2016年12月30日金曜日

自衛隊の予算 ~高いのか?それとも低いのか?~

保育園不足、都市部と自衛隊の抱える問題
宇都隆史議員

自衛隊の病院予算不足問題について
和田政宗議員

 以上の動画をみておわかりのように、自衛隊においても時代の流れ、変遷に伴って様々予算的な問題がでてきており、必ずしも正面装備だけ充実させておけばいい、という話ではありません。

 また昔からよく聞かれることですが、自衛隊員の個人装備の貧弱さについて言及した記事をご紹介いたします。国防の最前線で日夜任務遂行のために、訓練、錬成に励む自衛隊員の待遇について改善の余地はないのでしょうか?
 自衛隊だけではありませんが、公共機関のオーナーたる納税者の国民として、頭の隅において問題意識として留保しておいてもいいことかと思います。

自衛隊が貧乏すぎる…制服が予算不足で足らない、給料・退職金カットも
日刊SPA

◆「何もかもが足らない!ボンビー自衛隊の実態!02

 201011月、今や民進党党首の蓮舫さんが、襟をピンと立てながら行政刷新委員会で、「自衛隊の制服高すぎる。中国で縫製して輸入すればもっと安くなる」と言っていました。国防にかかわる重要なものでも、安ければいいと考える人もいるんですね。「自衛隊の制服なんて海外での大量生産品で何が悪いの?」という論調に当時びっくりしたものです。
 自衛隊に限らず、軍の制服のデザインや素材は、その制服と同じものが第三者の手に渡ってしまえば、いくらでも軍の中に潜入することができてしまいます。それがものすごく恐ろしいことだということくらい私にでもわかります。例えば、戦場で敵兵が、その制服を着て入れ替わったとしてもすぐには気付かないじゃないですか? 自衛官の制服は公務員の信用を利用した犯罪にも使えます。そういった悪用を避けるために、官給品は民間人には払いさげず、古くなったら交換という形で回収しているんですよね。

 制服の部分的な汚れは、駐屯地にある業務隊や被服係などに依頼すると修繕されるのだそうですが、長年使うと全体に色あせて繊維が薄くなり擦り切れてくるのでそこまで行くと交換してもらうことになります。だから、自衛隊に入隊したての時にはまず制服や身の回り品一式を支給してもらいます。その後、使い古せば消耗品だから交換が必要です。制服が必要なのは新人の入隊時だけじゃないのです。
 また支給品は制服だけじゃなく、ベルトのバックルや靴や支給された衣類を入れる衣嚢や仮眠覆いやセパレーツと呼ばれる雨合羽、鉄パチ(ヘルメット)なども支給されます。同じ装備を完全に揃えていることで、例えばスパイが混じっていても一部が違うという違和感ですぐに見つけられるわけです。

 その制服が、予算不足でまったく足らない状況になっています。東日本大震災への陸自の大規模な派遣がありました。普段の演習などとは違い、荒れ果てた被災地で、泥水に体を浸しながらの救難活動を自衛隊は必死で行いました。瓦礫の山での作業ですから制服も切り裂かれたり、擦り切れたり、傷だらけになります。だから、自衛隊は通常時なら使い果たすことのない在庫をすべて使い果たしてしまったのです。東日本大震災で自衛隊も沢山の予算を使い、これまで持っていた多くの資材を使い果たしたというのに、震災の年の平成23年度予算は46625億円、平成24年度予算は46453億円と減っています。
 この年、自衛隊の給料は10%カットされたことも記憶に鮮明に残っています。聞くところによると、いきなりの給料カットでローンの支払いに困ったり、子供の塾通いをやめさせることになった家庭もあったとか。

 陸上自衛隊では新しく入隊した自衛官に先に制服を配ってあげたいので、今いる先輩自衛官が本当なら交換しなければならないような制服や靴を我慢して使っています。使えればまだいいのですが、いろいろな訓練時にやはり破れかけた靴などを履いていては後れをとりますし、「『服装が乱れている』と上官に叱られることも多くて辛い」と嘆く声も聞こえてきます。
 その人のせいではなく、予算が無くて制服が交換できないためなのですから、とても可哀想だと思います。
 ある自衛官Bさんが、米軍の艦艇に乗り込んで食堂で米軍と話をしていたときに東日本大震災の話になりました。米軍も多くの隊員が友達オペレーションで被災地に物資を運び、みんな長期間、東北のために支援をしてくれたことのお礼をいったところ、海兵隊ではそのあと隊員さんたちは長い休みをもらい、長期の支援活動に参加したということを褒章されたといいます。
 自衛隊もあんなに頑張ったのだから、国から勲章をもらったのだろう?と米軍から聞かれました。
 仕方なく自衛官Bさんは、「我々は東北が被災して大変な時だから、『君たちの給料もしばらく10%カットする』と国から言われ、退職金も値下がりしたんだよ」と説明したところ、何度説明しても米軍には「冗談だろう」と言われ、理解してもらえなかったそうです。
「もし、本当にそんなに大変な職務をはたした軍人に、国が給料をカットするなどの暴挙に出たら、普通は暴動が起こる。自衛隊はいつもどおり淡々と職務をこなしているのだから、それは俺をかつごうとしてんだろう? 騙されないぞ。はっはっは~~」と米軍の軍人は笑ったそうです。


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