【東大名誉教授が教える】なぜロシアはこれほどウクライナにこだわるのか?
ワークマンパブリッシング
2022/05/08
06:00【東大名誉教授が教える】なぜロシアはこれほどウクライナにこだわるのか?
(msn.com)
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続き、国際秩序が大きく揺らぎ始めている。一体、どうしてこうなってしまったのか。なぜ、人類は悲惨な歴史から学ぶことができないのだろうか。そんな失望や怒りともに世界中で緊張が高まるなか、全世界で700万人に読まれたロングセラーシリーズの『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの世界史』が出版された。
本村凌二氏(東京大学名誉教授)「人間が経験できるのはせいぜい100年ぐらい。でも、人類の文明史には5000年の経験がつまっている。わかりやすい世界史の学習は、読者の幸運である」、COTEN RADIO(深井龍之介氏 楊睿之氏 樋口聖典氏・ポッドキャスト「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」)「ただ知識を得るだけではない、世界史を見る重要な観点を手に入れられる本! 僕たちも欲しいです」、佐藤優氏(作家)「世界史の全体像がよくわかる。高度な内容をやさしくかみ砕いた本。社会人の世界史の教科書にも最適だ」と絶賛されている。私たちは、世界史から何をどのように学ぶべきなのだろうか。本書の帯に推薦の辞を寄せた、東大名誉教授で歴史学者の本村凌二氏にインタビューを行い、ウクライナ情勢や世界史を学ぶ意義について話をうかがった。(取材・構成/真山知幸)
ウクライナ問題はなぜ解決できないのか
本村凌二(以下、本村):連日の報道を観ただけでは、ロシアがウクライナにこだわる理由が、日本人にはどうしても理解しづらいと思います。なぜなら報道では、あまり強調されてない重要な点があるからです。それは「ウクライナという国がどういう経緯で独立したのか」という歴史的背景です。
ウクライナは1991年にソビエト連邦の崩壊にともなって、独立を果たします。つまり、長きにわたる独立運動の末に勝ち取ったものではありません。言わば、ソ連の崩壊により「棚ぼた式」に国家として独立することになりました。
――「ウクライナは独立を勝ち取ったわけではない」ということが、なぜ今回のロシアによる侵攻につながるのでしょうか。
本村:国家としてのまとまりがなく、周辺国からすればつけ入る隙が大きいということです。独立時、ウクライナの上層部には旧ソ連の共産党幹部が横滑りしました。「ウクライナ共和国」として看板をすげ替えたに過ぎず、国としてまとまってはいなかったのです。
遠くの日本にいる私たちはウクライナのことをほとんどよく知りません。しかし、ロシアはもちろん、ヨーロッパ諸国はウクライナのそうした独立した背景や国の内情をよく知っています。
ロシアからすれば、軍事侵攻することで、ウクライナの全部が自分たちにつくことはなくても、なびいてくる勢力は少なくないと考えているのでしょう。現に東側はロシアにかなり取り込まれています。このままいくと、東ウクライナと西ウクライナに分裂してしまう可能性もあります。
今回のロシアの侵攻は断じて許されることはありませんが、なぜ起きてしまったのか。その客観的な要因は理解しておく必要があります。
本村:しかも、ウクライナは地政学的にも魅力的な場所にあります。南側は穀物が豊かで、また黒海に面しているために、地中海に出ることでもできます。ロシアからすれば攻める理由が十分にあるといえるでしょう。
さらに、世界で初めて馬が家畜化されたのがウクライナです。紀元前4000年くらいと推定されているデレイフカ遺跡から、野生の馬ではなくて、人間が飼いならした馬の遺体が発掘されています。遊牧民族のスキタイ族が生まれたのもこの地域です。日露戦争のときにはロシア領でしたから、騎乗技術に長けたコサック兵には、日本も手を焼きました。
ウクライナはつけ入りやすいうえに、攻め落とすことができれば、豊かな穀物、軍事的にも貿易的にもメリットの大きい黒海、そして、かつては洗練された騎乗技術を手に入れることができた。ロシアがウクライナにこだわる根本的な理由は、そこにあると考えています。
――お話をうかがって、ウクライナの国について何も知らなかったことに改めて気づかされました。今回のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、日本以外の国について普段から勉強する必要性を感じた人は少なくないと思います。私もその一人ですが、どのように世界史の学習をするのがよいでしょうか。
本村:どうしても「世界史を学ぶ」というと、ハードルの高さを感じる人が多いのですが、高校レベルの世界史を勉強すれば十分です。受験勉強レベルまでいかなくてよいので、高校で習う世界史をざっと理解しておいて、必要なときに知識を取り出せるようにしておけるとよいですよね。
ただ、大事なのは、一回で済ませないで、何度も何度も繰り返し読むことです。私も大学受験のときには、世界史の教科書を徹底して読み込みました。ただ、ちょっと教科書だと挫折しやすいので、もう少し、わかりやすい入門書でもよいでしょう。
『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの世界史』はイラストも多く、親切でわかりやすい内容となっています。学び直しにレベルも分量も、ちょうどよい一冊ではないでしょうか。
この過酷な紛争の結末についての一つの考え方です。
霊視タロットで見た・ロシア・ウクライナ侵攻はいつ終わる?どうなっていくのか?ゼレンスキーVSプーチン・現在の心理状態ロシア兵「10人以上は撃ち殺した」…17歳少女は「選別収容所」で震えていた
読売新聞
2022/05/04
05:00ロシア兵「10人以上は撃ち殺した」…17歳少女は「選別収容所」で震えていた
(msn.com)
【リビウ=上地洋実】「恐怖で震えが止まらなかった」――。マリウポリから逃れたマリア・ブドビチェンコさん(17)が、ウクライナ国外からオンライン取材に応じ、1か月前、現地で「選別収容所」と呼ばれる場所でロシア軍から受けた尋問の一部始終を語った。
ブドビチェンコさんと家族3人は退避ルートの小さな街ヤルタで露軍に阻止され、父と2人で収容所に連行された。尋問室でパスポートや携帯電話のデータを調べられ、指紋を採取された。父は尋問担当者から「ロシアをどう思うか」などと質問され、敵対的な人物かどうかを調べられた。
ブドビチェンコさんは、尋問室に通される際、兵士らの会話を耳にしたという。
「選別を通過できなかった10人以上は撃ち殺した」
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