米軍と共同FONOPに乗り出しても時すでに遅し
南沙諸島の中国基地群の存在を前提とした戦略が必要
北村淳 2016.10.6(木)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48039
南シナ海スプラトリー諸島のミスチーフ礁(2015年5月11日撮影、資料写真)。(c)AFP/RITCHIE
B. TONGO〔AFPBB News〕
平成28年9月中旬に訪米した稲田朋美防衛大臣が、中国による覇権主義的な南シナ海進出に関して、「アメリカが南シナ海で実施している『公海航行自由原則維持のための作戦(FONOP)』を支持する」旨を明言した。そのためアメリカ軍関係者などの間では、日本がアメリカとともにFONOPを実施するものと理解されている。一国の大臣が明言した以上、アメリカ側の反応は当然であろう。
これを受けて中国側は、日本がアメリカに追従して南シナ海での中国の活動に介入することに対して不快感を露わにしている。先週も中国国防当局は、「日本がアメリカと共同パトロールや共同訓練などを中国の管理する海域で実施するということは、まさに火遊びに手を出すようなものだ。中国軍が座視することはあり得ない」と強い口調で日本に“警告”を発した。
オバマ政権が渋々認めた中途半端なFONOP
だが、当のオバマ政権は中国に対して腰が引けた状態が続いており、FONOPの実施すらもなかなか認めようとはしていない。
アメリカ軍関係者の中でも対中強硬派の戦略家たちは、数年前から南シナ海でのFONOPを実施すべき旨を主張していた。2014年春には、南沙諸島のいくつかの環礁(ジョンソンサウス礁、ガベン礁、クアテロン礁)で中国が埋め立て工事を開始したことがフィリピン政府などによって確認されたため、中国側をある程度威嚇する程度のFONOPを実施すべきであるとの声が上がった。しかし、オバマ政権に対しては暖簾に腕押しであった。
そして、2014年6月になると、ファイアリークロス礁で、埋め立てというよりは人工島が建設される計画が進められていることが明らかになった(本コラム、2014年6月26日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」)。当然、アメリカ国防当局や連邦議会などの対中強硬派の人々から、軍事的色彩の強い強硬なFONOPの早期実施の声は強まった。だが、オバマ政権によるゴーサインはなかなか発せらず、ファイアリークロス礁、ジョンソンサウス礁、ガベン礁、そしてクアテロン礁で人工島の建設が進められていった。
2015年の3月には、それらの4つの環礁に加えてヒューズ礁とミスチーフ礁でも人工島建設が進められていることが確認された。そして、埋め立て拡張工事の規模の大きさから、本コラムなどでも人工島には3000メートル級滑走路が建設されるに違いないと予測した(2015年3月12日「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」)。
当然のことながら、アメリカ軍当局の対中強硬派の人々による“強硬なFONOP”実施の要求はますます強まった。それでもアメリカ政府は軍事力を使った対中牽制を許可しようとはしなかった。
そして2015年夏には、上記の6つの環礁にスービ礁を加えた7つの環礁での人工島建設が急ピッチで進んでいることが確認された。それだけではなく、ファイアリークロス礁、スービ礁、ミスチーフ礁には3000メートル級滑走路の建設が始められていることも明らかになった(本コラム、2015年9月24日「人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に」)。滑走路だけでなく、7つの人工島にはそれぞれ港湾施設が整備されつつある状況も航空写真に映し出された。
南沙諸島の軍事バランス
この段階に至って、7つの人工島が3つの本格的滑走路を備えた海洋基地群となりつつあることが、誰の目にも明らかになった。さすがに対中牽制に極度に慎重であったオバマ政権といえども、しぶしぶ米海軍太平洋艦隊に南シナ海でのFONOPを許可せざるをえなくなった。
だがオバマ政権がアメリカ海軍に許可したFONOPは、かねてより対中強硬派が希求していた“強硬なFONOP”ではなく、ごくごく穏健な形式的FONOPであった。
すなわち「米海軍駆逐艦と米海軍哨戒機が中国が中国領と主張している島嶼や人工島の周辺12海里内領域を速やかに、かつ直線的に通航する」ことによって、「国際法で認められた『公海航行自由原則』を中国は尊重すべきである」ことを暗に要求する作戦である。
この“穏当なFONOP”は、2015年10月(人工島の1つ、スービ礁沿岸12海里内海域)、2016年1月(西沙諸島のトリトン島沿岸12海里内海域)、2016年5月(人工島の1つ、ファイアリークロス礁沿岸12海里内海域)の3回実施された。そして5月以降、4カ月以上たっても第4回目のFONOPは実施されていない。
(関連記事)
・本コラム2015年11月5日「遅すぎた米国『FON作戦』がもたらした副作用」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45163
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・本コラム2016年2月4日「それでも日本はアメリカべったりなのか?」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45947
・本コラム2016年5月19日「米軍の南シナ海航行で中国がますます優位になる理由」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46862
メッセージにすらなっていない米国のFONOP
アメリカ側の考えでは、人工島やトリトン島などは中国が軍事的に実効支配をしているものの領有権紛争中の島々であり領有権が確定していない以上、その周辺海域は中国の領海ではなく公海である。したがって、公海をアメリカ軍艦が航行すること(その上空をアメリカ軍機が飛行すること)に対して、中国が異を唱えることは許されない。このような論理に基づいて、オバマ政権は、太平洋艦隊に軍艦と軍用機による“穏当なFONOP”を認めたのである。
しかしながら“穏当なFONOP”では、それらの島々に対して強固な実効支配体制を固めている中国にとっては、なんらの影響を与えることにはならなかった。なぜなら、トリトン島や人工島が中国の主張通り中国領だとしても、中国の領海内を軍艦が両国に対して軍事的脅威を与えない状態で通航することは、「無害通航権の行使」として国際法的に認められているからである。
オバマ政権が許可した“穏当なFONOP”は、まさに「無害通航権の行使の範囲内での軍艦による通過」そのもののため、FONOP実施海域が公海であろうが中国領海であろうが、いかなる軍艦にとっても合法な行為なのだ。
もしアメリカ側が「FONOP実施海域は公海である」ということを示したかったならば、“強硬なFONOP”を実施するしかなかった。つまり、12海里内海域で何らかの軍事的行動(たとえば艦載ヘリコプターを発進させる)を実施することによりアメリカの強い姿勢を見せつけなければ、中国に対する牽制には全くならないのである。このような行為は、公海上ならば問題はないが、他国領海内では無害通航権から逸脱した軍事行動そのものだからだ。
しかしながら、国際法的には「無害通航権の行使」にすぎない“穏当なFONOP”に対して、中国側は軍事的脅威を受けたとの姿勢を打ち出して、それを口実に、ますます南沙人工島や西沙諸島の“防衛措置”を強固にしつつある。
抜本的な戦略転換が必要
要するに、アメリカ側が実施したきわめて中途半端な形の“穏当なFONOP”は、単に「アメリカは中国に抗議している」というだけであり、“何もしないよりは少しはマシ”程度の状態なのである。そのような穏当なFONOPに日本が参加しても、南シナ海情勢を(日本にとって)好転させることにはなり得ない。
もっとも、日米共同でFONOPを実施することを契機として、かねてより対中強硬派が唱えている“強硬なFONOP”に切り替えれば、これまでとは違って強い対中姿勢を示すことになることは間違いない。
しかし、すでに7つの人工島がほぼ完成し、3つの3000メートル級滑走路も誕生した現在、いくら“強硬なFONOP”を実施したところで、中国が人工島を更地に戻す可能性は(中国が戦争により軍事的に撃破される以外は)ゼロと考えねばなるまい。
もちろん、アメリカも日本も、フィリピンなど南シナ海沿岸諸国も、中国との戦争などを望む国は存在しない。ということは、「アメリカに追随して共同FONOPを実施する」などという段階はもはや過ぎ去っており、中国の人工島軍事基地群の存在を大前提として南シナ海戦略を構築しなければならない段階に突入してしまっているということを認識しなければならない。
《維新嵐》 共産中国の南シナ海の人工島は、国際仲裁裁判所にて根拠がないとして完全に否定されています。中国共産党は決して認めないでしょうが、南シナ海の人工島は「国際法違反」となりはしないでしょうか?
また米海軍のFON作戦は南シナ海の自由航行の権利を守るために「最低限」の行為だと感じますが、特に軽視もしたくありません。国際仲裁判決とセットで徹底的に追求していくことが重要でしょう。
軍事力だけが「抑止的手段」とも思えません。外交上重要な要素は、日露関係、米露関係です。日露平和友好条約だけではなく、安保条約をロシアとも締結していくことにより、共産中国とロシアを分断していく戦略はこれから必須となるでしょう。戦わずして共産中国に大陸まで戻っていただくために政治、外交での戦略の再構築ですね。
《維新嵐》 共産中国の南シナ海の人工島は、国際仲裁裁判所にて根拠がないとして完全に否定されています。中国共産党は決して認めないでしょうが、南シナ海の人工島は「国際法違反」となりはしないでしょうか?
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軍事力だけが「抑止的手段」とも思えません。外交上重要な要素は、日露関係、米露関係です。日露平和友好条約だけではなく、安保条約をロシアとも締結していくことにより、共産中国とロシアを分断していく戦略はこれから必須となるでしょう。戦わずして共産中国に大陸まで戻っていただくために政治、外交での戦略の再構築ですね。
関連動画
尖閣最前線の与那国島、石垣島で勃発した〝騒乱〟
自衛隊基地誘致を巡り本土活動家が〝上陸〟
WEDGE編集部 伊藤 悟 2016年10月11日http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7840
「ハイムヌヤ ブールヌグラヌンキ ウヤシワリヨー」
日本最西端の島として知られる与那国島で見かけた立て看板に記されていた標語だ。「食べ物はぜんぶ残さず食べましょう」という意味の与那国方言だが、島では与那国の言葉で会話する人も多く、石垣島や沖縄本島の島民でも会話内容はまったくわからない。
今年3月、この最果ての島に陸上自衛隊の沿岸監視隊が配備された。島は軍備を拡張する中国を念頭に置いた、南西諸島を中心としたエリアの防衛を強化する「南西シフト」の最前線で、隊員はまさに「防人(さきもり)」の役割を担う。わずか人口1500人ほどの島は、自衛隊配備を巡って揉めに揉め、昨年2月の住民投票でようやく受け入れが決まった。島を訪れると想像以上にコミュニティーは狭い。島内に集落は3つあるが、島民はそれぞれほとんどが顔見知りだ。
2016年3月、与那国島に配備された陸上自衛隊の沿岸監視隊
(写真・THE ASAHI SHIMBUN/GETTYIMAGES)
国境の島に発生した「自衛隊バブル」
与那国島には警察官が2人しかいない(写真・WEDGE)
自衛隊基地の誘致賛成派であった与那国町議会の糸数健一議長は「沖縄は好むと好まざるにかかわらず、要衝の地にある。なかでも国境にあるこの島は、尖閣諸島に近く、とりわけ重要な位置にある。これまで基地がなかったのがおかしいぐらい」と話す。
与那国島は尖閣諸島への距離が約150キロともっとも近い島のひとつだ。沖縄本島へは約520キロ、台湾へは約110キロの場所に位置する。島には警察官が2人だけ駐在しており、「拳銃2丁のみで守られている島」と不安視されてきた。
同じく誘致を推進してきた与那国町長の外間守吉氏は「1970年代にベトナムのボートピープルが与那国島に流れ着いたが、彼らは開口一番『この島に軍隊はいないのか?』と聞いてきたそうだ。国境の島に軍隊がいるのは当然という認識があったようだが、あれから約40年が経ち、ようやく自衛隊が配備された」と話す。
与那国島最大の集落である祖納地区(写真・WEDGE)
「戦後、島には1万2000人ほどが暮らしていたが、一貫して減り続け、ついには1500人を割ってしまった。だが、自衛隊員とその家族が移り住んできたことにより、島民人口は10年前の水準に戻った」と喜ぶ。今年から自衛隊員160人とその家族90人を合わせた250人が新たに島民となったが、これは島民人口の約15%に相当し、そのインパクトは小さくない。
町長自ら「自衛隊バブル」と呼ぶ経済的恩恵を享受する島民は多い。現在も自衛隊関連施設の工事は続いているが、最盛期には600~700人ほどの作業員が島に常駐していた。
今回、売店、弁当屋、食堂、居酒屋、ホテル・旅館、タクシー、レンタカー、ガソリンスタンドなど、様々な商売を営む島民に、「自衛隊基地配備の経済効果」を尋ねたが、一様に「売り上げが上がっている」と答えた。
「昨年の売り上げは例年の倍以上。税金をたくさん納めないといけないので大変」、「通常の7倍の売り上げを記録した日もあった」、「民宿は連日満員だった」など、景気の良い話が次から次へと耳に入ってきた。
上/自衛隊駐屯地、
下/ 自衛隊員と家族の官舎
(写真・WEDGE)
自衛隊関連施設が順に完成していくにつれて、作業員の数が徐々に減ってきていることもあり、「バブル」は一時期ほどではないというものの、自衛隊配備前と比較すると売り上げは上がっているという。なかには、もともと自衛隊基地配備に反対していたものの、経済的メリットの享受により、反対の主張を取り下げた島民もいることがわかった。
日本最西端の地といえども、島民の目の前に国境はない。国防的な観点より、経済的な観点で自衛隊基地を語る島民が多かった。
2015年9月に発生した台風21号で風力発電機のブレード(羽根)が落下した(写真・WEDGE)
「基地配備は経済的なメリットにとどまらない」と外間町長は続ける。昨年9月、最大瞬間風速81メートルを記録した台風21号で、民家10棟が全壊し、電柱が倒れるなど、島は壊滅的なダメージを受けたが、「災害派遣要請を受けて島に来た20人の自衛隊員のおかげで復旧作業を迅速に進めることができた」と振り返る。島には毎年のように強烈な台風が上陸してくる。自衛隊に寄せる期待は大きい。
与那国町観光協会の新嵩(あらたけ)喜八郎相談役は「自衛隊員は、観光地の清掃や集落の草むしりを行ってくれる。大変ありがたい存在」と感謝を口にする。
敗北した基地反対派が狙う〝次の一手〟
「精子が減る、うつ病になる、耳鳴りがする。新たに島に造られたレーダーは、将来こうした健康被害を生ずる可能性があると聞いている。国は専門家を連れてきて『健康被害は生じない』と説明したが、鵜呑みにはできない」。基地の配備に反対してきた与那国改革会議の崎原正吉議長はそう話す。
「島外の人の応援がとても心強かった。東京や大阪など内地から教職員や鉄道関係の労働組合などが応援に来て、反対運動のノウハウを教えてくれた」と振り返る。現在、こうした島外の支援者は、反原発運動や沖縄本島の辺野古や高江などで活動しているという。
新たに島に設置されたレーダー(写真・WEDGE)
4年前に島を訪れたときには、反対派ののぼりや看板がいたるところにあり、目立っていたが、その数は激減し、ペンキの色は褪せていた。
同じく反対派で与那国町議会議員を務める田里千代基氏は、「基地の必要性について納得できていない。中国の軍事費が伸びているといっても13億人の人口がいて、GDP(国内総生産)も日本より上。人口比で考えると、ある意味、日本の13倍規模の軍事力があって当たり前。様々な摩擦はあるが、近隣国とは仲良くしなければならない」と語気を強める。
「今後、条例でどのような規制をできるかが焦点」と話すが、具体的には、迷彩服で集落を歩かせない、公共施設の出入りをさせない、基地や隊員の規模をこれ以上拡大させないといったことを考えているという。
気の毒なのは、国を守る使命を帯びて島に移り住み、一部の島民の冷たい視線を浴びる自衛隊員だ。隊員とその家族は島民との距離を縮めるため、集落対抗の運動会や漁民最大の行事である「ハーリー」と呼ばれるクリ舟の競漕イベントに参加するなど、島に溶け込む努力を欠かしていない。
与那国島の基地反対を掲げる看板の数は激減していた(写真・WEDGE)
駐屯地の周辺は牧場のため、隣接する道路では馬が行き交う(写真・WEDGE)
国が主導する「南西シフト」の拠点は与那国島だけでない。「検討地域」として具体的に石垣島、宮古島、奄美大島の名があがっている。反対派の田里町議会議員は「島外の反対派の人たちと力を合わせて、新たに離島に基地を造らせないことを考えている。マスコミや裁判を使うといった手法も視野に入れている」と話す。検討地域のなかで、もっとも混乱が生じる可能性が高いといわれる石垣島へ向かった。
好漁場失ったと嘆く石垣島の漁師
「魚釣島というぐらいだからね。尖閣諸島周辺は本当によい漁場」
「尖閣で漁ができなくなった」と嘆く漁師の高橋拓也氏(左)と具志堅用治氏(右)(写真・WEDGE)
石垣島出身の元プロボクサー・具志堅用高氏の従兄弟である具志堅用治氏が会長を務める八重山鮪船主会のメンバーは口を揃えてそう話す。この船主会に属するメンバーは尖閣諸島周辺でマグロやカツオなどを獲っていたが、「2012年の尖閣諸島国有化からいよいよ周辺海域に近付けなくなった。中国船とのトラブルを恐れてか、海上保安庁に止められる」と嘆く。今でも同海域で漁をする権利は有するが、実態として好漁場を失ったかたちだ。
「尖閣周辺に限らず、石垣島の南側でも国籍不明の不審船はよく見かける。夜なのに電気がまったくついていなかったりする」という。リゾート地のイメージが強い石垣島だが、あらためて国境防衛の最前線の地であることを感じさせる。
尖閣諸島周辺海域の警備強化のため、石垣島に停泊する海保の巡視船は増えている(写真・WEDGE)
漁港の隣に目を向けると、海上保安庁の巡視船が所狭しと並んでいた。尖閣諸島を巡る摩擦が本格化して以来、石垣島に常駐する巡視船が増え、停泊スペースが不足したことから、桟橋も新たに建設された。10年に中国漁船に衝突された「みずき」の姿も見えた。
中国漁船に衝突された「みずき(海洋巡視艇)」
(写真・WEDGE)
この石垣島も与那国島同様、すんなり自衛隊基地が配備されることはない。基地予定地といわれるエリアに隣接する開南、於茂登、嵩田の3地区は、今年に入ってそれぞれ総会を開き、反対の立場を表明した。
基地予定地を通る県道87号線を車で走っていると「自衛隊配備断固反対」の看板が目に飛び込んできたため、車を止めて、パイナップル畑で作業をしていた川平重治氏に話を聞いた。川平氏は開南地区の前自治会長で反対運動を展開する中心人物の一人である。
「反対の最大の理由は騒音。ここは市街地から離れた静かな集落だが、基地ができるとヘリやトラックの音に悩まされることになる。徹底的に戦っていく」と鼻息は荒い。
「反対運動を行った経験はないので手探り状態だが、地元の3地区以外の集落や他の組織とも連携していく」と続ける。始まったばかりの反対運動だが、今後島外からの「応援」も加わり、戦いが本格化していくことが予想される。地元紙・八重山日報の仲新城誠編集長も「基地誘致の是非が2年後の市長選の争点になる可能性は高い」と指摘する。
左/石垣島の基地予定地といわれる場所にはサトウキビ畑が広がっていた
下/自衛隊基地反対の看板
(写真・WEDGE)
膨張する中国に対抗するために必要な南西シフトだが、その実現は容易ではない。与那国島の反対派議員が話していたように、与那国島における「失敗」の教訓をいかして、反対派は次なる戦いを挑もうとしている。
石垣島の人口は4万9000人。1700人の与那国島とは文字通りケタ違いで、利害関係者も多いことから話が簡単にまとまることはないだろう。与那国島で発生した混乱が、スケールアップして石垣島に上陸する──。そんな現実が訪れようとしている。
《維新嵐》 南シナ海へ海自の艦船を出撃させることには同意しかねるが、我が国の対中戦略の要諦は、南西諸島への共産中国の「政治工作」を排除するということであろう。
米軍基地移転に関する「住民反対運動」の背後には、共産中国の「輿論戦」の影が見え隠れする。本来の沖縄住民は、米軍基地移転に反対ではないという。
「沖縄独立論」なる暴挙もいわれているようであるが、論外であろう。かつての琉球王国の最後の王も「独立」の厳しさを熟知していかたらこそ明治政府とともに歩む道をとったのである。
「歴史の歪曲」と「輿論戦」は共産中国の工作員とシンパによる謀略でしかない。
与那国島はこんなによいところ。
与那国島は南西諸島防衛の要衝です。ここに沿岸監視隊が常駐し、レーダー監視することの戦略的意義は大きい。東シナ海、日本海を確実におさえなければ、南シナ海への米海軍支援などおぼつかないであろう。
与那国島 日中戦闘シュミレーション!?
日中の開戦などあってはなりません。「弾のとばない戦争」に勝利するのです。
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