兵は詭道なり　～戦争の形は進化する！？～: 防衛産業大手へ続くサイバー攻撃　～神戸製鋼とパスコが標的～

　先日の三菱電機への不正アクセス問題がおさまらない内に、またまた新たなサイバー攻撃が明らかになりました。今度は防衛省に潜水艦などのパーツを納品する神戸製鋼と測量会社パスコが標的です。神戸製鋼は安倍晋三首相が政治家になる前に勤めていた会社ですが、そのことは今回は関係ないでしょう。我が国の防衛関連企業を狙った攻撃とみていいですね。

　どこの国か組織かは、今どきですから攻撃経路については、防衛省で解析されているかもしれませんが、攻撃元については偽装していることもあり、わかっていないでしょうね。しかしミサイルや銃弾でのリアルな軍事攻撃ではない「諜報戦」ですから、基本的に反撃しても人が死ぬわけではない。できるだけ防衛省のサイバー防衛隊において解析を進めて、「反撃」してもいいなとは思います。

　極めて匿名性が高く、政治的にシラを切りとおせるサイバー攻撃ですから、例え攻撃がばれたとしても、明確に否定し続けることができます。要はリアルな軍事紛争のように戦争による犠牲者何人という報道がでない状態で、あくまで関与を否定することにより、迷宮入りとなる。こういう攻撃のステルス性が諜報大戦時代の戦争の在り方、戦争の進化形といっていい。

　トルコとシリアが交戦状態に入り、兵士に死傷者が出ている、という報道があったとしても、こうした旧態とした戦争の形は極めて地域限定型となっているように思う。

　国連で定義があいまいながらも「侵略戦争」が禁止されていることもあるでしょうが、大国の攻撃の形では滅多に軍事組織が動かない。大国の軍事組織が動くのは、巨大自然災害の救援活動である。

　特に経済的に相互的な依存関係にある国同士、我が国のような技術的な付加価値の高い、つまり盗みがいのあるお宝が生み出されてくる国へは、壊せ殺せの戦争がしかけられることはないです。ただスパイ行為の攻撃は半端ない。

　新たな戦争、世界的な諜報戦争にむけての法整備と対処能力は不可欠ということである。特定秘密保護法以来、スパイ関係の法律制定の動きはみられない安倍内閣、国家の諜報機関の整備、体制充実は進んでいるのですが、外国のスパイを抑止する、スパイ行為自体を犯罪とする法律はないですね。

　大日本帝国時代のように、軍部が直接軍事工廠をもつことがないわけですから、サイバー窃取やエスピオナージに対しては、官民の緊密な防衛意識と連携が不可欠なはず。

　いわばここが我が国の軍事組織の「脆弱性」なのかもしれない。「脆弱性」を狙うのがサイバー戦争だとしたら、我が国はまず敵にスキを与えないような体制を固める必要があるといえる。やはりスパイ行為そのものを犯罪として検挙できるような法整備がまず不可欠であろう。

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神戸製鋼と測量大手パスコにも不正アクセス防衛省公表

朝日新聞社

2020/02/06 21:16 https://www.msn.com/ja-jp/news/national/神戸製鋼と測量大手パスコにも不正アクセス-防衛省公表/ar-BBZII0M?ocid=spartandhp

　防衛省の取引先の企業がサイバー攻撃を受けていた問題で、同省は令和二年2月6日、神戸製鋼所と測量会社パスコの社員が使っているパソコンが不正アクセスを受けていたことを明らかにした。防衛省が指定する「秘密」の流出はないとしている。サイバー攻撃を受けた企業名を国が公表するのは異例。

　防衛省は神鋼から潜水艦の部品を、パスコからは商用衛星の画像データをそれぞれ得ていた。同省によると、神鋼は2016年8月、パスコは18年5月にそれぞれ事案を検知。両社とも、インターネット回線で外部とつながっているパソコンがウイルス感染し、不正アクセスを受けたという。両社から報告を受けた防衛省も調査したが、同省が指定する「秘密」や、「秘密」を類推させる恐れのある情報の流出は確認されなかったという。同省の担当者は、取引先の企業の被害はこれ以上の拡大はないとしている。

　河野太郎防衛相は令和二年1月31日の会見で、すでに明らかになっているNECと三菱電機以外にも企業2社がサイバー攻撃を受けていたと明らかにし、公表に向けて調整を進める考えを示していた。

動画

実話に基づいたサイバー攻撃

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サイバー戦以外の侵略戦争

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