2015年8月6日木曜日

アメリカ海兵隊論 ~アメリカ合衆国の国防線を守るミリタリーパワー~

沖縄に駐留する米海兵隊の語られない真実
抑止力ない"幽霊師団"

AERA編集部 20150512http://toyokeizai.net/articles/-/69279

普天間飛行場の辺野古移設問題で安倍政権と沖縄県民が激しく対立しているが、そもそも沖縄にいる米海兵隊の戦力的な抑止力が怪しいことをご存じか。
激しい議論を聞いていて、ふとわからなくなることがある。いったい何の話をしているのだろうか、と。
米軍普天間飛行場の辺野古移設問題は、こじれにこじれ、安倍政権と沖縄県の関係は、もはや修復不能のようにも見える。
政権が「この期に及んで」と批判すると、沖縄は「上から目線だ」と言い返す。沖縄が「基地の押しつけだ」と言えば、政権は「辺野古移設が負担軽減なのだ」と反論する。
 だが、普天間はオスプレイやヘリなどを収容する海兵隊の基地だ。なぜ沖縄に海兵隊がいて、どうして海兵隊の基地が必要なのか。「海兵隊論」が抜け落ちている、と感じる。
難しい局面こそ、根本に立ち戻って考えたい。
私にとって、海兵隊は米軍そのものだ。
2003年のイラク戦争で海兵隊に従軍した。クウェートで配属されたのは、「第1海兵師団第2連隊第1大隊フォックス中隊」という部隊だった。
http://toyokeizai.net/articles/-/69279?page=2

海兵隊員を「soldiers(兵士)」と呼ぶと、「No, we are the Marines( 俺たちは海兵隊員だ)」とたしなめられた。装備は古いのに、やけにプライドの高い集団だった。

キャンプばかり“海兵隊の島”

 私が持つ海兵隊のイメージは、映画「愛と青春の旅だち」でリチャード・ギアをいじめた鬼軍曹。本物の海兵隊員もガッツで勝負の体育会系で、暴行事件を起こす体質も理解できた。
海兵隊は米軍の中で最も世界中を飛び回る集団だが、「沖縄は温暖で、人柄も良くて最高だった」と言う海兵隊員が多かった。仲良くなると、「オキナワ、ビーチ、イチバン、メンソーレ」などと、片言の日本語を交えてうれしそうに沖縄での思い出を語っていた。
沖縄は、確かに「海兵隊の島」だと言っていい。地図には、北から南まで海兵隊のキャンプが目立つ。北部訓練場から普天間飛行場まで、海兵隊が駐留し、島全体が海兵隊の要塞のようにすら見える。陸海空に続く「第4軍」とされる海兵隊は、世界に3師団を持ち、第3師団が沖縄に駐留する。
海兵隊と沖縄の縁は深い。古くは黒船で来たペリー提督が、海兵隊を連れて沖縄に上陸した。第2次大戦の沖縄戦の主力を担ったのも海兵隊。朝鮮戦争、ベトナム戦争でも沖縄の海兵隊がフル稼働した。
 今日もさぞ多くの海兵隊員がいるかと思いきや、定員18千人のうち、イラク戦争で駆り出された部隊はそのまま戻らず、一部部隊の移転もあって、現在、実際に沖縄にいるのは12千~13千人程度。さらに米軍再編で20年ごろまでに定員は1万人に減らされる。
   沖縄の海兵隊は、補給や医療の後方支援、司令部機能が大部分。戦闘部隊としては「MEU」と呼ばれる2千人規模の第31海兵遠征隊が駐留するのみ。その中の基幹となる歩兵は、1個大隊800人程度しかいない。
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 軍事ジャーナリストの田岡俊次さんは指摘する。
「沖縄の第3師団は、師団とは名ばかりの『幽霊師団』に過ぎません。司令部機能しかなく、第31海兵遠征隊の兵員も第1師団、第2師団の借り物で、米本土から6カ月交代で派遣されてくる。戦車はゼロ、軽装備の1個大隊では戦争は到底無理で、中国や韓国、台湾などの在留米国人の救助が精いっぱいです」


生かしきれない地理的優位性


在沖縄のジャーナリスト、屋良朝博(やらともひろ)さんは、沖縄の海兵隊は米軍再編で「国際救援隊」のような、ソフトな任務を果たす部隊編成に変わり、沖縄の基地は「空洞化」すると見る。
「近年はアジア太平洋地域を巡回しながら、フィリピンやタイ、オーストラリアといった同盟国との共同訓練を盛んにしています。台風や地震、津波といった自然災害を想定した共同救援や、民生支援などの活動にも力を入れています」
 東日本大震災で被災地に駆けつけたのは海兵隊。ネパール地震の救援にも参加している。
ただ、新たな安保情勢の変化も生まれている。中国の急速な軍事的台頭と海洋進出である。元防衛相で安全保障専門家の森本敏さんは指摘する。
「中国は多くの揚陸艦を持っておらず、現時点で着上陸戦闘能力は大きくない。中国が東シナ海や南シナ海に出てくるとしても、沖縄の海兵隊の抑止機能が維持され、相手を確実に撃破できる戦力を持っていれば問題はありません。オスプレイの導入で海兵隊の活動範囲が広くなり、広い面で対応できる状況です」
尖閣諸島、台湾、南シナ海などアジア展開を考えれば、確かに沖縄は要所だ。最近、防衛関係者が辺野古移転の必要性を国会議員などに説明するときは、ほぼ必ず沖縄を中心とした「同心円地図」を使う。中国や尖閣情勢を意識してのことである。
ただ、そんな地理的優位性を生かせるかといえば、疑問が残る。海兵隊は海のイメージが強いが、実際は上陸作戦を得意とする陸戦隊だ。上陸には海兵隊員を運ぶ船や空中援護を行う航空隊など、陸海空の総合兵力が求められ、自前でワンセットを持っているところが海兵隊の特異性であり、強みである。
ところが、オスプレイとヘリの可動翼部隊は普天間、戦闘機や給油機などは岩国、揚陸艦などの船舶は佐世保にいる。陸海空チームが日本各地に分散しており、専門家の間では「普天間飛行場も歩兵部隊も、辺野古より佐世保に近い自衛隊基地などへ移転したほうが、よほど効率的に運用できる」(田岡さん)との声もある。
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日本政府は「普天間の代替施設は抑止力の維持に不可欠」との論理だが、こうした海兵隊を「抑止力」と言い切ることは、すんなり腑に落ちる話ではない。嘉手納空軍のF15戦闘機と横須賀海軍の第7艦隊こそが「抑止力」というのは、およそ軍事関係者の共通認識である。
あえて海兵隊に「抑止力」としての意義を見いだすとすれば、「日本に米軍がいる象徴が海兵隊である」ということだろう。
3月末に放送されたNHKの「日曜討論」。普天間移設問題がテーマで、出席者が激しい論争を繰り広げるなか、橋本内閣で沖縄問題に取り組んだ岡本行夫・元首相補佐官が、こう言った。
「沖縄から海兵隊が追い出されたら抑止力に穴があく」
戦力として決定的な力はなくても、沖縄に海兵隊が存在していること自体に意味がある、と言っているように聞こえた。
この討論に出席していた前出の屋良さんは嘆く。
「これでは日米同盟の質草に海兵隊を取っているという話になってしまう。本来、抑止力とは精緻な論議が必要なのに、海兵隊が沖縄にいるだけで抑止力と言われると、それ以上、突っ込んだ議論ができなくなる」


不要論強まり 手放せない沖縄


一方、海兵隊自身も沖縄の基地の維持を望んでいるという現実がある。米軍再編の「リストラ」のなかで、ハイテク装備を持たない「肉体派」の海兵隊不要論が強まっているからだ。
そんな海兵隊にとって沖縄は虎の子の拠点だから手放せない。普天間の移設がもめても海兵隊から一言も不満が出ないのは、とにかく基地が維持されることが最優先だからだ。
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安倍政権で基地問題を担当する中堅幹部は言う。
「米軍は公の場でこそ日本政府に合わせてはくれますが、『普天間移設は日本の国内問題で、私たちの責任ではない。約束したのだから、しっかりやって下さい』という、完全に距離を置いた態度です」
普天間の移転先が辺野古しかないのか、考えるチャンスは幾度もあった。
最も合理的な移設案は、米空軍の嘉手納基地との統合だったが、「トラブルの多い海兵隊を空軍が嫌がったため立ち消えとなった」(中堅幹部)。民主党の鳩山政権下で浮上した鹿児島県の徳之島などは、地元の反対で実現しなかった。
前出の森本さんも、海兵隊のいる場所として、沖縄が唯一の選択肢ではないことは認める。
「もちろん沖縄がベストではありますが、日本の西半分ならば、九州でも四国でも1万人の兵力を維持し、訓練施設があり、ヘリと支援部隊がいれば、一定の抑止力になります」

4月下旬の日米首脳会談にあわせて開かれた外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)で、日米両政府は「辺野古移転が唯一の解決策」と確認。日本政府は、これをもとに夏の本体着工を目指す構えだが、まずは「抑止力にならない抑止力」の真の海兵隊の姿を直視すべきではないか。総工費3500億円をかけて辺野古移設を強行した先には、終わりのない政治対立が待っているだけだ。
(編集部:野嶋剛)沖縄に駐留する米海兵隊の語られない真実


 ※民主党の鳩山内閣以来、もめにもめて進展をみない宜野湾市普天間基地移設については、メディア報道を聞くにつけ、米海兵隊が気の毒になる。
 冷戦時代と決定的に違うことは、もはや北朝鮮が沖縄、グアムを射程にいれた中距離弾道ミサイルを配備し、核弾頭の搭載も可能となっていること。
 また共産中国も東風21号というこれまた沖縄をも射程にいれる中距離弾道ミサイルに加えて、長射程の巡航ミサイルを配備しているということ。
 すなわち沖縄のアメリカ軍は戦闘部隊としての機能を有する海兵隊ですら、ミサイル攻撃の最前線にあるという状態なのである。
 まともに考えれば、ミサイルによる海兵隊や陸軍の被害を極力ミニマムにするために、さらに後方のグアムへさげたいというのが、語らぬ本音とはいえないだろうか?
 こうしたことを考えるときに、弾道ミサイルや巡航ミサイルの迎撃は日米共同対処としても、沖縄の地上部隊の被害リスクの軽減をはかるのならば、南西諸島防衛は、我が国の自衛隊の戦力を強化しなければ、政府のいう「抑止力」の向上に十分つながることは難しいであろう。
 第二次大戦後の日本列島周辺は、大日本帝国陸海軍という強力な軍事力がアメリカ軍によって破壊され、アメリカ合衆国の西の国防線を守るために、在日米軍やこれを補完する自衛隊が配置された。共産中国や北朝鮮によるミサイル攻撃という新たな脅威により、米軍だけに軍事抑止力を頼るのではなく、我が国独自の抑止力の再構築、米軍の補完勢力としての自衛隊ではなく、我が国独自の防衛戦略をもつ「国防軍」が組織化され、在日米軍と連携することが時代の要請として求められているのではないだろうか?


沖縄のアメリカ海兵隊が「日本の人質」になっているというパラドックス
基地移設問題で揺れる沖縄。1万人を超える海兵隊員が駐留していますが、その「抑止力」については意見が分かれています。しかし、地政学者で軍事問題に精通した奥山真司さんは無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』の中で、それらの議論で決定的に欠けている視点があると指摘。それは、「アメリカ海兵隊は日本にとっての『人質』である」というものだと言うのですが、米海兵隊が日本の人質ってどういうことなんでしょうか。
沖縄駐留の米海兵隊は「トリップワイヤー」的な「人質」なのである
おくやまです。
今回は、日本の「産経新聞」に掲載されていたトピックについて少々。
私の番組でも取り上げたのですが、産経新聞に毎週金曜日が掲載している「金曜討論」というコーナーの記事をとりあげてみたいと思います。
この記事は、毎回2人の識者が出てきて、1つのテーマについて、それぞれ正反対の立場から議論を戦わせるというもの。実際に相対してガチンコで議論を「戦わせる」わけではなく、あくまでも産経のインタビューに対してそれぞれの立場を述べるという体裁です。
この記事の58日付のテーマは、沖縄に駐留している、アメリカ海兵隊の「抑止力」について。
この「抑止力」とはどういうことか? というと、沖縄に駐留しているアメリカの海兵隊に対して、中国や北朝鮮が「こいつらに手を出したらヤバイ」と思うか否か? ということでして、つまり、戦争の勃発を防げるのか? です。
まず「ノー」の立場を代表するのが、国際地政学研究所の理事長の柳澤氏。
氏は元キャリア防衛官僚という長年の経験から、沖縄に米海兵隊は「抑止力」になっていないと主張しておりまして、とりわけそれを海兵隊の軍事的な合理性から話をしております。
そして、「イエス」の立場を代表するのが、慶応大学の准教授である神保謙氏。
この方も、同じく軍事的合理性から、沖縄の米海兵隊は十分な「抑止力」になっていると主張しております。
しかし、この2人の議論に決定的に欠けていた視点があるのです。それはアメリカ海兵隊は日本にとっての『人質』である」というもの。
読者のみなさんの中には、思わず冷や汗、という方がおられるかもしれませんね。
ですが、アメ通読者のみなさんに、大手メディアに載るような「建前論」を必要はありませんので()敢えて、「本音」の話をします。

さて、みなさんは、ジョージ・オーウェルという作家をご存知でしょうか? ジョージ・オーウェルといえば、なんといっても管理社会の恐怖を描いた『1984』や、共産主義社会を牧場の動物たちになぞらえて風刺した傑作『動物農場』など独特のテイストを持った小説の数々で知られる大文学者。
この大作家の作品群の中に、『ビルマの日々』という少々マイナーな作品があります。自分の体験を元にした小説であり、ここに登場するのが、植民地で警察となったイギリス人。
オーウェル自身も親がインドでアヘンを栽培していた関係から、生まれはインドであり、イギリスで学校を出たあとは再びインドに戻り、現地で警察官の訓練を受けた後に、実際にインド周辺の各地で警察官として赴任した経験があります。
ゾウが町中で暴れ、現地人に自分がそれを抑えるようにいわれて困惑した。というエピソードがこの作品の中に登場します。このエピソードこそ、オーウェル自身の体験と言われておりまして、イギリス人である彼は、現地の治安維持に責任を負っていました。
もちろん、ゾウの鎮圧などは危険なので絶対にやりたくない仕事。それでも「マスター」であるイギリス人として、彼はやりたくない仕事を押し付けられてしまうわけです。
この時にオーウェル自身が感じたのが、
支配しているのに支配されている
という不思議なパラドックスです。
植民地という「システム」の中では、インド人を支配している側である彼の立場は高いわけですが、ゾウが暴れるような事態に直面すると、なまじ「マスター」として責任があるために、逆に現地民からもその責任を負うように期待されてしまうのです。
本来は支配している側であるはずのイギリス人が、逆に、支配されている側のはずのインド人から責任を負わされて、まるで支配されているかのようなプレッシャーに遭遇する
ここではいわば、「支配関係のパラドックス」が生じてしまっているわけです。

そして、今回の本題ですが、このオーウェルの作品のエピソード。まったく同じメカニズムが、沖縄の海兵隊(というか米軍全般)自身にも働いている、とは思いませんか?
沖縄にある海兵隊の普天間基地というのは、アメリカ海兵隊にとっては旧日本軍との熾烈な沖縄戦(その前の硫黄島での戦いなども含む)を経てようやく手に入れた、いわば「戦果」とでもいうべき貴重なもの。
ところが基本的に遠征軍であるという性格から、現在の沖縄駐留米海兵隊は輸送力が弱く戦力も低いという批判もあり、すでに一部の部隊のグアム移転が決定しています。その意味においては、純粋な軍事的合理性という観点からいえば、「アメリカ海兵隊はわざわざ沖縄に駐留している必要はない」という柳澤氏の理屈はわかります。
年々膨張を続ける中国人民解放軍が、ミサイルなどの装備を充実させている状況下で、アメリカとしても、沖縄に軍を駐留させることの「軍事的な合理性」が高いとはいえないことも確かです。
海兵隊自身にとっての沖縄は、居心地の良い「戦果」であっても、時代の変化に伴って、「対中国との最前線」というコンテクスト上においては、むしろ、脆弱性を晒している、単なる「お荷物」なのでは?と言える状況でもあるのです。
しかし、これはあくまでもアメリカの立場から考えた場合の話です。私たち日本人にとっては、沖縄駐留の海兵隊がそこに存在している意義、身も蓋もなく、それは「抑止力」に他なりません。
「占領されている」日本側にとって、中国との最前線である沖縄に駐留を続ける米軍は、「バッファー」のような形で、非常に重要な存在です。なぜなら、ひとたび沖縄が攻撃されれば、その被害は駐留米軍に及ぶ確率が高く、そうなると米軍自体は望む・望まずにかかわらず、ほぼ自動的にその争いに介入せざるをえなくなるからです。
これが、いわゆる「トリップワイヤー(tripwire)という考え方です。
日本にとっての対中国最前線に自分たちを支配しているはずの米軍をあえて足に引っかかるワイヤーのように配置する。これにより、仮に中国や北朝鮮のような仮想敵国が日本を攻撃してきた際には、図らずも米軍をも攻撃することになってしまう
このようなメカニズムをつくることによって、無理やり駐留米軍を「抑止力」つまり「人質」にしてしまおうというものです。
先程ご紹介した『ビルマの日々』におけるオーウェルの立場に米軍を追い込んでしまうというものであり、暴れるゾウは中国や北朝鮮、そしてインドの現地人が日本、という構図になります。
こうなると、米軍は日本を支配しているはずなのに、そこでパラドックスが働き、実は日本に支配されるという状況になってしまいます。
このような話は、表向きは大きな声で語られることは決してありません。しかし、日米双方の「演者(ゲームプレイヤー)」たちの中には、このようなパラドクシカルな状況に気付いてる人間はいるはずであり、それぞれが暗黙の了解の上で、各自の利益を最大化するべく、「カブキ」を演じているなどとも想えてきます。
新聞やテレビなどの一般的なメディアでは、特にこのような安全保障に関する話題は、誰にもでも分かりやすように、トピックをかなり単純化して報道しておりますが、多国間の問題というのは、数多の要素が錯綜している複雑怪奇なものです。
リアリストたることを標榜する私たちは、「米軍を人質とは、なんとエゲツナイ」などという真っ当な「正論」には「敢えて」耳を傾けず、そんなエゲツナイ国際政治の現実を、冷酷に見据える必要があるのです。

日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信
国際情勢の中で、日本のとるべき方向性を考えます。情報・戦略の観点から、また、リアリズムの視点から、日本の真の独立のためのヒントとなる情報を発信してゆきます。


※確かに少なくとも沖縄を二度と「戦火」に巻き込まないためには、占領したアメリカ軍を利用する、特に地上部隊である米海兵隊を駐留させておけば、アメリカと事を構えたくない共産中国は軍事侵攻はできなくなるし政治的干渉もやりにくくなりますね。米海兵隊は、日本の「抑止力」とはよくいったものです。
 米空軍や海軍にとっては、沖縄は太平洋戦略上の欠くべからざる重要拠点で、極東最大の米空軍基地である嘉手納基地やホワイトビーチが知られていますが、あまり「抑止力」的な発言は耳にしません。ともすればグアムへ戦闘部隊を移転させたい米海兵隊戦力を「人質」として担保したい政府の思惑があるのかもしれませんね。






「チームづくり」は、海兵隊に学べ! 元海

兵隊員が明かす「世界最強の軍隊」の秘密

ジョン・デイビス = 文 エフゲニー・パルフェノフ = イラストレーション 町田敦夫 = 翻訳 2015年6月号 P.52 53
2015.05.17, at 09:00 amhttp://forbesjapan.com/summary/2015-06/post_4189.html

紛争地域に派兵されるアメリカ軍の先鋒を務めるのが「海兵隊」だ。
迅速な任務遂行が求められる彼らは、“世界最強の軍隊”と形容されている。
果たして海兵隊の少数精鋭主義と役割は、ビジネスにも応用できるのか?
シリコンバレー企業で働いた経験を持つ元海兵隊員が、その可能性を探った。
  海兵隊はアメリカにある4つの軍のなかで、最も規模が小さく、予算が少ないものの、その技能や献身ぶりが最も高く評価されている。
  経営の学位を取得し、シリコンバレーのスタートアップ企業で仕事を始める以前、私は海兵隊員として2度イラクに派兵され、小隊のリーダーを務めた。この極端なキャリアを通じて、私は現代のハイテク企業が海兵隊式のチームづくりを巧みに取り入れていることに気づいた。
  伝統的な大企業の多くは、“偉大な指揮官”がトップダウンで率いるリーダーシップ・モデルを採用している。彼らはいまだに戦争とは、指揮官が何千もの兵士を率いて戦うものと勘違いしているのだ。
  しかし、海兵隊が武装勢力の潜む危険な街をパトロールするとき、“偉大な指揮官”などいない。リーダーはおそらく、入隊してから8年程度の若者だ。もっと若いかもしれない。事実、海兵隊では入隊後45年の軍曹がほとんどの決断を下している。現代のスピード重視の戦争では、小規模のチームが戦果を決めるのだ。
  これは、テクノロジーの進歩によるところが大きい。その結果、軍事能力は格段に向上し、兵士の数は減り続けている。リーダーシップの所在は、底辺の兵士たちに移されているのだ。これと同じことが、ほとんどすべての産業で言える。テクノロジーの発達により、専門性が高い少数精鋭の人材が求められるようになってきた。
  少人数からなる海兵隊型の組織構造をとることで、チームは強靱かつ柔軟になる。機動性の高い組織は、たとえ目まぐるしいスピードで変化する世の中にあっても、新たな環境に“適応”することが可能だ。そこで、ここからは海兵隊式をビジネスに応用して、「最強のチームづくり」について考えてみたい。
もし、スタートアップのCEOなら
  ミドルアップ型の組織理論―。これは、組織の中間管理職がトップの意向を全体に伝え、指揮するマネジメント理論である。海兵隊は、この理論に基づき変化に適応してきた。理論の中心をなすのは、戦闘の基本単位である「小隊」の構成だ。海兵隊の場合、30名の兵士からなる小隊は「小隊長」が率いる。
  仮に、あなたがスタートアップ企業(小隊)の経営者(小隊長)だとしよう。責めを引き受けたり、重荷を背負ってくれたりする上役は存在せず、責任はあなたの双肩にかかっている。あなたが小隊長だったら、どのようなチームをつくってこの戦いに備えるだろうか。まずは、こう自問してみてほしい。
「このチームで、私が助言や指導を最も頼りにしているのは誰か?」、そして「戦略を考える間、チームの監督役を信頼して任せられるのは誰か?」と。その人物こそが「小隊軍曹」だ。このポストに誰を就けるかを決めるのが、最初にして、最も重要な選択になる。この人物は小隊の日常業務の管理役を担わねばならず、同時にあなたの考えを実行し、心から信頼できるアドバイザーでなくてはいけない。
  その分野で豊富な経験を持つ誰かだと考えてくれてもいい。彼らは何年もその業界にいるが、会社を所有したり、経営したりすることには関心がない。エグゼクティブ・プロデューサーや最高執行責任者(COO)の経験者が適任だ。たとえば、アップルの元COOで、同社の共同創業者スティーブ・ジョブズからCEO職を譲り受けたティム・クックなどがそれに当てはまるだろう。ジョブズが心を許したデザイン担当上級副社長のジョナサン・アイブも同じだ。彼らは、あなたにとってきっと大切な財産になる。
  彼の重要な仕事は、製品の出荷などのオペレーション管理だ。責任ある立場で、従業員が生産的に働くための装備を手にしているか、会社の日々の業務がスムーズに行われているか、を確認する必要がある。彼がいるおかげで、あなたは会社の将来にかかわる決断に集中することができる。
次に、チームを現場レベルで率いたり、具体的な任務を遂行したりする役割は誰に任せたらいいのか。海兵隊では、「分隊長」が1013人の兵士からなる分隊を率いる。彼らは、自分の権限内の職務がすべて実行されるよう努め、組織の成否を左右する決断の大半を担う。これは、一般的な会社でいうところの製品開発マネジャーや事業部長に当たる。
  分隊長の条件とは、あなたの考えを正しく理解できること。そのとき肝心なのは、問題を解決する方法を彼らに一任してしまうことだ。ここは、彼らの経験と指導力を信頼しよう。彼らを細部まで管理したのでは会社全体の速度が鈍るし、彼らの指導力を弱めてしまう。
組織で最も大切なメンバーとは?
  分隊内の4人編成のチームを「ファイアチーム(射撃班)」と呼ぶ。通常は一定の経験を持つ比較的階級の低い兵士が「班長」を務める。班長はその業界に入って数年たつが、まだ若い。管理者の役割を担うには経験が不足している。それでも、班長が重要なのは、若手にとって班長の働きぶりや問題解決の仕方が手本となるからだ。
  これは、大半の産業で見過ごされていることだが、リーダー育成の観点からも極めて重要な点である。同じ効果を得たいのなら、下位の従業員に、事業部やプロジェクトチーム内の少人数のグループを率いる責任を与えればよい。それによって彼らの指導力が増し、分隊長の重圧が緩和される。新たに雇った従業員に対する模範にもなる。
  そして、最も重要なのは、海兵隊が「エスプリ・ドゥ・コール(団体精神)」という組織文化を通じて部下を率いている点だろう。「文化」は、海兵隊にとって“最も大切なメンバー”である。文化こそが、その構成メンバーに組織の使命と価値観を思いださせるのだ。
文化といえば、私は基礎訓練のときに行った「クルーシブル(試練)」と呼ばれる地獄の行軍を思い出す。これは、3日間にわたる53マイル(約85km)の障害物競争である。行程の途中、歴代の海兵隊員たちを祀まつる記念碑を通過するが、そこで新兵たちは、270年に及ぶ海兵隊の歴史に思いを馳せるのだ。そして、疲れや痛みを忘れ、自ら奮い立たせるのである。
  こうした文化を浸透させられるかどうかは、小隊長にかかっている。リーダーは会社の文化に従ってチームを率い、部下の模範にならなければならない。使命と価値観を絶えずチームに思い起こさせ、その組織がしようとしているビジネスを擁護しなければならない。
小隊長の役割が最も重要なのは、彼が組織を成功に導く実際的な仕事をするからではなく、チームを勝利に導く文化を築くからなのである。
ジョン・デイビス = 文 エフゲニー・パルフェノフ = イラストレーション 町田敦夫 = 翻訳

【アメリカ海兵隊をさらに深く勉強してみよう!

 安全保障や軍事について学ぼうとするとき、全体を俯瞰的にながめてみてももちろん勉強になりますが、ある特定の組織に焦点をあて、テーマを決めながら学ぶということも有効かと思います。
 そういう意味では、在日米軍であれば、日本人にとってなじみのある?軍隊ですし、その中でも海兵隊は、メディアでもとりあげられる機会も多く、軍事の考え方を深めるにはいい媒体になるはずです。
 それほど最初から多くの媒体にあたる必要はありません。陸海空、特殊部隊と比較的軍隊の要素が凝縮されていて、ドクトリンも明確になっている米海兵隊を深めることによって、軍事についてのリテラシーを高めて、選挙の機会などで政治を判断するときに役立てていきましょう。

『アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 』 野中 郁次郎 (著) (中公新書)1995/11/25
※主に米海兵隊のなりたち、組織が発展していく歴史を学ぶのに本当にいい本です。経済的に厳しい方は、これがあれば網羅的に海兵隊とはどういう組織かわかって便利です。

『アメリカ海兵隊のドクトリン』 北村 淳 (著), 北村 愛子 (著) 2009/2
※アメリカ海兵隊のテキストである『WARFIGHTING』を邦訳した初めての本ではないでしょうか?
米海兵隊はどういう理念で戦うのか?何をその戦略の基礎にしてドクトリンを構築しているのか?が学べます。さらに深く掘り下げるのに良書ですが、お値段が安くはないのでこちらの面で工夫が必要です。

『海兵隊とオスプレイ』 2012/10/11 北村 淳 (著) 
※アメリカ海軍、海兵隊にとってなぜオスプレイが必要なのか?アメリカ軍がどうオスプレイの配備を進めてきたのか?オスプレイの安全性について語ります。特筆すべきは、米海軍システムコマンド編として、米海軍のオスプレイの運用についてのマニュアルを邦訳して掲載している点ですね。

在日米海兵隊ホームページ
※これは在日米海兵隊を知るための基本でしょうね。

アメリカ海軍とアメリカ海兵隊の違いとは?

アメリカ海兵隊から学ぶ(1)


アメリカ海兵隊は世界中どこでも6時間で駆けつけます US Marines to Deploy, Anywhere in the World in 6 Hours!! 2016/10/15 に公開 https://youtu.be/WuB4SHACIk0 アメリカ海兵隊の海兵遠征部隊(MEU)は、戦闘に最初に投入される部隊として、世界中どこでも、わずか6時間で展開することができる。

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