2015年5月15日金曜日

アメリカ海兵隊&海軍がめざす「立体的上陸進攻作戦」について

アメリカ海兵隊・尖閣諸島上陸作戦

「殴りこみ部隊」の異名をとるようにアメリカ海兵隊の任務は、陸軍部隊の上陸に先だって敵地の攻略目標を攻撃したり、上陸地点を面的に制圧して橋頭堡を確保することにある。伝統的な米海兵隊の上陸作戦が近年どう「進化」しているのかまとめてみました。


(進化するアメリカ海兵隊&海軍による揚陸作戦)




 2015年頃の実現を想定している。空中強襲能力を向上させて「立体的な上陸進攻作戦」をめざす。
洋上に設定された揚陸艦隊から、LCAC(エアクッション揚陸艦)やLCU(大型上陸用舟艇)などの水上輸送隊とヘリなどで構成される垂直輸送支援隊が、水上と空中から上陸進攻作戦を展開する。
 MV-22オスプレイの導入配備によって、空中からの垂直強襲が海岸より最大85海里(157.42km)の内陸部の攻撃目標に対して実施できるようになる。(1海里=1852m1.852km

アメリカ海兵隊の水陸両用強襲車両ACV計画の代案分析作業を開始
海外軍事 http://news.militaryblog.jp/e299276.html

DoD (Department of Defense:米国防総省) では、中止が決定された 米海兵隊 EFV (Expeditionary Fighting Vehicle) に代わって RfI (Request for Inquiry) が発出された ACV (Amphibious Combat Vehicle) について、代案分析作業 (AoA:Analysis of Alternatives) を開始した。EFV は米海兵隊の AAV7 水陸両用強襲車輌 の後継として進められていたが、20111月に Robert M. Gates 国防長官 (当時) の下で国防予算上の制約によって、開発の中止が宣言されている。

(開発の)中止が決まったこの EFV (Expeditionary Fighting Vehicle) の代わりで開発が進められる ACV では、海兵隊員 17 名を載せて 12nm (22km) 沖合から 8kt (14.8km/h) の速度で航走できる性能を目指すとしている。PM AAA (Program Manager Advanced Amphibious Assault) によれば ACV では 乗員の生存性を高め、また中規模の部隊で活躍できる MPC (Marine Personnel Carrier) としても画期的に発展を遂げた車輌として再構築をする、としている。なお、ACV について 海兵隊 では 573両 の調達を希望している。

今後のアメリカ海兵隊の強襲揚陸作戦

強襲揚陸任務を主眼においたとき、海兵隊では STOM (Ship-To-Objective Maneuver:揚陸艦艇から目標地点への機動作戦) において、

①上陸地点から 最大で 50nm (93km) 離れた洋上の 揚陸艦 から MV-22 Osprey が発進。
②また 40nm (74km) では LCAC が、発進する。
③そして 25nm (46km) EFV が、それぞれ発進するといった作戦が策定されてきた。

このような沖合いの安全が確保された揚陸艦を発信基地とした 水平線を越えての強襲作戦では、いずれの兵器においても高速かつ長距離航続の性能が求められた。とりわけ強襲揚陸車輌の最も特徴的な水上航行については、Marine Corps Systems Command によれば、AAV7 では その最高速度が 第二次大戦中の 水陸両用トラクターが 68 knot (1114.8km/h) となり、ほぼ同程度。陸地で待ち構える敵戦闘車両などの火器陣地によって格好の標的とされたことからも、その改善が強く求められていた。
これらの要求に応えるべく開発された EFV では AAV7 と比較して、水上で AAV7 (13km/h) 3倍超 となる 時速 46km の航行速度を実現。また陸上でも AAV7 と同様に 70km/h 超の高い機動性を発揮。陸上での機動性能は M2/M3 Bradley (ブラッドレー歩兵戦闘車) の走行速度が 60km/h M1 Abrams戦車 の最高速度が 67km/h であることからも、揚陸後の展開にも期待された。



(空母打撃群)

空母よりF/A-18戦闘機を発進させ航空作戦を行う。
イージス艦艇よりトマホーク巡航ミサイルなどを発射、敵地地上施設を破壊する。

遠征打撃群・水上輸送隊(作戦目的:海岸制圧)

①海上待機区域
 上陸海岸に近い輸送区域で作戦を終了した艦艇や準備段階の艦艇が待機する区域。
MPF輸送艦、JHSV(統合高速輸送艦)が停泊し、ここもCLALCAC発進区域)にあたる。

VTOL機・ヘリ輸送区域
 輸送区域の一番後方に設置される。MV-22オスプレイ、CH-53K大型ヘリ、AV-8BF-35Bなどヘリや航空機が強襲揚陸艦より離発着を行うステーション区域。

③内側輸送区域/外側輸送区域
上陸する海岸より2540海里離れた海上に設定される。ドック型揚陸艦が停泊し、この場所はCLALCAC発進区域)にあたる。揚陸艦のウェルデッキより発進したLCACM1A1戦車を3両積んだLCU(大型上陸用舟艇)は、LOD(攻撃開始線)へ移動し、海岸線のCLZLCAC上陸地帯)に上陸する。

④火力支援区域
DDG-1000ズムウォルト級駆逐艦の火力支援の下、LOD(攻撃開始線)からEFV(水陸戦闘車両)が海岸線に上陸。強襲上陸後は海岸一帯を制圧。

遠征打撃群・垂直輸送支援隊(作戦目的:海岸より内陸部の拠点を制圧)

VTOL機・ヘリ輸送区域
強襲揚陸艦よりMV-22オスプレイ、CH-53K大型ヘリが発進し、空中強襲作戦により装備、海兵隊員を内陸部の拠点に投射、攻略し制圧する。或いは海岸のVLGV-22垂直離着陸地帯)に海兵隊員や装備を投射、制圧する。
 AH-1G攻撃ヘリが垂直輸送支援隊の援護及び火力支援を行う。
 AV-8BF-35B)も強襲揚陸艦より発進し、海岸に上陸した海兵隊部隊や内陸部の拠点を攻撃、空中火力支援を行う。

(アメリカ本国か友好国の基地)
C-17輸送機によりMEB(海兵遠征旅団)本隊を空輸展開させる。
メリカ海兵隊「戦士の歌」

U.S. Marines Boot Camp - Parris Island Recruit Training
2015/10/16 に公開

United States Marine Corps Boot Camp, otherwise known as "Recruit Training" is a program of initial training that each recruit must successfully complete to join the United States Marine Corps. 
アメリカ海兵隊の主な任務は、陸軍部隊が最前線に投射されるにあたり、その先駆けとして未だ敵勢力が存在する最前線に上陸、展開して橋頭堡を確保することにあります。前線の状況に応じて様々な戦闘をこなさなければなりませんから、訓練についても多岐に渡り、厳しい内容になります。
これは災害支援や人道支援などの戦闘を伴わない作戦においても同じなのです。

United States Marine Corps - DON'T JOIN Before Watching This!
「伝統」と「歴史」、そしてアメリカという国を支えているという「名誉」

【アメリカのアジア太平洋リバランス戦略とは何か?】

共産中国が北東アジアなどで米国の優位に挑戦するような戦略的な存在(A2/AD戦略)となってきたことにより、米国はアジアを戦略的に重視する姿勢を強めている。

20121月にアメリカ・オバマ政権において「国防戦略指針」が発表される。

①共産中国とイランが米国の戦力投射能力を相殺する手段を追求していると指摘する。
②米軍が共産中国のA2AD戦略の環境下においても効果的に作戦を遂行できる能力を確立する方針を明確にする。
③共産中国に対して紛争をさけるために戦略的な意図を明確にすることを要求。
④アジア地域におけるアクセスと自由な行動を維持する米国の決意を表明する。
⑤米国はグローバルな関与を維持しながら、アジア太平洋へリバランス(再重視)する方針を示した。

≪アメリカのアジア太平洋リバランス戦略の具体的な行動≫

   前提条件として、アメリカは危機的な財政状況の中で、国防予算の削減が避けられないが、アジア太平洋地域の軍事プレゼンスは強化する姿勢を示す。

<米軍の戦力拡大と最新の装備の配備>
①大西洋と太平洋の米海軍の艦艇数の割合の変更を行う。(50:50から40:60へ)
②沿海域戦闘艦(LCS)をシンガポールに配備する。
航行速度が速く多様なミッションに対応できるため、南シナ海における軍事的プレゼンスの強化となる。
③攻撃型原潜をロサンゼルス級(旧型)からバージニア級(新型)へ転換していく。
④第五世代ステルス戦闘機F35を岩国基地へ配備する。

<地域での同盟諸国やパートナー諸国との協力・連携を強化する>
①共同軍事演習、災害共同演習の実施 ~ 同盟国(日本、韓国、豪州、フィリピン)、パートナー諸国(シンガポール、インドネシア、ベトナムなど)
②米海兵隊のローテーション配備 ~ 沖縄、ハワイ、グアム、豪州ダーウィン
③艦船の訪問、軍事相互交流 ~ ベトナム

≪エアシーバトル戦略構想の研究≫

アジア太平洋地域における軍事プレゼンス強化を図るとともに、共産中国のA2AD戦略を打破するための戦略構想の検討が進められている。

①高度なネットワークシステムに依拠する。
②空軍力と海軍力を統合的に運用する。
A2AD能力の基盤になる情報収集や指揮・統制を行う施設などを破壊する。


【アメリカ海兵隊の技術革新】
技術革新に邁進の海兵隊、コスプレに夢中
の自衛隊

米海兵隊が危機感をもって臨む技術革新プロジェクトとは
一般社団法人ガバナンスアーキテクト機構研究員成蹊大学法学部政治学科卒業、拓殖大学大学院安全保障専攻修士課程(卒業)、拓殖大学大学院安全保障専攻博士課程(単位取得退学)。財団法人世界政経調査会 国際情勢研究所研究員等を経て現職。専門は米国政軍関係、同国防政策、日米関係、安全保障全般。
米国カリフォルニア州キャンプ・ペンドルトンで行われている米海兵隊の技術演習「S2ME2 ANTX」の様子。(出所:米海軍、U.S. Navy photo by Dawn M. Stankus/Released
 陸上自衛隊の迷走が続いている。彼らの口癖は「予算がない、人員がない」である。その中で今年は「陸上自衛隊創隊以来の大改革」の実質的初年度であると言いながら、真っ先に手を付けたのは特別儀仗隊の制服を52年ぶりに一新することだった。予算は隊員280人分で計約14000万円というのだから、恐れ入る。2018年末には陸自のグリーンの制服を紫に変更するという話まで出ている。こちらの予算総額はいくらなのだろうか。
 別にコスプレ遊びをしているわけではないだろうが、陸自の決して本質的とは言えない「創設以来の大改革」をよそに、米国では米4軍で最も守旧的とされる海兵隊が革新的な技術を実戦投入すべく、果敢な模索を続けている。今回は米海兵隊の研究プロジェクトを紹介しよう。
米海兵隊が50の新技術を実験
 米海兵隊は、20174月より「揚陸機動調査・実験 先進海洋技術試験2017」(S2ME2 ANTXthe Ship To Shore Maneuver Exploration and Experimentation Advanced Naval Technology Exercise 2017)と呼ばれる演習を9カ月の予定で開始した。
 この演習を米国の軍事専門誌「ブレーキングディフェンス」(2017323日、27日号)が報じている。それらを引用しつつ、本演習の意義を紹介しよう。
1に注目すべきなのは、この演習に対する国防総省と海兵隊の並々ならぬ熱意、そして技術開発の速度を加速させようという強力な意志である。
 通常、この種の技術演習は準備に1824カ月の期間を要する。だが、本演習の準備が始まったのは昨年夏だった。そして技術提案の募集を開始したのが10月だった。このように、本演習はこれまでにないスピードで実施にこぎつけた。本演習にかける海兵隊の強い意欲の表れと言えるだろう。
2に注目すべきなのは、「トライ&エラー」、つまり失敗することを前提としている点である。
 本演習で海兵隊は海軍および海兵隊内部等から100以上もの技術提案を採用した。50を今回の演習で実証実験し、残りの50は高官への展示のみを行うという。演習を取り仕切る担当者は「実験を行う50の技術は、おそらく早期に、かつ頻繁に失敗するだろう。だが、失敗はイノベーションの母である。もしも失敗しなければ、それは我々がきちんと仕事をしなかったということだ。この演習は、海兵隊が大規模な調達計画を決定する前の『失敗する時間』なのだ」と述べている。
 第3に注目すべきなのは、現在の戦略環境下で、いかに水陸両用作戦を成功させるかを課題にしている点だ。
 現在、中国、ロシア、イランがミサイル戦力を中核とするA2/AD戦力を獲得している。その状況下で、脆弱極まりない海兵隊の戦力をいかに展開させるか、という課題である。
 海兵隊の水陸両用作戦能力の脆弱さは、海兵隊が主力装備としているAAV7水陸両用車を見れば一目瞭然である。AAV7水陸両用車は、小銃弾しか跳ね返せず、対戦車ロケットでたやすく撃破される。しかも、水上では穏やかな時ですら時速13キロメートルときわめて鈍足で、波が高くなればより遅くなる。要するに「動く棺桶」でしかないのだ(このAAV7を、陸自は16億円以上で調達しようとしている)。
 他方、中国などは、今や目標を発見するためのセンサーとネットワークを保持し数百マイルの射程を持つ精密誘導巡航ミサイル、航空攻撃、潜水艦、無人機などを膨大に装備し、それらを一元的に運用するA2/AD戦力を備えている。これらに「動く棺桶」をそのまま突っ込ませれば、どうなるかは火を見るよりも明らかである。
 本演習の担当者もその状況を十分に承知しており、「かつては米国だけが精密誘導兵器を持ち、無人機を持っていた。制空権も制海権も当然だった。しかし今となっては、強襲揚陸能力を技術革新によって維持しなければならない」と述べている。要するに、中国やテロ組織の技術革新には米国の技術革新で立ち向かうというわけだ。
海兵隊の驚くべき兵器群
さて、海兵隊はこうした問題意識のもとに、具体的にどのような兵器群を研究しているのだろうか。ここでは3つの兵器を紹介しよう。
 第1に挙げられるのが、「携帯3Dプリンタ工場(EXMAN)」である。本コラムでも繰り返し述べたように、米軍はこれまでのサプライチェーンを「サプライスポット」化しようと目論んでいる。EXMANには、標準的な輸送用容器に3Dプリンタ、3軸ミル/旋盤、3Dスキャナ、専用ソフトウエア付きワークステーション(高性能コンピュータ)などがセットで装備されている。海兵隊はこの工場を利用して最前線でも部品を作れるようにするという。
 第2に、価格がわずか600ドル(日本円にして約6.6万円、従来のパラシュート付貨物箱の1/3のコスト)という「格安ステルス輸送機(RAIN)」である。これはLogistics Gliders社が開発した「LG-1000」という機体で、オスプレイなどの輸送機から投下すると翼を生やして120キロメートル(東京~軽井沢の距離に匹敵)先まで飛んでいくことができるグライダー無人輸送機である。
LG-10001トンの荷物を積載でき、パラシュート投下と違って建物の間に着陸することもできる。また、金属を使用していないステルス機なので発見されにくい。中国やロシアなどが地対空ミサイル網で輸送機を撃墜しようとしても、米軍輸送機は射程外から大量の貨物箱をばら撒き、その貨物箱がグライダーに変形して発見されずに自動飛行するというわけである。
 第3は、ロボット兵器群である。手のひらサイズの偵察機から水陸両用車(攻撃を引き付けるおとりタイプも存在)までを無人化する実験を進めている。果ては超巨大なLCAC輸送ホバークラフトを無人化し、ロケット弾を大量に積み込んで対地攻撃をさせることも計画しているという。
技術開発への姿勢が大きく異なる海兵隊と自衛隊
海兵隊は「米軍の中で、最も技術革新に後ろ向きの組織」だとして、米国内でしばしば批判的に語られることが多い。海兵隊員自身すら「自分たちは技術に対して保守的である」と認めることもままある。
 しかし、その海兵隊すら、中国やロシア等のA2/AD戦力の急速な拡充を認め、トライ&エラーを繰り返して新技術を実戦投入可能にしようと必死に努力している。技術開発上の失敗をなかったことにして、同じ失敗を繰り返す我が国とは大違いである。
 ジーン・スタックリー海軍長官代行は海兵隊の上記の演習を高く評価し、「この演習は、戦士たちが水陸両用強襲作戦に必要な新技術と革新的な技術を評価するためのまたとない機会を提供する」「我々は技術革新の速度をさらに高め、迅速にプロトタイプを作成し、急速に完成をさせていく」との声明を出している。
 他方、我が国の自衛隊はこうした取り組みをまったく行っていない。脆弱極まりないAAV7やオスプレイ、輸送艦などの水陸両用戦力を、どのように中国のA2/AD戦力から保護するかという取り組みも、まったく見えてこない。隊内での議論も乏しい。あまつさえ、何の意味があるのか分からない“新しい制服作り”に国民の血税を投入していそしんでいる。

 日清戦争直前、新興国の大日本帝国は急速な軍拡を実現し、老いたる大国の清朝は軍事費を頤和園建設に投入し、戦力が逆転したことで、日清戦争は日本の大勝利に終わった。これ以上は何も言うまい。

《維新嵐》要は、仮想敵国がビビるくらいの装備とドクトリンの開発を怠らないようにせよ!ということでしょう。政治、外交、経済戦略が「有利に」働くような軍事装備、戦略を!

アメリカ海兵隊 アフガニスタンでの車両群
F-35Bの垂直離陸 岩国基地


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