2022年3月17日木曜日

「負けない戦争」をしよう!

 真珠湾攻撃78年目の真実 ~日米ソの壮絶スパイ戦争【シリーズ終戦特集①】

第二次世界大戦の解釈が変化しつつあります。

 第一次大戦の敗戦から立ち直り、国際社会で強い立場を築きたいドイツでアドルフ・ヒトラーが中心となって旗揚げされたナチスドイツの台頭とローマ帝国再興を夢見るイタリアのムッソリーニが同盟関係を結んで欧州とアフリカでおこされた戦争。

 彼らが最も恐れるアメリカを牽制するために満州国の利権を国際的に認められずに世界の孤児となっていた大日本帝国を巻き込んで作られた三国同盟。

 これら枢軸国と米英、ソ連らを中核とする連合国との世界規模での戦争が第二次世界大戦といわれています。

 しかし近年は、単に枢軸国と連合国との対立というだけではなく、世界で唯一の「共産主義」を標榜するソビエト連邦という新興の国が、世界全体にその影響力を及ぼしていくために、「世界規模で共産革命」をおこそうと画策していた戦争、共産革命をおこすために既存の大国の政治中枢部に「諜報工作員」を使って、エージェントを組織し、対象国の政治をソ連に有利な方向に誘導しておこされた戦争だったのではないか、という歴史の見方です。

 いわゆる「ヤルタ協定」。

 ソ連のスターリンが対日参戦の見返りに、当時日本本土であった南樺太と、千島列島、満州への侵攻を米英に約束させています。ドイツの戦後処理も話し合っていますから、枢軸国側の敗戦が濃厚なのをうけて、ソ連の国益を拡大することを図ったのでしょう。

 米英は、同じ海洋国家としての価値観を持った日本と「分断」され、ソ連の諜報戦略によって枢軸側と戦争をするように仕向けられ、利用されたという見方もできるわけです。

 第二次大戦が、純粋に日米英という海洋国家を代表する同盟国家群とソ連という新興の共産主義の国との戦争という構図であったなら、今頃我が国は国連の「非常任理事国」という不利な立場でいなかったかもしれません。

 アメリカで共産主義にシンパシーをもつルーズベルト政権ではなく、保守的な共和党政権であったなら、ソ連コミンテルンの諜報戦に操られることがあったでしょうか?

 我が国はなぜ同じ政治的な価値観を共有する米英と同盟関係を発展させられなかったのか?

 真正保守といわれる方々は勇ましいことをいわれますが、第二次大戦の我が国は明らかに満州の国益を守るためか、「国策を誤った」がために、ユダヤ人を強制収容所に送り込んで虐殺するようなナチスドイツという気味の悪い国と同盟し、国際的地位を貶める結果となってしまったことは否定できません。

 戦後確かに我が国は戦争の焼け跡からすさまじい復興をなしとげました。しかしこれはアメリカをはじめとする「勝ち組」の連合国体制の側にいたからこそ成し遂げられたという側面が強いように思います。

 なぜこの形、ソ連コミンテルンの諜報戦、共産主義の幻想を捨てて、海洋国家としての日米英同盟を構築できなかったのか?

 大日本帝国が標榜してきた「大東亜共栄圏」構想を米英の利害と共有するうような政策をとれなかったのか?

 戦前から日英同盟の上にあらたにアメリカを加えた海洋三国同盟を締結して、ソ連と対抗できなかったのか?

 なぜむざむざソ連コミンテルンが画策する世界同時共産革命に海洋同盟構想を打ち出して対抗できなかったのか?

 世界という舞台では「負ける戦争」はしてはならないのです。「確実に勝てる戦争」をして勝たなければ、大国の影響下におかれるだけです。

 第二次世界大戦で、独伊と同盟し、ソ連と結んで、米英に対抗しようとした政治、敗戦が濃厚になったころまで、ソ連に期待し、大切な自国の領土である樺太や千島へのソ連の侵略を許してしまった当時の政治体制、政治家の責任は大きいと思います。

 我が国の政府は、第二次世界大戦の総括を未だしていないといいます。しかし第二次大戦の責任は実は、軍人の暴走なのではなく、政治のミスリード、シビリアンコントロールのミスにあることは明白でしょう。責任をとるのは、天皇から政治の大権をあずかっていた政治家たちといえるのではないでしょうか?

 国内では、米英との戦争によって、多くの国民の命が亡くなりました。おこってしまったことは二度と戻りませんが、歴史は二度と繰り返してほしくないと思います。

 2022年(令和4年)2月にソ連の末裔、ロシアが隣国のウクライナに軍事侵攻しました。平和的にロシアがウクライナと協調関係を気づいていける芽はあったのに関わらず暴挙に出たといえます。

 このことはかつてソ連軍に南樺太や千島、満州に一方的に条約を破棄されて侵攻された我が国にとっても他人事ではありません。

 政治的な価値観の全く違う国と結べば、国策(国家戦略)を間違い、多くの国民の命を奪われ、存亡の淵に立たされることがあります。

 幸いロシアのウクライナ侵攻は、2022年3月時点の様子を見る限り、結果は明らかかなと思います。ロシアの完敗でしょう。ロシアはウクライナに軍事侵攻し、ロシアの国防圏を拡大したのはいいけれど、世界中で反感を招き、敵対行動で一致させ、大変な経済制裁を科せられることになりました。そのうちに経済に悪影響が増大し、戦争なんてとんでもない状況になるでしょうね。

 軍事だけが国際問題の効果的なソリューションではありません。自国を常に国際社会の中で有利にするための、戦略を練って「確実に勝てる戦」をしなければなりません。そのためにデータを収集し、分析して実践にいかしていく機関が不可欠なのです。



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