http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e8%87%aa%e8%a1%9b%e9%9a%8a%e3%81%af%e3%80%8c%e6%83%85%e5%a0%b1%e9%96%8b%e7%a4%ba%e8%ab%8b%e6%b1%82%e3%81%ae%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%e8%a1%8c%e6%94%bf%e7%b5%84%e7%b9%94%e3%80%8d%e3%81%a7%e3%81%82%e3%82%8a%e3%80%81%e8%bb%8d%e4%ba%8b%e7%b5%84%e7%b9%94%e3%81%a7%e3%81%af%e3%81%aa%e3%81%84/ar-AAqj6Hn?ocid=spartandhp#page=2
日刊SPA!
◆「自衛隊ができない10のこと10」
先般、稲田(元)防衛大臣がPKOの日報開示請求の対応で責任を問われ、陸幕長、事務次官などとともに辞任しました。(平成29年)世界の安全保障の常識から考えればPKOの活動で戦闘行為があったかどうかが問題とされることがすでに異常なのですが、自衛隊は「軍(軍のようなもの)」に見えたとしても、国内法でその組織は一般の「行政組織」です。悲しいことですが、自衛隊は「軍のような外見」をしていても決して「軍事組織」ではないということが今回の日報開示問題ではっきりしたと思います。
やはり、「陸海空その他の戦力はこれを保持しない」と日本国憲法9条に明記されている状況で、「軍事組織をつくってはならない」というルールの下に作られた組織では「軍事組織」が持つべき重要な秘密保持の仕組みは持てなかったわけです。
それでも自衛隊は以下のとおり軍としての体裁をととのえていますから、国際法上は「軍」として扱われます。
①遠方から識別可能な固有の徽章を着用していること(固有の軍服を着用)
②武器は外から見えるように携行すること
③団体の場合は、必ず指揮者つまり責任者がいること
④その動作において、戦争法規を遵守していること
これがハーグ陸戦条約で規定されている交戦者の資格とされています。この要件をそろえている自衛隊は海外の他の軍から見たときは「軍」です。しかし、日本国内の自衛隊の取り扱いは、あくまでも他の省庁と同じ行政組織の一つなのです。
これは非常に深刻な問題です。
意外かもしれませんが、自衛隊にはすさまじい数のデスクワークが存在します。特殊車両を動かすためには道路を通る特別な許可が必要ですし、航空機が偵察やスクランブルなどの行動を起こすときも飛行計画を出しています。危険物取扱、消防法などなど無数の法律の規制に対し、他の行政組織と同じように手続きをして許可を得て行動しています。つまり、自衛隊の行動は無数の書類に縛られ追い回されているのです。ゆえに、他の行政組織と同じように法律の手続きに不備があれば行動ができなくなります。これは防衛出動時や治安維持活動の場合でも変わりません。さらに、近年では民事訴訟というリスクに対応するため、その行動の裏付けとなる証拠書類を準備し、記録を改ざんできないよう整理保管するようになっています。イザという時にマスコミや政府に説明するための記録を徹底的にとるのです。
情報開示請求の根拠となる情報公開法は「省庁等行政機関の保有する文章等の情報はすべて開示すべき」という発想で作られています。2014年12月10日に特定秘密保護法が施行されましたが、この法律で保護されるのは潜水艦や衛星写真などの最も機密とされる情報のほんの一部のみです。「軍」ならばその行動予定だけでなく、行動記録などを含めもっと広い範囲での秘密保持ができなければ作戦行動に支障をきたします。そもそも、防衛や外交など機微に渡る文書は原則非公開にするべきと国際社会では考えられています。何十年か後に然るべき手続きを経て、防衛外交上の文書は再度公開すべきかどうかを検討するというような方法が世界のスタンダードです。
つまり、秘密保持よりも透明性と国民への説明責任の方が重視される組織なのです。防衛省(自衛隊)は軍事組織とは全く違う仕組みで動いているのです。
問題が起こったときに事態を説明するための膨大な記録を残していく必要があるのは自衛隊が行政組織だからです。それゆえに詳細な情報が書類として蓄積されていることも明らかになりました。さらに、自衛隊の行動記録が知りたければ開示請求すればその情報が入手できることも世界中に報道されました。また、その開示方法や開示内容に不備があれば、軍事組織のトップ、陸上幕僚長や防衛大臣を即座に辞任させてしまえる脆さも明るみになりました。
また、軍事組織上ではありえない統率力の弱さも今回の件ではっきりしました。内部からのリークで指揮官の足が掬われることは、軍事組織ではあってはならないことですが、行政組織である防衛省(自衛隊)では上官の命令は絶対ではないのです。
© SPA! 提供 日刊SPA!
(自衛隊の弱点)敵対する側から見れば、防衛省(自衛隊)が容易に部下からのリークや情報漏えいを許す組織であり、日報の有無という程度の瑣末な問題で大臣や陸幕長などの軍のトップを簡単に辞任に追い込めるひ弱な組織だと知る重要な出来事だったはずです。この軍事的な大失態を日本人だけが気づかなかったようです。
「これまで自衛隊は憲法違反と言われ、平和な日本には不要の税金泥棒であるとマスコミや世論に叩かれ続けてきました。その経験で“世間にとやかく言われないように”と過剰に反応するようになっているのです。我々には自衛隊員というだけで石を投げられた悲しい歴史があります」。自衛官OBのJさんが日報問題について話してくれました。
「だから、世論に叩かれないように大量の書類を作って報告させる傾向が強くなり、書類がなければ安心しない上官が存在し、外部からの開示請求も書類があるので可能になるという悪循環が生まれます。結果、その書類作成に手間と時間をとられて訓練の時間が取れなくなる。それでは本末転倒です」
防衛省には様々な情報開示請求が舞い込みます。そのたびに詳細なレポートを作成し開示の可否を審査するという対応が求められます。その審査にかかわる作業は「軍事組織」としてではなく「行政組織」としてどうなのかという観点から判断が下されるため、ますます「軍」としてのあるべき姿や能力が損なわれていきます。現行法上これは仕方ないことなのですが、そんな防衛省に軍事的な秘密が守れるのでしょうか?
「開示請求を拒否できず部隊行動がバレバレになってしまう危険」に今になって自民党の一部が気づいたようですが、我が国の平和ボケはここに極まれりということなのです。
【梨恵華】
りえか。国防鬼女ジャーナリスト。「自衛官守る会」顧問。関西外語大学卒業後、報道機関などでライターとして活動。キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)を主宰
自衛隊を国防軍に変えることは現行憲法9条に違反しない。自衛戦争を行う軍隊を保持することがなぜいけないのだろうか?現行憲法は自衛戦争を否定しない、とまず内閣法制局が見解を変えるべきである。今までの軍事に関する憲法解釈がまちがってました、ごめんなさい、という勇気をもちなさい、官僚や政治家のみなさん。
自衛隊を「国防軍」にチェンジさせて何がいけないのか?
維新嵐
現行憲法の9条の規定については、日本国が持つ武力、軍事力としての軍隊を「自衛」のための「自衛戦争」を行うための軍事力として位置付けるための条文であると解釈する方がよく理解できると思う。
現行憲法が陸海空軍の戦力の不保持をうたっていたとしてもそれはあくまで「侵略戦争」を行うための軍事力を否定するということに過ぎず、国家の主権と独立を守るための「自衛戦争」まで否定したものではないことは、国際法の観点から理解できるのではないだろうか?
これをあたかも侵略も自衛も戦争という名の付くものはすべて否定するなど解釈してしまうと国家が政治を行使する時の強制力として軍事力を行使できなくなってしまうことになり、独立国としての体裁をなさななくなる。国家が行使できる政治力としては軍事力と外交力は常にセットであるのが、世界的な通例であろう。
このように考えていくと自衛隊を軍事組織として機能できなくさせている背景としては、現行憲法9条が元凶ではないことが理解できる。
自衛隊を国際的にスタンダードな軍事組織として確立させないようにしている要素、国防軍として機能できなくさせている要素は、現行憲法の条文ではなく、そうさせたくない、我が国に軍事組織を持たせたくないと考えている「国民」の法解釈である。
法律は「解釈」が重要なのである。
「集団的自衛権は保持するが、行使することはできない。」などというわけのわからない解釈を定着させて自衛隊の「国防軍化」を阻み、国民を騙し続けてきた元凶は何なのか?
憲法改正して自衛隊を国防軍にしていく案を自民党が出した時に、顔面凍り付いてこれをつ必死になって否定した勢力がまさにその元凶なのではないのか?
確かに機密内部文書がリークされたことで防衛大臣や陸幕長が解任される事態は異常である。田母神事件のように空幕長が民間の論文に投稿したことで辞任を強制される事態も憲法の表現の自由、思想良心の自由の侵害ではないのか?
第二次安倍内閣が安全保障法制を国会に提出する時に、内閣法制局の長官をすげ変えてまで憲法解釈を変えたことをどうとらえるのだろうか?
自衛隊をまともに我が国の「国防軍」としてまともに機能させるためには、まず内閣法制局の官僚や内閣を含めた政治家の法解釈がまず変わらないと実現は難しいであろう。
財務官僚は自衛隊が嫌いで予算を切り詰めたいという意向が強いといわれるが、正式に国防軍という軍隊ができれば我が国に軍隊の利権が生まれる。そのことにより現在の政府内、とりわけ官僚の各省庁の利権が奪われるとでも思っている人たちが軍事利権は復活させまいとしていることもあるだろう。自衛隊改革の前に公務員制度改革が先なのかもしれない。
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