2015年10月に入り承認し、中国を除く関係各国に派遣方針を伝達していた。


2012年、東京で撮影されたUSSラッセン(DDG-82)
配信日:2015/10/27 11:55http://flyteam.jp/airline/united-states-navy/news/article/56181

 アメリカ海軍の駆逐艦「ラッセン(USS Lassen, DDG-82)」が20151026(日本時間1027)、中国の人工島12海里内に進入し、数時間にわたり滞在する見通しです。アメリカ海軍のニュースを伝えるNavy Times、ロイターなどが報道しています。ラッセンは横須賀基地に所属しています
ラッセンのfacebookページでも1026日付の投稿で、第51海上攻撃ヘリコプター飛行隊(HSM-51)ウォーローズがMH-60Rをメンテナンスする様子が紹介されており、場所は南シナ海としています。

 アメリカは中国が南シナ海、スプラトリー諸島で滑走路を含む埋め立てを行い、領海を主張していることを認めておらず、今回の作戦に至りました。なお、この作戦にはアメリカ海軍のP-8AP-3の哨戒機も参加するとロイターが伝えています。

《維新嵐》アメリカ海軍の「航行の自由」作戦は、従来のアメリカ海軍、海兵隊が進めてきている「エアシーバトル戦略」の一環ということがこの記事からよくわかります。まさに空海一体で作戦を進めています。人民解放軍を中国大陸に封じ込めることが目的ですから、南沙諸島の一方的な領有は認められません。




米巡視、数週間以上継続へ…中国に強い意思示す

読売新聞20151028()1442分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151028-00050103-yom-int

ワシントン=大木聖馬】米海軍のイージス駆逐艦が南シナ海・スプラトリー(南沙)諸島で中国の人工島の12カイリ(約22キロ・メートル)内での巡視活動を行ったことについて、米政府は2015年10月27日、日本など関係諸国に対し、巡視作戦を今後数週間から数か月間実施するとの方針を伝えた。

 複数の外交筋が20151027日、読売新聞に明らかにした。米国は作戦を継続的に行うことで、南シナ海で中国が強行する一方的な現状変更の試みを認めず、航行の自由を保障する強い政治的意思を中国に示す狙いだ。

 
カーター米国防長官は27日、上院軍事委員会の公聴会で、イージス艦が中国の人工島の12カイリ内に入ったことを公式に認め「(作戦を)数週間から数か月間、実施していくと述べた。カーター氏は「国際法が許すところはどこでも、我々の作戦が必要な時はいつでも飛行、航行する」とした。




《中国、米駆逐艦に対抗措置=「追尾・警告」を実施
時事通信20151027()1448分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151027-00000078-jij-cn


【北京時事】南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国がスービ(中国名・渚碧)礁などに造成した人工島から12カイリ(約22キロ)以内に米海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」が入ったことを受け、中国外務省の陸慷報道局長は27日、談話を発表、「中国の関係部門が法に基づき、米艦を監視し、追尾し、警告した」と対抗措置を取ったと明らかにした。

 その上で「米艦の行動は中国の主権、安全への脅威であり、地域の平和と安定を損なう」と批判し、「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。
 ラッセンは現地時間の27日午前(日本時間同)に進入し、米CNNテレビによると、この日のうちに作戦を終了した。米軍は引き続き派遣を繰り返す構えとみられ、南シナ海を舞台にした米中関係緊迫化は必至だ。

 陸局長は、米艦が「中国政府の承諾なしに違法に中国の島・岩礁の近海に進入した」と非難。一方、人工島造成についても「自国領土内で行っている建設活動は主権の範囲内だ」と主張した。
 スービ礁は中国による埋め立て工事前は満潮時に水没する暗礁だった。こうしたスービ礁などに建設した人工島は主権の及ぶ「領海」を構成しないとする米国の主張に真っ向から反論している。
 陸局長は建設活動について「特定の国家を標的にしておらず、航行・飛行の自由に影響を及ぼさない」と改めて正当性を強調。米国こそが「航行の自由」を名目にして、「中国の主権と安全を損なっている」と強く批判した。

 さらに「中国は領土主権と安全、合法で正当な海洋権益を断固守る。挑発をたくらむいかなる国家にも断固対応し、海空の状況への厳密な監視を継続し、あらゆる必要な措置を取る」と警告。今後も主権維持に向けた対抗措置を続ける考えを示し、米側をけん制した。
 また「中国の厳正な申し入れに真剣に対応し、過ちを直ちに正して、中国の主権と安全に脅かすいかなる挑発行為もやめるべきだ」と米国に要求。南シナ海の領有権争いで中立的な立場を維持するよう訴えた。
 中国が実効支配する南シナ海の岩礁から12カイリ以内への米艦進入は2012年以来。中国は昨年以降、岩礁の埋め立てと施設建設を加速させている。ラッセンは神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地を拠点とする。 

《維新嵐》アメリカも共産中国も国連の「常任理事国」です。また海洋軍事力では、人民解放軍はアメリカ海軍の敵ではありません。
 つまりアメリカの駆逐艦が南沙諸島に接近し、公海の自由航路を確保する動きはしますが、人民解放軍がアメリカ駆逐艦に実弾攻撃をするとは思えません。流れとしては、「監視」「追尾」「警告」となります。

【周辺国のアメリカに対する見方】

アキノ比大統領「力の均衡を歓迎」

2015.10.27 12:47更新 http://www.sankei.com/world/news/151027/wor1510270033-n1.html

【シンガポール=吉村英輝】フィリピンのアキノ大統領は2015年10月27日、米駆逐艦が南シナ海で中国が建設している人工島の12カイリ(約22キロ)内を航行したことについて、同海域は航行の自由が保障された場所であり「何の問題もないはずだ」と述べ、米国を支持した。マニラでの外国記者協会との会見内容を現地メディアが伝えた。


 アキノ氏は、米軍の行動について「世界のどこにおいても、力の均衡は誰もが歓迎するだろう」とも述べた。南シナ海で力による一方的な現状変更を進める中国への懸念を示すと同時に、同盟国である米国が実際の行動で存在感を示したことを評価する姿勢を明確にした。

《維新嵐》フィリピンは、南沙諸島一部を共産中国にとられていた国ですからね。共産中国には常にアメリカ軍が対抗してもらわないとなりたちません。


アメリカ「航行の自由作戦」後初の直接対話

~「挑発続ければ衝突起きる」と中国軍高官

2015.10.30 19:39更新 http://www.sankei.com/world/news/151030/wor1510300037-n1.html

 米海軍制服組トップのリチャードソン作戦部長と中国海軍の呉勝利司令官は20151029日、米海軍が南シナ海で中国が造成した人工島の12カイリ内にイージス駆逐艦を派遣する「航行の自由作戦」を実施したことを受け、約1時間にわたりテレビ会談を行った。米中の軍高官による直接対話は作戦後、初めて。
 米海軍によると、両氏は作戦、艦船の寄港を含む両国海軍同士の関係などをめぐって意見を交換し、すでに双方で合意されている偶発的な衝突回避措置をとることや、対話を維持する重要性では一致した。

 米海軍は会談に関する声明の中で、作戦は、

(1)公海における航行の自由と権利を守るもの
(2)南シナ海の領有権問題それ自体への「挑戦」ではない
(3)領有権問題に関し、米国は特定の立場を取らない-と指摘した。リチャードソン氏はこうした見解を中国側に伝えたとみられる。


 一方、中国国営新華社通信によると、呉氏は米駆逐艦の航行に「重大な懸念」を表明。

また、「危険な挑発行為を続ければ事態が緊迫し、衝突が起きる可能性がある」と警告し、「再発防止」を求めた。両者は

年内に改めてテレビ会談を行う方針だ。

 また、米太平洋軍司令部は29日、同軍のハリス司令官が11月2日から3日間の日程で中国を公式訪問し、中国人民解放軍の高官と会談すると発表した。
 ハリス氏は、南シナ海での米軍の「航行の自由作戦」を統括する立場にあり、中国軍高官との会談では南シナ海情勢をめぐって意見交換する見通しだ。

 太平洋軍司令部は訪中の目的について「軍同士の持続的な対話を通じて協力を深めつつ、相違点を率直に話し合い対処するため」としている。

《維新嵐》軍事力では、共産中国はアメリカにかなわないことはわかっていても、獲得した権益確保のためには、「強気」なスタンスは崩していませんね。アメリカの作戦目的は、公海の自由通航という権利の確保が達成されれば、南沙諸島そのものの「領有」は黙認するということでしょうか?



【米イージス艦南シナ海派遣・米中双方の動き解説】

米中のシグナルは…「落としどころ探り合い」

小原凡司・元駐中国防衛駐在官


2015.10.29 08:29更新 http://www.sankei.com/world/news/151028/wor1510280043-n1.html

今回の南シナ海における米海軍の活動は唐突に始まったものでなく、今年5月の段階で米国防総省が、将来的に人工島の12カイリ以内に米軍の艦艇が入る可能性に言及していた。オバマ大統領は9月の米中首脳会談で中国側が態度を変えなければ、対応のステージを上げる考えだったのだろう。

 米国が派遣したのは、対空、対水上、対潜水艦などすべてに対処できる能力を持つ駆逐艦だった。万が一、中国が軍事的な対抗措置をとった場合、米国は中国と軍事衝突を恐れていないことを示したものだ。

 ただ、米側が求めているのは、米軍がこの海域で自由に活動できることで、領土紛争でフィリピンやベトナムを支持して活動することが目的ではない。派遣した艦船は1隻で、中国に誤ったシグナルを与えないように気をつかっている。艦隊を送ると、中国に何らかの危害を加えようとしているのではないかと認識させ、米国も望まない衝突を起こす可能性がある。


 中国は、言葉では激しく反発するが、実際の対応は米艦船の航行自体を妨害したわけでもなく、抑制的だった。米国との軍事衝突は何としても避けたいので、水面下で米国側に働きかけて「落としどころ」を探っているとみられる。

 ただ、中国は南シナ海で譲歩の姿勢を見せることもできない。抑制的な対応への反発が強まり、国内世論が持たないと中国指導部が考えれば、中国の方が対抗手段のレベルを上げ、緊張が高まる可能性もある。(談)


 

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