2021年11月12日金曜日

NASAの情報戦略。

 NASAの最高情報責任者が語るデータ運用とセキュリティの最前線

Martin Giles

2021/11/08 06:00NASAの最高情報責任者が語るデータ運用とセキュリティの最前線 (msn.com)

© Forbes JAPAN

提供米航空宇宙局(NASA)は、宇宙ミッションから気候変動の研究まで幅広い任務を担っており、日々膨大な量のデータを扱っている。NASAの最高情報責任者(CIO)であるジェフリー・シートン(Jeffrey Seaton)は、宝の山であるこれらの情報から貴重な知見を導き出す上で、量子コンピュータの活用が鍵になると考えている。

これまでにない計算能力を実現する量子コンピュータは大きな話題となっているが、その本当のパワーが発揮されるのは、まだ当分先のことになりそうだ。フォーブスが先日開催したカンファレンス「CIO Next」に登壇したシートンは、NASAの業務に量子コンピュータを活用するのはいつ頃になるかと問われ、「恐らく5年以上先になるだろう」と答えた。

今年1月にNASACIOに就任したシートンは、もともとインターンとしてNASAの業務に参加して以来、30年にわたり、高パフォーマンスのコンピュータに携わってきた。

NASAは良質なデータを保有しているが、それらはサイロ化され、繋がりのないデータだった」とシートンは話す。彼のチームは、研究者がより多くの生データにアクセスできるようにすると同時に、それらのデータが悪者の手に渡らないようセキュリティの強化を図り、優れた機械学習などのアルゴリズムを提供している。

チーム間でデータのやり取りを行うために、シートンは民間企業と同じように、NASAのテクノロジーを組織内で共通化するか、部門ごとに最適なソフトウェアやハードウェアを導入するかを決めている。

NASA部門とは、米国内に9つある大規模な研究センターのことで、センターごとに研究分野は異なる。シートンは、バージニア州にあるLangley Research Centerで長年勤務し、NASAの中央ITチームから提供される技術サービスの品質を向上させるために、同センターのCTOを務めた。

現在、シートンは中央ITチームの責任者として数千人の従業員や請負業者を監督している。彼は、NASA全体のオペレーションに一貫性を持たせると同時に、職員たちによる中央ITチームに対する評価を把握するより良い方法を構築しようとしている。

サイバー攻撃の脅威

サイバー攻撃の脅威は、NASAでも拡大している。NASAは、宇宙や未来の航空機のデザインを研究しているため、国内外のハッカーにとって最大の攻撃目標の1つとなっている。NASAの技術チームによると、この1年で職員に対するフィッシング攻撃の件数が急増したという。

ハッカーたちは、リモートワークが増える中、職員の認証情報を盗んでNASAのシステムへの侵入を試みている。シートンと彼のチームにとっての最優先事項は、これまで通りサイバーディフェンスであり、彼らが定めたルールや基準をNASAの全職員に遵守させることだ。

シートンらは、AI(人工知能)を用いたセキュリティソフトを導入し、疑わしいメールをブロックしたり、ソフトウェアの脆弱性を修正するパッチを定期的にアップデートしている。他にも、NASA職員たちがハッカーに騙されないよう、教育活動も行っている。

「最高レベルのテクノロジーがあっても、人間による判断ミスが致命的な事態につながる」とシートンは述べた。

拡大するサイバー攻撃の脅威への対応や、ミッションクリティカルなソフトウェアの信頼性を確保することへのプレッシャーは増しているが、シートンは、それを前向きに受け止めている。

10年前には、多くのメディアがテクノロジーの利便性が向上することで、CIOの存在は不要になると書いていたとシートンはカンファレンスで述べた。彼によると、当時のテック分野のリーダーたちは基礎的なことに専念し、先進的なプロジェクトに十分取り組んでいなかったという。

それ以来、世界は大きく変わり、ITチームにとっては、自社を大きく変革するミッションに携われるチャンスが増えた。「今は、CIOにとって最高にエキサイティングな時代だ」とシートンは述べた。


量子コンピュータの開発と実用化でも「日米欧vs共産中国」の構図ができている。

新たな通信技術は我が国で新しく開発されました。今後アメリカにも売り込まれることになるのか?

KDDI総研ら、世界最速の暗号アルゴリズム開発 6G時代見据え

202111/9() 12:45配信KDDI総研ら、世界最速の暗号アルゴリズム開発 6G時代見据え(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース

総合研究所と兵庫県立大学は2021119日、高速大容量通信を実現するBeyond 5G6G通信に対応できる処理速度をもった暗号アルゴリズム「Rocca」を開発したと発表した。処理速度は138Gbpsで世界最速としている。

 Roccaの鍵の長さは256ビット。認証機能を統合し、データが改ざんされていないことを保証できる「認証付き暗号」にした。KDDIによればRoccaの処理速度は米国標準の暗号アルゴリズム「AES」と比較して4.5倍、256ビットの鍵長に対応した認証付き暗号アルゴリズムとして初めて100Gbpsを超えたという。  KDDIによると、Beyond 5G6G通信は100Gbpsを超える通信速度の実現に向けて研究が進められているという。RoccaBeyond 5G6G通信の速度を損なわないよう、100Gbps以上の処理速度がありつつ、量子コンピュータでの解読に耐えられるような鍵の長さを持つ暗号として開発した。  今後はさらなる高速化を目指すとともに安全性を確認。実用化に向け、スマートフォン上などで性能評価を進める。









2021年11月5日金曜日

脱北者が語る北朝鮮の諜報工作。

 共産大学の教授時代に見聞きした北朝鮮スパイの対南工作の実情

金 興光

2021/10/31 06:00共産大学の教授時代に見聞きした北朝鮮スパイの対南工作の実情 (msn.com)

© JBpress 提供 北朝鮮派金正日総書記が統治した90年代に、韓国に対する工作員を劇的に増やした(写真:AP/アフロ)

(金 興光:NK知識人連帯代表、脱北者)

「北朝鮮工作員が韓国の主な機関だけでなく、各界の市民団体にも潜入し、活発に活動していると申し上げることができます」

 30年間、北朝鮮諜報機関に身を置いた脱北者、金国成氏(キム・ククソン、仮名)氏が20211011日、英BBCのインタビューに登場し、韓国内で暗躍する北朝鮮スパイの実態と、北朝鮮による天安沈没事件などの詳細を証言した。とりわけ衝撃を与えたのが、大統領府に自身が工作員として潜入していたという事実である。

 BBCによれば、インタビューに応じた金国成氏は北朝鮮の諜報機関で活動し、対南工作や暗殺などの特殊任務を担当していた。北朝鮮を支配する金一族の統治資金を作るため、麻薬生産に従事した経験もあるという。その後、2014年に脱北し、現在は韓国・国家情報院傘下の機関で仕事をしているという話だ。

 BBCは「彼が暴露したすべての内容を検証することはできなかったが、彼の身元と、一部の主張が事実と一致するという点も確認した」と報じている。

 国家情報院は「脱北者の身の上および主張に対して確認する必要はない」としながらも、「(金国成氏がスパイとして)1990年代初頭、大統領府56年勤務したという内容は事実無根」と明言した。もっとも、仮に事実だったとしても、国家情報院が事実無根だと言わざるを得ないことは子供でも分かることだろう。

 北朝鮮の大学教授であった私から見ても、脱北者の金国成氏が明らかにした大統領府工作員潜入事件は、事実である可能性がいくらでもあると主張したい。その理由は3つある。

 まず、金国成氏が韓国に派遣された、いわゆる南派工作員の秘密を語ることのできる地位にいた可能性が高いという点だ。

脱北スパイの話が本当だと感じた理由

 金国成氏は、北朝鮮で自身が引き受けた業務の一つが、対南対応戦略の開発だったと語っている。脱北者が北朝鮮社会の一般的な実情について語る場合は、直接本人が目撃したことを述べることが大半だ。だが、体制内部の実態については、高い地位の人間でなければ知り得ないため、「誰々から聞いた」と伝聞になることが多い。

 それに対して、金国成氏の話は伝聞ではなく、実際に見聞きしたという話だ。彼が30年間にわたって北朝鮮諜報機関で仕事をしていたとすれば、スパイの派遣と管理を担当した中央党連絡所、あるいは中央党社会文化交流部、中央党調査部、統一戦線工作部などに所属していた可能性が高い。30年以上のスパイ関連業務を担当したベテランだからこそ語ることのできる内容だと感じた。

 次に、金国成氏の陳述が具体性を帯びていることだ。

 金国成氏は「私が直接スパイを送った」と語る一方、「1990年代初め、南派工作員が大統領府で56年間勤めた後、無事に北朝鮮に帰国した事例もある」と述べた。大統領府にスパイを直接派遣し、指揮したという話は、大半の脱北者が「重要な情報」と囁く内容とは明らかに違う。

 90年代であれば、盧泰愚元大統領、金泳三元大統領の時代だが、この時代は北朝鮮が対南赤化統一政策を最も積極的に推進した時期だ。金正日総書記は南派工作員を指揮する中央党連絡部を拡張し、南派工作員の数を劇的に増やしたため、この時期に大統領府に工作員が潜入したという金国成氏の話は信憑性が高い。

 そして、私の個人的経験からも、北朝鮮工作員が大統領府に潜入した可能性は十分にあると主張できる。

 私の経験とは、北朝鮮の共産大学の教授だった時、工作員を家族に持つ同僚の教授や学生たちから、韓国内へのスパイ派遣に関する話を数多く聞いたことを指す。共産大学とは、北朝鮮の党や行政機関、勤労団体の幹部を養成および再教育する、朝鮮労働党の幹部養成機関だ。

 共産大学には多様な学科が開設されたが、その中には前述した「6グァデサン(韓国に派遣された家族を管理する党の専門担当部署)」に対する教育、南朝鮮任命幹部教育班、さらに金日成主席や金正恩総書記の身辺警護をする護衛部隊「974軍部隊」の除隊軍人を再教育する班もあった。

 その他にも大学には、除隊軍官再教育班もあり、偵察局をはじめ北朝鮮軍の主な部隊を除隊した将校に対する特別教育を実施していた。

 そういった中で様々な話を聞くことによって、私は地位の高い幹部でも知らない党、軍、行政の主な部署の内部の実態と、特に南朝鮮に派遣したスパイの関連情報をある程度知ることができたのだ。

 今でも思い出すのは、南への派遣工作業務と関連した情報を知っている多くの学生たちが揃って、「南朝鮮には北朝鮮のスパイが電信柱の数よりも多く、高い地位層や大統領がいる大統領府にも目玉(スパイのこと)が潜入している」と話していたことだ。

 たまたま聞いた話ではなく、一人二人ならまだしも、別の時期、別の経歴の学生たちが電信柱の話だけは必ず同じ内容を口にするので、大きな衝撃を受けた。彼らの話が事実ならば、電信柱並みに多い工作員がどうして労働者や農業従事者にだけ潜伏していると言えるだろうか。

 その後、韓国で暮らしてみて、南に送り込まれた工作員はかなり多いだろうと確信を持つようになった。

 そのような確信を持つことになったのは、南に送り込まれた工作員が韓国に定住し、偽装工作として潜入した組織や機関で昇進しているのを目の当たりにしたからだ。韓国には、能力の高い工作員が北朝鮮寄りのプロパガンダを流す親北活動に従事できる条件と環境が揃っていると感じた。

 もちろん、韓国の中央情報部や安全企画部が盛んに毒を盛った時期は、北朝鮮工作員が潜入したり、韓国内の協力者や情報元を確保したりというような、スパイ網を拡張する活動は非常に骨を折ったようである。

© JBpress 提供 北朝鮮の工作員は韓国だけでなく日本にも潜入していた。写真は北朝鮮の工作員として知られる辛光洙。横田めぐみさんなど複数の日本人を拉致した(写真:AP/アフロ)

韓国が北朝鮮のスパイ天国になった要因

 ここで、私なりに考えた、韓国に対する北朝鮮のスパイ派遣と、その活動に十分な条件というものを、いくつか提示してみようと思う。

 まず、韓国の国家保安法が有名無実になってしまったことが挙げられる。次に、スパイの基準が曖昧になったこと、さらに防諜機関がスパイを捕らえても起訴し、裁判にまで至らないケースが多々あることもある。最後に、大統領府から国民に至るまで、親北朝鮮の感情が深く深く根を下していることである。

 今日まで、北朝鮮から南に送り込まれたスパイの首を締め、国家安全保障の規律を生み出すことにつながった国家保安法と国家情報員は、今では存在しているかどうかも分からない状況だ。

 私は、2004年に脱北して韓国に来たが、その時はまだスパイの申告と、それ関連した案内文をあちらこちらで見た。住民がスパイを申告する文化も生きていた。だが、いつからかスパイと親北朝鮮関係者の区別がなくなってしまった。

 メディアは北朝鮮の首謀者を敬称付きで呼び、大韓民国の体制を破壊する諜報活動を実施し、逮捕・服役した南派工作員を非転向長期囚ともてはやしている。スパイ事件に関わり処罰を受けた犯罪者が、国会議員はもちろん、大統領府にまでダイレクトにつながっているこの状況には開いた口が塞がらない。

韓国に生息する北朝鮮スパイのタイプ

 韓国には、北朝鮮の息がかかった様々なスパイがいる。

・日本の植民地支配から解放された時に北朝鮮の指令を受けて南へ派遣されたスパイ

・朝鮮戦争時に北朝鮮の政治工作通りに南下し、朝鮮労働党の指示により韓国に定着したスパイ

・智異山パルチザンなどに関連したスパイ

・主体思想に心酔したあげく、北朝鮮工作員とともに平壌にまで行き、隠密教育を受け、正体を隠している韓国の民主化闘士

・欧州で大学に通っていたが、高額の学費を出せなくなり、北朝鮮の金日成奨学金を受けて大学を卒業した後、韓国の指導層にまでのし上がったスパイ

・北朝鮮に訪問した際に北朝鮮の美人局や賄賂に惑わされ諜報活動をするようになった主要人物

・北朝鮮と事業をしようと海外の北朝鮮大使館を探して通ううちにスパイに転落した者

 これだけではない。最近は、スパイを捕らえることすら、夢のまた夢のように大変だ。スパイを捕まえる国家情報院要員がスパイを捕らえようとしたところ、適法性を問われ、逆に監獄へ送られたケースも一度や二度ではない。また、せっかくスパイを捕らえても、親北朝鮮の弁護団が弁護し、無嫌疑で処理されてしまうことが日常茶飯事だ。

 このような事実を見れば、大統領府にスパイは絶対に潜入できないという判断は韓国の実際の状況を歪曲し、大黒柱から腐り果てようとしている大韓民国の安全保障に対する不安に目を閉じてしまう、近視眼的な考えだという他にない。

動画

盗聴器をしかける北の工作員

北朝鮮の対南工作

※北朝鮮にとっては韓国の屈服と朝鮮半島の赤化統一は、宿願といっていいかもしれません。