2016年8月30日火曜日

これからの国際秩序 ~守れるか!領土領海権益と国家主権~

無秩序化する世界
国際システムの破損を許すな

岡崎研究所 20160826日(Frihttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/7507

フィナンシャル・タイムズ紙コラムニストのフィリップ・スティーブンスが、2016721日付同紙に掲載された論説で、世界が無秩序化していることに警鐘を鳴らしています。論旨、次の通り

垣間見える国際システムの破損
 トランプが共和党の大統領候補に指名され、エルドアンはクーデター失敗を受け、権威主義的統治を強め、仏では大きなテロがあった。これに加え、西側に打撃を与えた英国のEU離脱、南シナ海での中国の仲裁裁判判断拒否があった。これらの事柄は一見無関係である。トランプは「九段線」のことを知らないだろうし、ボリス・ジョンソンはトルコの民主主義よりトルコ移民締め出しに関心がある。ニースのテロはイスラム国の宣伝によりも犯人の精神状態による。
 しかしもっとよく見ると、不快なパターンが出てくる。ナショナリズムの台頭、アイデンティティ政治、規範に基づく国際システムの破損が見られる。まだホッブス的世界(注:すべての人がすべての人と闘争する世界)とは言えないが、行きつく先は明らかである。
 欧州の右と左のポピュリズムは、経済困難と中東・アフリカの難民流入の恐怖で強くなっている。フランスの国民戦線、イタリアの5つ星運動、スペインのポデモス、ドイツの「ドイツのための選択」が台頭している。戦後続いてきた中道右派と中道左派間の政権交代はひっくり返されている。
 トランプ指名と英のEU離脱は次元が違う。トランプは共和党を掌握し、世論調査によると、外国人嫌い、孤立主義、経済的ポピュリズム、反エリート主義に基づく彼の綱領を、米国人の5分の2の人が支持している。英には欧州懐疑派はいつもいたが、離脱投票はより広い不満による。ブリュッセルはグローバリゼーション、移民、経済困難の元凶とされた。
 トランプはメキシコ移民何百万を追放し、イスラム教徒の入国の禁止を主張している。英の強硬な離脱派は、英国海峡に壁を作ると約束し、EUに残留すれば国民保健サービスは何百万のトルコ人に開放されると誤った主張をした。
ポピュリストは愛国心を民族主義で置き換え、エリートと結託した専門家や伝統的制度を軽蔑し、大企業、銀行、グローバリゼーションは白人労働者階級の敵であるとしている。この路線をもう少し行けば、1930年代の「ユダヤ陰謀」説に行きつくだろう。
 有権者を責めるわけにはいかない。彼らは正当な不満を持つ。リベラル資本主義は豊かな人を優遇した。平均所得は停滞した。政治は自己満足に陥った。しかしポピュリストの処方箋は明らかにインチキである。トランプ大統領も、英のEU離脱も、米英を貧しくする。
 問題は他の地域にも起こっている。エルドアンはかつて、欧州をトルコの将来と見ていたが、失敗したクーデターを神の贈り物と称し、専制的支配強化に乗り出している。彼は市場経済より国家資本主義を選好している。プーチンとの関係修復もしている。中東・マグレブで国家は崩壊しており、世俗的民族主義は宗教過激主義にとってかわられている。
 ゼロサム民族主義は西側ポピュリズムの専売ではない。中国はその海洋主張を拒否した仲裁判断を拒否し、世論は主権からの譲歩を許さないと述べた。中国はその台頭前に書かれた国際法に縛られないとのメッセージを送っていると言う人もいる。
 最近、西側のある外交官が中国の拒否は戦後秩序への反抗であると述べた。その後、共和党大会での演説を聞いた。そこでは国際法尊重は言われなかった。どちらかがどちらかを正当化することはない。しかし一緒にして考えると、これらは我々がどこに向かっているのかについて警告をしている。
出典:Philip Stephens,Global disorder: from Donald Trump to the South China Sea’(Financial Times, July 21, 2016
http://www.ft.com/cms/s/0/7146f3b6-4e6c-11e6-88c5-db83e98a590a.html#axzz4F0yXOZ5r
 この論説は問題提起としては良いですし、論者の危機意識もよく理解できます。しかし、世界の諸地域で起こっていることを、ポピュリズム、民衆の怒りで説明しようとすることには無理があります。世界全体を理解できるキーワードがあれば便利でしょうが、そういうものは見つけられないと思います。それを見つけようとするよりも、地域、分野の特定の問題を深く分析し、それをベースに適切な処方箋を書いていくのが適切でしょう。
国際秩序を守らせるべく覚悟を決める
 国際法秩序の順守の問題については、ウクライナ問題、南シナ海問題など、あからさまな侵害に対する反応が弱すぎる傾向があります。現在の国際秩序を守るのが良いとする勢力が、もっと腹を決めてきちんと対応するべきでしょう。今なお世界の最強国である米国は、「世界の警察官にはあらず」と強調するのではなく、秩序維持のためには相応の対応をする意思を示すべきでしょう。現状に鑑みると、オバマ政権は、何を強調すべきかの判断が悪いように思われます。
 ナショナリズムは「国民国家」からなる国際社会では常に存在し、それを批判してみても始まらないことです。ナショナリズムの健全化を課題とすべきです。同時に、グローバリゼーションは経済面での現実であり、経済相互依存の象徴とも言えるサプライ・チェーンの存在なしには世界経済は成立しえませんし、この状況に適応しないでは、各国経済の繁栄もないでしょう。ナショナリズムとグローバリゼーションは、両者間のヒッチはありますが、共存関係にあるしかないでしょう。

 この論説の筆者スティーブンスは、「ユダヤの陰謀説」のようなものに行きつく危険への警告もしています。「何々をした」ということではなく、「何々である」ということで他人を差別したり罰したりする思想がファシズムの特徴であり、人間を不幸にする悪であると思います。政治的主張の中に潜むそういう病弊に気を付けていくことが、ナチスやファシズムの再来を防ぐためには大切なのではないでしょうか。
【既存の国際秩序を壊し、中華思想の下に新たな国際秩序をめざす共産中国の戦略にどう対抗していくのか?】
ハーグ判決が高めたアジアの戦争危機
岡崎研究所
 20160825日(Thuhttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/7505

米国のシンクタンクAEIのマイケル・オースリンが、2016720日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙で、南シナ海問題に関する国際仲裁裁判所の判決を契機に、関係国が相互に強硬な対応に出て、アジア情勢の緊張が高まり戦争の危険もあると述べています。オースリンの論旨は、次の通りです。

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日本の満州事変を想起させる
 1933年、日本は満州問題で国際連盟を脱退した。その後、日本は西洋列強と対決し、太平洋戦争につながった。同じことが中国との間で起きるのか。ハーグの仲裁裁判の判断への中国の反応は日本の国際連盟の脱退を想起させる。
 2013年、フィリピンが南シナ海問題で訴訟を提起した際、中国は国際仲裁裁判所の管轄権を否定した。これは誤りであった。中国は、国連海洋法条約に従い、土地の所有権に関する訴訟を拒否しうるが、今回の訴訟は海洋権益に関するものであった。判決は、中国が当事者である国連海洋法条約により拘束力がある。
 中国はずっと南シナ海での所有物は「島」であり、排他的経済水域、建設などの権利も持つと言ってきた。しかし、裁判所は「岩」または「低潮高地」であるとした。また、裁判所は、中国が主張していた「九段線」内の資源に対する歴史的権利を否定した。判決は法的問題をはっきりさせたが、地政的競争を解決することにはならない。北京は判決を無視するとし、国際社会に反対する姿勢をとっている。中国は、協力ではなく、隣人に脅威を与える政策を強化しかねない。 
 国際法秩序の正統性が、中国により試練を受けている。北京は「南シナ海での領土主権と海洋権益は影響されない」と言っている。中国はこれからも隣国の漁船にいやがらせをするだろう。さらに北京は南シナ海での建設を決してやめないと言っている。スカボロー岩礁に軍事基地を作るとの決定をしかねない。法を後ろ盾に、中国の隣国はもっと力強く中国を押し返すだろう。海洋での衝突の可能性は劇的に増加する。中国も譲歩していないことを示すために自己主張を強めるだろう。米国は、地域の同盟国・パートナーを支持するように、航行の自由作戦を強化し漁船への嫌がらせを阻止するように、との要求に直面する。
 ハーグ判決はアジアの海洋の支配のための闘争を解決しなかった。代わりにそれを悪化させ、戦争の危険を増大させた。
出典:Michael Auslin China Takes Asia Back to the 1930s (Wall Street Journal, July 20, 2016)
http://www.wsj.com/articles/china-takes-asia-back-to-the-1930s-1469032195
このオースリンの論説はあまり感心しない論説です。国際常設仲裁裁判所の判決は尊重されるべきであって、そのことを強く主張していくことが重要です。中国が判決を拒否し、強引なことを続ける以上、アジアの緊張が激化するのは当然です。南シナ海は重要な通商路に当たること、中国の「九段線」と歴史的権利の主張は法外に過ぎることに鑑みれば、国際社会はこういう緊張の激化やリスクを冒すに値します。ここはしっかりと対応しておくということでしょう。
中国のサラミ戦術
 アジアの海域の支配をめぐる闘争が先鋭化、戦争の危険が増大するなどと評価し、警鐘を鳴らすのは対中宥和策の提案につながりかねません。航行の自由作戦の際の小競り合いや、中国の埋め立てとその妨害での小競り合いはあるでしょうが、戦争になることはないと思います。まだ中国の海軍は米海軍と互角に戦えるものではありません。今度の中国の国際仲裁裁判の判決拒否を、日本の国際連盟脱退と比較するのも適切とは思えません。
 中国はサラミ戦術で少しずつ攻め込んでくることを得意とします。情勢の悪化を懸念して、少しずつ譲るという対応をすると、ずるずると後退することになります。
 今回の判決を、国際社会は中国の理不尽な「九段線」主張や歴史的権利の主張を、断固として排撃する材料にすべきです。そうすることが、中国に反省をさせ、情勢の健全化に資することになります。中国の李克強首相は、この判決が出た後も、中国の行為は国際法に合致していると安倍総理に述べたと報じられていますが、中国が国際法の内容を決められるかのような前提での発言です。こういう発言を聞くと、ますます中国は牽制しておくべきと考えます。
中国の伝統的発想は「力が国境を決める」
織田邦男氏が講演
沖縄「正論」友の会の第39回セミナーが平成28825日、那覇市の沖縄都ホテルで開かれ、元空将の織田邦男氏が「中国の台頭と日本の課題」と題して講演した。
 織田氏は中国について、領土に対する伝統的発想は「力が国境を決める」というもので、「東日本大震災で混乱している際は尖閣諸島(沖縄県石垣市)を奪うチャンスだと捉える。そういう国だと頭に入れて付き合っていく必要がある」と指摘。
 沖縄に関しても「米軍が撤退すれば、その空白を突いて必ず前に出てくる。だから空白をつくってはならない」と強調した。
 対処策として「日本は弱さを自覚した上で米国を巻き込む知恵が求められる」とし、「日米同盟の活性化には集団的自衛権の行使は必要で、国際情勢を踏まえた安全保障法制に関する国民的議論を活発化させるべきだ」と締めくくった。

尖閣に漂着する中国漁民の狙いは「漁」ではなく「領」なのだ…ギリシャ船との衝突事故で見えた悪魔のシナリオとは

平成28年8月11日、沖縄県石垣市の魚釣島沖でギリシャ籍の大型貨物船と中国漁船「ミンシンリョウ05891」が衝突し、沈没した。海上保安庁のボートにより乗組員は救助される。
平成28824日夜、悪夢にうなされて起きると、額にべっとりと脂汗が。夢に出てきたのは、同日行われた日中外相会談などの再現シーンであった。
 現実の外相会談と同様、夢の中で王毅外相(62)は岸田文雄外相(59)に言った。

 「東シナ海における不測の事態回避は重要だ」 
 相変わらず加害者としての意識がまるでない。それどころか、神妙な態度を装ってはいたが、会談後、王外相は記者団に言った。
 「(日本側が)騒ぎ立てているだけの話だ」
 「事態は基本的に正常な状態に戻った」
 絵に描いたごとき見事な「舌の根の乾かぬうち」発言だった。主権を侵犯されて「騒ぎ立て」ない国家があろうか。むしろ、日本側は「遺憾」を連呼するばかりで、「騒ぎ」方がひ弱過ぎる。日中外相会談が行われた24日にも、尖閣諸島(沖縄県石垣市)強奪を企図する中国の海警局公船4隻が接続水域を航行。これで22日連続で侵入された。中国では、かくなる危機を「正常な状態」と呼ぶらしい。
 夢の中で、王外相は岸田外相にスクリーンの前に座るよう促した。映し出されたのは、大海原だった。映像はアップされ、島が現れた。さらにレンズが寄ると、武装した中国人民解放軍将兵の背後に対艦ミサイルや対空機関砲、兵舎などが見えた。
 小欄はこの時点で、事態が飲み込めた。「夢中外相会談」の舞台は24日と同じ東京・霞が関の外務省ではなく、北京の中国外務省。島は、人民解放軍が駐屯する尖閣諸島最大の島・魚釣島だった。

「遺憾の意」は「何もしない」の意

 夢の中で、小欄は「魚釣島占領」後の、王外相発言をたどっていた。
 「東シナ海における不測の事態回避は重要だ」
 「(日本側が)騒ぎ立てているだけの話しだ」
 「事態は基本的に正常な状態に戻った」
 夢の中の岸田外相は日本の「外交用語」としてすっかり定着した「遺憾の意」を連発し反論していた。しかし、日本語に堪能な王外相は「遺憾の意」が、何もしないという意味だと熟知していた。武力奪還も辞さぬ旨を警告し、確固たる意志も覚悟も示さず、魚釣島の実効支配、いや完全占領は既成事実になってしまったのだ。中国にとって「正常な状態」を完了したのである。
 悪夢は覚めたが、今度は幻聴に悩まされた。中国漁船とギリシャ船籍の貨物船が衝突した11日もそうだったが、安全保障をなりわいとしていると、悪魔が耳もとでささやく時がある。海上保安庁の巡視船が11日、沈没した中国漁船の乗組員14人の内6人を救助したが、残る8人の安否は依然不明だ。8人の無事を祈っていた最中、悪魔が寄ってきて、小欄に言った。
 「8人は尖閣諸島の無人島・魚釣島に泳ぎ着いた…」
 悪魔のささやきが耳から離れず、8人の無事を祈る気持ちが薄れていく中、小欄は悪魔に反論した。
 「衝突海域は、魚釣島の67キロも北西で、ドーバー海峡横断の実質遠泳距離50~60キロを上回り、不可能ではないが、泳ぎ手は非常に限られる」
 悪魔は「そうかな」とニヤリとするや、「中国に伝授した」シナリオを口にした。
 「潜水具や水中スクーターなどの支援を受ければよいではないか。ギリシャ船に故意に衝突。漁船沈没は擬装で、6人は海保の目を引き付ける陽動作戦要員だ。8人は…」

専門家とのシミュレーションを何度も繰り返してきた小欄は、もはや悪魔による説明は必要なかった。過去何回か詳述紹介をしてきたので、今回はザックリと。
 《海保の巡視船が6人を収容し、残る8人を捜索している間に、中国海警局の武装公船数隻が魚釣島に接近し、公船が降ろした数隻の小型高速艇を使い制服の武装要員数十人が急襲上陸した。もちろん海保は、捜索・救難活動に全巡視船を投入してはいなかったが、尖閣諸島周辺の警戒は著しく手薄で、間隙を突かれた》
 《警戒中の1隻は、日本の領土・領海であると告げ、退去を要めた。だが、海警局の武装公船は『釣魚島(魚釣島の中国名)は中国領である。現在、遭難・漂流した中国籍の漁民保護活動を実施中である。日本の海上保安庁の船は即時、領海・接続水域を出なさい』と、逆に警告を返してきた》
 《警告に合わせるように、魚釣島の最高地で、私服姿の漁民8人が手を振るのを海保が確認。眼鏡を通して見た漂流者8人は、漁民にしてはマッチョでGIカット、目つきも鋭い。全員私服なのに、そろいの軍靴を履いていた。自動小銃やロケットランチャーを携行。最高地に中国国旗=五星紅旗がひるがえるに至っては、工作員と認める他なかった》
 魚釣島が実効支配された瞬間だった。

故障に台風、擬装テロに乗じる海上民兵

 気になったのは、「緒戦」が衝突・沈没事故で、小欄らのシミュレーションと違っていた点だ。擬装漁民と中国海警局の武装公船を組み合わせたシミュレーションでは、「故障」して流れ着いた“中国漁船”や台風を避けて退避してきた多数の“中国漁船”を、中国海警局の武装公船が「保護」する目的で、魚釣島に近付き、上陸を果たすシナリオをはじき出すケースが多かった。他に、(1)「操業違反」を犯し「中国領の島」に逃げ込んだ“漁民”を追って(2)“漁民”を人質に、「中国領の島」に立て籠もった“テロリスト”を、「逮捕」「掃討」すべく-上陸する想定も導かれてはいた。
 漁船乗組員や漁民は《海上民兵》の擬装に他ならなかった。8月に入り、尖閣諸島の領海に、中国海警局公船と“漁船”が初めて同時侵入した。一時は接続水域に、230隻に上る漁船が集まり、10隻以上の公船とともに日本の領海や接続水域を脅かした。“漁船”には100人以上の海上民兵が乗り込んでいた。
 海上民兵について、ざっとお復習いしてみたい。 
 多くの漁船団が人民解放軍海軍の補助金を受け出港する。補助金を得る条件は、外国船舶の情報収集などに向けた軍事教練を受けること。軍事教練は各地の民兵を統括する人民武装部の地方支部が担任する。人民武装部の地方支部は地方政府=共産党の地方当局と人民解放軍の二重統制下に置かれる。
 軍事教練には参加費が支払われる他、船建造への助成金や燃料・水も人民解放軍海軍が供給する。特に、木製に比し体当たり攻撃に効果的な金属製への買い替えを、助成金を介して奨励している。当然、一部の“漁船”には小型武器が搭載されている。

「主権」を守る特別任務が下令されれば、人民解放軍海軍や海警局の指揮下に入る。尖閣諸島やベトナム/フィリピン/インドネシアの各領海やEEZで“中国漁船”が侵入するや、すかさず海警局公船や人民解放軍海軍艦艇が後詰めに入るが、多くは軍事作戦を兼ねていると覚悟すべきだろう。
 帰港後は、任務の内容・達成度+船の大きさ+航行距離により数十万~300万円ほどの手当てが付く。小欄は、海上民兵には練度別に、供与される装備・武器が決まり、装備・武器に伴い任務付与があると、分析している。任務は、例えば(1)海保や海上自衛隊艦艇に関する位置通報(2)一定の精度を有するレーダーや探知機器を使った情報収集(3)擬装上陸での先鋒(4)人民解放軍海軍との共同作戦…などだ。烈度・難度の高い夜陰に乗じた上陸ゲリラ戦などは、最高度に調練された海上民兵でも任が重く、人民解放軍海軍の特殊作戦部隊が担任すると、考えられる。
 今回の中国漁船衝突・沈没事故で救助された6人も海上民兵であっても不思議はないが、潜水具や水中スクーターを駆使して魚釣島に隠密上陸する任務は人民解放軍海軍の特殊作戦部隊のみが完遂できる。また、既述したシミュレーション上、人質役の漁民は海上民兵だが、テロリスト役は人民解放軍の特殊作戦部隊員を想定している。
 衝突・沈没事故は、擬装沈没を起点にした策動も有りうべしとの、得難い「戦訓」ともいえ、海保や自衛隊が対抗策を再点検する契機となろう。
 いや、貴重な「戦訓」を得たのは中国も同じ。ひょっとしたら、「沈没漁船作戦」なる新たな戦法に、悪魔によって目覚めさせられたかもしれない。

一方、「沈没漁船作戦」が、もともと考案されていた戦法か、その予行演習だったとすれば、疑問も残る。沈没時、海警局公船が尖閣周辺の接続水域を航行していたことは、海保が確認している。海上民兵を潜ませた“漁船”も付近に相当数遊弋していたにもかかわらず、なぜ海保巡視船の機先を制して漁民(海上民兵)を収容できなかったのか?
 というのも、人民解放軍海軍では、5万隻の“漁船”にGPS(全地球測位システム)を提供、レーダーや無線機なども払い下げ、人民解放軍海軍艦艇や海警局公船と情報共有して、前進・停泊・撤退などの一体作戦を遂行する能力を向上。人民解放軍や海洋機関の地上基地でも、衛星を利用して漁船や擬装漁船の位置情報を追跡しているはずだからだ。
 確かに、GPSは中国の独自開発で、ギリシャ船が発した救難信号=位置情報が感知不能だった見方も出ているが、小欄は裏付け情報を持たない。

技量未熟に人命軽視…どこまでも「中華風」

 衝突・沈没事故が実は軍事作戦か、その予行演習で、海保に救助された6人が海上民兵だと仮定すると、日本政府の出方次第で“漁船”に潜伏していた事実が発覚する恐れがあった。作戦要員の収容失敗は、技量未熟と不良装備も裏付けてしまう。
 沈没したのが「真正漁船」であれば人命軽視も疑われ、国際条約をウンヌンする以前に、中国が痛みを覚えなくとも、シーマンシップの欠如をあらためて国際社会に印象付ける。
 いずれにしても、海保の中国人救助で、現場海域周辺が「日本の海」と認める結果まで生んだ。「漁船の安全確保」という海警局公船の侵入「理由」が、ウソではなく大ウソだとも証明した。
 やること・なすこと、あくまでも「中華風」なのであった。
 そういえば、衝突・沈没事故は早朝だったのに、中国外務省の日本向け“謝辞”は夜に入って。ネット上で、救難の遅れや人命軽視に関する非難の大合唱が自国で起き→炎上し、渋々、かの有名な女性報道官様が口頭で表明したのが、こちら。
 「日本側の協力と人道主義の精神に称賛の意を表す」どこまでもエラそうで、心を込めたフリもできず、外交辞令にも成っていない。



《維新嵐》
 軍事力だけでは、国家主権は守れないと考えます。尖閣諸島防衛に端を発したようにみえる南西諸島の防衛は、今までに比べると自衛隊のあり方はずいぶんと強化されてきたと感じます。一時期の在日アメリカ軍頼みのころを考えると隔世の感があるといえるくらい自衛隊は「増強」され、海上保安庁は活躍しています。


 しかし何か政府だけでなく、日本人そのものの考え方の中に「自衛隊の正面装備だけ強化して、それを核にしていけば南西諸島防衛は大丈夫」的な考えがあるようにみえて仕方ありません。
 自衛隊や海保が戦略的にまず「奇襲」をうけないためにも相手の出方を探り、動向を探らなければなりません。「情報は最大の武器」とはいわれますが、相手の手の内を探り、動きを把握し、自軍や自国の外交の効果的な戦略の構築を考えていかなければ「国家主権」や領土領海領空、海洋権益は守れないでしょう。

 かつて日ソ不可侵条約を破られて樺太や千島の主権を奪われて久しいですが、竹島の主権奪還も含めて、外国による「侵略」の悲劇を繰り返さないためにも、国家を守る手段は自衛隊の正面装備を強化することだけではない、ことを国民の共通認識として刻み込むべきでしょう。国破れては何もありませんからね。

2016年8月25日木曜日

台湾を取り込んで南シナ海&東シナ海を覇権域にしたい共産中国の野望がみえる

海自とアメリカ第7艦隊の戦力分散を画策する中国
中国軍がこの時期に日本海で軍事演習を行った理由
北村淳
沖縄本島と宮古島の間を飛行する中国軍のH6爆撃機(2014年撮影、資料写真)。(c)AFP/JOINT STAFFAFPBB News
 2016年81720日、中国海軍が日本海で軍事演習を実施した。演習の詳細は発表されていないが、2つの戦隊による対抗演習(想定敵戦隊と中国戦隊による実働戦闘訓練)を行った模様である。
 中国海軍はロシア海軍との各種合同訓練を日本海で実施したことはあるが、中国海軍単独での日本海における本格的軍事演習は今回が初めてである。
日本海で実施された中国海軍対抗演習
2016年812日に駆逐艦1隻、フリゲート1隻、それに補給艦1隻により編成された中国戦隊が東シナ海から太平洋に抜け出て北上した。同戦隊は814日、オホーツク海から宗谷海峡を横切って日本海へ進入した。そして816日、フリゲート2隻と補給艦からなる中国戦隊が対馬海峡を北上して日本海へと入った。
 この2つの戦隊が日本海での対抗演習を実施したレッド(仮想敵)戦隊とブルー(味方)戦隊である。人民解放軍による報道発表では、「この対抗演習は特定の国をターゲットにしていない」ことを強調しているが、海上自衛隊戦隊を仮想敵戦隊としていることには疑いの余地がない。
 引き続いて818日と819日には、それぞれ早期警戒機と爆撃機数機からなる航空部隊が対馬海峡上空を抜けて日本海の演習空域へ飛来し、また対馬海峡上空を経て東シナ海上空へ達し、中国本土へ帰投している。
小規模だが戦略的意義のある演習
公海上で行われるこの種の海軍演習は、海上自衛隊や米海軍をはじめ世界中の海軍も行っている。そのため、中国海軍による対抗演習それ自体は何ら問題はない。
ただし、南シナ海そして東シナ海での中国海洋戦力(海軍、海警、海上民兵)による海洋攻勢が激しさを増しているこの時期に、公海上とはいえ日本海で対抗演習という実戦的訓練を行ったということには戦略的意義がある。
 すなわち、海上自衛隊とアメリカ第7艦隊の戦力を分散させるための布石の1つと考えられるからだ。
東シナ海と日本海それにミサイル防衛への戦力分散
現在、尖閣諸島周辺に、海上民兵や海軍特殊部隊を含むであろう多数の中国漁船や、それを監視保護する名目で多くの巡視船が出没しており、東シナ海から西太平洋にかけての海域や上空での中国軍艦や軍用機の活動も活発になっている。
 そうした中国海洋戦力の動きに対処するため、海上保安庁は尖閣諸島を中心とする東シナ海の巡視能力を強化し、海上自衛隊も東シナ海での中国艦艇の動きに目を光らせる態勢を固めている。
 ただし、イージス駆逐艦をはじめとする海上自衛隊の主力艦は、北朝鮮ならびに中国の弾道ミサイルに対抗するため、弾道ミサイル防衛(BMD)艦隊としての役割も負わされている。そのため中国との軍事的緊張が高まった場合には、少なくとも2つのBMD艦隊が日本海に展開し、少なくとも1つのBMD艦隊が東シナ海に展開しなければならない。
 中国による対日弾道ミサイル攻撃を監視し、発射された弾道ミサイルを捕捉し撃破するイージス駆逐艦と、それを敵の水上戦闘艦艇や潜水艦、それに航空機による攻撃から防御する任務を負った護衛艦艇からなるBMD艦隊には、中国艦艇それ自体を追尾したり攻撃する余裕はない。
 したがって有事の際に、中国海軍が東シナ海だけでなく日本海にもそれぞれ数個の水上戦隊を展開させた場合には、海上自衛隊は3つのBMD艦隊に加えて、それらの中国水上戦隊に対抗するだけの戦力を東シナ海と日本海に投入しなければならなくなる。
北朝鮮やロシアに構える港湾補給拠点
中国は直接日本海に面する領土を有していないため、中国艦艇が日本海で活動するには対馬海峡をはじめとする日本の海峡部を通過しなければならない。しかし、人民解放軍が日本と軍事的に対決する決断を下した場合、戦闘が開始される前に必要な艦艇を日本海に送り込んでしまえば、無傷で日本海に軍艦を展開させられる。
 そして、日本との軍事衝突が始まった後は、日本海に展開する中国軍艦は、北朝鮮の羅津、先鋒、清津などに中国が確保しつつある港湾拠点や、ロシアのポシェット湾に中露共同で建設されている大規模港湾施設(本コラム2014918日「南シナ海・東シナ海の次は日本海、中ロが北東アジア最大の貿易港建設を計画http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41729 参照)などからの補給を受けることが可能である。場合によっては、それらの中国の息がかかった港湾施設を中国艦艇が秘密裏に使用する事態も十二分に想定できる。
 北朝鮮やロシアの日本海沿海地域のこうした中国港湾施設は、中国吉林省からは陸路でわずかな距離しかない。よって、中国本土からはそれらの港湾施設に安定した補給ができる。
 だが、海上自衛隊や航空自衛隊には、それらの港湾補給拠点を攻撃する能力は備わっていない。港湾拠点から日本海上の中国艦艇への補給ラインを遮断する戦力もまた欠乏している。
 そして、吉林省からは港湾施設に対する補給ルートが延びているだけではなく、吉林省や黒竜江省の航空基地を飛び立った各種航空機が北朝鮮の上空を通過して日本海に繰り出してくることになる。
 今回の対抗演習では、中国軍機が東シナ海から対馬海峡の上空を北上して日本海に飛行したが、それは日本に対するデモンストレーションのためにわざわざ遠回りをしたのである。有事の際には満州側から直接日本海上空へ向かえば良いのだ。
要するに、中国が海洋戦力を日本海にも繰り出すとなると、海上自衛隊や航空自衛隊は東シナ海に集中させようとしていた防衛資源を日本海にも分散させなければならなくなる。しかし、ただでさえ戦力が十分とは言えない海上自衛隊や航空自衛隊に、そのような分散展開はきわめて困難である。その上、上記のように、海上自衛隊は弾道ミサイル防衛の責務も遂行しなければならないのである。
さらに分散を迫られるアメリカ第7艦隊
日中間の軍事衝突が発生しそうな場合に日本を支援し中国を牽制する役割が期待されているアメリカ海軍第7艦隊(本拠地は横須賀)も、戦力分散という難題に直面することになる。そして、その分散の度合いは海上自衛隊より大きい。
 中国による人工島基地群の建設や、スカボロー礁への侵攻姿勢の強化など、南シナ海情勢が緊迫している。そのため、第7艦隊は南シナ海への出動を常に念頭に置いておかなければならなくなっている。
 ところが、南シナ海に加えて東シナ海でも尖閣諸島周辺を中心に中国海洋戦力の展開が急速に活発化しており、東シナ海での有事の際に海上自衛隊を支援して中国海軍と対決する準備態勢を整えておく必要も生じてしまった。
 それに加えて、中国海軍や航空戦力が日本海でも作戦を展開するとなると、第7艦隊も海上自衛隊を補強するために、日本海に展開させる戦力を用意しなければならなくなる。さらに、海上自衛隊同様に第7艦隊も在日米軍施設を北朝鮮や中国の弾道ミサイルから防衛するために、弾道ミサイル防衛態勢も維持しなければならない。
空母打撃群を擁し多数の戦闘艦艇(原子力潜水艦3隻、イージス巡洋艦3隻、イージス駆逐艦7隻など)の威容を誇る第7艦隊といえども、南シナ海、東シナ海、日本海、それにミサイル防衛に戦力を分散させてしまっては、中国海洋戦力に対する抑止戦力とはなり得なくなってしまうのだ。
日本版A2/AD戦略の整備が急務
中国海軍による日本海での初めての対抗演習は、訓練規模そのものは脅威を感ずるほどのものではない。しかしこの演習は、中国海洋戦力が、東シナ海や南シナ海に加えて日本海でも作戦行動を本格的に始める先触れであると考えられる。そのため、海上自衛隊や航空自衛隊そしてアメリカ第7艦隊にとっては、深刻な戦略的課題を突きつけられたことになるのだ。
 日本政府は、海上自衛隊そして航空自衛隊に対して、東シナ海方面と日本海方面に対して同時に十二分なる戦力を展開できるだけの防衛資源(人員、装備、資金、戦略)をあてがわなければならない。
 しかしながら、海軍力や航空戦力を増強するには、陸上戦力の強化に比べると長い時間と莫大な予算を要する。
 そこで、伝統的な海洋戦力(艦艇、航空機)の強化と平行して日本版「A2/AD」戦略(※)を実施するのがとりあえずは急務である。

(※)「A2/AD」戦略とは、外敵が日本の領域に接近してくるのを阻止するための戦略。ミサイル戦力が中心となるA2/AD戦略態勢の整備は、伝統的な海洋戦力の強化に比べて時間も費用もかからない。


《維新嵐》 中国大陸の周辺海域、南シナ海、東シナ海の権益を中国共産党が望んだ時に、一番脅威であり、邪魔な存在が沖縄と日本列島に駐留するアメリカ軍となってきます。アメリカ軍に十分な力を発揮させないこと、アメリカ軍と自衛隊とを作戦連携させないこと、この2点は、一番に戦略目標になっていることでしょう。だから日米同盟も共産中国の軍事動向の分析を徹底して行い、軍事的な連携をさせないようにしなければ海洋権益は守れません。
アメリカ第七艦隊

南シナ海問題で台湾を抱き込みたい中国
 岡崎研究所 20160822日(Monhttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/7502

台湾は南シナ海をめぐる中比仲裁裁判を受け入れないとしていますが、台北タイムズの2016714日付社説は、蔡英文総統は従来の「U字線」ではなく実効支配に基づく主権主張をしていると分析、南シナ海の「島」への主権主張に向けて新たな法的構成を構築するよう説いています。要旨、以下の通り。



青天白日旗  iStock

絶対に判決を受け入れない
 南シナ海をめぐる中比仲裁裁判の判決(712日)は、台湾を法的に拘束するものではないが、台湾が支配する太平島(Itu Aba)を含む、スプラトリー諸島の全ての「高潮時地物」を岩に格下げしたのは驚きだ。太平島は、元来フィリピンが提起した仲裁に含まれていなかったが、台湾外交部の発表によれば、仲裁裁判所は自らの権限を拡大し、太平島は排他的経済水域(EEZ)を持たない岩であると宣言した。
 蔡英文政権は、馬英九前政権が支持していた中華民国の「U字線」政策への調整を行っていた。U字線、あるいは「11段線」は、1947年に中華民国により引かれた。これを、国民党が国共内戦に敗れ台湾に逃れた後、中国共産党が1953年にベトナムに配慮して「9段線」とした。蔡政権は最早、太平島への主権を「歴史的権利」ではなく、実効支配に基づき主張しているようである。12日夜、総統府は、判決を「絶対に受け入れない」との声明を発表したが、U字線への如何なる言及も避けた。
 総統府は、「太平島についての仲裁裁判所の決定は、台湾の南シナ海における島と付随する水域への権利を深刻に損なった」と述べた。太平島のみならず南シナ海の「島」への主権をU字線政策無しでいかに維持するのか疑問が残るとの議論があり得るが、蔡政権は、台湾の主張とレトリックを国際慣行に沿ったものとする努力をした。
 仲裁裁判では、台湾は「中国の台湾当局」と言及され、台湾外交部は「中華民国の主権国家としての地位を貶めるものだ」と非難している。しかし、「一つの中国」の枠組みの下での昨年の馬英九と習近平の会談を考えると、台湾と中国が連携しているとの認識を世界が振り払うのは困難かもしれない。国民党は、蔡政権はU字線を支持するよう主張しており、国民党には、台湾に共に先祖伝来の財産を守るよう呼びかけている中国との協力を主張する立法委員もいる。
 判決は、太平島を岩に格下げしたが、同島への台湾の実効支配や主権をはく奪するものではない。蔡は太平島につき強硬な姿勢をとるよう圧力を受けるかもしれないが、台湾の将来の法的議論の構築には、新たな基盤と努力が可能であるし、そうすべきである。
出典:‘Rock-solid sovereignty over Itu Aba’(Taipei Times, July 14, 2016
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2016/07/14/2003650975
南シナ海についての国際仲裁裁判所の判決は中国の「9段線」に関する主張を拒絶した点で歴史的意義を有するものとなりました。ただし、この裁決は、台湾との関係では、台湾当局を特殊な問題に直面させることになりました。
本社説は、台湾が主権を主張し、実効支配してきた「太平島」について、台湾としては、新たな法的論拠を構築して今後とも主権を確保する必要がある、と述べています。この社説の内容は、今日の蔡英文政権の立場を反映するものです。
台湾との共闘を探る中国
 蔡政権としては、裁定を受け入れることはできない、との立場をとっていますが、中国の本件裁定に対する立場とは一線を画しており、中国の主張する9段線を含むいわゆる「U字線」についての歴史的主張を行うことなく、ただ、「太平島」が島としての十分な条件を備えたものであり、単なる岩ではないとの主張を行うにとどめています。
 今回の裁定が台湾当局に言及した際、「中国の台湾当局」と記述した点は、複雑な中台関係に対して十分な配慮が行われていないものとして、台湾では与野党がともに裁定を非難しています。中国としては、今回の仲裁裁判の裁定直後に、台湾との間で、南シナ海問題全体に関し、「共闘できないか」との態度を示したことがありましたが、蔡政権としては、あくまでも「太平島」の主権問題は歴史的経緯をもつ9段線(「U字線」)の問題とは関係がなく、「太平島」という特定の島の主権問題であるとして、はっきりと中国の立場と距離を置く対応をしています。
 台湾では、これまで民進党政権、国民党政権ともに、「太平島」をEEZを持つ島として扱い、陳水扁、馬英九の両総統はともにこの「島」を訪問したことがあります。日本にとって直接関連を持つ島の主権問題として「沖ノ鳥島」があります。馬政権の末期に台湾は「沖ノ鳥島」は島ではなく、岩であるとの立場をとり、日本政府の立場に強く異を唱えましたが、蔡政権になってから、これを急きょ変更し、「沖ノ鳥島」が島であるか、岩であるかは、国際ルールに従うべきであって、それまでは台湾としてはいかなる法的立場もとらない、との基本方針を打ち出しています。
 日本としては、「沖ノ鳥島」をめぐる歴史的経緯、地理的条件などに加え、国際ルールについての自らの立場を十分に理論武装しておくことが、中国、韓国のほか、台湾に対処するうえでも喫緊の課題となるでしょう。
《維新嵐》 南シナ海の海洋覇権獲得のためには、陸地では台湾の戦略的重要性の担保は共産中国にとって十分理解できる話です。ちょうど南シナ海への出入り口にあたる台湾が政治的に離れる事態だけは懸念していると思いますが、だからこそ蔡英文新総統の手腕に期待したいところですし、日米の支援がどれだけできるかがカギになりますね。
沖ノ鳥島は国際仲裁裁判所の判定に厳密にそって判断すれば「岩」ですよ。

【そして朝鮮半島のミサイル戦略のバランスをとるためか?】あの国がまたやらかしてしまいました!
北朝鮮、潜水艦からミサイル発射
 BBC News 20160824日(Wedhttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/7601
米韓両政府によると、北朝鮮は平成28824日午前、潜水艦発射弾道ミサイルを発射した。米政府は強く非難している。
北朝鮮は、咸鏡南道新浦(ハムギョンナムドシンポ)沖から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星1号」(KN-11)を発射。米政府関係者によると、約500キロ飛行し、日本海に落下した。
韓国軍合同参謀本部は、ミサイルが日本の防空識別圏内に落下した模様だと明らかにした。聯合通信によると、韓国軍は「韓国と米国の軍事演習に反応して、軍事的緊張を悪化させるのがねらいのようだ」と批判し、「北朝鮮によるいかなる挑発にも厳しく協力に反応する」と表明した。米韓軍事合同演習は22日に始まった。
日本の安倍晋三首相は記者団に対して、「我が国の安全保障に対する重大な脅威であり、地域の平和と安定を著しく損なう許し難い暴挙だ」と強く非難し、北朝鮮に厳重に抗議したと明らかにした。
米国務省は「強く非難する」とコメントし、これまでのミサイル実験に加えて今回の発射も国連で問題となるだろうと表明した。
北朝鮮のSLBM発射は、東京で24日に開かれる日中韓外相会議と重なった。
SLBM発射実験としてこれまでよりも技術が向上した様子。SLBMは潜水艦を使うため移動が容易で、発射準備も探知されにくいだけに、周辺諸国は警戒を強めている。
これに先立ち北朝鮮は米韓合同軍事演習を非難し、朝鮮半島が戦争の瀬戸際に追い込まれていると警告していた。北朝鮮は、米韓の合同演習を侵略の予行演習とみなしている。
北朝鮮は核兵器を開発しているとみられており、弾道ミサイルの使用を国連に禁止されているが、今年に入ってミサイル発射実験を繰り返し、5回目の核実験に向けて準備しているとみられている。
こうした状況で米韓両政府は20167月、北朝鮮の脅威対抗を目的に掲げ、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム、終末高高度域防衛(THAAD)ミサイルの配備に合意した。
北朝鮮は平成281月、4回目の核実験を実施。初の水爆実験に成功したと発表した。
続く2月には、長距離ロケットを発射。国連安保理決議で禁止されている長距離弾道ミサイルの発射実験とみられている。
また8月に入ってテ・ヨンホ駐英公使が韓国に亡命するなど、北朝鮮政府高官の亡命が相次いでいる。北朝鮮はテ・ヨンホ氏を「人間のクズ」と罵倒した。
《維新嵐》 北朝鮮の動きを牽制するためには、共産中国の影響力も大きな意味がありますね。

2016年8月24日水曜日

【海軍は国防の要】ロイヤルネイビーの真実!?

【世界屈指の海軍力を誇るイギリス】のはずなんですが・・・

陸軍10万人、海軍4万人、空軍4万人の合計18万人の兵力を保有する。
多くの場合にアメリカと共同軍事行動を行う。

イギリス海軍の象徴といわれる。

軽空母「イラストリアス」、「アークロイヤル」(16000t級の空母)

②艦上攻撃機の開発に着手する。

空母を大型化しなくてもいいように、空軍で使用されていた垂直離着陸機ハリアーを改造して「シーハリアー」として空母艦上に配置した。1982年のフォークランド紛争にて活躍した。2006年にシーハリアー全機が退役した。

③強力な「王立海兵隊」(ロイヤルマリーン)

帆船時代に、敵の船に乗り移り銃や刀剣で戦った勇敢な白兵戦専門部隊を起源とするイギリス海兵隊は、沿岸警備隊の役目も与えられている。麻薬密輸船や密航船などを捜索して取り締まっている。

④陸軍の主役「チャレンジャー2戦車」

最高時速59㎞、55口径120mm砲装備。欧米の他の戦車と比較すると機動性でやや劣るといわれる。

⑤最新鋭機を配備する空軍力

ユーロファイタータイフーン戦闘機

イギリス、イタリア、スペイン、ドイツの共同開発。高度な空中戦闘能力と対地攻撃能力をもつ。全長15.9m、最大速度マッハ2.0、航続距離2900㎞、実用上昇限度19800

トーネード戦闘機


イギリス、ドイツ、イタリアで共同開発された。最高速度マッハ2.2、約1000機が生産されている。

小さくとも強力な打撃力をもつ軍隊は、集団安全保障、国際支援の場でもめざましく活躍することが多いですね。イギリス連合王国の軍隊は、まさに「ジョン・ブルの粘り」でアメリカとパートナーシップを組んで「世界の警察」の一翼を担いながら存立を維持してきた我が国とも深い関わりをもつ軍隊です。
 そんな名誉と伝統のあるイギリス軍が「財政難」から実質的な意味で存立の岐路にたたされている現状があるようです。
 確かに第二次大戦の時は、ナチスドイツや大日本帝国と戦い、太平洋では「不沈戦艦」とよばれたプリンスオブウェールズを撃沈されたり、ナチスのV-2号やV-1号によって首都ロンドンを破壊されたことで、戦勝国となった後もなかなか往時の勢いを取り戻すことができませんでした。一番の痛手は戦前に海外に獲得、運営されていた植民地がことごとく独立をはたしてしまい、万全を期すはずのイギリス連邦構想では十分起爆剤にならなかったということでしょうか?
 強力な軍事力の構築にはやはり財政力、経済力が不可欠です。必要な予算をだせずにいれば、確実に徐々に軍事力は減退し、他国に侮られることになるのは昨今のイギリスの状況がよく示しているといえるでしょう。

イギリス陸軍第16空中強襲旅団パラシュート連隊

最強を誇った英国海軍「凋落」の教訓:コラム
Reutes  DavidAxe
© REUTERS コラム:最強を誇った英国海軍「凋落」の教訓

20168月11日ロイター]かつて世界最強と謳われた英海軍だが、それも今は昔だ。米国をはじめとする同盟国にとっては、これはゆゆしき問題である。
伝統的に、英海軍は米海軍にとって最も緊密なパートナーだった。ほぼすべての敵に対して、両軍は共に戦ってきた。したがって、英海軍の実力が低下すれば、米政府にとっての海軍力も損なわれてしまう。
だが今日、英海軍にかつての面影はない。政府の予算編成担当は、繰り返し、しかも過剰に、海軍の艦艇・人員を削減してきた。今や英海軍は辛うじて自国の領海を哨戒できる程度で、英国の威光を海外に及ぼすことなど論外である。
英政府はようやく海軍衰退の流れを逆転させることを約束したが、手遅れかもしれない。士気は低下し、残された少数の艦艇は海上で頻繁に故障を起こしている。英海軍の症状は末期に至っているのではないだろうか。
しかも、これ以上ないほどタイミングが悪い。過激派組織「イスラム国」を打倒し、攻撃的な態度を強めているロシアを抑え、大国として華々しく台頭しつつある中国に対処するために、西側諸国は兵力の動員を進めている。これまで以上に不安定さを増しているように見える世界において、対立する財政需要の帳尻合わせに苦心する資金不足の各国政府にとって、英海軍の凋落は客観的な教訓を与えてくれる。
そう、海軍には金がかかる。長期的な計画や労力、資金が必要となる。はっきりした紛争がない平時には、艦隊を持つメリットが見えにくい場合が多い。
だが、海軍は依然として国防の要である。海軍は高度な探知能力と強力な長距離兵器を備えて国際水域を哨戒することにより、(近隣に滑走路が必要となる)空軍や、(移動により時間がかかる)陸軍に比べ、より迅速に危機に対応し、多くの火力を投入できる。
海軍を粗略に扱い、衰退させてしまえば、それによって生じた空白をすぐさま埋めるのは、ならず者国家やテロリスト、犯罪者だ。広大な海洋を監視するには海軍が必要なのだ。かつて世界有数の存在だった海軍が消えてしまえば、そこには実質的に、安全保障の真空地帯が生まれる。
第2次世界大戦中は、英海軍はまだ権勢を誇っていた。1944年のノルマンディー上陸作戦「Dデイ」には、欧州をナチスドイツから解放する連合軍部隊を護衛するため、英海軍は900隻以上の自国艦艇を英仏海峡の反対側に送り込むことができたのである。
1982年においても、英海軍はフォークランド諸島をアルゼンチンから奪い返すため、戦闘機を配備した2隻の空母を含む、少なくとも115隻の艦艇を集結させることができた。
今日、英海軍はジェット戦闘機さえ持っていない。最後のハリアー戦闘機も2010年に退役してしまった。現在の保有艦艇はわずかに89隻である(ちなみに米海軍と、国防総省が保有する支援艦艇群である海上輸送司令部を合わせた保有艦艇は約400隻だ)。

<削減によるダメージ>

英防衛予算は1988年の対GDP比4.1%から2010年には2.6%へと着実に削減され、それに伴って英海軍の艦艇数も減少していった。2010年の削減により、防衛予算は実質ベースでさらに8%減った。2015年の防衛政策見直しの一環として、英政府は、艦艇数の削減停止を公約した。だが、すでにダメージは生じている。
書類上では、英海軍の艦艇89隻には、ヘリコプター航空母艦1隻、強襲揚陸艦6隻、駆逐艦6隻、フリゲート艦13隻、攻撃型潜水艦7隻、弾道ミサイル潜水艦4隻が含まれている。残りは掃海艇、哨戒艦その他の補助艦艇であり、多くは米国の沿岸警備隊が保有する小型の巡視船と同程度の規模だ。
強力な敵と戦って生き残るために十分な探知能力や火力兵器・防御力を備えた、本当の意味での一線級の艦艇と考えられるのは、駆逐艦6隻、フリゲート艦13隻、攻撃型潜水艦7隻のみである。それ以外は、危険の伴う水域では護衛を必要とする。
任意の時点で、ほぼ半数の艦艇は定期点検又は訓練に入っている。それ以外にも数隻が小規模な定点哨戒に従事しているため、緊急事態に対応できるのは少数の艦艇しか残っていない。
だがそれも、艦艇を動かす十分な兵員がいることが前提だ。英海軍は艦艇よりも速いペースで人員を削減している。海軍の現役将兵は、2000年の時点で3万9000人だった。現在は2万9000人をわずかに越える程度で、少なくとも2000人の欠員が生じている。
艦隊編成の担当者は、最も強力な艦艇2隻を編成から外すことで人員不足に対処しようとした。今夏、23型フリゲート艦「ランカスター」の乗員を他の艦艇に分散させた。
また、新型の45型駆逐艦「ドーントレス」は発電機に深刻な問題を抱えて修理のために帰港しており、修理は早くとも2019年までかかる可能性がある。「ドーントレス」の乗員も他の艦艇に振り分けられた。
これらの艦艇が任務から離れているため、英海軍の実質的な戦力は、戦闘艦26隻から、過去最低となる24隻まで低下している。
今年の7月、新型の攻撃型潜水艦「アンブッシュ」が、ジブラルタル海峡で商船と衝突した。潜水艦は深刻な損傷を受け、修理のために本国に曳航された。修理には最短でも数カ月を要する可能性がある。
この事故で、英海軍の水中戦闘能力は15%近く低下。これにより、英海軍には予備戦力がほとんど存在していないことが露呈した。

<世界の大半から撤退>

予算削減が進むなかで、英海軍の艦隊は世界の大半から撤退していった。2010年以前は、ソマリア沖での海賊対策において英海軍は主役を担っていた。だが2012年、英国政府は海賊対策への恒常的な参加をひっそりと終わらせてしまった。
英国は、本土にずっと近い場所でも艦艇不足を感じている。2014年1月、プーチン大統領の下で復活しつつあるロシア海軍のミサイル巡洋艦が北海を航行し、スコットランドまで30マイル(約48キロメートル)の距離まで接近した。
だが、唯一展開可能だった駆逐艦「ディフェンダー」はイングランド南岸のポーツマス港にいた。「ディフェンダー」は24時間かけて600マイルを航行し、スコットランドに向かった。同艦はようやくのことでロシア艦を捕捉し、双方の乗員のあいだで数回の無線交信を行った後、ロシア巡洋艦を英国の領海外へと誘導した。
その数カ月後、「イスラム国」戦闘員がイラク北西部に侵入。イラク政府による撃退を支援するため、各国は空・海軍を動員した。だが過去1世紀のなかで初めて、英国はほとんど何の貢献もできなかった。固定翼機を支援する能力のある航空母艦を保有していなかったためだ。
英政府は10年以上にわたり一貫して英海軍の削減を続けているが、これが国家安全保障に悪影響を及ぼすことを否定している。政府はその根拠として、新たなフリゲート艦、駆逐艦、潜水艦、そしてF35ステルス戦闘機を搭載する新型の大型航空母艦2隻を建造する、数十億ポンド規模の建艦プロジェクトが複数あることを指摘している。
だが、新造艦はあまりにも少なく、就役も遅すぎる。また、旧型艦を代替するには武装が貧弱だ。もちろん、艦隊の拡大・強化には程遠い。

<空洞化トレンド>

近年、英海軍は42型駆逐艦12隻を、新型の45型駆逐艦わずか6隻に交代させた。より大型で武装も強化されているが、機械的な信頼性が低い。さらに、かつて旧型艦が担っていた任務に対応するには艦数が少なすぎる。
艦隊は、旧型となった「スウィフトシュア」級及び「トラファルガー」級攻撃型潜水艦12隻の代わりに、「アスチュート」級をわずか7隻就役させようとしている。45型駆逐艦の場合と同様、「アスチュート」級も、旧型に比べ大型で、より多くの武器を搭載している。
だが、これまた45型と同様に、「アスチュート」級は運用が難しいことも判明している。いずれにせよ、旧型の潜水艦がかつて哨戒していた海域すべてをカバーするには十分ではない。
現在、艦隊には旧型である23型フリゲート艦が13隻所属している。政府が承認した新型の26型フリゲート艦の建造計画はわずか8隻だ。一方、艦隊の戦力を維持するため、より小型の31型フリゲート艦を少なくとも5隻は建造すると約束している。だが、軽武装の31型では、より重武装のロシア艦に対する頼りになる抑止力となるには、火力も防御も不足している可能性がある。
実際のところ、英国の最新型艦艇の多くは、驚くほど軽武装である。英国政府は過去2年間で数隻の小型軽武装の哨戒艦を発注した。旧型艦の退役と相殺すると、英海軍では、小型で火力不足の艦艇の投入により見た目の艦数を維持しつつも、実際の戦力は着実に低下していくという空洞化トレンドが続いている。

最も良い例が、新型の航空母艦だろう。2隻の「クイーンエリザベス」級は、全長920フィート(約240メートル)、排水量6万トン以上で、英国がこれまでに建造したなかでも最大の軍艦である。これが2020年に就役すれば、英海軍は、2010年にハリアー戦闘機を退役させた時点で失った海上航空能力を回復することになる。
だが、「クイーンエリザベス」級は、もっと大規模な艦隊を想定して計画されたものだ。航空母艦には、英国が現状で提供できるよりも多くの航空機と護衛艦艇が必要である。たとえば米海軍では、航空母艦1隻には、搭載機60機、駆逐艦及び巡洋艦3─4隻、潜水艦1隻、補助艦艇数隻が必ずセットになっている。
英海軍としては、展開するのは航空母艦1隻のみで、もう1隻は本国に待機させておく想定である。新型航空母艦に搭載するF35戦闘機は12─24機の予定で、艦の能力を十分に発揮するには少なすぎる。さらに、航空母艦に随行・支援するために必要な艦艇(護衛のために必要なフリゲート艦及び駆逐艦3─4隻、補給のための支援艦数隻)を配備すれば、英海軍が展開可能な戦力を独占してしまうことになる。
6万トン級の航空母艦は、50機以上の航空機を収容できる。英国政府が購入を計画しているF35戦闘機はわずか48機で、任意の時点で、その多くが整備又は訓練に回っている可能性がある。
海軍は、確かに複雑でお金がかかる。艦隊に関心を払うのをやめてしまえば、どこかに消えてしまう。英国の同盟国にとっては、そこに大きな教訓がある。


*筆者は軍事情報サイト「War Is Boring」の編集者で、ニュースサイト「Daily Beast」に定期的に寄稿している。またWIREDのウェブサイト「Danger Room」や雑誌「Popular Science」でも執筆している。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
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イギリス空母クイーンエリザベス