2015年4月28日火曜日

国境周辺の防衛について考える

防空識別圏(ADIZ)のもつ意味

<前提>
  防空識別権(ADIZ)とは、防空上の領空侵犯予防空域である。つまり日本国の領空に近づく航空機が敵か見方かを識別するために設定された空域である。防空識別権に何の通告、連絡もなく侵入してきた国籍不明機に対してスクランブルがかけられることとなる。

<問題点>
① 国後島の北西上空をADIZが通り、北方四島が識別権から外れる。竹島もADIZの外にある。また与那国島の真上を南北にADIZが通る。

② 北方四島と竹島上空を領空侵犯されてもスクランブルがかけられないため、実質的に領土主権の放棄に等しい。《しかし全国に配置されたSS(レーダーサイト)の防空監視網の範囲の内側には入っている。また早期警戒管制機の防空探知範囲により与那国島、竹島はカバーされている。ただ北方四島は探知外になる。

③ 東経123°がADIZの西の境界。通常ADIZの外側に設定されるべき飛行情報区(FIR)がこの空域については、東経123°線より東側にある。(東経124°線が台北FIRと那覇FIRの境界。)そのため台北より離陸した民間旅客機が那覇にむかう場合、FIR境界である124°線をこえる前にADIZをまたぐことになる。この時台北から那覇への飛行プランの通報が遅れるようだと国籍不明機とみなされ自衛隊機によりスクランブルがかけられる。

<結論>
防空識別権(ADIZ)の設定の仕方を改善していく。
 1972年の沖縄返還時にアメリカが設定した防空識別権を引き継いだことにより、与那国島の西側半分を圏外にしてしまった。また日本海中央に設定したため、日本海西側がADIZ圏外となり竹島の主権を放棄する形となっている。

早期警戒管制機の性能向上。
 北海道に配備されている早期警戒管制機E-2Cは70年代のミグ25亡命事件を機に導入された機体であることから、監視範囲に限界があり択捉島、歯舞群島までをカバーできない。最新のE-767であれば、四島すべてを監視範囲に含めることができる。

東経123°線というADIZの西の境界線を見直す。
与那国島全域が我が国のADIZ圏内に含められるよう調整すべきである。そのために台湾政府との関係を良好に保ち折衝していく。台湾が中共に併呑されるような事態を許してはいけない。(平成22年にこの東経123°線が正式に見直され与那国島の全空域が我が国のADIZ圏内に含まれるに至った。)

  陸上自衛隊が与那国島に配備されることは、南西諸島の防衛強化の上で重要なことである。周辺国を刺激するとの声もあるが、国境周辺の防衛を固めることは、国家として当然おさえておくべきことであるから、周辺国の非難があっても我が国の事情を説明し、粘り強く理解を得るようつとめるべきである。そのための外交努力を外務省には期待したい。(平成21年麻生太郎内閣の時に陸上自衛隊の駐屯が決定するも、平成218月に鳩山民主党政権に政権交代すると共産中国を刺激するということで駐屯計画が白紙に戻される。)
 そして今回のプランを南西諸島に限らず、最近韓国がいわれのない主権を主張する対馬や不法占領されている竹島や北方四島にも応用すべきであろう。   
 我が国領空、領海、領土は万全の監視体制があり、侵入すれば大きな火傷をおうのだ、という姿勢が国家の強力な抑止力につながると考える。
 できれば宮古島か石垣島に航空自衛隊の基地を整備してF-15Jの配備を進めておくとより効果的であろう。与那国島周辺でADIZ、FIRに問題を抱えている以上、南西諸島の防衛について軽く見過ごすことは致命的である。常に有事を想定し、台湾、中共に対して一撃を加えられる準備を怠ってはならない。

<参考文献>
『こんなに強い自衛隊その秘密99』井上和彦監修 2008

『MORIBITO』Vol.2 アスキーメディアワークス 2009

http://teikoku-denmo.jp/history/kaisetsu/other/adiz.htmlより

 英語表記の Air Defence Identification Zone の頭文字を採って ADIZ と略称される。「防空識別圏」とは、国家の防空上の必要性から設定される空域の事で、一般に領空を含み、その外側に設置されている。航空機が外国領空を飛行する場合には、必ず、当該国の許可を得なければならない。日本の防空識別圏内を飛行する航空機は、事前に航空交通管制機関たる国土交通省に飛行計画等を提出し、国土交通省はこれを防空組織たる航空自衛隊に通報する。防空識別圏内を飛行する全ての航空機に対し、航空自衛隊は飛行計画等に基づいて識別・確認し、所要の飛行指示を行っており、万が一、識別出来ない航空機は国籍不明機(Unknown)とし、平時は強制着陸若(も)しくは領空から退去させる等の対領空侵犯措置により処理、有事(戦時)には敵性機及び指示に従わない国籍不明機として要撃する事となっている。
 尚、「領空」とは、国家の領土・領海の上空空域を言い、領空の高度限界については、大気圏内(便宜的に高度80kmから120km辺りとされている)と言うのが一応の通説となっている。

海国防衛ジャーナル
(http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50716060.html)

 中国が防空識別圏(Air Defense Identification ZoneADIZ)を設定し、日本のADIZと重なることが報じられています。
 ADIZは各国の都合で設けるものですから、この中に勝手に入っても入られても国際法上、不法行為ではありません。また、排他的経済水域(EEZ)などとも異なり、各国の了承を得るような性質のものでもないのですが、ADIZの果たす役割は重要です。この空域があることで、飛行計画を提出している航空機は撃墜の心配がありませんし、入られる方も事前に飛行計画が提出されている航空機ならわざわざスクランブルをする必要が無いわけです。仮に誤って飛行計画とは異なる航路に入ったとしても、ADIZ内で引き返せば撃墜されることはありません。スクランブルは不測の事態を招く危険性もはらんでいることから、国籍不明機が領空侵犯をする(してしまう)前に、ADIZという一種の緩衝地帯を設けているというわけなのです。
 ただ、中国が設けたADIZには、尖閣諸島が含まれています。尖閣諸島上空は日本の領空なので、ここに中国が侵入するとなると、撃墜することはあり得ます。
 中国はこのADIZ内でスクランブルをするのだとしたら、早期警戒機の拡充が必須ですね。KJ-2000KJ-200ZDK-03KJ-500と、怠りはないようですが。





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