1950年代初頭にCIA(アメリカ中央情報局)でMKウルトラ計画という暗号名の極秘プロジェクトがスタートした。1970年代初頭まで継続されたこの計画がマインドコントロールの実験だったといわれている。兵士や囚人、捕虜や患者などを実験台として、LSDやアンフェタミンなどの違法ドラッグを大量に使用して、拷問や催眠術を乱用することでマインドコントロールを行っていたのである。
被験者の中には、死亡する者や廃人となる者などが続出した。
中でも残酷極まりない実験が、「マンチュリアン・キャンディデート」と呼ばれる実験であった。邦訳では「操り人形」という意味であるが、マインドコントロール技術によって多重人格者=操り人形を作り上げたのである。
必要に応じて与えるキーワードをきっかけとして、スパイや暗殺者となって任務を遂行していくのであるが、任務が終了すると自分は何をやったのか、記憶に残ることはない。まるでミステリー小説のような世界の話であるが、これは現実に行われていたことなのである。
※被験者の人権、人格を無視したマインドコントロール実験が繰り返された。電気ショックや薬物など重篤な障害や死亡にもつながる手段で「脳と思考」の操縦が試みられた。
身体を限界まで追い込み、化学、医学、時には魔術めいた手段を組み合わせて、実験が重ねられた。
しかしその非道すぎる実験は、内部告発によって暴露されてしまう。プロジェクトは閉鎖に追い込まれ、実験結果も闇に葬られてしまった。その後情報公開法によって一部のデータは開示されたものの、実験の全貌を明らかにすることは困難であるといわれる。
※残酷な実験内容は、詳細に記録された。貴重といえるデータの一部は未だに非公開となっている。CIAによる非人道的な実験は、内部告発によって終焉を迎えた。
ただこのMKウルトラ計画に近い技術は現在も存在している。既に現代では、マイクロチップを体内にインプラントする技術が実用段階に入っているからである。
医療の分野では、脳にインプラントすることで精神疾患を制御する治療が研究されている。医療用といえば、とても耳障りがいい響きであるが、洗脳と背中合わせの技術といえるであろう。
思考をコントロールする技術が悪用されないことを祈るばかりである。
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