2019年11月30日土曜日

プロジェクト・ナイチンゲール ~ビッグデータの時代~ 企業情報戦略

ネット利便性の裏で個人情報集め広告利用
スマホ数秒あなたの行動まるわかり

Google、apple、Facebook、Amazon・ドットコム、のアメリカIT企業4社は、頭文字からGAFAと呼ばれ、「プラットフォーマー」としてインターネット時代への変化を先導し、個人に様々なサービスを提供する。一方あまりに巨大化したため国家による監視も厳しくなっている。巨大ITが社会にどのような影響を与えようとしているのかを探る。

「プロジェクト・ナイチンゲール」
アメリカのGoogle社が進めている近代看護教育の母の名を掲げた計画に、アメリカ国内で波紋が広がっている。

計画は全米20州などで2600の医療施設を運営する非営利団体とGoogleが提携し、患者のデータを集めてAIで分析し、治療に役立てるというものである。米紙ウォールストリートジャーナルによると扱うデータは数百万人分にのぼり、名前や生年月日、検査、診断結果、投薬記録などが含まれるという。

Googleは、「患者データは厳格な基準で、安全に管理している。広告に利用されることはない。」などと説明したものの巨大ITが大規模に医療情報を収集することへの抵抗感がいかに強いかがあらわになった。アメリカ議会下院エネルギー・商業委員会は、「Googleが患者の健康に関する情報を適切に管理できるのか、深刻な懸念がある。」とGoogleに計画の説明を求めた。


アメリカIT企業4社は、インターネット上に築いた巨大なプラットフォーム〈サービス基盤〉を通じて、情報やサービスを提供している。その利便性と引き換えに膨大な利用者の個人情報を一手に集め、分析し、広告などに利用している。

スマートフォンの地図アプリは、持ち主がいつ、どこに行き、どれくらい滞在したかといった情報を把握できる。検索や通販などを使えば、その人の関心事や買い物の傾向などがわかる。

それぞれは別々に集められたデータでも、「〈巨大ITは〉複数のデータを組み合わせ、個人の“スーパープロファイル”(詳細な人物情報)を作ることができる。201910月にアメリカ下院司法委員会の公聴会で、欧州委員会の競争当局でGAFAの分析を手掛けたトマソ・バレッティ氏は証言した。

東京新宿の居酒屋。ともに30代の女性が男性に「スマートフォンをちょっと見せて」と話しかけた。わずか数秒間の操作、「昨日は会社帰りにコンビニに10分くらい寄って午後11時半ごろに家に帰ったでしょう?」。女性が笑うと男性はうろたえた。「何でわかったの?怖い!」

男性のスマホの地図アプリ「グーグルマップ」には、いつ、どこに行ったか、という移動の履歴が地図上に事細かに残っていた。

Googleは、「位置情報は個人情報と結び付けて収集していない。」という。利用者が履歴を残さないように設定を変えることができ、削除もできる、としている。

だが、「スマホはデータ収集機器だ。あなたが誰で、どこにいて、何をしているか知っている。」アメリカソフトウェア大手オラクル幹部はこう指摘する。

沖縄県の飲食店勤務の男性(22)は、1年ほど前からGoogleでの検索やGoogleマップの使用をやめ、代わりに履歴が残らないとされるアメリカ新興の検索エンジンを使い始めた。すると自分の趣味、嗜好にあわせて表示される広告が大幅に減ったという。男性は、「いかに自分の情報を渡していたか気付いた」と振り返る。

「巨大ITに個人情報を渡しても、直接被害はない。しかし、常に誰かに監視されてるという不気味さは消えない。」





巨大ITはスマホを通じて様々な個人情報を集めている
地図アプリ(いつ、どこに、どう移動したかなど)
検索(いま関心ある事柄など)
SNS(交友関係、学歴、趣味など)

これらの情報を巨大IT企業が収集し、分析し広告などに利用している。利用者は企業が提供するサービスを無料で利用できる。

※企業は、どう新商品、サービスを顧客に提供していくか、顧客のニーズをどう収集し、次の戦略に活用していくか、これは行政が提供するサービスも同様のことがいえます。

個人情報を組織が販促のために収集すること自体が問題というよりも、収集した個人情報(ビッグデータ)を目的外に漏洩することをいかに防ぐことができるか、データをいかに有効に次に活用していけるのか、が今後ますます問われるようになっていく時代ですね。

利用者が意識しないうちに個人データを収集しているわけですから、企業や官庁には個人データを第三者に渡さないように手をうつ責任があります。



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