2018年9月18日火曜日

【狭まるか!?対中包囲網】各国の既得権益を守る戦い

【米・戦略】米軍が展開する「太平洋パートナーシップ」とは?

岡崎研究所
2018530日に、マティス米国防長官は、ハワイで米太平洋軍司令官の交代式に出席して、「米太平洋軍」を「米インド太平洋軍」に改名することを発表した。その翌日、日米印の海軍はグアム沖で共同軍事演習を行った。そして、62日、マティス国防長官は、シンガポールで開催されたシャングリラ会議で、「米国のリーダーシップとインド太平洋の安全保障への挑戦」と題して講演した。その模様と全文はIISSのホーム・ページで見ることが出来る。
 一方、この期間、米軍はシンガポールに程近いベトナムで、地味だが重要なミッション「太平洋パートナーシップ2018」を行っていた。62日に、主に日米越による2週間にわたる訓練等を終え、米海軍の病院船USNS Mercyがベトナムの港から帰路につくところだった。そもそも「太平洋パートナーシップ」とは何なのか。今年で13回目となる、すなわち2006年から米軍がイニシアティヴを取って始めた、人道支援・災害救助(HADR: Humanitarian Assistance and Disaster Relief)を目的とした多国間の訓練・研修である。きっかけになったのは、200412月に起こったスマトラ沖の大地震と巨大津波だと言う。太平洋の米軍の同盟諸国やパートナー諸国が協力して、いざという時に備えるという。HADRが目的なので、軍人の他、民間人も参加をし、米国側だけでも800人以上が協力する大規模な合同訓練である。
 今回の「太平洋パートナーシップ2018」では、米海軍の病院船USNS Mercyと運搬船USNS Brunswickが参加をして、ベトナムに寄港し、ベトナムの医療従事者等に研修を行った。日本の海上自衛隊も積極的に参加した。このUSNS Mercyは、223日に米国西海岸のサンディエゴの海軍基地を出発してから、ベトナムに到着するまでに、幾つかのパートナー諸国にも寄港している。昨年に引き続き、今年もインド洋まで足を伸ばし、スリランカを訪問し、ASEANの大国であるインドネシア、更にはマレーシアには416日に寄っている。ベトナムからの帰途には、日本にも立ち寄る。寄港地以外にも、「太平洋パートナーシップ2018」の特徴としては、参加者の国籍の多様性があげられる。ミッションの司令官は米国人だが、副司令官が英国人で、参謀長が豪州人である。参加者も、ホスト国以外に、豪州、カナダ、フランス、日本、ペルー、シンガポール、韓国及び英国出身者が含まれる。アジアというよりは、より広いアジア太平洋諸国となるのだろう。
 「太平洋パートナーシップ」は、各国のHADR能力を向上させるのみならず、パートナー諸国間の相互運用性や信頼を高め、友情を深める効果もある。その意味では、一石二鳥どころか、様々な良い副作用がもたらされるものである。
 昨年から、「太平洋パートナーシップ」に参加する米国の艦船がインド洋のスリランカに寄港するようになった。また、今年、日米越の合同訓練と同時期に、日米印では合同演習を行った。シンガポールのシャングリラ会議に、マティス長官とともに参加したインドンのモディ首相は、シンガポールに来る前に、インドネシアとマレーシアを訪問した。この2国は、偶然にも、「太平洋パートナーシップ2018」に参加したUSNS Mercyが、ベトナムに来る前に寄港した2国である。こうして考えると、来年以降、いずれインドも参加して「太平洋パートナーシップ」が「インド太平洋パートナーシップ」と改名される日が来るかもしれない。ベトナムからインドネシア、マレーシアとマラッカ海峡を通って、インド洋のスリランカまで、インド太平洋地域の海洋に、米軍のプレゼンスがあるというのは、たとえ病院船や運搬船であろうと、頼もしい。民主主義や法の支配、国際秩序を遵守するという共通の価値観を共有する諸国が協力して行動することによって、インド太平洋地域は、自由で開かれた地域であり続けられるのだろう。
参考 :‘U.S. Partner Nations Conclude Pacific Partnership 2018 in Vietnam (Department of Defense, June 5, 2018) , ‘USNS Mercy Deploys in Support of Pacific Partnership 2018’ (Department of Defense, February 26, 2018)

【日本/インド・戦略】日印防衛協力の深化と拡大

岡崎研究所
2018年(平成30年)820日、インドを訪問中の小野寺五典防衛大臣は、ニルマラ・シタラマン国防大臣と日印防衛相会談を行った。また、小野寺大臣は、モディ首相を表敬訪問した。同日に発出された「日印防衛相会談 共同プレスリリース」では、会談の内容が示されたので、その一部を紹介する。
・インド洋と太平洋の安全と安定は、インド太平洋地域の平和と繁栄を確保する上で、重要である。
・海洋安全保障分野における協力の拡大は、日印双方の共通の関心事項である。海上自衛隊とインド海軍は、同分野の二国間協力を深めつつ、日印で協調して、インド太平洋地域の第三国への能力構築支援を始めとする協力を追求する。
・日印防衛当局間の全てのレベルで定期的に交流が行われている。更に、陸・海・空各軍種において、次の分野における協力・交流を推進する。

(1)各種対話及び相互訪問

ア 年次防衛相会談:インド国防大臣が2019年に日本を訪問する。
イ 2018年に行われた統合幕僚長の初のインド公式訪問を歓迎し、201811月の海上幕僚長のインド訪問及びインド空軍参謀長の訪日を2018年中に計画する。
ウ 2019年に東京での第7回次官級防衛政策対話及び第6回次官級「22」対話の実現を追求する。

(2)陸上自衛隊とインド陸軍の間の交流

 201711月に日米共同統合HADR訓練が実施され、インド陸軍関係者がオブザーバーとして参加した。日印で災害に係る教訓を共有できた。今後、両国の協力・交流強化の観点から、2018年秋に、日印間で初めてとなる陸上自衛隊及びインド陸軍の間の対テロ分野の共同訓練を実施する。

(3)海上自衛隊とインド海軍の間の交流

 20186月、日米印3カ国訓練「マラバール2018」が成功裡に実施された。3か国は、次回の開催に向け前向きに準備している。
 日印両国は、二国間訓練の重要性にも留意し、前回の防衛相会談以降、海上自衛隊とインド海軍の間で、かつてない頻度で寄港及び共同訓練が実施され、両者間の協力が進展した。今後も対潜戦や機雷戦を含め、二国間共同訓練の継続・高度化を引き続き追求する。

(4)航空自衛隊とインド空軍の間の交流

 201712月、航空自衛隊ヘリコプター搭乗員がインド空軍サルサワ基地を訪問した。その後も、空軍種間の各種専門家の交流が拡大した。また、20186月に実施された空軍種における第2回スタッフトークスの成功を踏まえ、今後の空軍種間交流に一層弾みをつけるべく、次回のコープ・インディアに航空自衛隊がオブザーバーとして参加することが決まった。航空機による相手国基地への訪問によって、更なる日印空軍種間協力・交流の機会を追求する。

(5)教育・学術交流

 インド国防大学及び日本の防衛研究所を含む、双方の国防教育・研究機関への留学生の派遣が定期的に行われている。今後も継続される。

(6)防衛装備・技術分野における協力

 2018年7月、デリーにて開催された第4回防衛装備・技術協力事務レベル協議(JWG‐DETC)において具体的な協力分野の特定に向けた議論が進展した。過去1年間で、日印間の防衛装備・技術協力分野においては、救難飛行艇US-2を含む様々な努力が行われた。防衛装備庁と国防研究開発機構(DRDO)の間の建設的な関与によって、陸上無人車両(UGV)/ロボティクス分野における共同研究が、日印間の初の協力案件として開始された。
 さらに、昨年9月の日印・官民産業フォーラムをフォローアップし、官民連携及び産業間協力を促進するため、日印防衛装備当局間の取組により、本年8月に日本の防衛装備産業によるインド国防産業への訪問を行った。このような機会が、日印防衛産業間の相互理解の深化や具体的案件の形成に寄与する。
参考:防衛省「日印防衛相会談 共同プレスリリース(仮訳)」2018820
 インドは、大変親日的な国と言われるが、長年、非同盟中立国で、核不拡散条約にも加盟せず、安全保障上は、独自の道を歩んできた。
 が、近年、中国の驚異的な台頭があり、同時にインドが世界最大の民主主義国と認められるようになり、西側に歩み寄る事が多くなってきた。
 特に、今まで「アジア太平洋地域」と呼んでいた地域を、トランプ政権が「インド太平洋地域」と呼ぶようになり、インドは、日本ともより近い存在になった。
 2017年9月の日印首脳会談で、安倍総理とモディ首相は、「日印戦略的パートナーシップ」の強化における防衛・安全保障協力の重要性を強調した。今回、小野寺防衛大臣とシタラマン国防大臣は、日印間の共通目標の実現に向けて、「自由で開かれたインド太平洋戦略」とインドの「アクト・イースト政策」を連携させる「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップ」の下、防衛・安全保障協力を一層強化することで合意した。その内容の一部が、上記の共同プレスリリースにも記されているが、かなり具体的で、今後の進展が期待できる。日米印3か国に、豪州が加わり、さらに英仏、将来的にはASEANのマレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール等が加われば、「自由で開かれたインド太平洋地域」を維持、発展させることはできるだろう。こうして考えてくると、やはり、中国の出方が一番注視されなければならない。
【連携・戦略】 豪州とインドネシア、暗に中
国を批判
岡崎研究所
2018824日、豪州では、スコット・モリソン前財務相が、新しい豪州の首相に就任した。モリソン首相は、就任後初の外国訪問として、隣国インドネシアを訪問した。831日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領とモリソン首相は首脳会談を行い、同日、「オーストラリアとインドネシア共和国との間の包括的戦略的パートナーシップに関する共同声明」が発表された。
同共同声明では、両国の包括的戦略的パートナーシップの内容として、5つの柱が掲げられた。1つ目の柱は、「経済及び開発のパートナーシップの強化」、2つ目は、「人を結び付けること」、3つ目は、「両国及び地域の共通利益を守ること」、4つ目の柱は、「海洋協力」、そして5つ目が、「インド太平洋の安定と繁栄への貢献」である。
 このうち、最後の「インド太平洋の安定と繁栄への貢献」の一部分を引用して紹介する。
 「我々はルールに基づいた地域の在り方を促進する。それは、開かれたもので、透明で、寛容なもの、強圧には抵抗力が強く、国際法の規範や価値を尊重し、紛争の解決には対話と外交をもってする。我々は、これらの目標のために、インド太平洋地域の友好国とともに、引き続きASEANを中心とすることを強調し、多国間の機構、特に東アジア・サミットを通じて協力する。」
 豪州の首相が、アボットからターンブル、さらにモリソン氏に変わっても、豪州外交の基本路線は変化しない。インド太平洋地域の発展のために、インドネシアと協力を進めるというのが、共同声明の概要である。「インド太平洋」という言葉は、米国が「太平洋軍」を「インド太平洋軍」と今年名前を変えてから、域内の外交用語でも定着してきた。これによって、大国インドを仲間に入れることになる。そして、その主眼は、「海洋協力」である。インドネシアは、インド太平洋地域の中心に位置する海洋国家である。国際法を遵守して、開かれ国際秩序を守ることは、域内各国の共通利益であることを、共同声明は訴えている。「強圧的態度に対しては、強靭性をもって」というくだりは、暗に中国を批判している。
 「包括的戦略的パートナーシップ」という題名の通り、包括的であるが、抽象的内容になっている。豪州とインドネシアとの具体的協力案件は、今後、外相会談等を通じて詰めて行くことになるだろう。その結果は、毎年、首脳に報告されると、共同声明は謳っている。
 豪州とインドネシアの首脳会談が開催されていた時期は、丁度、アジア競技大会がインドネシアで行われていた。この大会を成功裡に終わらせたインドネシアは、自信をもち、2032年のオリンピック競技大会の開催に意欲を示した。2020年が東京、2024年がパリ(今年、フランスのマクロン大統領が豪州を訪問した際にインド太平洋地域への関与を言及したことは当ブログでも紹介した)、2028年がロサンジェルスなので、もし2032がインドネシアの都市となれば、インド太平洋地域で、平和の祭典が巡回することになる。
英国が軍艦派遣で中国牽制、日本には別の手がある

川島 博之
2018/09/17 06:00 https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/英国が軍艦派遣で中国牽制、日本には別の手がある/ar-BBNq3HP?ocid=spartandhp#page=2

 英海軍は南シナ海のパラセル諸島(西沙諸島)周辺海域に揚陸艦「アルビオン」を派遣し、「航行の自由作戦」を実施した。その後、「アルビオン」はベトナムと英国の国交45周年を記念する行事の一環として、ホーチミンに寄港した。
 かつて英国は「7つの海」を支配し、大国が繁栄する上で海洋覇権が重要なことをよく知っている。その頃、英国はジブラルタル、マルタ、シンガポールなどを領有し基地として使用した。そんなこともあり、南シナ海の島の地政学的な重要性をよく認識している。だから、中国との関係が悪化することを知りつつも、航行の自由作戦を実施したのだろう。

中国の反習近平派に対するメッセージ?

 だが、なぜこのタイミングで実施したのだろうか。中国の南シナ海での覇権的な行動を阻止したいことは確かだろう。だが、BREXITEUからの離脱)でもめている最中でもあり、遠く離れた問題に深入りする必要はなかったはずだ。それにもかかわらずこの時期に軍艦を派遣したのは、中国が強硬な対外拡張路線を突っ走ることによって、貿易において米国と真っ向から衝突し、世界経済に甚大な悪影響を及ぼすことを恐れたから、と考えられる。
 米国と中国との真っ向からの対決を避けるには、中国に対外膨張政策を思い止まらせる必要がある。
 この夏、中国では、習近平が行う対外強硬論に対して、長老や良識派から不満が噴出した。共産党幹部や長老が集う今年の「北戴河会議」は紛糾したとされる。英国はそんなタイミングで航行の自由作戦を行い、米国だけでなく英国も中国の対外拡張路線に危惧を抱いていることを長老や良識派に知らせたかったのだろう。そしてもう1つ、中国は経済大国になったといっても、19世紀の大英帝国や第2次大戦後の米国ほど絶対的な力を有しているわけではないことを知らせたかったのだろう。老婆心から「身の程をわきまえないと、大けがをしますよ」というメッセージを発したということだ。

中国の南シナ海でのプレゼンス

 中国は世界の海を支配できるほど卓越した力を有しているわけではない。南シナ海問題に直接関連するベトナム、フィリピン、マレーシアとの関係を見ても、中国の力は絶対的なものではない。
 2016年における輸入額と輸出額の合計を見ると、この3国の中国との貿易総額は全貿易額の18%に過ぎず、他を圧倒しているとは言い難い。一方、米国との貿易総額は11%、日本とは10%あり、合計は21%となって中国との貿易総額を上回っている。
 加えて、この3国は中国との貿易を喜んでいない。その理由は3国とも中国に対して大幅な貿易赤字を計上しているからだ。
 トランプ大統領は、中国を筆頭に日本、ドイツなど、米国が大幅な貿易赤字を計上している国に対して「不公平な貿易」を非難しているが、南シナ海に面する3国は中国に対して同様の思いを抱いている。ただ、中国との力関係もあり、トランプ大統領のように大声で是正を求めることができないだけだ。
 そんな中国が目の前の島を自分のものだと言い張っている。嫌われるのは当然だろう。

3国との経済的な結びつきを深めよ

 大英帝国は力ずくで世界を制したのではない。世界情勢を深く読み解き、巧みな舵さばきによって世界を制した。習近平が行う対外膨張路線に対して中国内で異論や不安が噴出したこの時期に航行の自由作戦を実施したことは、老いたとはいえ英国の面目躍如と言えよう。
 では、日本はどうすべきなのか。米国の影響力に陰りが見え始めた中で、日本は南シナ海の問題にどのように立ち向かえばよいのか。日本も自衛艦を送って航行の自由作戦を行うべきであろうか。
 それは逆効果だ。日本は英国とは立場が異なる。日本が航行の自由作戦を行えば間違いなく事態を悪化させる。中国の良識派は英国の行動には耳を傾けるが、日本に対しては良識派といえども反発するだけだからだ。
 日本が行うべきなのは、中国を直接的に追い詰めたり刺激したりすることではない。最も効率のよい対応は、南シナ海に面する3国との経済的な結びつきを深めることである。
 この3国は中国に抵抗したいのだが、経済的な関係が深いために、なかなか強いことが言えない。だが、日本が投資額を増やし、かつ交易量を増やすことで、そのような状況は改善される。幸い日本はカネ余りの状況にあり、投資の増額は容易だろう。
 2016年に、日本はこの3国と交易して貿易黒字を33億ドルしか計上していない。バランス良く交易している。中国が472億ドルもの黒字を作り出していることと対照的である。
 ちなみに、米国はこの3国との貿易で371億ドルもの赤字を計上している。トランプ大統領のやり方を見ていると、今後この赤字は問題になろう。米国が、この3国からの輸入額を減らしたいと言い出した時、日本が代わりに輸入を増やすことは、南シナ海における日本のプレゼンスを高めることにつながる。

中国はベトナムが苦手

 3国の中でも、ベトナムとの交易量を増やすことは特に有効である。ベトナムが中国との交易で279億ドルもの赤字を計上しているからだ。
 ベトナムは中国から工業製品を買っているが、中国はベトナムの製品をあまり買ってくれない。その背景として、中国とベトナムの産業構造が似ていることが挙げられる。つまり中国もベトナムも、海外から技術を導入して、安価な工業製品を造るという産業構造を有している。
 なによりも、ベトナムが対中国政策において日本を裏切ることはない。フィリピンのドテルテ大統領は対中政策において、時に大きく揺らぎ、信頼のおけない発言を繰り返す。しかし、ベトナムはその歴史において何度も中国と戦い、人々は骨の髄から中国を嫌っている。一方、中国も、小国ながら何度戦っても完全に打ち負かすことができないベトナムを苦手としている。
 こうした要因から、日本とベトナムの経済関係を強化することは、中国の膨張政策に対して最も有効な対応策になる。
 日本が中国からベトナムに工場を移すことも、中国に対する大きな牽制になる。2017年、日本のベトナムに対する投資額は358億ドルになった。韓国は2014年から2016年までベトナムへの投資において首位を占めていたが、日本は首位を取り戻すことができた。
 日本とベトナムは2018年に国交樹立45周年を迎え、5月にベトナムのクアン国家主席が国賓として招待された。現天皇の最後の国賓とされる。現在、両国の関係はきわめて順調である。この関係を維持・強化することは、中国の南シナ海における膨張政策に対して強い牽制になっている。
 声高に中国の膨張政策を非難するのではなく、南シナ海問題で中国が苦手とする国との交流を深めることは、日本の国際社会におけるプレゼンスを高める上できわめて効果的である。
ベトナム、海自潜水艦初寄港を歓迎 対中牽制で連携

株式会社 産経デジタル
2018/09/17 21:29 https://www.msn.com/ja-jp/news/world/ベトナム、海自潜水艦初寄港を歓迎-対中牽制で連携/ar-BBNrZYo?ocid=spartandhp

【シンガポール=吉村英輝】ベトナム国営メディアは平成30917日、海上自衛隊の潜水艦「くろしお」が、1973年9月21日の日越国交樹立から45周年を記念し、カムラン湾に寄港したと伝えた。日程は17~21日で、訓練中の海自隊員が期間中、ベトナム軍の将兵たちとスポーツを含めた交流を現地で行うとともに、同湾がある中部カインホア省に表敬訪問するとしている。
 報道は、海自の潜水艦がベトナムに寄港するのは初めてとし、くろしおの大きさなども紹介。ベトナム外務省の担当者は寄港を歓迎し、日越関係が「アジア太平洋地区の平和と繁栄のための戦略的協調関係に高まっている」と評価した。
 軍事要衝のカムラン湾は、2002年のロシア軍撤退後、ベトナム海軍が基地を設置。16年には海自艦を初寄港させるなどして、海洋進出する中国を牽制している。

【一国の権益確保だけが許されない国際社会】
 どの国も国民が国家の中で生きていくために、利益となる資本が必要不可欠です。
人口の都合、国家のインフラ構築力、技術力などに格差はあるものの、豊かになりたいという思いはどの国の国民にとっても共有している基本的価値観であるといっていいでしょう。しかし自然インフラなど公共財をうまくわけられて調整できているにならともかく、一国だけ他国を無視した国益伸長をはかる国が現れると、それがその国の国家戦略であろうとなかろうと国際協調体制のバランスを崩しかねません。
アジアでは、そういう他国の権益を自国の「核心的利益」だと突然言い出して、「非軍事」の手段で領有権を「既成事実」にしようとする状況は、新たな「侵略」戦争にみえても仕方ないのかもしれません。
国際的なコンプライアンスの確立と地球規模で共有されるようになった様々な問題は、既成の国際連合において重視され、第二次大戦後は世界レベルの戦争はおこっていません。
「自由貿易」という形を通じて、富める国も貧しい国も、利益を享受できる世界体制の構築の段階にきているように感じます。




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