2019年3月28日木曜日

共産中国の情報戦の脅威 ~「バックドア」という兵器~


バックドアとは何か?
クラッカーやウイルスがホストに不正侵入をするために作る「裏口」のことを指す。クラッカーがホストへの侵入に成功すると、次回以降は同じ侵入手順を踏まずに再侵入を簡単にする目的で、再侵入専用のサーバープログラムをそのホストに保存する。そしてクラッカーはこのバックドアを使って何度も侵入し、攻撃の足がかりにする。ウイルスが何らかの方法で自動的にバックドアを設置するという手法もある。https://kotobank.jp/word/%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%89%E3%82%A2-7382#SCII.jp.E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E7.94.A8.E8.AA.9E.E8.BE.9E.E5.85.B8
【管理人】日本人が今まで気づかなかった、というより、みようとしなかった中国共産党の情報戦のあからさまな実態が明らかになっています。国際社会では、仮想敵国の様子を知り、国家戦略の策定に役立つインテリジェンスを積み上げることは、様々な戦いを有利に進めるためにも重要な作業です。アメリカのトランプ政権の対中戦略でこれまで見過ごされてきた中国共産党の情報戦の本当の危険について、数多久遠氏の論文をご紹介することにより認識として、国民共有していければ、と思います。

ファーウェイ製品、危ないのは端末より基地局だ


バックドアが仕込まれる危険性が高い2つの場所とは

数多久遠

中国深セン市にある華為技術(ファーウェイ)の本社(201936日撮影)。(c)WANG ZHAO / AFPAFPBB News
(数多 久遠:小説家、軍事評論家)
 アメリカ政府が華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の製品排除を決定し、日本も政府調達からの除外を決定しました。アメリカは、NATO諸国などにも同様の措置を求めています。その背景は、米中間の「5Gの覇権争い」や「貿易戦争」であるなどと言われています。
 しかし、大前提である安全保障上の脅威がどのようなものであり、なぜ脅威が生まれるのかという点について、正しく理解されているとは思えません。筆者は自衛官時代にマイクロ通信回線の敷設や通信機器の設置などに携わったことがあります。以下ではそうした経験を踏まえて、ファーウェイ製品に潜む安全保障上のリスクについて論じていきたいと思います。
2015年に抱いた疑念とは
 私はファーウェイが中国政府ベッタリなことは相当以前から認識していましたが、この問題に本格的に注目し始めたのは、実は日本国内のある出来事に関して疑問を抱いたからでした。
 今日、日本で島嶼の防衛が注目されていますが、その最前線である離島では、自衛隊員や海上保安庁などの職員が働き、暮らしています。特に太平洋戦争の激戦地ともなった硫黄島は、今でも安全保障上の重要ポイントとなっています。
 硫黄島は、絶海の孤島です。そのため、携帯電話を使えるようにするには非常に大きなコストがかかります。利用者が支払う携帯利用料だけでは、絶対に赤字です。補助金が出ているそうですが、そんなものでまかなえるはずがありません。
硫黄島に携帯電話が開通したのは2015年でした。携帯事情に詳しい人なら、当然、携帯キャリアはドコモだろうと予想するでしょう。ドコモは、電電公社に源流を持ち、いわゆる人口カバー率だけでなく、携帯の通じない「不感地域」を極力なくすよう努力しています。田舎や山岳地での信頼性では誰しもドコモが一番だと言うでしょう。
 ドコモに続いて不感地域の解消に積極的なのはauです。そして、後発なこともあり、人口密集地での速度などを重視する一方で、不感地域をなくすとことについては二の次としてきたのがソフトバンクです。
 ところが、硫黄島に携帯電話基地局を設置して最初に携帯を開通させたのはソフトバンクでした。絶対に赤字であるにもかかわらず・・・(現在では他のキャリアも使えます)。
 なぜだろうと調べ始めたところ、ソフトバンクがファーウェイと密接な関係を持っていることを知りました。「これは小説のネタとして使えるのでは?」と思ったのが、この件に注目し始めたきっかけでした。
もしもアメリカが指摘するようにファーウェイ製品にバックドアが仕込まれているのだとしたら、硫黄島に勤務する自衛官などから情報を収集しようとしている可能性があるのではないか──。これが、私の疑念だったのです。
バックドアはどこに?
 ファーウェイのバックドア問題をネットで検索すると、「ファーウェイの携帯電話に怪しいチップがあった」といった噂とともに、「今売られている携帯自体は安全だ」というような記事も多数ヒットします。その多くは、ファーウェイが発注した記事広告(記事の体裁を装った広告)の可能性がありますが、私はこれが嘘だとも思いません。
 ファーウェイがバックドアを仕込む際、その効率、コスト、(ファーウェイにとっての)安全性を考えた際、携帯端末にバックドアを設置するのは最も非効率的だからです。携帯電話を分解することで詳細に調べられますし、ファーウェイ端末が相当のシェアを持たないと、十分な情報を入手することができません。では、バックドアを仕込むとしたら、どこが最も効率的で安全でしょうか?
1)インターネットとの接続機器
 その1つは、パケット交換機やゲートウェイと呼ばれるインターネットとの接続機器です。携帯電話とインターネットを接続するために欠かせない重要な機器であり、2012年に発生したドコモの障害や昨年(2018年)末にソフトバンクで発生した大規模障害(この時の機器はエリクソン製のもの)は、これらの機器障害が原因となっていました。
 こうした機器は現在ファーウェイがトップ企業であり、ソフトバンクは大規模に採用しているようです。そして、今後5Gではファーウェイがヨーロッパのメーカーを圧倒する可能性があるとも言われています。
 これらの機器は携帯電話とインターネットの中継点となるため、携帯やパソコンから発信された情報および逆にインターネットから携帯やパソコンに流れていく情報が全て通過します。そのため、ここにバックドアを仕込むことは非常に効率的です。機器自体が大型であり、無理に小型化する必要もないので、コストもそれほどかからないでしょう。
そして、何よりバックドアを運用する者にとって安全です。
 こうした機器は、安定稼働が絶対的に求められるので、作動状況がメーカーによって常時モニターされています。また、ログ情報なども記録されています。バックドアを設置している場合、この稼働状況のモニター情報に、バックドアから入手した極秘情報を混ぜ込んでメーカーに送ることが可能となります。
 海外では実際に、ファーウェイ製の機器から本来必要なモニター情報を上回る多量の情報が送信されていたケースが報じられています(ファーウェイは機器の稼働状況をモニターしていただけだと意に介さなかったそうです)。
 こうしたモニタリングは通信にとって不可欠なので止めさせることはできませんし、モニター内容はメーカーにとっては企業秘密であり、公開させることもできません。メーカーにしらを切られてしまえば、確認はほぼ不可能です。
 また、バックドアから入手した情報を外部に出力せず、機器のログ情報とともに保管しておき、定期的なメンテナンスの際に回収すれば、抜き取られたことを確認することさえできません。定期的なメンテナンスはファーウェイもしくは関連会社が行うしかないからです。
2)携帯電話基地局の通信機器
 バックドアを仕込む場所として効果的なもう1つのポイントは、携帯電話基地局(以下、基地局)と呼ばれるものです。
 たとえば、北海道と沖縄の間で携帯を使用して通話した際、その間を直接電波が飛ぶわけではありません。北海道から電話をかけると、まず道内で近隣のビル屋上などにある基地局のアンテナに電波でつながり、そこから光ケーブルやマイクロ送信施設を経由して、最後は沖縄にある基地局から携帯端末に電波で信号が飛ぶのです。
 この基地局も、上記で述べたパケット交換機などと同様の中継点です。よって、効果的かつ安全にバックドアを仕込める場所となります。さらには、パケット交換機などのインターネット機器と異なり、音声通話による音声も収集することが可能です。
 ここで注意が必要なのは、基地局は中継点であるため、電話をかけた側であろうと受けた側だろうと、どちらかの携帯キャリアがソフトバンクであれば必ずソフトバンクの基地局を通るということです。つまり、自分がドコモで買ったiPhoneを使用していても、通話相手の携帯キャリアがソフトバンクならば、ファーウェイ製の機器を通過する確率が高いということです(auの基地局も一部にファーウェイ機器を導入しているため、その可能性があります)。
 日本政府は政府調達からファーウェイ製品の除外を決定したため、政府要人、例えば首相の携帯電話(私物ではなく政府としての支給品)は、おそらくキャリアはドコモで、端末も日本製もしくはiPhoneなどの欧米製でしょう。しかし、上記のような危険性があるため、首相が電話する相手がどこの携帯キャリアを使用しているのか、関係部署は調べているはずです。
こうしたバックドアによる危険性はあくまで可能性があるということであり、それらを実際に行っていたとしてファーウェイが非難されているわけではありません。もし行っていれば、違法行為として訴追されているはずです。ファーウェイも絶対に行わないとアナウンスしています。
 しかし、中国政府は国家情報法によりファーウェイに「やれ」と命じることが可能です。それに従わなければ処罰されるため、中国政府が意図したらファーウェイは100パーセント実施するでしょう。
 そして、その時に備えてファーウェイはほぼ間違いなくバックドアを仕込んでいると思われます。現在は稼働していないかもしれませんが、いつ政府から命じられてもいいように準備だけはしているはずだということです。
5Gを中国に支配される危険性
 今回の排除決定によって、ファーウェイが5Gを完全に制覇する可能性はほぼなくなりました。しかし、中国と関係が強い国やヨーロッパの一部の国では、ファーウェイによって通信インフラが作られることになるでしょう。
もしも、そうした国で紛争が発生した際、中国政府が一方に肩入れして、バックドアによって情報を抜き取るだけでなく、5Gに支えられているIoTの全てを無力化することが可能となります。
 つまり、生活の全てが5Gによって支えられるであろう将来において、ファーウェイ製の通信インフラを導入することは、安全保障の命脈を中国に完全に握られることになるのです。
苦境のソフトバンク
 現状では、ファーウェイがバックドアを稼働させているかどうかは分かりません。しかし、前述したように首相に限らず政府関係者は通話相手の携帯キャリアを気にしているはずです。もし、あなたがビジネスの相手から携帯キャリアを確認されたことがあるならば、上記の波及が及んでいる証拠かもしれません。
 こうした波及を最も懸念しているのは、間違いなくソフトバンクでしょう。交換機や基地局の機器をすべてファーウェイ以外の製品にすればいいのですが、4Gでは大々的にファーウェイ機器を導入しているため、一気にこれを切り替えることは困難だとの情報が出ています。恐らく、5Gへの移行の際に他社製機器を採用し、徐々に移行させると予想されます(企業や一般利用者の「ソフトバンク離れ」が今後どれくらい出てくるかにもよると思われます)。
なお、冒頭で言及した硫黄島への携帯通話を開通させたのは、ファーウェイではなくソフトバンクです。そのため、本記事を読んで「ソフトバンクもファーウェイによる情報抜き取りに関与しているのではないか」と考える人もいるかもしれません。しかし、筆者はその可能性はないと考えています。
 曲がりなりにもソフトバンクは多数の日本人が働く日本の企業です。社長の出自を取り沙汰していろいろ言う人もいるようですが、ソフトバンクが自分たちからファーウェイに協力するとは思えません。
 それよりも、硫黄島への基地局の設置費用やメンテナンス費用に関してファーウェイが利益度外視の見積もりを出せば、ソフトバンクは他のキャリアよりはるかに容易に硫黄島をサービスエリアとすることが可能です。2015年にソフトバンクがいち早く硫黄島に携帯を開通させた背景は、そうしたことなのではないかと推測しています。

【管理人】ソフトバンクは、一企業としてファーウェイと業務提携した、ということだけでしょう。そこを中国共産党は、戦略情報の収集のために利用したということですね。むしろ中国共産党は、国家戦略に利用するデータ収集のために自国民間企業を活用する、ということを熟知すべきでしょう。ファーウェイやZTEが元来、中国共産党の出資で設立されたという背景があれば、なおさらです。


【動画でもバックドアについて掘り下げてみましょう】

【佐藤優】身近なファーウエイのスマホもLINEもバックドアが!! https://www.youtube.com/watch?v=deV-Qs9RpS0
佐藤氏は、スマホとSNSにバックドアがしかけられているとします。
第19回セキュリティのアレ「バックドアとは?」
https://www.youtube.com/watch?v=UvI8yNoX0JQ

【関連リンク】
バックドアとは?被害例と感染経路から見る効果的なセキュリティ対策

これは、中国からの攻撃なんでしょうかね??

Windowsセキュリティシステムが破損していますの警告で”更新”を押してみた【検証動画】
https://www.youtube.com/watch?v=2h_FeDZ19l8

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