2017年4月8日土曜日

アメリカ・トランプ政権の対外軍事政策 ~ 化学兵器の使用は絶対認めない!~

トランプ政権が同盟諸国に国防費増額を要

求し始めた

「アメリカの軍事力に“ただ乗り”するのか」とNATO諸国を批判


北村淳
日本を訪問した際のティラーソン米国務長官〔AFPBB News

アメリカの軍事的関心は大西洋側
トランプ政権は、ティラーソン国務長官とマティス国防長官を指名して連邦議会で承認されて以降、安全保障関係の高官人事が足踏みをしている。
3週間ほどで辞任を余儀なくされたマイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の後任は、ハーバート・マクマスター陸軍中将に決定した。だが、マティス国防長官を直接補佐するペンタゴンの3長官職(海軍長官、陸軍長官、空軍長官)がいまだに連邦議会の承認を得ていない状態が続いている。
 とはいっても、安全保障環境はアメリカ軍部高官人事などとはお構いなしに厳しさを増している。先週もマティス国防長官、ティラーソン国務長官がNATO(北大西洋条約機構)諸国を訪問し、同盟関係の問題点に関する本格的な調整を開始した。
 両長官、それにマクマスター補佐官などの経歴からは当然の帰結であったが、アメリカの国防政策の関心は対IS戦が最優先である。これまでは、次にロシアのウクライナをはじめとする東ヨーロッパへの侵攻態勢強化に対する警戒、そしてイランの対米姿勢という順であった。
 ところがここに来て、金正恩政権によるICBM開発の動きがアメリカにとっても完全に警戒レベルに達した。そのため、イランよりも北朝鮮に対する警戒の優先度が繰り上がったことが、マティス長官のNATO諸国での言動で明らかにされた。
 ただし、アメリカ国防当局の関心の78割が、すでにNATO諸国と共同歩調をとりつつ関与しているISを中心とする中東問題と、ロシアと東ヨーロッパの国境地帯の防衛問題で占められていることは変わらない。
 そこでアメリカ国防当局がまず着手したのは、NATO同盟諸国に対する国防費増額要求である。
NATO諸国への国防費増額要求
先週の金曜日、ブリュッセルでのNATO諸国外務首脳会合で、ティラーソン国務長官は「NATO諸国は国防費を増額しなければならない」ことを強く要請した。
 トランプ政権は選挙期間中に、NATO諸国の国防予算の低さを繰り返し指摘してきた。政権発足後もトランプ大統領はじめ国防長官、国務長官がNATO諸国の防衛費支出についてしばしば口にしている。今回はNATOの会合で、公式に国防費増額を要請したことになった。なお、トランプ政権は大統領選挙期間中の公約通りに国防費増額に踏み切っている。
 そもそも選挙期間中にトランプ陣営が引き合いに出していたのは、「アメリカ以外のNATO諸国の国防費の総額は、アメリカ一国の国防費の半分にも満たない。さらに言うとNATO諸国のおよそ半数の国々の国防費は、ニューヨーク市警察の予算規模より小さい」という事実であった(下の図)。
NATO諸国の国防費とNYPD(ニューヨーク市警察)の予算規模

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49641
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49641?page=3
 ただし、国防費の額そのものについては、経済規模や内政事情、それにそれぞれの国を取り巻く戦略環境などの諸要因がある。そのため、集団安全保障を義務づけているNATO同盟といえども、標準国防費といった類いのガイドラインを一律に設けるわけにはいかない。しかし、「国防努力の目安」として国際的な指標として用いられている「国防費のGDP比」は、NATOでは一応のガイドラインが設定してある。すなわち「GDP2」というのがNATO諸国間の努力目標とされている。
 ところが、この数値を達成しているのは2016年の推計値で、アメリカ(3.61%)、ギリシャ(2.36%)、エストニア(2.18%)、イギリス(2.17%)、ポーランド(2.01%)の5カ国に過ぎず、22カ国はガイドライン値に達していない。それどころか19カ国の国防費GDP比は1.5%以下と“話にならないレベル”である(下のグラフ)。
国防費のGDP比(%)(NATO+日本)

また、もう1つのガイドラインである「装備購入費の国防費全体に占める割合」の目標値「20%」に関しても、半数以上の加盟国が達成していない。10カ国が目標値を達成しているが、ドイツやカナダやオランダを含む17カ国が下回っている状態だ(下のグラフ、アメリカは25.03%で5位となっている)。


装備調達費が国防費に占める割合(%)(NATO+日本)



 以上の「国防費のGDP比」「装備購入費の国防費全体に占める割合」という2つのガイドラインを共にクリアしているのは、アメリカ、イギリス、そしてポーランドの3カ国だけである。
 それゆえにトランプ政権は「ほとんどのNATO諸国が同盟の義務を真剣に果たそうとせずにアメリカの軍事力に“ただ乗り”しようとしている」と批判を強めているのだ。そして、「すべてのNATO加盟国は少なくともこれらのガイドライン値を達成すべく直ちに努力を開始するべきである」との要求を突きつけ始めた。
国民1人あたりの国防費(USドル)(NATO+日本)

NATO諸国の次は日本
NATO諸国に対して国防費増額を迫ったティラーソン国務長官もマティス国防長官も、日本を訪問した際には国防費増額を要求しなかった。それは、北朝鮮問題が浮上してきているとはいえ、トランプ政権による国防政策の優先順位はいまだにNATO方面が圧倒的に高いからである。
 アメリカの軍事政策が北朝鮮と中国に目を向けるようになるのは、IS壊滅戦がおおかた収束し、ロシアによる東ヨーロッパへの侵攻姿勢に対するNATOの防御態勢がある程度確立したとき、あるいは対IS戦におけるロシアとの協調関係を通してロシアとの妥協が成立したときであろう。
 その時点になったら、日本をはじめとするアジア太平洋の同盟諸国の防衛努力について、当然、現在のNATOへの要求と同じ防衛費増額要求を突きつけてくるはずである。
先日、安倍総理がトランプ大統領と会談した際にも、アメリカ側は日本の国防費増額要求や沖縄問題などには触れてこなかった。そして、「尖閣諸島は安保第5条の適応範囲内である」と明言した。日本側は「安全保障に関しては満額回答だ」などと喜んでいるが、やがてNATO諸国に対してと同じ要求がなされるのは理の当然だ。
国防費増額決定は日本自身の判断で
もっとも、日本はアメリカ以上に北朝鮮の軍事的脅威を直接受けているし、中国の強力な海洋戦力による脅威もまともに被っている。したがってアメリカが国防費増額要求を突きつけてくる以前に、日本自身によって国防費を大幅に増額し、防衛戦力を大増強するのは当たり前の流れである。日本政府がいまだそのような政策に転じず、雀の涙ほどの国防費増加(1.4%)であたかも防衛力増強努力をしているかのごとく考えているのは、国際社会から見れば“噴飯物”に近い。
NATO諸国に日本を加えていくつかの指標をグラフ化してみると、日本は「国防努力の目安」であるGDP比がいかに低いかが一目瞭然である。いくら日本が今後10年間にわたって現在の規模(年率1.4%)で国防費を増加させたとしても、6兆円規模に達するか達さないかの程度であり、“話にならない”規模であるのには変わりはない。
 現在の国防費増額は、国際常識からみれば「増額しているかしていないか分からない」にしか映らない。もちろん国防力は国防予算だけで判断できるものではないが、金をかけずに強力な防衛戦力を身につけることは夢物語である。日本政府はそのことを肝に銘じ、アメリカなどからの外圧がかかる以前に自主的な判断で、日本にとり適正な規模の国防費を打ち出すべきである。

《維新嵐》防衛費のさらなる増額については、国家の安全保障上必要なことであることは、認めないわけにはいかないだろう。防衛費は、GDP比3%まではあげる必要があると考える。ただ注意しなければならないのは、やみくもに正面装備を強化するだけでいいのか?という疑問は持ち続けなければならないように思う。例えば共産中国の海洋覇権侵略について我が国はその戦略的意図をどこまでインテリジェンスとして把握されているのか?北朝鮮についても拉致被害者の安否、所在についてのインテリジェンス、弾道ミサイルと核弾頭についてのインテリジェンスについて、発射されてから安全保障会議を開催していていいのかどうか?核武装論よりも各省庁、行政機関の情報機関をトータルに指揮する「内閣情報局」とでもいうべき総合インテリジェンス機関の創設が強く望まれる。

【アメリカ・トランプ政権の対IS、シリアへの向き合い方】

米国の「新たな対IS戦略」、その実像は

BBC News

ジョナサン・マーカス、防衛外交担当編集委員
米国のティラーソン国務長官は先日、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)と戦う国や組織による広範な有志連合の閣僚級会合に出席し、IS打倒は米国にとって今でも「中東地域における第一の目標」だと述べた。
しかしトランプ政権の発足から3カ月が過ぎ、対IS戦略の全面的な見直しが行われた今になっても、オバマ前政権が取ったアプローチとの実質的な違いは見えてこない。トランプ氏はオバマ氏の処方を強化して軍事資源を増強し、より柔軟に運用している。そこが最大の違いかもしれない。
「オバマ・プラス」
米軍は最近、シリアに追加の兵員と武器を送り込んだ。同盟勢力の作戦を支援する米軍部隊の役割は、従来よりもはるかに拡大している。
トランプ政権の「オバマ・プラス」アプローチをよく示す例のひとつが、シリア北部ラッカ近郊のタブカ・ダムに対する空爆だった。ISが支配するラッカへの補給路を断ち、孤立させる作戦の一環として実施された。米軍は有志連合側の戦闘員数百人を現地へ空輸し、通常の空軍機に加え攻撃用ヘリコプター「アパッチ」や海兵隊からの砲撃で作戦を支援した。
さらに視野を広げると、米軍の軍事顧問団は以前よりも前線に近付いたように見えるし、武装勢力の指導者らを狙った無人機攻撃は地域全体でこれまでになく活発化している。クウェートに増派された陸軍第82空挺師団の約2500人は、シリアやイラクへ素早く駆け付けることのできる実質的な予備部隊だ。
作戦を進める上で、軍の指揮官の自主性が拡大している様子がうかがえる。例えば国防総省がホワイトハウスや国家安全保障会議(NSC)から細かく口出しされることはなくなり、イラクでの空爆を現地の米司令官が要請する裁量も拡大した。
この流れからはおのずと問題が生じている。
一例として、民間人の死者が目立って増えているという報告がある。ただし、その理由ははっきりしない。作戦のテンポが速まったせいで誤爆が起きているのかもしれない。あるいは、イラク北部モスルの奪還作戦が最終段階に入っているため、家屋密集地域の戦闘で犠牲者が増えるのは不可避だからかもしれない。
米国の報道官は、空爆の承認手続きが最近変更されたわけではないと主張するが、イラク当局者の発言からは変更があったことがうかがえる。
有志連合の米報道官は「イラク治安部隊が空爆を必要とするその時、その場所に現場司令官がより素早く対応できる」よう、「一部の空爆について承認権限が委譲」されたことを認めている。
米軍は、部隊を前線展開していないという決まり文句を今も繰り返しつつ、イラク、シリア両国でこれまでよりずっと密接に戦闘にかかわっている。
米軍部隊は後方支援や戦闘支援、兵士らの訓練に深く関与している。つまり少なくとも軍事面では、オバマ・プラスというアプローチの成果が出ていることになる。モスル奪還の最終戦は厳しい戦いになりそうだ。ラッカでも最終的に同じ困難が待ち受けているだろう。しかしISが両都市をついに失い、自称「イスラム帝国」が崩壊することによって、大きな打撃をこうむることは間違いない。
だが、この作戦の指針となる総合的な地域戦略はどうなっているのか。さらにずばりと言ってしまえば、そもそも戦略自体が存在するのだろうか。トランプ政権は今のところ、独自の考え方をほとんど示していない。ここでも前政権のアプローチをほぼ受け継いでいるようだ。
ひとつ違うのは、シリアの避難民を保護する「安全地帯」の設置に対する姿勢だ。オバマ前政権は断固反対していた。それに対してティラーソン国務長官は漠然とした表現ながら、「暫定的な安定区域」をトルコやヨルダンとの国境沿いあたりに設置する可能性を示唆している。ただし、国境付近のかなりの地域はトルコ軍やシリアの親トルコ勢力が占領しているため、この問題の決定権は米国よりむしろトルコが握っていると言えそうだ。
オバマ政権でもそうだったが、今の米国にはシリアの、そしてイラクの将来に向けた明確で包括的な戦略が欠けている。そのために、多くの疑問点に答えがないままだ。
· シリアでISから奪還された土地はだれの手に渡るのか。
· 親米勢力の間でも、クルド系と親トルコ派の要求は競合する。米国はこのうち一方をどうやって選ぶのか。
· シリア、トルコ両国で強まるイランの影響力を、どうすれば封じ込めることができるか。
· 内戦状態のイエメンに介入しているサウジアラビア主導の連合軍に対して、米国が支援を強化することによるリスクは何か。
· イスラム教シーア派主体のイラク政府を、スンニ派の国民がもっと受け入れやすくするためにはどうしたらいいか。
· 米国が中東政策をめぐり、ロシアとの間で了解を取り付けることができたとして、それはどのような内容になるのか(トランプ氏は対ロ関係の改善を大々的に掲げていたが、これは世論を騒がせ続ける政権の「産みの苦しみ」のあおりを受けて、早くも消えつつある公約のひとつだ)。

米国が奮闘しているのは当然ながら軍事面、外交面に限った話ではない。このほかにイデオロギーという重大な側面もある。つまりイスラム教徒がISの有害な思想に抵抗できるよう、その心をつかむことが必要だ。ここでもまた、トランプ政権は発足早々からつまずいてしまっている。イスラム世界を主な対象とした入国禁止令や治安対策は説明が不十分で、合法性にも疑問が生じた。
米国の新政権は代々、急上昇の学習曲線をたどることが要求されるものだ。現政権もまだ発足したばかりとはいえ、世界の紛争は待ってくれない。だからこそ、トランプ政権チームによる主要ポストの任命が遅れていることも非常に気掛かりだ。米国は今、ISへの軍事作戦を強化してはいるようだが、それに伴って外交努力をまともに強化する気配はみられない。
米軍、シリアへミサイル攻撃 ~「サリン」使った「化学攻撃」に反応

BBC News
アメリカ軍によるトマホーク巡航ミサイルの発射:ミサイル駆逐艦ポーター&ロス 2017/04/06 に公開 2017年4月7日:地中海東部に展開中のアメリカ海軍のミサイル駆逐艦ポーター(DDG-78)とロス(DDG-71)から発射されるトマホーク巡航ミサイル(タクティカル・トマホーク / TLAM)。 https://youtu.be/razN3WeIt8I 


世界のミサイル・無人機 写真特集
 ドナルド・トランプ米大統領は201746日、シリア空軍基地へのミサイル攻撃を命じたと記者会見で明らかにした。201744日にシリア北西部イドリブ県で、反政府勢力支配地区に対して化学兵器の使用が疑われる攻撃があったことを受けての対応という。ホワイトハウス報道官はイドリブ攻撃について、シリア政府が神経ガスのサリンを使用したものと思われると言明した。
トランプ大統領は、4日の爆撃機が出発したシリア空軍基地への攻撃を命じたと会見で述べ、シリア紛争を終わらせるため「すべての文明国」の協力を呼びかけた。
国防総省は、アサド政権とシリア軍を支援するロシア政府には、ミサイル攻撃を事前に通知したと説明している。
国防総省によると、シリア時間7日午前440分(日本時間同日午前1040分)、東地中海の洋上にいる海軍駆逐艦ポーターと同ロスから、トマホーク巡航ミサイル59発をシリアのシャイラート飛行場へ発射した。米国は、イドリブを攻撃した戦闘機はこの飛行場から出発したものとみている。
標的としたのは飛行場の格納庫、飛行機、保管区域、武器庫、防空システムとレーダーで、「(アサド政権が)二度と化学兵器を使用しないよう抑止」することが爆撃の目的だと国防総省は説明している。
シリア国営テレビは、「アメリカの攻撃行為」が「複数のミサイル」でシリア軍基地を標的にしたと表明。これ以上の詳細は明らかにしなかった。
米南部フロリダ州の私邸「マール・ア・ラーゴ」で会見したトランプ大統領は、シリアのバシャール・アル・アサド大統領は「独裁者」で、「罪のない市民に恐ろしい化学攻撃を実施した」と非難。
「私は今晩、シリアの殺戮と流血を終わらせ、あらゆる種類とあらゆるタイプのテロリズムを終わらせるため、我々と協力するようすべての文明国に呼びかける」とトランプ氏は述べ、「アメリカが正義のために闘い続ける限り、最後には平和と調和が勝つと我々は信じている」と強調した。
シリア・イドリブでの攻撃では、子供を含む多数の市民が死傷。呼吸困難や瞳孔の縮小、口から泡を吹くなど、化学兵器攻撃を疑わせる症状を見せていたと現地目撃者は話している。
この攻撃を受けてトランプ大統領はシリア政府を非難し、「何かが起きるべきだ」と警告していた。
ホワイトハウスでは報道官が、米軍巡航ミサイルの標的は「恐ろしい化学兵器攻撃と直接結びついている」と発言。
「我々は相当の確信をもって、今週初めの化学兵器攻撃はこの場所から、アサド政権の命令下にある」飛行機によって実施されたものと「判断している」と報道官は述べた。
さらに、ホワイトハウス報道官は「同じようなレベルの確信をもって、この攻撃でアサド政権が、サリンと同じ特徴の神経ガスを使用したと我々は判断する」と言明した。
ミサイル攻撃に先立ち6日、レックス・ティラーソン米国務長官は、アサド大統領はシリアの将来において何の役割も持つべきではないと言明。トランプ政権がシリアについて、いきなり方針転換した様子をうかがわせる発言だった。
トランプ政権のニッキー・ヘイリー国連大使は、アサド大統領追放はもはや米国の優先課題ではないと先週述べたばかりだった。

<解説> ジョン・ソープルBBC北米編集長
政策がこれほど大幅かつすぐに変わるのは珍しいし、これほど速やかに実施されるのも珍しい。
トランプ大統領が就任した時、シリアの大統領は過激派組織のいわゆる「イスラム国」との戦いで役に立つ同盟相手だとみられていた。オバマ政権が推進したシリアの体制変化に関する会話は、いっさいストップした。
しかし化学兵器による攻撃が、すべてを変えた。攻撃から2日しないうちに米政府はアサド大統領への立場を変え、標的を特定し、攻撃したのだ。
これが一度きりの単発報復なのか、それともアサド政権に対するもっと腰を据えた対応の始まりなのかは分からない。シリアの強力な同盟国ロシアと、米国の関係が今後どうなるのかも分からない。

アメリカ海軍、シリアのシャイラト空軍基地をトマホーク50発超で攻撃

配信日:2017/04/07 11:53
http://flyteam.jp/airline/united-states-navy/news/article/77780

アメリカ海軍は、地中海に展開するミサイル駆逐艦「ロス(DDG-71)」と「ポーター(DDG-78)」からトマホーク50発超を発射、シリアのシャイラト空軍基地を攻撃しました。アメリカ・メディアが報じているほか、トランプ大統領もテレビ演説で攻撃を認めています。シリア政府軍が化学兵器を使用し、民間人を攻撃したことを受けた報復です。化学兵器を用いたシリア政府軍の行動は、シャイラト空軍基地を拠点に展開したとみられています。

米ミサイル攻撃で複数の死者、シリア空軍基地の地元知事
AFP=時事20174/7() 14:10配信 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170407-00000031-jij_afp-int

AFP=時事】米国が行ったシリアへのミサイル攻撃で、標的となったシャイラト(Shayrat)空軍基地では複数の死者が出ていると、同基地のあるシリア中部ホムス(Homs)県の知事が明らかにした。

 AFPの電話取材に応じたタラル・バラジ(Talal al-Barazi)知事は、「複数の殉教者が出ている。だが、殉教者・負傷者の人数はまだ分からない」と語った。基地の数か所で火災が発生しており、やけどを負った人も複数いるという。
バラジ知事によると、シャイラト基地に展開していた部隊は、シリア政府軍が先月イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から再奪還した遺跡都市パルミラ(Palmyra)周辺での戦闘で「重要な支援を提供していた」という。【翻訳編集】
AFPBB News
《維新の嵐》アメリカは「世界の警察」をやめる気はないようです。確かにアサド政権が、化学兵器を使用し、しかも二回目の使用になるとなると国際社会は黙認してはいけないのですがね。

ロシア製の方が精度が高いと言いたいのか?

米ミサイルは半数以上が「標的に当たらず」と露国防省

2017.4.7 22:22更新http://www.sankei.com/world/news/170407/wor1704070115-n1.html

 ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は2017年4月7日、米軍がシリア中部のシャイラト空軍基地に向け発射した59発の巡航ミサイルのうち、同基地に到達したのは23発にとどまり、残りの36発がどこに命中したのかは「分からない」と発表した。米軍の攻撃の精度が低いと主張する狙いがあるとみられる。
 ロシア国営テレビは同日、攻撃を受けた基地の状況を中継し、滑走路は損害を受けていないと報じた。一方、基地周辺住民に死者が出ているとも伝えており、米軍の攻撃が非効率だったと強調する内容になっている。
 コナシェンコフ氏はまた、米軍による攻撃の後、シリア国内でイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)などの攻勢が強まったと主張し、米軍の攻撃がISなどとの「同意」のうえで行われていないことを願うと述べた。(モスクワ 黒川信雄)
《維新嵐》ロシアは、アメリカのミサイル攻撃で犠牲者をだしたかもしれません。しかしシリアのアサド政権の政治犯罪は明らかです。IS掃討という大義だけでなく、自由シリア政府樹立をアメリカとともに支援する側に政策転換できないものでしょうか?

安保理が緊急会合開催

英国は米攻撃を支持 非公開会合を米国の判断で公開に

2017.4.8 01:29更新 http://www.sankei.com/world/news/170408/wor1704080007-n1.html
 トランプ米政権のシリア攻撃を受け、国連安全保障理事会は201747日午前(日本時間8日未明)、公開の緊急会合を開催した。会合前に英国のライクロフト国連大使は記者団に米国の攻撃について「全面的に支持する」と強調した。

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