米海軍、防空作戦や実弾発射訓練も実施し、南シナ海で対中国潜水艦想定の演習実施
2016.10.7 10:38更新http://www.sankei.com/world/news/161007/wor1610070017-n1.html
【ワシントン=青木伸行】米太平洋軍は2016年10月6日までに、南シナ海で潜水艦を探知、攻撃する演習を実施した。中国の海南島には潜水艦基地があり、中国海軍の潜水艦を想定したものとみられ、強い牽制(けんせい)の意味合いがある。
演習は3、4両日に実施され、米軍佐世保基地(長崎県)を母港とする強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」と、2隻の駆逐艦などが参加。防空作戦や隊員輸送、実弾発射訓練も実施された。
米軍は南シナ海に、最新鋭ステルス戦闘機F35を展開させることを検討しており、太平洋艦隊のスウィフト司令官も、今回の演習について「海兵隊向けのF35を運用する揚陸艦を、配備する準備だ」と説明した。
F35は来年1月から、米軍岩国基地(山口県)に配備され、強襲揚陸艦「ワスプ」に搭載される予定だ。
演習は、中国が南シナ海の人工島を完全な軍事拠点として運用を開始し、南シナ海上空に、防空識別圏を設定した場合の対応も想定したものとみられる。
《維新嵐》 あながちあり得ない演習設定でないだけに、背筋が凍りつく思いです。空母を2隻保有とはいっても、運用実績の浅い人民解放軍を考えると一番の脅威は、攻撃型原子力潜水艦&戦略型原子力潜水艦でしょうね。
日米が南シナ海で軍事演習
共産中国はなんちゃって同盟国ロシアを無理やり巻き込んで南シナ海で軍事演習
【アメリカと連携したアジアの「大国」の動き】
米軍を受け入れるインドの狙い
岡崎研究所
2016年10月3日http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7866
ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「インドは西側に目を向けている。モディは米との緊密な貿易、安保関係に賭けている」との社説を8月30日付で掲載し、米印関係の改善を歓迎しています。社説の要旨、次の通り。
主要な防衛パートナー
大きな政策上の変更は小さな一歩から始まる。インドの対米態度は数年の徐々たる改善の後、大きく変わり、十年前には考えられなかった合意ができるようになってきている。8月29日、インドのマノハール・パリカル国防相は米軍がインドの軍事基地を使うことを許可する兵站協定に署名した。両国は新技術・兵器開発の協力も拡大した。6月、オバマはインドを「主要な防衛パートナー」と格付けたが、カーター国防長官は、米国は「最も緊密、最も長期の同盟国とやっているようなやり方で」協力すると述べた。
ケリー国務長官とプリツカー商務長官は8月29日、3日間の経済協議のためにインドに到着した。米国の対印投資はここ2年で5倍になり、二国間貿易は2005年の370億ドルから2015年の1090億ドルに増えた。インドは多数国間貿易交渉で妨害的であったが、最近、WTOの提案にも前向きになり、貿易円滑化協定を批准した。
モディが9月のベネズエラでの非同盟運動首脳会議出席取りやめを決めたのも意義深い。モディはネルーが始めたグループを無視する第二の首相になった。これは変化の深さを示唆している。インドの多くのインテリはネルーの反射的反米主義を維持しているが、モディは米国の資本、技術を自分の開発プログラムに利用しようとしている。また中国の地域支配の試みに対抗しようとしている。
モディ首相の前任者も対米協定を締結したので、全てモディの功績というわけではない。しかし、インドの姿勢はパキスタン、中国、ロシアの関係強化への反応でもある。ロシアの技術に頼ることは中国との軍備競争で遅れを取ることになる。モディ首相は国内での反対があるのに大胆な外交を展開している。米軍を短期でもインドに入れることは抗議を招く。経済を開放、外国企業との競争をすることへの国内の支持はほとんどない。
モディは彼の再編成の利益があまりにも明らかで、批判者を黙らせ、二期目の政権につながることに賭けている。次期米大統領が協力し続けることにも賭けている。もし米国が、モディがインドの経済・安保問題を解決するのを助けるならば、米国はインドをリベラルな世界秩序を守るしっかりした同盟者にすることができるだろう。
出典:‘India Looks West’(Wall Street Journal, August 30, 2016)
http://www.wsj.com/articles/india-looks-west-1472599201
http://www.wsj.com/articles/india-looks-west-1472599201
この社説は、的を射た良い社説です。米印関係は大きな変化を起こしており、様変わりと言ってもよいほどです。今回のインド国防相の訪米では米軍にインドの基地を兵站のために使わせる協定が署名されるなど、これまで積み上げられてきた協力が花開いたような様相を呈しました。
西側よりの政策
モディ首相は、西側寄りの政策を実施しています。非同盟主義は今や過去のものになりつつあります。パキスタン、中国、ロシアの関係が深まる中で、そうせざるを得ないのであり、この政策の方向性は今後、変わらないと見ておいてよいでしょう。
モディ首相のこの政策が成果を上げるか否かは国内での経済改革、米国を含む西側の協力の度合いによると思われますが、成功の可能性は高いと思われます。インド経済は、今年の4-6月はGDPが7.1%増にとどまり、成長は減速気味です。しかし、その内容を見ると、設備投資が振るわないものの、消費は堅調に伸びています。減速は一時的と見てよいのではないかと思われます。
日本もモディ政権を支援していくことが、今後の対中関係を考えれば、戦略的に重要でしょう。さらに、歴史問題について、インドは中国とは全く違う考え方であり、日印関係を強化する材料にはなっても、阻害することはありません。
《維新嵐》 今後もこの大国から安全保障上目が離せないでしょう。「インド人もびっくり」の政策をどう繰り出してくれるのか?対中戦略の鍵となる国といえます。共産中国は、パキスタンとの関係を深め、自国の保護国化していくかもしれません。
インドネシア空軍が最大規模演習
違法操業続ける中国を牽制
2016.10.6 21:10更新 http://www.sankei.com/world/news/161006/wor1610060036-n1.html
インドネシア空軍は2016年10月6日、南シナ海の南端にある同国領ナトゥナ諸島周辺で過去最大規模の軍事演習を実施、ジョコ大統領が観閲した。地元テレビが伝えた。南シナ海での領有権を主張し、同諸島周辺で漁船の違法操業を続ける中国を強く牽制(けんせい)する狙いがある。
空軍によると、演習には兵士約2千人、戦闘機やヘリコプター計約70機のほか空母も参加。空中戦や戦闘機による攻撃などを演習。ナトゥナ諸島沖での演習は2014年以来。
中国が独自に引いた境界線「九段線」は、ナトゥナ諸島沖のインドネシアの排他的経済水域(EEZ)と一部が重なっている。同諸島沖では3~6月、インドネシア当局による違法操業の中国漁船の拿捕(だほ)などが相次いだ。(共同)
《維新嵐》これが自国の権益確保のためのスタンダードが行動でしょう。インドネシアにとって「九段線」など認めてられないはずです。
豪州にとって中国は敵か?味方か?
岡崎研究所 2016年10月7日http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7870
富裕な大国と貧しい小国との近隣関係は厄介なものになりがちだが、豪州と南太平洋の島嶼諸国との関係も平坦ではない。そこに中国の進出が絡み、豪州は従来の外交の見直しを図ろうとしている、と2016年9月3日付の英エコノミスト誌が報じています。要旨は、以下の通りです。
豪州が裏庭と見なす南太平洋
豪州が外交白書を出すと発表した。漂流気味の従来のパートナーシップを見直し、戦略的課題に取り組むと言う。これらの問題が最も端的に見られるのが、豪州が自らの裏庭と見なす南太平洋だ。この地域の最大の試練は、中国への対応で、中国はこの10年、太平洋の島嶼諸国に援助と投資を行い、道路や病院を建設、鉱山を開発してきた。「海のシルクロード」戦略の一環でさらなる活動も計画されている。
豪州ではこうした中国をどこまで警戒すべきかで議論が起きている。中国は南太平洋では領有権を主張せず、艦隊の訪問も慎重に行い、豪州やNZの反感を買わないよう注意している。しかし、資源の獲得だけが目的だったら、豪州に集中すれば済むはずで、中国がより大きな目的を持っているのは明らかだ。
実際、中国は時折、米国や豪州について不満をぶちまける。2012年にフィジーを訪れた中国の役人は、自国の内政不干渉の方針を自賛し、大国が小国を「虐める」と批判した。フィジーはこれに理解を示したはずだ。同国は、豪州やNZが加わる太平洋諸島フォーラムを蹴り、別の地域組織を創っている。豪州とソロモン諸島との関係も厄介で、豪州は新植民地主義との非難に耐えながら、同国で軍事・警察活動を担ってきた。
島嶼諸国の役人たちは、豪州を称賛した後、様々な不満を口にする。豪州はすぐにビザを出してくれない、意見が対立すると援助を盾に使う等である。豪州の難民政策はこうした不満をさらに深めた。豪州に来た難民をパプアニューギニア(PNG)やナウルの仮収容所に送り、第三国による受け入れか、難民の帰国を待つというやり方は、多数の難民が何年も収容所に滞留する事態を招き、「配慮に欠け、傲慢だ」と反感を買っている。そうした中、豪州は先月PNGの収容所の閉鎖を発表したが、その時期や難民の行き先は言わなかった。
この地域で、豪州の競争相手は中国だ。当初は中国の政治的条件抜きのインフラ投資を歓迎した国も、膨らむ借金の額に不安を感じ始めている。また、国内経済がふらつく中、中国人労働者が道路を建設する光景は、中国による地元の資源や企業の買収と同様、人々の反発を買っている。結局、南シナ海での立場を強化すべく太平洋の島嶼諸国の支持を得ようとした中国の努力は失敗、バヌアツを除き、フィジーもPNGも中立を堅持している。しかし、豪州が狼狽しているのは明らかで、今年初めに出た国防白書は、「われわれと利益が相反する地域外の国の影響を抑えるべく」「太平洋の島嶼諸国と協力する」と述べている。
出典:Economist‘Foam
flecked’(September 3, 2016)
http://www.economist.com/news/asia/21706282-it-not-so-easy-being-biggest-fish-sea-foam-flecked
http://www.economist.com/news/asia/21706282-it-not-so-easy-being-biggest-fish-sea-foam-flecked
大国と大国が自らの裏庭と見なす小国群との関係は、ロシア、中国のような専制、覇権国家の場合は性格を異にするので別としても、厄介なものになりがちであるというのは、エコノミスト誌の言う通りです。米国と中米、カリブ海諸国との関係もそうで、大国は小国群を自らの勢力圏として扱い、小国群は大国の「大国主義」に反発しがちです。
豪州と南太平洋島嶼諸国との関係は、さらに中国の進出という要素があって、豪州にとって頭が痛い問題です。エコノミスト誌によれば、中国の進出は南太平洋島嶼諸国の反発を買い、島嶼諸国の支持を得ようとした中国の努力は失敗したとのことです。失敗とまで断定できるかどうかは明らかではありませんが、中国の影響力に限度があることは確かなようです。
そうとはいえ、中国が南太平洋諸国に対する働きかけを止めるとは考えられず、豪州は中国の進出を強く意識した戦略を構築するでしょう。豪州は、難民の処遇問題をはじめとして、南太平洋島嶼諸国が豪州に対して抱く不満を考慮しつつ、これら諸国との協力を推進していく必要があります。
中国が南太平洋島嶼諸国進出を図ったのは、この地域が戦略的に重要だからです。日本も同地域の戦略的重要性を念頭に、同地域への協力に努めてきました。1997年に「太平洋・島サミット」を開催して以来、3年ごとに地域の首脳との会合を重ねています。昨年開催された第7回サミットでは、社会経済基盤整備と人材育成を柱とする持続可能な開発の他に、防災、気候変動、環境などの議題につき議論し、日本の支援を約束しました。サミットには豪州、ニュージーランド、それに第6回会合から米国も参加していて、開かれた形の協力です。豪州とも利害を共有するものであり、今後も豪州とともに南太平洋島嶼諸国との協力を推進すべきです。
崩壊過程にある中国における豪州関係
ロシア人の日本軍事力分析
ロシアは日中軍事衝突を恐れている!?
一番恐れている、複雑なのはアメリカかも。
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