2016年11月11日金曜日

共産中国の「戦わない」戦略が拡大中!?我が国も軍事力だけでなく「技術力」でも戦えるのでは?

中国が軍艦の輸出で“陣営”拡大

日本は軍艦建造技術をなぜ戦略的に活用しないのか


中国の戦略的輸出ツールの1つである元型潜水艦(写真:中国海軍)

中国は南シナ海の軍事的・政治的コントロールを強固なものにするべく、南沙諸島において7つの人工島建設をはじめ、航空施設、港湾施設、その他さまざまな軍事的・非軍事的施設の建設に邁進している。また、南シナ海沿岸諸国はもとより東南アジアの幅広い国々に対しても、アメリカとの政治的・軍事的友好関係に楔を打ち込む工作に注力している。
 加えて、そうした工作の一環として見過ごせないのが、海軍主力艦艇の輸出を通して人民解放軍海軍と東南アジア諸国の海軍との関係の緊密化を図り、ひいては軍事的関係の強化につなげようとしていることだ。
 これまでアメリカとの軍事的関係が比較的良好であった国々が中国の売り込みを受け入れて中国製軍艦を購入すると、アメリカにとっては手痛い打撃となってしまう。アメリカ海軍と、中国製軍艦を購入した海軍の間にギャップが生まれ、そこに人民解放軍が割り込み、やがては中国の影響下に引き込んでしまうからだ。
 このような軍艦売り込み工作は、広い意味の特殊作戦と考えることができる。中国は単に経済的見返りを求めるだけでなく、中国の南シナ海支配戦略ならびに海のシルクロード確保戦略の一環として、政治・軍事・経済のすべての分野にまたがってこの作戦を繰り広げようとしている。

タイとパキスタンへの潜水艦売り込みに成功
 本コラムでも取り上げたように、中国はタイやパキスタンへの潜水艦の売り込みに成功した(以下のコラムを参照)。
「潜水艦3隻購入で中国に取り込まれるタイ海軍」

「パキスタンも陥落、次々に潜水艦を輸出する中国」


 タイでの軍事政権成立を嫌ったオバマ政権は、タイとの政治的・軍事的関係を冷却化する動きに出た。
 アメリカ軍はこれまで長年にわたる共同軍事訓練などを通して、タイ軍部とは比較的良好な関係を維持してきた。そのためアメリカ軍は「タイとの友好関係を壊すような動きはアメリカにとって得策でない」旨をオバマ政権に進言し続けた。しかし、軍事政権を嫌うオバマ大統領には受け入れられなかった。結局、アメリカ政府はタイ軍事政権を冷たくあしらう方向に転じ、アメリカ政府とタイ政府の間にはギャップが生じてしまった。
 それを好機に、かねてよりタイとアメリカを分断するチャンスをうかがっていた中国がタイ政府すなわちタイ軍部にアプローチを強め、タイ軍とアメリカ軍の結びつきを弱めることに成功した。
 そして、以前からタイ海軍が切望していた潜水艦を、中国が供給する方向性で話がまとまりつつある。潜水艦供給に関する契約成立は、両国政府からまだ公式には発表されていないが、中国は合計360億バーツで3隻の「元型S26T」潜水艦を建造し、タイ海軍に供給するものとされている。
 また、タイとの取引よりも規模が大きいのが、パキスタン海軍への潜水艦売り込み工作である。中国がパキスタン海軍へ潜水艦8隻を供給することが明らかになったのは数カ月前であるが、このほど(1021日)中国船舶重工集団公司(中船重工、CSIC)が公式にパキスタンへの潜水艦供給契約の成立を公表した。40億から50億ドルの長期ローンにより8隻の潜水艦を建造してパキスタン海軍に供給する契約が成立したという。供給する潜水艦の詳細までは公表されていないが、AIP推進の元型輸出バージョン潜水艦が建造されるものと考えられる。

紛争当事国のマレーシアにも軍艦を供給
 パキスタンやタイは直接南シナ海で中国と領有権紛争に関与している国ではないが、中国は紛争当事国のマレーシアに対しても軍艦の売り込みに成功した模様である。
 中国がマレーシアに供給することになる軍艦の詳細情報はいまだに明らかになっていないものの、潜水艦のような超高額な艦艇ではなく「沿海任務艦」と称する高速小型軍艦とされている。
 各種ミサイルを搭載しヘリコプター甲板を有する沿海任務艦は、沿岸域防衛、沿海域警戒監視、それに災害救援活動など各種任務をこなすことができる多目的艦だ。マレーシアはこの軍艦を1隻あたりおよそ7000万ドルで10隻まで購入する計画であるといわれている。
マレーシアのナジブ・ラザク首相。首相が中国に取り込まれる形でマレーシアは中国製軍艦を購入することになった(資料写真、201575日撮影)。(c)AFP/MANAN VATSYAYANAAFPBB News
 マレーシア軍と、アメリカ海軍をはじめとするアメリカ軍との関係はこれまで良好だった。しかし、マレーシアのナジブ首相とマレーシアの政府系ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」によるマネーロンダリングが絡んでいるとされている不明瞭な資金調達事案をめぐって、オバマ政権とナジブ首相との関係が悪化し、両国政府間にギャップが生じた。そこに中国政府がつけ入り、中国広核集団(国務院管理下の原子力企業)が23億ドルを投じてナジブ首相と1MBDの苦境を救った。これにより、ナジブ首相は急速に中国に取り込まれることになる。そして、ナジブ首相はフィリピンのドゥテルテ大統領と入れ替わりに北京を訪問し、軍艦購入をはじめとする中国との関係強化に舵を切ったのである。
 オバマ大統領は「アジア回帰戦略」を掲げていたにもかかわらず、タイ、フィリピン、マレーシアといったアメリカの同盟国あるいは友好国との政治的軍事的関係に自ら翳りを生じさせ、その隙にアジア回帰戦略に挑戦する中国に楔を打ち込ませてしまったのだ。
軍艦の建造技術を戦略的に活用できない日本
中国は、先端技術の塊である潜水艦や水上戦闘艦を東南アジア諸国やパキスタンなどに輸出することにより、売却代金という経済的利益を得るだけでなく、軍艦建造費のコストダウンも実現できる。また、多くの海軍による使用実績を生み出してさらなる輸出拡大につなげることもできる。

 さらには、軍艦供給先海軍との緊密な関係を構築する可能性をも手にすることになる。その結果、南シナ海での領有権紛争を中国にとって望ましい方向に導けるかもしれない。そして、南シナ海からインド洋にかけてのいわゆる海のシルクロードを確保する海軍戦略にも利することになる。
 中国はこのように軍艦輸出を特殊作戦の一種に用いて、自らの海軍戦略の目標達成に邁進している。
 それとは対照的に、日本は高度な潜水艦や水上戦闘艦の建造技術、実績をこれまで築き上げてきたにもかかわらず、それらの技術を国策の道具として活用しようとする努力が欠落している。
 安倍政権は武器輸出三原則を見直し、法的には潜水艦や水上戦闘艦を輸出することが可能になった。結果は惨めな失敗に終わってしまったものの、安倍政権が直接音頭をとって「そうりゅう」型潜水艦をオーストラリアに売り込もうとした際は、メディアも政治家も世論も売り込みの成功を期待していたはずである。
 日本の潜水艦や水上戦闘艦、あるいはそれらの技術を切望しているアジア諸国は、台湾、シンガポール、ベトナム、マレーシア、フィリピンそしてインドネシアと枚挙にいとまがない。しかしながら「そうりゅう」売り込みの失敗以降、日本が誇る各種軍艦建造技術を、中国のように海外への売り込みをも含めて戦略的に活用しようという試みはなされていないようだ。

 日本がこのまま躊躇していると、日本より後発軍艦建造国である中国にどんどん先を越されてしまい、経済的にも軍事的にもそして政治的にもますます日本は中国の風下に立たされてしまうであろう。

《維新嵐》 『孫子』をこよなく愛する中国共産党は、弾を打たない戦争でもたくましく「根性」と「忍耐」を発揮してみえます。これに対抗し、我が国の国益を追求し、同盟国アメリカの権益を守るためにアメリカ大統領が交代したこの時期にさらなる主導権を拡大していく必要があります。
しかしアメリカもまた『孫子』をこよなく愛する国です。大統領が変わっても現実に応じてやるべきことは構想していますね。

米新政権は「アジアの秩序」をどう変えるか
スタンフォード大の専門家が大予想

東洋経済オンライン

 20171月、米国で新政権が誕生する。新政権にとって、世界の人口の6割を占め、世界の総生産量の3分の2を担うアジア・太平洋地域は重要地域のひとつとなり、多くの政策上の課題に直面することになるだろう。
 新政権下でアジアと米国の関係や、米国のアジア政策はどのように変わるのか。米スタンフォード大学のショーレンスタイン・アジア太平洋研究所(APARC)に所属する7人の学者がそれぞれの専門分野における見通しを示した。今回は、南シナ海問題、グローバルガバナンス、高齢化、貿易の展望をお届けする(米中関係、日米関係、北朝鮮問題の展望はこちら)

一触即発状態の南シナ海はどうなる?
<南シナ海と東南アジア> ドナルド・エマーソン名誉教授

 南シナ海は現在、一触即発の状況にあるが、将来的にはここがアジアの転換点となる可能性があり、米国にとっては東南アジア政策最大の課題となっている。
 最も懸念されるのは米中衝突リスクだが、仮に南シナ海領域および領空への優位性を主張する中国の活動が実を結び、(a)東南アジアの一部を最終的に中国影響圏に組み入れることができ、(b)これに伴って同地域における米国の影響力が弱まれば、将来の歴史家はこれを転換点と呼ぶだろう。
 20171月に誕生する新政権がこのような結果を招きたくなければ、以下のようにするべきだ。
 (1)主権を争っている6つの国(ブルネイ、中国、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナム)による南シナ海および、もしくは地形のすべてか大部分、あるいは一部の主権要求を現政府同様認めないべきだ。国際法においてそのような主張の有効性は保留にされている。
 (2)主権を主張する国を含むすべての国に、2016712日に国際連合海洋法条約(UNCLOS)認定裁判所から発行されたUNCLOSの公定解釈を認め、従うことを強く勧めるべきだ。米政府もまた、その判決に従いUNCLOSを批准するよう努力すると強調しなければならない。
 (3)南シナ海における「航行の自由作戦(FONOPS)(中国の人工島付近の米軍艦の航行)を定期的に行うべきだ。これまで、201510月に「USSラッセン」、20161月に「USSウィルバー」、5月に「USSローレンス」、そして10月に「USSディケーター」というミサイル駆逐艦が航行している。ただ、防衛当局者は3カ月に2回実施すると約束していたが、実際にはそこまでの頻度で実施されておらず、作戦へのコミットメントに対する疑問が生じている。
 (4)これまで明らかにしていないことを主張すべきだ。すなわち、FONOPSは米海軍の力を見せつけるためだけに実施しているのではなく、それぞれの地理的な位置を確認することが目的であり、米国であろうと、中国であろうと、南シナ海を独占的、もしくは排他的に管理するべきではないことを主張しなければいけない。
 (5)アジア太平洋および欧州諸国に、南シナ海は、その主権主張国だけでなく、利用者全体の共有財産であり、資源であるとの認識を得られるような革新的な方法による多国間管理を働きかけるべきだ。

アジアの重要性を考慮した国際秩序が必要
<グローバルガバナンス> フィリップ・リプスキー助教授

 第二次世界大戦後に米国によって作られた国際秩序の基本的な特徴は、驚くべきことに70年以上も変わっていない。米国は、東アジアの地政的安定化、オープンな世界経済、そして協力的関係を円滑にする国際機関を支持することで、アジア地域の進歩を促した。米国との関係がなければ、アジアは今日われわれが目にしているような活気的かつ平和的な地域にはならなかっただろう。しかし、アジアの進歩は、米国を中心とした世界秩序にとって最も大きな課題となる可能性もある。
 21世紀に入ってアジアが世界の経済活動の中心となりつつある中、多くの経済学者は、21世紀半ばまでにアジアが世界経済の半分を担うことになると予想している。この傾向に伴って、国際連合、国際通貨基金(IMF)や世界銀行といった国際組織の構造に違和感が生じ始めている。これらの組織は米国を中心とした国際秩序の中心的存在で、形式や構造、本部の場所、人員構成なども西洋に重きを置いたものとなっている。こうした現状は、国際的地位を築きつつあるアジアの政治家にとって、頻繁に不満の種となっている。
 こうした中、次期政権にとって重要なのは、グローバル構造の「再編成」である。手始めとして、主な国際組織を複数本部制にすべく働きかけるべきだろう(こうした動きは最近、民間企業で増えている)。そうすれば、「遠い西洋の国」で働く意欲を持ち合わせている才能ある職員を探さなければいけない問題を解決できるだろう。
 米国はまた、中国が設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加し、この組織を既存のグローバル構造へきちんと組み入れ、その成功に貢献し、国際ガバナンスへのアジアからの貢献を歓迎するという態度を示さなければいけない。米国は太平洋の勢力であり続けるとアジア諸国に保証する制度作りを行い、アジアの再編成を継続させると同時に、深化させることも重要だ。

東南アジアの支援が重要に
<高齢化問題>カレン・エッグルストン研究員

 アジアの喫緊の政策課題の中に人口問題があり、これがアジアの経済および地政学的意味での復活の裏に潜んでいるということを米国の政治家は心に留めておくべきだろう。東アジアと東南アジアの一部は人口の高齢化に直面している。日本は世界で最も高齢化が進んでいる国であり、韓国の高齢化の速度はさらに速い。
 一方、東南アジア諸国の高齢化はもっと緩やかなものだが、これらの国は、増加する生産年齢人口を生産的な業界で雇用することに加え、「人口の配当」を実現するという課題に直面している。こうした課題を解決するには、生まれてくるすべての子どもの健康、教育、そして機会均等に的を絞った莫大な投資が必要になるだろう。
 中国が最近発表した、「1人っ子政策」撤廃は、国民が選択肢を持てるようになるという点で非常に重要だが、これによって生産人口の減少や高齢者の割合増加といった流れを本質的に変えることはできない。中国の60歳以上の人口は、今日の約15%から2050年には33%に増える見込みだ。その頃には中国における80歳以上の人口は、現在のフランスの人口より多くなるだろう。
 中国やその他のアジア諸国が高齢者大国になることによって、公的および私的年金制度の財政は脅かされる。そして高齢化と同時に進む都市化、技術の進歩や収入格差は、多くの社会政策への公平かつ永続的な財政支援の脅威となるだろう。
 人材への投資と社会・経済的制度の改革は、今後起こるかもしれない事態に立ち向かう核となる。次期政権はこのような投資を支えるとともに、公的医療制度と、慢性疾患を抑制のための一次医療の強化を支え、次の伝染病の流行に備えなければならない(伝染病の多くはアジアで発生している)

<貿易> イ・ヨンソク研究員

 アジアとの貿易政策は新政権の主要な課題となるだろう。米国のアジアへの輸出は、欧州や北米への輸出より大きいうえ、輸出規模拡大のペースもほかの地域を上回っている。この点から、新政権の環太平洋経済連携協定(TPP)への対応は、米国経済に大きな影響を及ぼすことになる。
 過去2年間、特にアジアからの輸入品との競争や、アジアでの生産拡大に影響された地域において反グローバル化感情が広がった。しかし、拡大する自由貿易の恩恵を受けている企業や従業員もいる。たとえば2012年の米韓自由貿易協定は、農作物、自動車および製薬業界における輸出の安定的な成長へとつながった。

TPPはただやればいいというものでもない

 もちろん、貿易協定によってマイナスの影響を受ける人もいるだろう。経済の仮説的観点からすると、損をする業界の企業と従業員は輸出セクターに移り、貿易からメリットを得ることができるようになる。しかし現実では、こうした業界や地域を超えた調整はゆっくりとしか起こらない。
 実際、輸入拡大によって仕事を失ったノースカロライナ州の家具会社の従業員が、カリフォルニア州のハイテク業界で新たな仕事を得るのは容易ではないだろう。給与レベルが異なるうえ、違うスキルセットが必要となるからだ。
 貿易政策では、職を失った従業員がほかの業界へ移動することを支援すると同時に、将来を見据えて学生たちを訓練することが必要となる。貿易政策はまた、今後どのようにして国際通商が行われるかを決定するのにも重要なものとなる。国境を超えたeコマースが増えるにつれ、将来の貿易ルールを決める交渉に参加し、それを誘導することは米国にとって重要なこととなるはずだ。
 TPPはただやればいいというものではない。次期政権は、政治家や国民に、自由貿易の効果や影響、また、米国における貿易協定の経済的、および戦略的重要性をきちんと教えるべきだろう。

何を守るための自主防衛なのか
国家の主権と独立を守るための自主防衛ですが、水島社長はどう話されているでしょうか?



中国の野望を止められるか、南シナ海問題で米

が異例対応「衛星写真」「偵察データ」…機密情

報を大公開
 米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が公表した中国が南シナ海で埋め立てを進めるスービ礁の写真(ロイター)。一方、中国の海洋進出をめぐっては米政府が軍事機密情報を公開して歯止めをかけようとしている 
中国が軍事衝突も辞さない強行姿勢で進める南シナ海での海洋進出をめぐり、米政府が機密情報を世界に公開し、軍事関係者の注目を集めている。南シナ海で岩礁を埋め立てて軍事拠点化を図る中国の動きを抑えようとする米政府は、内部で保持していた分析情報をあえて公表することで、国際世論戦を喚起する狙いもありそうだ。

極めて異例の情報開示

 米国防総省は議会に提出した2016年版の年次報告で、中国が埋め立てを進める島の衛星写真や地図を掲載した。衛星写真は埋め立てや造成工事の進み具体が分かるよう2枚の写真を公開しており、地図の中には本部施設や発電設備、滑走路、灯台などが細かく明示されている。
 この情報公開について、元自衛隊幹部は「ここまで情報を公に明らかにすることに驚いた」と指摘する。通常、衛星写真や偵察機で撮影したデータは機密情報とされるため、公開されることは珍しい。
 また、どこまで情報を把握しているかを公表することは、情報収集能力を暴露することにもなり、仮想敵国に弱点を明らかにすることになるからだ。

圧倒的な情報能力を見せつける

 情報収集能力は、戦況を大きく左右する要因となる現代の安全保障において、米政府・軍側の情報開示は大胆な策ともいえる。
 しかし、元米国務省幹部は「米国が優位性を保てる分野でその能力を意図的に示し、抑止力としてエスカレーションの抑止や不要な衝突を避ける戦略もある」と指摘する。
 世界最強の軍事力を誇る米国の警鐘を無視して軍事拠点化を図る中国を抑えるために、その情報能力を明らかにし、中国への反対姿勢を示す国際世論を高める狙いがあるとみる関係者もいる。

中国を止める手立ては…

 中国がベトナムなどと領有権を争う南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺にミサイル駆逐艦を派遣する「航行の自由」作戦も実施しているが、中国が軍事拠点化を控える気配もない。
 日本外務省幹部は「習近平国家主席の権力は非常に強い」と指摘し、米軍の作戦実行でも対応を軟化させる気配はないとみている。「既成事実を積み重ねて主権を主張する手法だ」とも強調する。
 経済力を身に付けた中国共産党にとって、軍事力強化は共産党政権の安定にもつながる。日本政府高官は「今の中国を止める手が見つからない」と嘆く。
大きく崩れる安全保障バランス

 こうした中、米軍事関係者は「中国が南シナ海で主権を確保することになれば、同海域が中国のミサイル基地にもなる」と指摘する。
 島の陸上にミサイル設備を配置するだけでなく、同海域を自由に航行する潜水艦から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を自由に発射することができるようになるためだ。
 中国が南シナ海を軍事拠点として構築すれば東アジアの安全保障バランスは大きく変化し、中国の軍事力、脅威が増長することは間違いない。南シナ海から米国大陸への攻撃も可能になれば、米国にとっても大きな脅威になる。
 中国は、太平洋側では、第1列島線や西太平洋(小笠原諸島やグアムを結ぶ)の第2列島線での軍事的な支配力を高めようとしている。中国が欲する海洋覇権の先には深い闇が待ち構えている。

《維新嵐》共産中国によって南シナ海や東シナ海が海洋支配されるということは、ロシアがオホーツク海や黒海の海洋支配を完全に確立すること、アメリカがカリブ海や北大西洋、太平洋全域の海洋権益を確立することと同じでしょう。
 それではアメリカは困るわけです。既得権益が損なわれるから。第二次大戦以降、海洋権益についてはアメリカと一蓮托生の我が国はもっと深刻なことになるわけです。
 だから自主防衛が必要なんですね。「自衛隊」ではなく「日本国防軍」で組織体制の拡充をはかりましょう。「国防軍」と聞くとなぜか顔面蒼白になる日本人が多すぎます。
 千島や樺太、満州、沖縄の悲劇を繰り返さないためにも軍事と経済の体制強化とイノベーションは不可欠です。
 国力が弱ければ、周囲から大切なもの、人をかすめとられるだけです。大切なもの、人を守るために自衛権の行使が認められており、自衛戦争は国家の固有の権利として認められており、自衛戦争を行うための軍事力も認められているのです。国際法で認められている戦争もあるのです。


単独防衛論の前にたちはだかる兵器発達の現実
青山先生のお話は傾聴に値しますね。じっくり頭の中で考えてみましょう。

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