2015年5月6日水曜日

陸上自衛隊の戦闘訓練について

【創設時からの陸上自衛隊出動の前提条件】

 我が国本土への侵攻攻撃、敵国軍の着上陸を許す結果となった時に防衛出動する。
我が国防衛の「最後の砦」=ファイナルゴールキーパーとなる。
着上陸してきた侵攻軍を本土において迎撃する。各師団、旅団の配置は第二次大戦時の「決号作戦」の体制をベースとしている。(本土決戦体制が基盤にある。)
我が国の本土での決戦を最初から前提とする「大陸型」の陸軍組織である。

【訓練課程】

教育訓練 ─(基本訓練、練成訓練)
練成訓練 ─(各個訓練、部隊訓練)
各個訓練 ─(基礎的体力練成、基本動作、武器訓練、各個訓練基準、技能検定)
部隊訓練 ─(班、小隊、中隊、大隊、連隊訓練 ※師団、旅団、戦闘団による総合的訓練、陸海空統合訓練、日米共同訓練、整備・射撃・連携・操縦訓練)



【訓練の進め方】

    計画
4月 基礎体力の練成。
5月~6月 各個訓練。 班、組訓練。小部隊の基礎動作の演練。
7月以降 小隊訓練に移行。
     戦闘戦技能力の向上をはかるのがねらい。
9月 検閲~部隊の練度を評価する。部隊訓練の成果を発揮する。

②準備~事前準備
1、必要な携行品を背嚢につめる。(行進訓練に必要な物品、約30㎏)
2、物品はすべて防水処置をする。(すべてビニル袋に入れる。)
3、決められた規則に従いパッキングする。(暗い所でも必要なものを取り出せるようにしておく。)

③隊容検査
1、各人の職責、個人装備、火器、携行物品の準備状況の確認。
2、すぐに任務につく状態にあるかどうか。
3、気勢は充実しているかどうか。
4、防護マスク装着の訓練。

④行進訓練 ~ 陸自教則においては、「徒歩行進は行軍速度が遅く隊員を疲労させるので、長距離の移動には適さないため近距離の移動で使用するのが基本」とされる。

112日、約50㎞の行進訓練。約14時間、45㎞を一行程とする。
21個小隊約30人(5個小隊約150人で前進)。隊列は400m近くになる。
3、およそ1時間おきに小休止。(510分程度)足のケアを行う。
  全行程で2回大休止。(3040分)戦闘糧食を食べる。

 ※「敵の裏をかく。」ためには、悪天候や夜間などに道なき道を行くことも必要になる。徒歩行進能力の優劣が直接戦闘の成否に影響する場合が多いため、とにかく自衛官はいかなる地形、気象、距離であっても歩き通すことが求められる。

 第一ステージ ~ 駐屯地よりスタート地点まで車両で移動する。(車両行進)夕刻に行進開始、一晩かけて集結地へ前進。
 第二ステージ ~ 攻撃準備を整える。翌朝に攻撃準備戦闘に移行。

4、先頭の隊員は前方警戒を行い、歩測を行う。(1分間あたりの歩数により速度調整)
5、集結地でビバーク。(個人用簡易天幕)小隊ごとにわかれる。
6AM5:007:00 仮眠時間。要所を不審番が警戒にあたる。
7AM8:00すぎ 攻撃のための次の行動に移る。

⑤戦闘行動訓練~半日間
1、起床後、戦闘用準備に変える。
2、背嚢をおき、ボディアーマーを装着。
3、目標地域への前進攻撃要領について命令を受領する。(中隊長 → 小隊長)
4、小隊ごとに演習場まで戦闘装備で進出。
5、偵察の斥候が目標地点まで前進。(待ち伏せあり。敵役隊員が不意打ちを行う。)
6、戦闘訓練
 陸上自衛隊、米軍共通、世界共通の着剣突撃訓練。
 実戦で白兵突撃ができるかどうかは、軍の精強度を計る基準である。

a.班長の号令により横隊に展開する。
b.その場に伏せ。銃口が地面につかないように伏せる。
c.班長の号令により一斉射撃。(敵も反撃する。)
d.班長の号令により機関銃の間隙をぬって、次の堆土へダッシュ。
 射撃と移動を繰り返しながら敵陣へ迫る。
 (敵陣へ近付く間、味方の砲弾が敵陣へ打ち込まれているという想定)
e.匍匐動作で敵陣へ緊迫していく。(第一~第五匍匐まである。)
f.突撃発起位置に到着。班長より突撃準備命令がでる。
g.古い弾倉を抜く。槓かんを引いて薬室に弾が残っていないことを確認する。
 銃剣をとりつける。新しい弾倉をとりつける。
 (砲弾の落下想定)
h.班長の突撃、進めの号令。
i.一斉に立ち上がり、射撃を開始。
 (数歩前進しては、一連射の繰り返し。)
j.班長の「突っ込め!」の号令。右手を銃床の根元に持ち帰る。
 (「ヤーッ」という喚声とともに敵陣へ突進する。)
k.丘を駆け上り、中腹にある人間の胸から上の形をしたキャンパス製の幕的に気合いを入れて突き刺す。(実際は何もない空間を突き刺して前進する。)
l.丘の頂上までかけあがる。「状況おわり。」の班長の号令がかかる。
m.銃剣、残弾の安全を確認した後、終了となる。
2日めのPM6:00に訓練終了となる。


【関連リンク】平成の「くのいち部隊」~日米女性兵士たちの実情~


<参考文献>
『陸上自衛隊の素顔』監修小川和久 小学館 2009.10
『そこが変だよ自衛隊』大宮ひろ志著 光人社 2001.9


『人生で大切なことはすべて自衛隊が教えてくれた』坂聖夫著 関はじめ監修 イーストプレス 2004.6
自衛隊はどれほど強いのか-IRONNA編集部


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